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現代( 注意! )
76 嬉しそうな……
” お酒大好き、何でも飲みます! ”
そんな俺にとって飲み放題プランがついているかついていないかは非常に重要で、あれば必ずつける。
そして沢山飲む。
誰よりも飲む。
碌でもない酔っ払いになった経験値なら多分誰にも負けない。
酔っ払ったら、とにかく踊る!歌う!のオンパレード。
それが大好き。
流石に玲央の前では一杯にしておくか~……などという慎ましさは派手に吹っ飛び、沢山飲もう!と決意した。
「 じゃあ、早速~!
玲央に久しぶりに会えて俺は嬉しいぞ~。
これからよろしくお願いしま~す! 」
グラスを持って玲央に向けると、玲央もグラスを優雅な仕草で持ち、軽く俺のグラスにチンッ……と当てる。
「 うん、俺も嬉しいよ。
やっとあるべき姿になれるね、俺たち。 」
「 そうだな~。
高校の時は喧嘩しちゃったけど、これからは仲良くしてくれよ。 」
” 喧嘩しちゃったけど、改めて仲良くしようね! ”
そう言われて気分は舞い上がり、美味しいワインをグイッと飲む。
口から鼻に抜けるアルコール臭がなんとも控えめ。
しかし舌にはたしかな刺激、口全体から鼻に漂う果実の香り!
これは飲んだことないくらい美味しいワインだ!
美味しすぎてグイグイと飲んでしまい、その美味しさに舌鼓を打っていると、ナイスタイミングで芸術品の様な料理の数々が運ばれてきた。
俺の貧困な脳みそでは、酒のつまみといえば枝豆か芋の煮物くらいしか思い浮かばない中、正体不明の色とりどりの料理が、目の前に次々と運ばれてくるではないか。
「 おおおおお???! 」
キラキラ輝く料理を前にフルフルと震えていると、玲央がニッコリ笑いながら「 どうぞ? 」と言って自分の分のワインに口をつける。
「 い……いただきま~す! 」
両手をパンッ!と合わせ、俺はその料理の数々を有り難く頂戴していった。
それから美味しい料理と酒を堪能しながら、玲央の仕事についてや自分の仕事についてなど楽しく会話していたのだが……突然俺の体に変化が現れる。
「 ……??あ……あれ……??
なんか……眠いな……。まだ酔ってないと思うんだけど……? 」
ボヤッと目が霞み掛かってきたなと思ったら、身体から力が抜けてきた感覚があり、思わず乗り出していた身をソファーに沈めた。
「 そっか。やっと効いてきたみたいだね。
大樹は薬物の耐性が高いな。本当はもっと少量で効く薬のはずなんだけど……。 」
「 ……えっ?く、薬……?? 」
急激に遠のく意識を必死に保っていると、とんでもない言葉が聞こえて身体を固くする。
それに気づいたのか、玲央は俺の身体を引き寄せ、固まった身体を優しく擦ってきた。
「 変な薬じゃないから安心してよ。
ただちょっと準備が大変だから、眠っててもらおうかなって。
初めてで痛いのは可哀想だからさ。 」
「 い……痛い……??そ……そう……か……。 」
ゆらゆら動く頭を必死にまっすぐにしようとしたが、逆にぐにゃりと首が曲がってしまい、玲央の身体に頭を支えてもらう。
そんな俺を満足そうに見下ろす玲央の顔を見て、ズズ~ン……と気持ちは沈んでいった。
玲央は俺に復讐するつもりだったのだ。
高校の時の事が許せなくて、こうして薬まで使って、この後ボコボコにするつもりらしい。
仲良くしたいとなんて思っていなかったんだ……。
その事実が悲しくて悲しくて、グスンッと鼻を鳴らした。
そしてとうとう涙が溢れてしまい、う~う~と唸りだすと、玲央は益々嬉しそうな顔を見せる。
「 泣く顔もいいな。
感情が表にこれって程ないほど出てて……ホント最高。
あの時は、初めて感じる気持ちになって凄く戸惑ったけど、ずっと見ているうちに分かったんだ。
・・
これがなんなのか。 」
「 うぅ~……う~……玲央のアホ~……意地悪男~……おたんこなす~……。 」
精一杯の悪口を言って恨みをぶつけたが、玲央は俺の顔を鷲掴み、汚く泣く俺の顔をジロジロと眺め顔を歪めた。
「 ……あ────……我慢できない。────クソっ。
なんでこんな生き物が世の中にいるんだろう?
全然綺麗な顔もしてないし、虫と大して変わらない様な能力しかないのに……。
ホント、不思議……うざっ……。 」
面と向かって吐き捨てられた悪口にガガ──ン!とショックを受けると、そこが限界だった様で、そのまま俺の意識は闇の中へ沈んでいった。
それからは所々に意識を少しだけ取り戻しては、身体を襲う初めての痛み……?いや熱いのかな?
とにかく凄い衝撃の連続と、自分の口から出ているらしい悲鳴混じりの声とか呻き声みたいな声とか……絶えず聞こえる ” はぁはぁ……。 ” という、うるさくて荒い息使いとか?
何だろう?コレ????
不思議に思いながら視界に所々見えたのは────玲央の初めて見る幸せそうな顔だった。
◇◇◇◇
「 なんか別世界の生き物って感じだよな~玲央ってさ 」
「 わかるわ~。なんかハッキリ引かれた線を感じるよな。
嫉妬すらおこんねぇもん 」
高校生の時、教室内で窓際に座る玲央を見て友達二人が言う。
俺はそれを聞いて玲央の方へ視線を向けると、陽の光を浴びた玲央の横顔はとても綺麗で────でもなんか寂しそうだと思った。
だから、突然話してみたくなって席を立とうとした瞬間、沢山の人達が玲央を囲み嬉しそうに喋りだし、玲央は笑顔を見せる。
────あ、そっか。
俺が話しかけなくても玲央には沢山の友達がいるもんな……。
なんか寂しそうと思ってしまった自分が恥ずかしくて、頭をポリポリと掻くとそのままその光景から目を逸らした。
そんな俺にとって飲み放題プランがついているかついていないかは非常に重要で、あれば必ずつける。
そして沢山飲む。
誰よりも飲む。
碌でもない酔っ払いになった経験値なら多分誰にも負けない。
酔っ払ったら、とにかく踊る!歌う!のオンパレード。
それが大好き。
流石に玲央の前では一杯にしておくか~……などという慎ましさは派手に吹っ飛び、沢山飲もう!と決意した。
「 じゃあ、早速~!
玲央に久しぶりに会えて俺は嬉しいぞ~。
これからよろしくお願いしま~す! 」
グラスを持って玲央に向けると、玲央もグラスを優雅な仕草で持ち、軽く俺のグラスにチンッ……と当てる。
「 うん、俺も嬉しいよ。
やっとあるべき姿になれるね、俺たち。 」
「 そうだな~。
高校の時は喧嘩しちゃったけど、これからは仲良くしてくれよ。 」
” 喧嘩しちゃったけど、改めて仲良くしようね! ”
そう言われて気分は舞い上がり、美味しいワインをグイッと飲む。
口から鼻に抜けるアルコール臭がなんとも控えめ。
しかし舌にはたしかな刺激、口全体から鼻に漂う果実の香り!
これは飲んだことないくらい美味しいワインだ!
美味しすぎてグイグイと飲んでしまい、その美味しさに舌鼓を打っていると、ナイスタイミングで芸術品の様な料理の数々が運ばれてきた。
俺の貧困な脳みそでは、酒のつまみといえば枝豆か芋の煮物くらいしか思い浮かばない中、正体不明の色とりどりの料理が、目の前に次々と運ばれてくるではないか。
「 おおおおお???! 」
キラキラ輝く料理を前にフルフルと震えていると、玲央がニッコリ笑いながら「 どうぞ? 」と言って自分の分のワインに口をつける。
「 い……いただきま~す! 」
両手をパンッ!と合わせ、俺はその料理の数々を有り難く頂戴していった。
それから美味しい料理と酒を堪能しながら、玲央の仕事についてや自分の仕事についてなど楽しく会話していたのだが……突然俺の体に変化が現れる。
「 ……??あ……あれ……??
なんか……眠いな……。まだ酔ってないと思うんだけど……? 」
ボヤッと目が霞み掛かってきたなと思ったら、身体から力が抜けてきた感覚があり、思わず乗り出していた身をソファーに沈めた。
「 そっか。やっと効いてきたみたいだね。
大樹は薬物の耐性が高いな。本当はもっと少量で効く薬のはずなんだけど……。 」
「 ……えっ?く、薬……?? 」
急激に遠のく意識を必死に保っていると、とんでもない言葉が聞こえて身体を固くする。
それに気づいたのか、玲央は俺の身体を引き寄せ、固まった身体を優しく擦ってきた。
「 変な薬じゃないから安心してよ。
ただちょっと準備が大変だから、眠っててもらおうかなって。
初めてで痛いのは可哀想だからさ。 」
「 い……痛い……??そ……そう……か……。 」
ゆらゆら動く頭を必死にまっすぐにしようとしたが、逆にぐにゃりと首が曲がってしまい、玲央の身体に頭を支えてもらう。
そんな俺を満足そうに見下ろす玲央の顔を見て、ズズ~ン……と気持ちは沈んでいった。
玲央は俺に復讐するつもりだったのだ。
高校の時の事が許せなくて、こうして薬まで使って、この後ボコボコにするつもりらしい。
仲良くしたいとなんて思っていなかったんだ……。
その事実が悲しくて悲しくて、グスンッと鼻を鳴らした。
そしてとうとう涙が溢れてしまい、う~う~と唸りだすと、玲央は益々嬉しそうな顔を見せる。
「 泣く顔もいいな。
感情が表にこれって程ないほど出てて……ホント最高。
あの時は、初めて感じる気持ちになって凄く戸惑ったけど、ずっと見ているうちに分かったんだ。
・・
これがなんなのか。 」
「 うぅ~……う~……玲央のアホ~……意地悪男~……おたんこなす~……。 」
精一杯の悪口を言って恨みをぶつけたが、玲央は俺の顔を鷲掴み、汚く泣く俺の顔をジロジロと眺め顔を歪めた。
「 ……あ────……我慢できない。────クソっ。
なんでこんな生き物が世の中にいるんだろう?
全然綺麗な顔もしてないし、虫と大して変わらない様な能力しかないのに……。
ホント、不思議……うざっ……。 」
面と向かって吐き捨てられた悪口にガガ──ン!とショックを受けると、そこが限界だった様で、そのまま俺の意識は闇の中へ沈んでいった。
それからは所々に意識を少しだけ取り戻しては、身体を襲う初めての痛み……?いや熱いのかな?
とにかく凄い衝撃の連続と、自分の口から出ているらしい悲鳴混じりの声とか呻き声みたいな声とか……絶えず聞こえる ” はぁはぁ……。 ” という、うるさくて荒い息使いとか?
何だろう?コレ????
不思議に思いながら視界に所々見えたのは────玲央の初めて見る幸せそうな顔だった。
◇◇◇◇
「 なんか別世界の生き物って感じだよな~玲央ってさ 」
「 わかるわ~。なんかハッキリ引かれた線を感じるよな。
嫉妬すらおこんねぇもん 」
高校生の時、教室内で窓際に座る玲央を見て友達二人が言う。
俺はそれを聞いて玲央の方へ視線を向けると、陽の光を浴びた玲央の横顔はとても綺麗で────でもなんか寂しそうだと思った。
だから、突然話してみたくなって席を立とうとした瞬間、沢山の人達が玲央を囲み嬉しそうに喋りだし、玲央は笑顔を見せる。
────あ、そっか。
俺が話しかけなくても玲央には沢山の友達がいるもんな……。
なんか寂しそうと思ってしまった自分が恥ずかしくて、頭をポリポリと掻くとそのままその光景から目を逸らした。
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