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第三章(3年後の話。資質鑑定からレオンを奴隷にするまで)
111 これからくる最大の……
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(リーフ)
◇◇◇◇
────ポ~ポ~……。
夜行性の鳥型モンスター<クロウ>の鳴き声が、開け放たれている窓の外から聞こえてくる。
その声に釣られるように、俺は自室の窓から夜空をぼんやりと見上げた。
< クロウ >
体長10cmほどの夜行性鳥型Gランクモンスター
真っ黒な体は夜に溶け込み見つけづらく、ポーポーという鳴き声しか聞こえないほど
暗闇に適した進化を遂げた目は、暗闇でもはっきり見える
前世と同じで、この世界にもなんと『月 』と呼ばれる存在があり、今も夜空の主役としてドーンと空に浮かんでいる。
これだけ聞くと本当にここって異世界?────な~んて思ってしまうが、ところがどっこい、この世界の月は俺が見慣れている月とはだいぶサイズが違う。
この世界の月はとても大きく、なんと地平線に付くほどの大きさなのだ。
地球から見える月がビー玉なら、こちらの月は運動会とかで使う大玉、そのくらいの差がある。
でも一番驚いたのは、その周りを飾る満天の星達!
これを初めてみた夜は感激し過ぎて、窓から叫び声を上げてしまったくらいだ。
「相変わらず絶景かな、絶景かな~。」
そんな美しい夜空を眺めていると……改めて違う世界にきてしまったんだなぁと思い知らされる。
英雄レオンハルトの存在する世界に。
キラキラ輝く星空を見上げながら、俺はやっと出会えた憧れのヒーロー、レオンについて考え────……。
「…………。」
……いや~びっくりしたよね。
先ほどの出来事について思い出し、思わず遠い目で月を見つめてしまった。
つい先程の事、レオンはドノバンがこちらに戻ってきた瞬間、なぜか突然服を脱ぎ始めたのだ。
しかも物凄~く潔い脱ぎっぷりで……。
呆気に取られ思わず見守ってしまったが────『流石にパンツは……!』と、そこは絶対死守!
しかし、当の本人はなぜ止めるのか?と不思議そうな顔をしていた。
「な、なぜ突然脱ぐんだい?!」
とりあえず、その行動に至った心の経緯をたずめたのだが、レオンは「先に……俺は先に進みます……!!」と、訳のわからないことを言ってやめない。
人生を進む上で服を脱がないといけない時は、お風呂の時とおニャンニャンする時では……!??
そう考えた瞬間、俺はハッ!として腹を抱えて大爆笑しているドノバンの方を見た。
レオンはおじさんが好き。そしてドノバンも好ましく思っている。
人生の先に進む……つまりもっと仲良くしたい。
その先にある行動がこの服を脱ぐ────そういうことか!!
────かしゃかしゃかしゃ!!
まるで電卓を弾く様に、頭の中で答えを導き出していくと、続けて俺のトリさん頭は、ドノバンが以前ペラペラ~と言っていた言葉を思い出した。
『まぁ、正直男なんてよ~まどろっこしいアピールされるより、服を一枚ペロンとめくってくれた方が、バッチリ印象にのこるよな。』
そんな不謹慎極まりない事を言ってきたため、『子供の前で言っては駄目だ!』と強く叱りつけたのだが、レオンはそれを覚えて実行してしまったらしい。
そんな事で喜ぶのはドノバンか野生動物だけ!
明日レオンに、そう言ってきかせようと決意するのと同時に────俺は悲しい気持ちにもなった。
レオンがそんな頓珍漢な好意アピールを、なんの疑いもなくしてしまうこと。
それは多少仕方のないことなのだ。
レオンは、生まれてすぐ唯一絶対的な存在である母親に捨てられ愛を知らないから。
「……酷い話だよ、ほんとに。」
やるせない気持ちになって、キラキラ輝く夜空から視線を逸らして下へ向けた。
レオンハルトにとって母親は特別な存在で、その存在を成り立たせるため必要不可欠なものであった。
それと同時に────母親の存在こそが、レオンハルトと世界をつなげる唯一の命綱。
だから、それが断ち切られる事で、レオンハルトは絶対的な孤独へと堕とされる。
「どんな親だって、子供にとっては神様みたいなもんだからな……。」
それは前世で、嫌というほど思い知らされた事だ。
どんなに罵倒されても殴られても、子供は親を待ち続ける。
騙されていることが分かっていても、何度何度も信じては裏切られその度に傷つき消費されていくのだ。
第三者がそれを止めようとしてもとても難しい。
「~っうぅ~……。」
第三者の目線からしたら悔しさと怒りしか湧かなくて、つい頭をぐちゃぐちゃとかき混ぜた。
レオンは帰ってこない母親を、ひたすら待ち続け、そして毎日不在な事に傷つき続けている。
気丈に振る舞っているが、もしかしたら家では泣いているかもしれない……そう考えると悔しい!
しかし────頭をかき混ぜる手を止め、今度はその手をぼんやりと見下ろした。
俺は悪役の<リーフ>
何一つ手助けなどできない、いや、してはいけないのだ。
「悪役って難しいな……。」
俺はふーっと深いため息をつき、これから来たる最大の分岐点を思い浮かべ、自分の手の平を睨みつける。
もうすぐレオンが生まれた日────イシュル神が世界を創造したとされる<イシュル神の日>がくる。
その日は、一晩中飲めや歌えやのお祭り騒ぎとなるのだが、俺はこの3年間一度もそのお祭りに参加したことはなかった。
なぜなら────……。
「俺たちが12歳を迎えるその日に、レオンは母親に完全に捨てられる。そんな日を祝う気にはなれないよ……。」
レオンの人生で最も最悪な日が────もうすぐそこまで迫っていた。
◇◇◇◇
────ポ~ポ~……。
夜行性の鳥型モンスター<クロウ>の鳴き声が、開け放たれている窓の外から聞こえてくる。
その声に釣られるように、俺は自室の窓から夜空をぼんやりと見上げた。
< クロウ >
体長10cmほどの夜行性鳥型Gランクモンスター
真っ黒な体は夜に溶け込み見つけづらく、ポーポーという鳴き声しか聞こえないほど
暗闇に適した進化を遂げた目は、暗闇でもはっきり見える
前世と同じで、この世界にもなんと『月 』と呼ばれる存在があり、今も夜空の主役としてドーンと空に浮かんでいる。
これだけ聞くと本当にここって異世界?────な~んて思ってしまうが、ところがどっこい、この世界の月は俺が見慣れている月とはだいぶサイズが違う。
この世界の月はとても大きく、なんと地平線に付くほどの大きさなのだ。
地球から見える月がビー玉なら、こちらの月は運動会とかで使う大玉、そのくらいの差がある。
でも一番驚いたのは、その周りを飾る満天の星達!
これを初めてみた夜は感激し過ぎて、窓から叫び声を上げてしまったくらいだ。
「相変わらず絶景かな、絶景かな~。」
そんな美しい夜空を眺めていると……改めて違う世界にきてしまったんだなぁと思い知らされる。
英雄レオンハルトの存在する世界に。
キラキラ輝く星空を見上げながら、俺はやっと出会えた憧れのヒーロー、レオンについて考え────……。
「…………。」
……いや~びっくりしたよね。
先ほどの出来事について思い出し、思わず遠い目で月を見つめてしまった。
つい先程の事、レオンはドノバンがこちらに戻ってきた瞬間、なぜか突然服を脱ぎ始めたのだ。
しかも物凄~く潔い脱ぎっぷりで……。
呆気に取られ思わず見守ってしまったが────『流石にパンツは……!』と、そこは絶対死守!
しかし、当の本人はなぜ止めるのか?と不思議そうな顔をしていた。
「な、なぜ突然脱ぐんだい?!」
とりあえず、その行動に至った心の経緯をたずめたのだが、レオンは「先に……俺は先に進みます……!!」と、訳のわからないことを言ってやめない。
人生を進む上で服を脱がないといけない時は、お風呂の時とおニャンニャンする時では……!??
そう考えた瞬間、俺はハッ!として腹を抱えて大爆笑しているドノバンの方を見た。
レオンはおじさんが好き。そしてドノバンも好ましく思っている。
人生の先に進む……つまりもっと仲良くしたい。
その先にある行動がこの服を脱ぐ────そういうことか!!
────かしゃかしゃかしゃ!!
まるで電卓を弾く様に、頭の中で答えを導き出していくと、続けて俺のトリさん頭は、ドノバンが以前ペラペラ~と言っていた言葉を思い出した。
『まぁ、正直男なんてよ~まどろっこしいアピールされるより、服を一枚ペロンとめくってくれた方が、バッチリ印象にのこるよな。』
そんな不謹慎極まりない事を言ってきたため、『子供の前で言っては駄目だ!』と強く叱りつけたのだが、レオンはそれを覚えて実行してしまったらしい。
そんな事で喜ぶのはドノバンか野生動物だけ!
明日レオンに、そう言ってきかせようと決意するのと同時に────俺は悲しい気持ちにもなった。
レオンがそんな頓珍漢な好意アピールを、なんの疑いもなくしてしまうこと。
それは多少仕方のないことなのだ。
レオンは、生まれてすぐ唯一絶対的な存在である母親に捨てられ愛を知らないから。
「……酷い話だよ、ほんとに。」
やるせない気持ちになって、キラキラ輝く夜空から視線を逸らして下へ向けた。
レオンハルトにとって母親は特別な存在で、その存在を成り立たせるため必要不可欠なものであった。
それと同時に────母親の存在こそが、レオンハルトと世界をつなげる唯一の命綱。
だから、それが断ち切られる事で、レオンハルトは絶対的な孤独へと堕とされる。
「どんな親だって、子供にとっては神様みたいなもんだからな……。」
それは前世で、嫌というほど思い知らされた事だ。
どんなに罵倒されても殴られても、子供は親を待ち続ける。
騙されていることが分かっていても、何度何度も信じては裏切られその度に傷つき消費されていくのだ。
第三者がそれを止めようとしてもとても難しい。
「~っうぅ~……。」
第三者の目線からしたら悔しさと怒りしか湧かなくて、つい頭をぐちゃぐちゃとかき混ぜた。
レオンは帰ってこない母親を、ひたすら待ち続け、そして毎日不在な事に傷つき続けている。
気丈に振る舞っているが、もしかしたら家では泣いているかもしれない……そう考えると悔しい!
しかし────頭をかき混ぜる手を止め、今度はその手をぼんやりと見下ろした。
俺は悪役の<リーフ>
何一つ手助けなどできない、いや、してはいけないのだ。
「悪役って難しいな……。」
俺はふーっと深いため息をつき、これから来たる最大の分岐点を思い浮かべ、自分の手の平を睨みつける。
もうすぐレオンが生まれた日────イシュル神が世界を創造したとされる<イシュル神の日>がくる。
その日は、一晩中飲めや歌えやのお祭り騒ぎとなるのだが、俺はこの3年間一度もそのお祭りに参加したことはなかった。
なぜなら────……。
「俺たちが12歳を迎えるその日に、レオンは母親に完全に捨てられる。そんな日を祝う気にはなれないよ……。」
レオンの人生で最も最悪な日が────もうすぐそこまで迫っていた。
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