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2. 少女(偽)ゴーレム(偽)出くわす
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リンが事態を把握できず呆然とゴーレムを見上げていると、鹿が一声鳴く。するとゴーレムが今度は反対側にコトンと首を傾けた。
『え? こんな暗い森に小さな子が一人で入ってくるから心配になって追いかけたら怯えて泣かれてしまわれたのですか? 鹿さんは何もされてなかったのに? それはひどいお話でございますねぇ』
「ちっちゃないわー!」
何もする気がなかったことがわかったものの勝手に怯えて泣いていたことへの気恥ずかしさで、思わずリンが怒鳴ると、先ほどまでリンをおびえさせていた鹿がその声の大きさに驚いて逃げていく。
『あ…もしかして泣いていたのはアナタですか?』
「うるせぇ!」
『もーだめでございますよ。あの鹿さんはアナタを心配してですね…』
「黙って追いかける方が悪いだろ!」
『鹿さんは人間の言葉をお話しになられないのですからそんな無茶は…』
「うるさいな! アタシは動物が苦手なんだよ! つーか、ゴーレムの分際でしゃべるお前の方が無茶なんじゃー!」
リンは思いっきり突っ込んだ。
ゴーレムというのは意志を持たず、創造主の命令だけを厳格に守る人形だ。こんな風に自分の意志を持ってペラペラしゃべるゴーレムなぞ聞いたことがない。
すると、ゴーレムは頭をポリポリとかく。
『その…ワタクシちょっとした事情がございましてまして…その…体はご覧の通りゴーレムなのでございますが、魂は人間なのでございます』
「は?」
『その…ちょっとした事故に遭いまして。体から魂が分離されてしまい、仕方なくこの器の中にはいったワケなのでございますが、その…』
「その?」
『ちょっとしたアクシデントにより、気がついたら体がある場所から遠く離れた場所まで来ておりまして』
「……で?」
『それで…このような姿だと人が多いところを通っては住んでおりました場所に戻れないであろうと思いまして、このような森などの人気のない場所を選んで戻ろうと思っておったのでございますが、いかんせんよくわからないままに進んでしまった結果、余計に道がわからなくなってしまい迷子になったという次第なのでございます』
「……ふーん。で?」
『いやその…どういたしましょうみたいな状態でございます。あはは』
「あはは。やないやろお前は!」
『いやでもその…!』
はっとゴーレムが緊張した様子で後ろを向く。リンもその気配に気づいて同じ方向へ鋭い視線を飛ばす。
そこには魔物がいた。
「ようやっと見つけた」
魔物はニィと笑うとゴーレムを指差す。
『あわわわ…』
ゴーレムは慌てふためいている。その人間臭い…というか間抜けな仕草にリンは脱力しそうになった。
「わが主の命によりお前を捕らえる」
『いやでございます! ワタクシ平和に暮らしたいだけなのでございます!』
「あきらめろ!」
魔物はそう叫ぶと爪を伸ばしてゴーレムに襲いかかろうとする。
『きゃー! いやー!』
ゴーレムが間抜けな悲鳴を上げて、両手で頭を抱えると同時だった。
「させるかっつーの!」
「なに?!」
ガキィンという音をさせてリンは右手の剣でもってその爪の攻撃からゴーレムを守る。
『えぇ?!』
「よっしゃあぁ! 魔物なら怖くなーい! バッチコーイ!」
リンはそう言うなり左手で抜きさった剣で魔物をなぎ払おうとしたが、それに気づいた魔物があわてて飛び退いた。
「双剣使いか?!」
魔物はチッと舌打ちをすると慎重に間合いをはかってくる。だがゴーレムはそんな二人の状況にかまわずリンに抗議した。
『なんか間違ってございませんかソレッ?! 鹿さんのほうが怖くて魔物さんが恐くないっておかしくございませんか?!』
頭を抱えるゴーレムを横目に見ながらリンは、思わず怒鳴った。
「うっせぇ! お前こそ魔物の姿してんだったらそのオカマチックな仕草ヤメロ! しかもなんやねん、そのそのへんてこりんな言葉使い!」
『ヘ、ヘンテコリンと申されても、これはもう身に染み付いたものでございまして、どうしようもできないものでございまして…!』
「直せや! ゴーレムやろ!」
『えぇぇっ?! 理不尽すぎやしませんか?!』
「文句いうな!」
リンがゴーレムの方を向いた一瞬の隙を魔物は見逃さず襲いかかってくる。
「ガキが!」
「誰がガキやっちゅーねん! このリン様をなめんなよ!」
魔物が飛びかかってくると、ギリギリで避けながら剣を逆手に持ち直しリンは魔物を斬りつけようとしたが、魔物はなんとか間一髪よけるとまた慌てて間合いを取った。
「ガキのくせにやるじゃねぇか」
ニヤリと不敵に笑う魔物に、リンは口元を引きつらせる。
「せやからなぁ、ウチはガキとちゃうってさっきから言うてるやろーが」
「なんだと?」
「アタシャ立派な20歳やっちゅーねん」
「……え?」
『……え?』
魔物とゴーレムの間抜けな声が重なった。
「なんやねんお前ら。その間抜けな声」
リンがムッとした顔でそう言うと魔物は驚いた顔を隠しもせずリンを頭の先からつま先まで眺め、ある一点に目を留める。
「……その胸で?」
魔物の目はリンの胸のあたりに釘付け。たしかにちょっと…ないかもしれない。
「?! ちくしょー! 全部ちっさくて悪かったなぁっ!」
だが、普段から気にしていることを指摘され、リンは顔を真っ赤にして魔物へと飛びかかる。しかし、勢いに任せただけの隙だらけの攻撃に今度はリンが魔物に反撃をくらい剣で防御したが勢いは殺せず吹っ飛ばされ、ゴーレムの近くまで転がってしまう。慌てて立ち上がるが、魔物はその隙を見逃さない。
「いけ!」
魔物がリンを指差すと同時に炎がリンへと向かってきた。ゴーレムはそれに気づき、リンを庇おうと咄嗟に手を出しかけたのだが。
「動くな!」
『え?』
リンに怒鳴られ、ゴーレムが反射的に動きを止めると同時にリンは無造作に剣をつかんだまま右手をその炎に突き出した。
「なっ?!」
『えぇぇっ?!』
予想外の行動に魔物とゴーレムが驚きの声を上げるが、リンはニッと不敵に笑い。
魔物の放った炎にリンの右手が触れたかいなかのその瞬間。
いきなり炎が掻き消えた。
『え? こんな暗い森に小さな子が一人で入ってくるから心配になって追いかけたら怯えて泣かれてしまわれたのですか? 鹿さんは何もされてなかったのに? それはひどいお話でございますねぇ』
「ちっちゃないわー!」
何もする気がなかったことがわかったものの勝手に怯えて泣いていたことへの気恥ずかしさで、思わずリンが怒鳴ると、先ほどまでリンをおびえさせていた鹿がその声の大きさに驚いて逃げていく。
『あ…もしかして泣いていたのはアナタですか?』
「うるせぇ!」
『もーだめでございますよ。あの鹿さんはアナタを心配してですね…』
「黙って追いかける方が悪いだろ!」
『鹿さんは人間の言葉をお話しになられないのですからそんな無茶は…』
「うるさいな! アタシは動物が苦手なんだよ! つーか、ゴーレムの分際でしゃべるお前の方が無茶なんじゃー!」
リンは思いっきり突っ込んだ。
ゴーレムというのは意志を持たず、創造主の命令だけを厳格に守る人形だ。こんな風に自分の意志を持ってペラペラしゃべるゴーレムなぞ聞いたことがない。
すると、ゴーレムは頭をポリポリとかく。
『その…ワタクシちょっとした事情がございましてまして…その…体はご覧の通りゴーレムなのでございますが、魂は人間なのでございます』
「は?」
『その…ちょっとした事故に遭いまして。体から魂が分離されてしまい、仕方なくこの器の中にはいったワケなのでございますが、その…』
「その?」
『ちょっとしたアクシデントにより、気がついたら体がある場所から遠く離れた場所まで来ておりまして』
「……で?」
『それで…このような姿だと人が多いところを通っては住んでおりました場所に戻れないであろうと思いまして、このような森などの人気のない場所を選んで戻ろうと思っておったのでございますが、いかんせんよくわからないままに進んでしまった結果、余計に道がわからなくなってしまい迷子になったという次第なのでございます』
「……ふーん。で?」
『いやその…どういたしましょうみたいな状態でございます。あはは』
「あはは。やないやろお前は!」
『いやでもその…!』
はっとゴーレムが緊張した様子で後ろを向く。リンもその気配に気づいて同じ方向へ鋭い視線を飛ばす。
そこには魔物がいた。
「ようやっと見つけた」
魔物はニィと笑うとゴーレムを指差す。
『あわわわ…』
ゴーレムは慌てふためいている。その人間臭い…というか間抜けな仕草にリンは脱力しそうになった。
「わが主の命によりお前を捕らえる」
『いやでございます! ワタクシ平和に暮らしたいだけなのでございます!』
「あきらめろ!」
魔物はそう叫ぶと爪を伸ばしてゴーレムに襲いかかろうとする。
『きゃー! いやー!』
ゴーレムが間抜けな悲鳴を上げて、両手で頭を抱えると同時だった。
「させるかっつーの!」
「なに?!」
ガキィンという音をさせてリンは右手の剣でもってその爪の攻撃からゴーレムを守る。
『えぇ?!』
「よっしゃあぁ! 魔物なら怖くなーい! バッチコーイ!」
リンはそう言うなり左手で抜きさった剣で魔物をなぎ払おうとしたが、それに気づいた魔物があわてて飛び退いた。
「双剣使いか?!」
魔物はチッと舌打ちをすると慎重に間合いをはかってくる。だがゴーレムはそんな二人の状況にかまわずリンに抗議した。
『なんか間違ってございませんかソレッ?! 鹿さんのほうが怖くて魔物さんが恐くないっておかしくございませんか?!』
頭を抱えるゴーレムを横目に見ながらリンは、思わず怒鳴った。
「うっせぇ! お前こそ魔物の姿してんだったらそのオカマチックな仕草ヤメロ! しかもなんやねん、そのそのへんてこりんな言葉使い!」
『ヘ、ヘンテコリンと申されても、これはもう身に染み付いたものでございまして、どうしようもできないものでございまして…!』
「直せや! ゴーレムやろ!」
『えぇぇっ?! 理不尽すぎやしませんか?!』
「文句いうな!」
リンがゴーレムの方を向いた一瞬の隙を魔物は見逃さず襲いかかってくる。
「ガキが!」
「誰がガキやっちゅーねん! このリン様をなめんなよ!」
魔物が飛びかかってくると、ギリギリで避けながら剣を逆手に持ち直しリンは魔物を斬りつけようとしたが、魔物はなんとか間一髪よけるとまた慌てて間合いを取った。
「ガキのくせにやるじゃねぇか」
ニヤリと不敵に笑う魔物に、リンは口元を引きつらせる。
「せやからなぁ、ウチはガキとちゃうってさっきから言うてるやろーが」
「なんだと?」
「アタシャ立派な20歳やっちゅーねん」
「……え?」
『……え?』
魔物とゴーレムの間抜けな声が重なった。
「なんやねんお前ら。その間抜けな声」
リンがムッとした顔でそう言うと魔物は驚いた顔を隠しもせずリンを頭の先からつま先まで眺め、ある一点に目を留める。
「……その胸で?」
魔物の目はリンの胸のあたりに釘付け。たしかにちょっと…ないかもしれない。
「?! ちくしょー! 全部ちっさくて悪かったなぁっ!」
だが、普段から気にしていることを指摘され、リンは顔を真っ赤にして魔物へと飛びかかる。しかし、勢いに任せただけの隙だらけの攻撃に今度はリンが魔物に反撃をくらい剣で防御したが勢いは殺せず吹っ飛ばされ、ゴーレムの近くまで転がってしまう。慌てて立ち上がるが、魔物はその隙を見逃さない。
「いけ!」
魔物がリンを指差すと同時に炎がリンへと向かってきた。ゴーレムはそれに気づき、リンを庇おうと咄嗟に手を出しかけたのだが。
「動くな!」
『え?』
リンに怒鳴られ、ゴーレムが反射的に動きを止めると同時にリンは無造作に剣をつかんだまま右手をその炎に突き出した。
「なっ?!」
『えぇぇっ?!』
予想外の行動に魔物とゴーレムが驚きの声を上げるが、リンはニッと不敵に笑い。
魔物の放った炎にリンの右手が触れたかいなかのその瞬間。
いきなり炎が掻き消えた。
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