【第1部完結】 エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―

久乃亜

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第1章

第3話 南街商会ギルドにて


 南街の一角にある古い長屋。
 古びた木の匂いと、上り下りする度に軋む階段の音が、建物の年齢を物語る。

 南街商会ギルドホール。
 定例会議のある今日の会議室内は、いつもの喧騒に包まれていた。

 会議というのは名ばかり。
 最初のギルド長からの通達以外は、各々の店主の情報共有の場と化す。

 ハルネはその一角、いつもの日当たりの良い窓際の席に座っている。
 最近では、母の代わりにハルネが店主代理として出席していた。

 桜の花が描かれたピンクの自前のメモ帳。
 そこに何かを書き込みながら、その実、周りの噂話に聞き耳を立てていた。

「例の、往来で婚約破棄されたっていう子爵家の若造の話、知ってるか?」
「ああ、激昂した侯爵家のお嬢様の話だろう? そりゃあ手酷く罵倒してたらしいぜ」
「周りにゃ大勢いたってのに、何がその婚約者のお嬢サマを怒らせたんだか?」

 ……おもしろ。
 婚約破棄なんて言葉、こっちでは初めて聞いたよ。

 往来での婚約破棄かぁ。
 まさか……あたしみたいな転生者が絡んでたりしないよね?
 興味をそそられ、あたしの耳は自然とそちらに向く。

「それでよ、思ったよりその婚約破棄騒動、大ごとらしいぜ?」
「おう、それも聞いたぜ。 なんでも軍務省の調査局が顔をツッコんできたとか……」
「調査局……ってことは軍絡みか? ったく、お貴族様の惚れた腫れたに大げさなこったな」

 それとなくお二方の感情色を覗いてみる。

――おっと、疚しさのスミレ色がほんのりと。

 銀細工屋の親方さんは、何か疚しい事がおありのようだ。
 ……でもま、別に大した事はないでしょ。
 あれくらいの疚しい感情色はみんな多かれ少なかれ出たりするもん。

 それにしても調査局かぁ。
 以前南街でも見た事ある。
 確か、青を基調に黒を差したカッチョイイ制服だった。

 ゴシップとしては面白かったから、あとでシャリエナにも教えてあげよ。
 この後会う予定のリゼラちゃんにも、良いネタが出来た。

 他へ聞き耳を立てるも、めぼしい噂はそれくらいだったみたい。
 とりあえず、あたし達のお店――サフラン香房に関係する事は無さそうだね。
 こういうのはマメな情報チェックが大事なのよ、うんうん。

 そうこうしてる間に、ギルド長が席を立ち、会議室を後にしようとしていた。
 伝えるモノも伝えたし、もうギルド長室に戻るんだろう。

 そうそう、ギルド長にちょっとした用事があったんだ!
 あたしは、ペンとメモ帳をしまい、胸のケープのリボンを整えつつ、席を立つ。

「はいはい、ギルド長~、ちょっと用事が……」

 部屋を出る前に捕まえる。

「ああ……サフラン嬢か。 何か用か?」

 強面だが目は優しいギルド長。
 背が高く筋肉質なので威圧的に見える。
 しかし、当たりが柔らかいせいか皆に信頼されてる。
 ちなみに、御髪は無い。

「コレ、いつもの差し入れのお茶です。 どうぞ」
「おお! いつもすまんな。 助かる」

 あたしが手渡したのは、ギルド長が気に入ってるというハーブ茶。
 それから、ギルドの来客用のちょっとお高い高級茶。

 そう。
 サフラン香房のお客として、ギルドにも卸しているのだ。

「差し入れで貰ってからハマっちまってな。 やっぱり朝はコイツがないと……ん? こっちのは?」

 ギルド長が、プラスでつけた紙袋の方にも気付く。

「それは「癒しの妖精茶」って言って、疲れが取れる系のお茶です。 ギルド長、最近お疲れみたいだから……」
「おお! そいつはありがたい。 そういう所に気が利くのは流石だなサフラン嬢」
「それ、お試しなんで、気に入ったらそれもちゃんと買ってくださいね?」
「ちゃっかりしてやがる…………そういう所はアイリスと似ても似つかんな」

 アイリスってのは、あたしのお母さんの名だ。
 アイリス・サフラン。
 最近めっきり店にもギルドにも顔を出さないが、ギルド長とはかなり昔からの知り合いらしい。

「あたしにとってはギルドもお客さんなので!」

 ふふふ……売れる商機は逃さんぞ。
 思わず胸を張る。

「代金はいつも通り受付で受け取ってくれ」
「あいあい」
「ハルネちゃんはしっかりしとるねぇ。 こんなとこでも商売しちまうなんて」

 話に割り込んできたのは、家具屋のオヤジ――マーレンさんだ。

「マーレンさんもやったらどう? 例えば~……不要な家具とかここに持ってきて売るの」
「おいおい、やめてくれ。 ギルドがゴミで埋まっちまう」
「ゴミとはヒデぇなギルド長。 ……だが、確かに売れねえで困ってるモノはある」
「何が売れないの?」
「……超大型の食器棚だ」
「あぁ、そいつぁ……」
「確かに普通には売れなさそう……」

 大型って事はほぼお店用とか、すっごく大きなお家用だよね?
 うーん、困ってるならなんとかしたいし……

 あ! それじゃあ……

「じゃあさ! ……えっと、こうやって(カキカキ)……こんな風に書いたら?」

 あたしは、ギルドの広い壁の前にある大きな黒板に大きく……

 『売 - 超大型の食器棚 - マーレン』、と書いた。

「こんな感じに書いといたらさ、ギルドの誰か欲しい人とかの目に留まるかも」
「おお! ハルネちゃん! ナイスアイデアだぜ!」
「……しかし、ギルドを店子にするのは困る」

 ギルド長がちょっと渋る。

「じゃあさ、あくまでギルド内の『お店とお店』に限定にすればいいんじゃない?」
「まぁ、それなら許容できる、か……?」
「せっかくギルドに集まってるんだからさ、そういう需要はちゃんと共有されるべきだよ!」

 あたしの提案はいわゆるBtoB取引の推進だ。
 お店同士の需要なんてあるに決まってる。
 いちいちお店に向かうより、えいやと、ギルドでやってしまえ。
 その方がきっと、みんな楽だし嬉しい。

「いいじゃねえかギルド長。 むしろ今までなんでやらなかったんだ?って思うぜ!」
「……そうだな。 この黒板も大して使ってなかったし、いいかもしれん」

 マーレンさん、ナイス援護射撃!
 ギルド長も乗り気になってきたじゃん。

 適当な思いつきだったけど、結構いいかも!
 定着すればみんなが喜ぶし、
 商売の基本……Win-Winだ!

「……大型の食器棚? もしかして余ってんのか?」

 黒板を見て割り込んできたのは織物屋のロッカさん。

「おっ! 織物屋の! もしかして買ってくれるんかい?」
「ああ、最近上物の売上が良くてな。 ちょうどデカい棚を入れようか思ってたんだ」
「お安くしとくぜ?」
「おい、商売の話になるならアッチでやれ」

 ギルド長の言葉に、二人はそそくさと離れ、交渉に移るようだ。

「あっさり一個売れちゃえそうですね? 良かったよ」
「ああ。 さっきはちょっと渋ったが、これは良い試みかもしれん」

 沢山モノが売買されるのは良い事だ、うんうん。
 えへへ、我ながらイイ提案したんじゃない?

「……どうやら上手く商談がまとまったようだな」

 マーレンさんとロッカさんが戻ってくる。
 感情色を視ると……

――二人とも、喜びのメロウオレンジ。

「おうよ。 嵩張ってた在庫がこんなあっさりとな」
「こっちも探してた品が丁度合って助かったぜ」
「商売にゃそういう事もたまにあるが……今回はハルネちゃんのおかげだな!」
「え? そ、そう?」

 あれ? もしかしてあたし、何かやっちゃいました?
 ……って

「いやいや! 別に大した事してないでしょ!」

 そうだよ。
 むしろ、今までこういう事やってなかった方が不思議なんだから。
 たまたまあたしが最初に口に出しただけ……

「そんな事はない。 さすがアイリスの娘だな」
「ああ、まったくだぜ! ありがとうな、ハルネちゃん」
「おおよ! こりゃサフラン香房は、今後も安泰だな!」
「……え、ちょ、そんな、や、やめてよ! みんなそんなに褒め殺さないでよ!」

 と言いつつ、頬がゆるむ。
 やばい、調子に乗りそう。
 いや、落ち着けあたし……
 でも、嬉しいかも!

「あっはっは! じゃあな、ギルド長、ハルネちゃんも」

 そう言って颯爽と去っていくマーレンさんとロッカさん。

「ふへへ……」
「しまりのない顔になってるぞ」
「……はっ!」

 ギルド長からダメだしを食らう。

 いかんいかん!
 どうもあたしは顔に出るらしい。
 シャリエナにも注意されてる。

「だが、今回の事の話に限らず、サフラン嬢の商売感……とでも言うか、若いのに実際大したものだ」
「もうやめて!」

 人生2週目チートだからね。
 そこを褒められてもあんまり真っ直ぐ入らない。

 とはいえ、やっぱり褒められて期待されるのは……
 とっても嬉しい!

「ふふ……ああそうだ、思い出したぞ。 サフラン嬢に伝えねばならない事があったんだ」

 ニヤニヤしていたギルド長。
 その表情が唐突に引き締まった。

「さっきも会議で誰かが言っていたな。 調査局がどうの、と」
「調査局がどうかしたんですか?」
「西街で調査局が動いてるって話はマジらしいんだ」
「ふむふむ」
「南街でも話が聞きたい、と、オレの所に打診があった」
「……それがあたしと何か関係が」
「どうも、話を聞きたいのは、サフラン香房に、らしいんだ」
「え??」

 どゆこと?
 調査局が? ウチに?
 ……不安過ぎる。

「でも、ウチって扱ってるのはお茶とかスパイスくらいな物ですよ? 別に違法な物を扱ってなんて……」
「ああ、オレも似たような事を伝えたがそれでも構わんらしい」

 頭を必死に回転させてみる。
 しかし、やっぱり特段、調査局に怒られるような物なんて扱ってないし、心当たりは何もない。

「別にサフラン香房が違法な事に手を染めてるなんてオレも思っちゃいないさ」
「……そうなんですか?」
「そりゃそうだろ。 あの感じは、単に聞きたい事があるようなニュアンスだった」

 ……それならいいか。

「……分かりました。 妹や母にも伝えておきますね」
「ああ、頼むぜ。 ……脅すワケじゃないが、気を付けろよ? 調査局にはおっかない「鬼」の副長ってのがいるらしいぜ?」
「やめてよ! 脅しじゃん! それ!」
「はっはっは。 じゃあな。 シャリエナ嬢やアイリスにもよろしく言っておいてくれ」

 そう言い残し、ギルド長は去っていく。

――感情色は、揶揄いのフレアレモン

 最後までからかわれた。

 くそー、ギルド長め……! 怖い事言い残してくれちゃって!
 む~~……

 別に不安な事は何もないハズなんだけど……
 やっぱり国家機関から「聞きたい事がある」なんて言われたら……
 何も無くても構えちゃうよね?

 …………
 ま、いいか!
 ギルド長も気にすることは無いみたいに言ってたし!
 ホントに薬草とかスパイスに関して聞きたいだけなんでしょ。
 あんまり考えても意味ないや。

 でも……突然調査局の人が来たとしたら……
 シャリエナやお母さんも、びっくりしちゃうな。
 

 もうすぐお昼だ。

 トロ眠ティーの材料のノクセラ草も切れてるから、
 このままリゼラちゃんちの農場へ行こうかと思ってたけれど……
 一旦家に帰った方がいい気もしてきた。

 うーん、どうしよっかな……?

 リゼラちゃんの所に行けば、いつもの平穏な日常。
 家に帰れば、調査局が来るかもしれない……

 この何気ない選択が、あたしの「当たり前」を少しずつ壊していくなんて……
 この時のあたしは、当然知らなかった。

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