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第四章(メルンブルク家の様子、大樹の過去と結婚式について、リーフ邸襲撃事件)
(マリアンヌ)177 ”正しき”を通す事
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(マリアンヌ)
シーンと静まり返る馬車の中、私は内心の焦りを必死に隠し平静を装った顔で目の前に座るカルパス様と視線を合わせる。
大丈夫、気づかれているわけがない……。
────ドキン……。ドキン……。
心臓が早鳴りをしているのを感じながら、大丈夫だと自分に言い聞かせて落ち着きを取り戻した。
仮に気づかれたとしても、別にたかが平民の……しかも『化け物』の暗殺依頼を出した事くらいでは大した事はないはずだ。
「あの、カルパス様、本日は────……。」
「さて、もうおわかりでしょうが、あなたが傭兵ギルドに出した依頼についてです。何か言いたいことはございますか?」
ギクッ!と肩が跳ねる。
もう全てバレている……。
私は汗を掻きながら、カルパス様に合わせていた視線を、スッと下に下げた。
自分の握っている両手が視界に映る中、続くカルパス様の話を黙って聞く。
「雇われた傭兵達は随分と質の悪い者たちでね、レオン君はおろか私達従業員もリーフ様も全て皆殺しにするご予定だったようです。
勿論全てを撃退し事なきを得ましたが……。」
「────なっ!!!」
カルパス様の言葉に、私は絶句した。
私が出したのは『化け物』の殺害だけ。
他の者の殺害など依頼していない!!
「わ、私はそんな依頼は出しておりませんわ!!あの『化け物』を消す依頼だけしかっ……!!」
「そうですか……。レオン君の殺害を依頼したのは……彼が怖かったからですか?」
カルパス様はフーッと息を吐きながら静かにそう尋ねてきたため、私は不快に顔を歪めて答えた。
「違います!あんな醜い『化け物』がこの世に存在すること自体が間違っているからです!
そもそも平民の……いえ、それ以下の化け物の分際で公爵家に出入りするなど以ての外!!
断じて許されるべきことではございません!!
ましてやそれを公爵家のご子息ともあろうものが率先して行うなど、常軌を逸していますわ。」
私は正しい事をしただけ。
裁くべき罪人を裁いて何が悪いのか!
改めて自分の正当性を口にする事で、やはり自分は間違っていないと確信した。
平民以下の分際で公爵家に平然と汚らしい土足で入り込む『化け物』。
そして、公爵家に全くふさわしくない外見と内面を持つ汚らわしい不義の子供……。
どちらも癇に障って仕方がない。
そんなの誰から見てもそう。
この世に生きとし生けるものは、全員が同じ思いを持っているはずだ。
この目の前のカルパス様だって────……。
なに一つ間違っていない『正しさ』を訴えた私に、カルパス様はニコリと上品な笑みを見せた。
「そうですか。────私は最初、レオン君を見た時未だかつて無い恐怖を味わいましたよ。
ただただその存在そのものが恐ろしかった。
イシュル神の禁忌そのものといえる彼が、そしてその未知の強さが……。
今も必死に隠していますが、目の前にすれば思わず逃げ出したくなるほどに。」
「────!そうでしょう!カルパス様なら分かって下さると思ってましたわ!
身分が上の貴方様に、そんな不快な思いをさせる『化け物』など即刻消え去るべきなのです!それこそが正しい正義ですわ!」
同調してくれたカルパス様に嬉しくなり、私は興奮を隠さずそう答える。
間違っている存在を消す事は、正義の断罪。
正義感のお強いカルパス様なら、それをキチンと理解してくれると思っていた!
そう安堵の息を吐くと、カルパス様は突如ふふふと含み笑いをし、その後私の目を真っ直ぐと見返した。
「正義……ですか。ではお聞きしますが、レオン君はマリアンヌ様に何かしたのですか?」
「……えっ?────いえ、だからその存在そのものが『悪』で……。」
カルパス様の言いたいことがわからずオロオロとしてしまったが、相変わらず彼は真っ直ぐ射抜くように私を見つめ続ける。
「存在自体が悪だから、排除する事があなたの正義なのですか?
だからレオン君だけではなく、リーフ様に対しても酷い態度をとりつづけたのですね。
リーフ様が気にされてないのと、教師としての仕事自体は真面目に行っている様子だったので容認していましたが、あなたの正義とやらは何もしていない子供に対し嫌がらせをする事なんですか?」
────ギクッ!!
肩を震わせ、顔は一気に血の気が引いて青ざめる。
リーフ様に対する態度も全て見られていた事に動揺し押し黙る私を、カルパス様は静かに見つめたまま続けて言った。
「自身の価値観から逸脱した存在を、恐れたり疎ましく思う気持ちは良く分かります。
それは誰しもが持つ感情で、人である限りは仕方のない事です。
しかし────その対象を害して排除する必要はありません。
どうしても相容れない時は、黙って離れれば良いのです。
彼らはあなたに、何一つ危害を加えてないのだから。」
自分の気持ちを全て否定され、ひどく侮辱されたような気持ちが湧き上がり、青ざめていた顔色は一瞬で怒りで赤く染まる。
間違っているのは、私では無い。
何故高貴な貴族たる私が、悍ましい平民以下の子供や、明らかに貴族らしからぬ汚らしい不義の子に対し我慢しなければならないのか!
そんな事は間『違っている』!!
その激情のまま、私はカルパス様に強く言い返す。
「何を言っておられるのです!!!子爵の身分を持つあなた様が!!
貴族たるもの平民の無礼に対し罰を与えるのは当然の事ですし、その存在自体蔑まれるのは当然でしょう!
それに例え高い身分の生まれであっても、あの様な汚らしい不義の子供など敬意を払う価値はございません。
何故私の考えを理解してくださらないのですか!!」
私の訴えにカルパス様は顎に手を置き、ふむ……と考える様な仕草を見せる。
「なるほど。マリアンヌ様は、『爵位を持たぬ下位の者達は価値が無い』と……そうお考えなのですね。」
「当然ですわ!!」
自分に何か害する事をしなくとも、貴族の私が不快を感じたならその時点で『悪』!
よって汚らしい平民や、まともな生まれでは無い者など価値がある訳ない。
無価値のものをゴミ箱に捨てる。
その行為に不当なことなどある訳がない。
私が堂々と胸を張りそう答えると、カルパス様はふふっと心底楽しそうに笑い始めてしまう。
一体何がそんなに面白いのか?
私が不思議そうな表情を見せると、カルパス様は口元に笑いを残したまま、私へ言った。
「大変失礼しました。──それはそうと、本日はマリアンヌ様にお伝えしなければならない事がございまして……。
そのために、こうしてご一緒させて頂いたのです。
この度、マリアンヌ様が出した依頼によって、公爵家御子息のリーフ様に危険が及びました。
その意味、分かりますよね?」
大貴族である公爵家の人間の暗殺未遂に関わっているとすれば、勿論一族極刑は免れない。
私はザッと青ざめてカルパス様に訴えた。
「ですから、私は化け物の暗殺しか依頼していないと言ったではありませんか!!
それはキチンとお調べになれば分かるでしょう!!」
「そうですね。まぁ、確かにこの度の事は傭兵達の勝手な行動によるものです。だから極刑は免れますね。」
私はホッとして、今後の事を考えた。
恐らくは賠償命令か、一時の領内謹慎か……。
お金なら裕福な実家が簡単に払ってくれるので、どちらにせよとりあえずはこのまま私は実家に帰る事になるだろう。
何も問題はないと安堵の息を吐いた瞬間────カルパス様は静かに告げる。
「よって、あなたは本日より貴族籍剥奪の上、軽犯罪者として平民より下の<下民> になることが決定いたしました。」
「………………はっ???」
< 下民 >
殺人などの重犯罪者を除く軽犯罪者に与えられる身分。
身分としては平民と借金奴隷の下、犯罪奴隷の上に位置する。
重犯罪を犯した者は極刑、もしくはその全員が犯罪奴隷となるが、軽犯罪者に至ってはほとんどの者が<下民>という身分に落とされる。
産業奴隷などのように、借金などが原因でなる身分よりも下の為、職に満足につくことができない上に、常に周りに差別され生きていく事を課される。
そのため、その身分自体が刑罰の一種とされているのだ。
決められたお金を国に払えば平民の身分を買うことも可能だが、大体の人間はそのまま奴隷落ちか、自ら────……。
言われた言葉の理解が追いつかず、ポカンとする私に、カルパス様は続けて言う。
「ちなみに、もうご実家には話がついています。
あなたのお父様は公爵家の暗殺未遂になるという事実に、顔面蒼白になってあなたを切り捨てる事を即座に決定しましたよ。
ご存知だと思いますが、<下民>という身分を持つだけで、まともに雇ってくれる場所はありません。
ましてやあなたと同じ価値観を持つ者達は、喜んであなたと同じ様な対応をしてくるでしょうね。」
カルパス様からそう告げられた瞬間、突然ガタガタッ!!という音を立て、馬車が何処かへ止まった。
言葉なく座っているだけの私を無視し、カルパス様はサッサと私の荷物を持って外に出ると、私にも「どうぞ?」と外に出るよう指示を出す。
まだ状況が飲み込めずぼんやりした思考のままヨロヨロと馬車の外に出れば、そこは平民の暮らす地区より離れた、いわゆる貧相街と呼ばれるところであった。
急速に目の前に突きつけられた現実に私は青ざめガタガタと震えたが、その時カルパス様はとっくに馬車の中に戻っていて、最後にこう告げた。
「貴方のお考えはよく理解致しました。是非、これからもその信念を貫き通して下さいね。
ただし、今度は貴族としてではなく────下民として……ね?
それでは、お元気で。」
それきり馬車の扉はピシャリと閉まり、呆然と立ち尽くす私を置いて、そのまま走り去って行った。
シーンと静まり返る馬車の中、私は内心の焦りを必死に隠し平静を装った顔で目の前に座るカルパス様と視線を合わせる。
大丈夫、気づかれているわけがない……。
────ドキン……。ドキン……。
心臓が早鳴りをしているのを感じながら、大丈夫だと自分に言い聞かせて落ち着きを取り戻した。
仮に気づかれたとしても、別にたかが平民の……しかも『化け物』の暗殺依頼を出した事くらいでは大した事はないはずだ。
「あの、カルパス様、本日は────……。」
「さて、もうおわかりでしょうが、あなたが傭兵ギルドに出した依頼についてです。何か言いたいことはございますか?」
ギクッ!と肩が跳ねる。
もう全てバレている……。
私は汗を掻きながら、カルパス様に合わせていた視線を、スッと下に下げた。
自分の握っている両手が視界に映る中、続くカルパス様の話を黙って聞く。
「雇われた傭兵達は随分と質の悪い者たちでね、レオン君はおろか私達従業員もリーフ様も全て皆殺しにするご予定だったようです。
勿論全てを撃退し事なきを得ましたが……。」
「────なっ!!!」
カルパス様の言葉に、私は絶句した。
私が出したのは『化け物』の殺害だけ。
他の者の殺害など依頼していない!!
「わ、私はそんな依頼は出しておりませんわ!!あの『化け物』を消す依頼だけしかっ……!!」
「そうですか……。レオン君の殺害を依頼したのは……彼が怖かったからですか?」
カルパス様はフーッと息を吐きながら静かにそう尋ねてきたため、私は不快に顔を歪めて答えた。
「違います!あんな醜い『化け物』がこの世に存在すること自体が間違っているからです!
そもそも平民の……いえ、それ以下の化け物の分際で公爵家に出入りするなど以ての外!!
断じて許されるべきことではございません!!
ましてやそれを公爵家のご子息ともあろうものが率先して行うなど、常軌を逸していますわ。」
私は正しい事をしただけ。
裁くべき罪人を裁いて何が悪いのか!
改めて自分の正当性を口にする事で、やはり自分は間違っていないと確信した。
平民以下の分際で公爵家に平然と汚らしい土足で入り込む『化け物』。
そして、公爵家に全くふさわしくない外見と内面を持つ汚らわしい不義の子供……。
どちらも癇に障って仕方がない。
そんなの誰から見てもそう。
この世に生きとし生けるものは、全員が同じ思いを持っているはずだ。
この目の前のカルパス様だって────……。
なに一つ間違っていない『正しさ』を訴えた私に、カルパス様はニコリと上品な笑みを見せた。
「そうですか。────私は最初、レオン君を見た時未だかつて無い恐怖を味わいましたよ。
ただただその存在そのものが恐ろしかった。
イシュル神の禁忌そのものといえる彼が、そしてその未知の強さが……。
今も必死に隠していますが、目の前にすれば思わず逃げ出したくなるほどに。」
「────!そうでしょう!カルパス様なら分かって下さると思ってましたわ!
身分が上の貴方様に、そんな不快な思いをさせる『化け物』など即刻消え去るべきなのです!それこそが正しい正義ですわ!」
同調してくれたカルパス様に嬉しくなり、私は興奮を隠さずそう答える。
間違っている存在を消す事は、正義の断罪。
正義感のお強いカルパス様なら、それをキチンと理解してくれると思っていた!
そう安堵の息を吐くと、カルパス様は突如ふふふと含み笑いをし、その後私の目を真っ直ぐと見返した。
「正義……ですか。ではお聞きしますが、レオン君はマリアンヌ様に何かしたのですか?」
「……えっ?────いえ、だからその存在そのものが『悪』で……。」
カルパス様の言いたいことがわからずオロオロとしてしまったが、相変わらず彼は真っ直ぐ射抜くように私を見つめ続ける。
「存在自体が悪だから、排除する事があなたの正義なのですか?
だからレオン君だけではなく、リーフ様に対しても酷い態度をとりつづけたのですね。
リーフ様が気にされてないのと、教師としての仕事自体は真面目に行っている様子だったので容認していましたが、あなたの正義とやらは何もしていない子供に対し嫌がらせをする事なんですか?」
────ギクッ!!
肩を震わせ、顔は一気に血の気が引いて青ざめる。
リーフ様に対する態度も全て見られていた事に動揺し押し黙る私を、カルパス様は静かに見つめたまま続けて言った。
「自身の価値観から逸脱した存在を、恐れたり疎ましく思う気持ちは良く分かります。
それは誰しもが持つ感情で、人である限りは仕方のない事です。
しかし────その対象を害して排除する必要はありません。
どうしても相容れない時は、黙って離れれば良いのです。
彼らはあなたに、何一つ危害を加えてないのだから。」
自分の気持ちを全て否定され、ひどく侮辱されたような気持ちが湧き上がり、青ざめていた顔色は一瞬で怒りで赤く染まる。
間違っているのは、私では無い。
何故高貴な貴族たる私が、悍ましい平民以下の子供や、明らかに貴族らしからぬ汚らしい不義の子に対し我慢しなければならないのか!
そんな事は間『違っている』!!
その激情のまま、私はカルパス様に強く言い返す。
「何を言っておられるのです!!!子爵の身分を持つあなた様が!!
貴族たるもの平民の無礼に対し罰を与えるのは当然の事ですし、その存在自体蔑まれるのは当然でしょう!
それに例え高い身分の生まれであっても、あの様な汚らしい不義の子供など敬意を払う価値はございません。
何故私の考えを理解してくださらないのですか!!」
私の訴えにカルパス様は顎に手を置き、ふむ……と考える様な仕草を見せる。
「なるほど。マリアンヌ様は、『爵位を持たぬ下位の者達は価値が無い』と……そうお考えなのですね。」
「当然ですわ!!」
自分に何か害する事をしなくとも、貴族の私が不快を感じたならその時点で『悪』!
よって汚らしい平民や、まともな生まれでは無い者など価値がある訳ない。
無価値のものをゴミ箱に捨てる。
その行為に不当なことなどある訳がない。
私が堂々と胸を張りそう答えると、カルパス様はふふっと心底楽しそうに笑い始めてしまう。
一体何がそんなに面白いのか?
私が不思議そうな表情を見せると、カルパス様は口元に笑いを残したまま、私へ言った。
「大変失礼しました。──それはそうと、本日はマリアンヌ様にお伝えしなければならない事がございまして……。
そのために、こうしてご一緒させて頂いたのです。
この度、マリアンヌ様が出した依頼によって、公爵家御子息のリーフ様に危険が及びました。
その意味、分かりますよね?」
大貴族である公爵家の人間の暗殺未遂に関わっているとすれば、勿論一族極刑は免れない。
私はザッと青ざめてカルパス様に訴えた。
「ですから、私は化け物の暗殺しか依頼していないと言ったではありませんか!!
それはキチンとお調べになれば分かるでしょう!!」
「そうですね。まぁ、確かにこの度の事は傭兵達の勝手な行動によるものです。だから極刑は免れますね。」
私はホッとして、今後の事を考えた。
恐らくは賠償命令か、一時の領内謹慎か……。
お金なら裕福な実家が簡単に払ってくれるので、どちらにせよとりあえずはこのまま私は実家に帰る事になるだろう。
何も問題はないと安堵の息を吐いた瞬間────カルパス様は静かに告げる。
「よって、あなたは本日より貴族籍剥奪の上、軽犯罪者として平民より下の<下民> になることが決定いたしました。」
「………………はっ???」
< 下民 >
殺人などの重犯罪者を除く軽犯罪者に与えられる身分。
身分としては平民と借金奴隷の下、犯罪奴隷の上に位置する。
重犯罪を犯した者は極刑、もしくはその全員が犯罪奴隷となるが、軽犯罪者に至ってはほとんどの者が<下民>という身分に落とされる。
産業奴隷などのように、借金などが原因でなる身分よりも下の為、職に満足につくことができない上に、常に周りに差別され生きていく事を課される。
そのため、その身分自体が刑罰の一種とされているのだ。
決められたお金を国に払えば平民の身分を買うことも可能だが、大体の人間はそのまま奴隷落ちか、自ら────……。
言われた言葉の理解が追いつかず、ポカンとする私に、カルパス様は続けて言う。
「ちなみに、もうご実家には話がついています。
あなたのお父様は公爵家の暗殺未遂になるという事実に、顔面蒼白になってあなたを切り捨てる事を即座に決定しましたよ。
ご存知だと思いますが、<下民>という身分を持つだけで、まともに雇ってくれる場所はありません。
ましてやあなたと同じ価値観を持つ者達は、喜んであなたと同じ様な対応をしてくるでしょうね。」
カルパス様からそう告げられた瞬間、突然ガタガタッ!!という音を立て、馬車が何処かへ止まった。
言葉なく座っているだけの私を無視し、カルパス様はサッサと私の荷物を持って外に出ると、私にも「どうぞ?」と外に出るよう指示を出す。
まだ状況が飲み込めずぼんやりした思考のままヨロヨロと馬車の外に出れば、そこは平民の暮らす地区より離れた、いわゆる貧相街と呼ばれるところであった。
急速に目の前に突きつけられた現実に私は青ざめガタガタと震えたが、その時カルパス様はとっくに馬車の中に戻っていて、最後にこう告げた。
「貴方のお考えはよく理解致しました。是非、これからもその信念を貫き通して下さいね。
ただし、今度は貴族としてではなく────下民として……ね?
それでは、お元気で。」
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