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五章「未来の天坂朱里」
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「はぁ、なんでだよ」
俺はため息と共に、言葉を吐き出す。
また、未来に来ていた。
またこの日も「夢」なのだろうか?
以前仕事に行った日もそうだったが、妙に感覚がリアルだ。
寝ぼけているこの「眠い」感覚も。
体を起き上がらせて、目を擦ってもう一度目を開ける。
自分の部屋ではなく、あの日のできごとまんまの部屋がそこにはあった。
着慣れないスーツのまま寝てしまっていたようで、スーツはしわだらけになっていた。
そういや司とあったあの日の夜も、眠くてスーツで寝てしまった事を覚えている。
俺はほおり投げだされているスマートフォンを拾い時間を確かめてみる。
2022年7月20日。
♦️
スマホにはそう表示されていた。
司と会った次の日ということになる。
夢の続きを観たいとは思ったが、こんな形で叶えるつもりはなかった。
もう、あの日の朝のように混乱もしておらず、ただ、眠気と1つの疑問だけが俺の頭の中に残った。
仕事は……。
夢の続きなら、俺は編集部で仕事していた筈だ。
あれ?でもちょっと待てよ…?
何かが引っかかる。
「休みじゃん。」
あの日、三上さんは次は明後日に仕事だと言っていた。
俺はその次の日に夜廻り行った。
未来の時間だと、今日は休みで、明日仕事ということになる。
「休みかー、逆に暇だな」
未来でやりたい事とか、特にない。
いや、一個あった。
とりあえず、私服を探すか。
『間も無く、頂上です。』
俺が見渡せる限り一番高い建物に行って、どんな景色なのか見てみたい。そう思った。
昔から俺は、やりたいと思った事への行動力だけはあった。
硝子張りのエレベーターの中で俺は、外の景色だけを観ていた。
高い建物だと思っていた建物が、どんどんと遠くに、小さく見えていく。
チーン。という音と共に、エレベーターのドアが空いた。
頂上の展望台の設計は台形になっているのだろう。
俺はまず最初に景色に感動した。
目の前の三面のガラスがあり、その外にはどこまでも、どこまでも続いているような街の景色があった。
展望台公園から見下ろした九珠山の自然な美しい景色とは逆に、人が造りあげた建物達も神秘的なもののように感じた。
エレベーターの中で観た景色も綺麗だったが、比べ物にならないくらいこの場所から見える建物は綺麗だった。
俺の他に、5、6人客がいたが、その人達が歩き、
後ろ姿を見た瞬間に俺もここにいるんだと「はっ」と気がつく。
観入るくらいその景色は綺麗だった。
そこから俺は、色々な景色を観た。
この建物の歴史等も看板の説明で知ったり、ここが中央都市「札幌」という事も分かった。
ここが「札幌か」とばかりに俺は街の景色を見下ろす。
40分くらい経っただろうか。俺はずっと、この街の景色を観ていた。
それくらいこの街並みは綺麗なのだ。
そういえば、飯はどうしようか?
少し、腹が減った。朝は何も食べていない。
司とあったあの日は司が奢ってくれた。
スーツのポケットに入っていた財布からは余分に金が残っていたから、今日はこの金できた。
だが、いずれ使ってしまうだろう。
銀行のカードは入っていたが、当然暗証番号なんかは分からない。
まあ、後で試してみるか。
そんな事を思い、今の時間を確認する為に右ポケットに入れたスマホを出して時間を確認する。
12時52分。
そう表示されていた。
とりあえずなんか食べに行くか。
俺が振り返ろうとした次の瞬間だった。
「そーら!」
俺はこの声の持ち主を知っている。
明るく元気な声。
振り返らずとも、この世界が10年後だとしても。
天坂朱里だ。
俺は答え合わせのように、後ろに振り向いた。
「えへへ」
彼女は、変わっていなかった。
1目で彼女と分かった。
子供がそのまんま大人になった、なんて言葉はこいつの為にあるのだろう。女子大生が着そうなカジュアルな服を着ていて、大人っぽいとも思ったが、童顔なのは変わっていなかった。
ショートヘアなのも髪の色も変わっていなかった。
「暇ならちょっと付き合ってよ」
彼女は髪を耳にかけて下から俺を見上げるように顔を近ずけた。
俺は見惚れたという感覚を、人生で生まれて初めて知った。
それから俺は朱里と色々な所に行った。
いや、振り回されたと言った方が、正しいのだろう。
洋服だなんだと、大型のショッピングモールで荷物持ちで任されたり、試着室で何着も「これどう?」
みたいな事を何度も聞かれて、ようやく昼飯を食べれるかとおもったら、「行きたいところがある」と言われて歩かされたり。
とにかく散々な目にあった。
いつまでもこいつは破天荒なんだなと、ずっと変わっていなかったんだなと思った。
俺は、いつもの調子でこの未来の天坂と話した。
少し遅めの昼はラーメンチェーン店の羅妃焚という店に行き、その後は狸小路という商店街をに行き、
元気に指を指して「次あれ行こー」と、走り回る朱里は子どもっぽく見えたが、同時にここは未来だということを思い出した。
俺は荷物持ちでどんどん増えていく荷物に飽きてきた。
何でこんな目に…なんてことは考えたが、未来のこいつと会うなんてことはこの先またタイムリープするか分からないから最後になるかもしれない。
そう思うとこの不思議な体験を焼き付けていこう、そう思った。
帰り道。駅の踏切の姿が見えた。
駅の踏切のは既に空をそのまま写したようにオレンジ色に染まっていた。
俺は歩いて帰れるが天坂はどうやら電車で帰るらしいので、俺は駅まで送ることにした。
踏切が、カンカンカン!と、大きな音を立てて行き道を防ぐように遮断機が俺達の道を遮った。
信号を待つ感覚で、俺達は足を止める。
俺は、なんでこんな不思議な出来事が起こるのかもう一度考え直そうと下を向いて待っていた。
天坂はというと、夕方という景色に何か思い入れかあるのか顔を見上げていた。
ギュオオオと、凄い勢いで風を切る電車が通り過ぎていく。
この音も、目の前にいるこの天坂朱里というこの人物も、全て、俺が創り出した妄想なのだろうか?
与えられた情報が少な過ぎて考え直しても、自分に何が起こったのか分からなかった。
気が付くと電車は通り過ぎていて、踏切の遮断機は遮った道を空けるように上に上がる。
俺は天坂に何も言わず、歩き始めた。
「そら」
俺の名前を呼ばれた。
俺はどうしたと思い返事を聞こうと天坂の方をみて足を止める。
「10年後の世界どうだった?」
彼女は、そう言った。彼女は確かに、そう言った。
何が起こったのか訳が分からなかった。
疑問と得体の知れない恐怖が、俺の心の中を包み込むように込み上げてきた。
「何で、お前がそれを知っている」
返事をするまでどれ位経ったかは分からない。
だが、既に踏切の遮断機がまた降りており、
俺がその言葉を口にした瞬間に電車がまた通り過ぎていった。
遮断機が「また」親近感(デジャヴ)に上に上がっていく。
俺は怖くて見れなかったが、はっきりと、天坂の顔を見る。
天坂は、夕焼けの景色に溶け込むような、酷く悲し気に、今も泣きそうな顔をしていた。
♦
「はっ!?」
跳ね起きる。
どうやら俺は、寝ていたらしい。
いつもの自分の部屋の景色が俺の目に映る。
「夢か……!?」
さっきまであの世界に、未来の世界に居た感覚は残っている。夢だとは思いにくいが夢なのだろう。
「どこまでが…夢なんだ…?」
俺は右手で左頬を触れて、そう驚きと、恐怖と、焦りと、喪失感という感情を言葉にして吐き出した。
俺はため息と共に、言葉を吐き出す。
また、未来に来ていた。
またこの日も「夢」なのだろうか?
以前仕事に行った日もそうだったが、妙に感覚がリアルだ。
寝ぼけているこの「眠い」感覚も。
体を起き上がらせて、目を擦ってもう一度目を開ける。
自分の部屋ではなく、あの日のできごとまんまの部屋がそこにはあった。
着慣れないスーツのまま寝てしまっていたようで、スーツはしわだらけになっていた。
そういや司とあったあの日の夜も、眠くてスーツで寝てしまった事を覚えている。
俺はほおり投げだされているスマートフォンを拾い時間を確かめてみる。
2022年7月20日。
♦️
スマホにはそう表示されていた。
司と会った次の日ということになる。
夢の続きを観たいとは思ったが、こんな形で叶えるつもりはなかった。
もう、あの日の朝のように混乱もしておらず、ただ、眠気と1つの疑問だけが俺の頭の中に残った。
仕事は……。
夢の続きなら、俺は編集部で仕事していた筈だ。
あれ?でもちょっと待てよ…?
何かが引っかかる。
「休みじゃん。」
あの日、三上さんは次は明後日に仕事だと言っていた。
俺はその次の日に夜廻り行った。
未来の時間だと、今日は休みで、明日仕事ということになる。
「休みかー、逆に暇だな」
未来でやりたい事とか、特にない。
いや、一個あった。
とりあえず、私服を探すか。
『間も無く、頂上です。』
俺が見渡せる限り一番高い建物に行って、どんな景色なのか見てみたい。そう思った。
昔から俺は、やりたいと思った事への行動力だけはあった。
硝子張りのエレベーターの中で俺は、外の景色だけを観ていた。
高い建物だと思っていた建物が、どんどんと遠くに、小さく見えていく。
チーン。という音と共に、エレベーターのドアが空いた。
頂上の展望台の設計は台形になっているのだろう。
俺はまず最初に景色に感動した。
目の前の三面のガラスがあり、その外にはどこまでも、どこまでも続いているような街の景色があった。
展望台公園から見下ろした九珠山の自然な美しい景色とは逆に、人が造りあげた建物達も神秘的なもののように感じた。
エレベーターの中で観た景色も綺麗だったが、比べ物にならないくらいこの場所から見える建物は綺麗だった。
俺の他に、5、6人客がいたが、その人達が歩き、
後ろ姿を見た瞬間に俺もここにいるんだと「はっ」と気がつく。
観入るくらいその景色は綺麗だった。
そこから俺は、色々な景色を観た。
この建物の歴史等も看板の説明で知ったり、ここが中央都市「札幌」という事も分かった。
ここが「札幌か」とばかりに俺は街の景色を見下ろす。
40分くらい経っただろうか。俺はずっと、この街の景色を観ていた。
それくらいこの街並みは綺麗なのだ。
そういえば、飯はどうしようか?
少し、腹が減った。朝は何も食べていない。
司とあったあの日は司が奢ってくれた。
スーツのポケットに入っていた財布からは余分に金が残っていたから、今日はこの金できた。
だが、いずれ使ってしまうだろう。
銀行のカードは入っていたが、当然暗証番号なんかは分からない。
まあ、後で試してみるか。
そんな事を思い、今の時間を確認する為に右ポケットに入れたスマホを出して時間を確認する。
12時52分。
そう表示されていた。
とりあえずなんか食べに行くか。
俺が振り返ろうとした次の瞬間だった。
「そーら!」
俺はこの声の持ち主を知っている。
明るく元気な声。
振り返らずとも、この世界が10年後だとしても。
天坂朱里だ。
俺は答え合わせのように、後ろに振り向いた。
「えへへ」
彼女は、変わっていなかった。
1目で彼女と分かった。
子供がそのまんま大人になった、なんて言葉はこいつの為にあるのだろう。女子大生が着そうなカジュアルな服を着ていて、大人っぽいとも思ったが、童顔なのは変わっていなかった。
ショートヘアなのも髪の色も変わっていなかった。
「暇ならちょっと付き合ってよ」
彼女は髪を耳にかけて下から俺を見上げるように顔を近ずけた。
俺は見惚れたという感覚を、人生で生まれて初めて知った。
それから俺は朱里と色々な所に行った。
いや、振り回されたと言った方が、正しいのだろう。
洋服だなんだと、大型のショッピングモールで荷物持ちで任されたり、試着室で何着も「これどう?」
みたいな事を何度も聞かれて、ようやく昼飯を食べれるかとおもったら、「行きたいところがある」と言われて歩かされたり。
とにかく散々な目にあった。
いつまでもこいつは破天荒なんだなと、ずっと変わっていなかったんだなと思った。
俺は、いつもの調子でこの未来の天坂と話した。
少し遅めの昼はラーメンチェーン店の羅妃焚という店に行き、その後は狸小路という商店街をに行き、
元気に指を指して「次あれ行こー」と、走り回る朱里は子どもっぽく見えたが、同時にここは未来だということを思い出した。
俺は荷物持ちでどんどん増えていく荷物に飽きてきた。
何でこんな目に…なんてことは考えたが、未来のこいつと会うなんてことはこの先またタイムリープするか分からないから最後になるかもしれない。
そう思うとこの不思議な体験を焼き付けていこう、そう思った。
帰り道。駅の踏切の姿が見えた。
駅の踏切のは既に空をそのまま写したようにオレンジ色に染まっていた。
俺は歩いて帰れるが天坂はどうやら電車で帰るらしいので、俺は駅まで送ることにした。
踏切が、カンカンカン!と、大きな音を立てて行き道を防ぐように遮断機が俺達の道を遮った。
信号を待つ感覚で、俺達は足を止める。
俺は、なんでこんな不思議な出来事が起こるのかもう一度考え直そうと下を向いて待っていた。
天坂はというと、夕方という景色に何か思い入れかあるのか顔を見上げていた。
ギュオオオと、凄い勢いで風を切る電車が通り過ぎていく。
この音も、目の前にいるこの天坂朱里というこの人物も、全て、俺が創り出した妄想なのだろうか?
与えられた情報が少な過ぎて考え直しても、自分に何が起こったのか分からなかった。
気が付くと電車は通り過ぎていて、踏切の遮断機は遮った道を空けるように上に上がる。
俺は天坂に何も言わず、歩き始めた。
「そら」
俺の名前を呼ばれた。
俺はどうしたと思い返事を聞こうと天坂の方をみて足を止める。
「10年後の世界どうだった?」
彼女は、そう言った。彼女は確かに、そう言った。
何が起こったのか訳が分からなかった。
疑問と得体の知れない恐怖が、俺の心の中を包み込むように込み上げてきた。
「何で、お前がそれを知っている」
返事をするまでどれ位経ったかは分からない。
だが、既に踏切の遮断機がまた降りており、
俺がその言葉を口にした瞬間に電車がまた通り過ぎていった。
遮断機が「また」親近感(デジャヴ)に上に上がっていく。
俺は怖くて見れなかったが、はっきりと、天坂の顔を見る。
天坂は、夕焼けの景色に溶け込むような、酷く悲し気に、今も泣きそうな顔をしていた。
♦
「はっ!?」
跳ね起きる。
どうやら俺は、寝ていたらしい。
いつもの自分の部屋の景色が俺の目に映る。
「夢か……!?」
さっきまであの世界に、未来の世界に居た感覚は残っている。夢だとは思いにくいが夢なのだろう。
「どこまでが…夢なんだ…?」
俺は右手で左頬を触れて、そう驚きと、恐怖と、焦りと、喪失感という感情を言葉にして吐き出した。
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