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第六章(ライトノア学院試験編、ソフィアとアゼリア、レイドとメル、リリアとサイモンとの出会い)
255 チャンスキタ?
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(リーフ)
ざわつく受験生達の視線を物ともせず、フランさんに物申したのは、なんとマリオンだ。
もしかして緊張しちゃって、トイレでもしたくなっちゃったのかな~?
ツンとした猫ちゃんがソワソワしながらお砂のトイレに向かう姿が思い浮かび、思わずほっこりしていると、マリオンに視線を移したフラン学院長は、「ほぅ?」と感心混じりに眉を上げる。
「貴殿は、スタンティン家のご子息マリオン殿か。
────ふむ、試験について何か思うことがあると……?では、聞こう。申してみよ。」
「寛大な御心に感謝いたします。流石は優秀な人材を輩出してこられたナンバーワン中学院……試験を見守る教員の方々は勿論のこと、受験される方々もレベルが高く驚かされております。
────ですが、この場に一人、学院に全く相応しくない者がおります。」
突然のマリオンの刺々しい発言に、痛いくらいにシーンと静まり返ってしまった場内。
そんな中で、俺はやれやれとため息を吐く。
恐らくアレだ、さっき喧嘩していたアゼリアちゃんの事だ。
駄目だよ、今、喧嘩しちゃ~。
じぃじの必殺特大デコピンを食らわせてやるかと足を動かそうとするより前に、マリオンは、ビシッ!!!と、そこからビーム出るほどの勢いである一点を示す。
「あちらにおります黒いフードを被った怪しい極まりない男ですっ!!!
顔を隠すなど、替え玉の可能性もございます!!そうではありませんか?!フラン様っ!!」
マリオンの指し示すその先には、黒いフードでお顔の全てを隠したレオンがいた。
指を差された当の本人であるレオンは、それはそれはショックを受け……る事など微塵もなく、勿論いつも通りの完全無視バージョンでぼんやり立っている。
あ~……そっちだったか~。
自分の当てが外れて、あちゃ~と頭を抱える俺の横で、モルトとニールの顔からは、表情がストンッと消えた。
「確かにあの人……ずっと顔を隠しているわね。」
「あそこまで隠れていると、別人に変わってもバレないかも……?」
周囲の受験生達が、レオンを見てヒソヒソとし始めると、フラン学院長は一言「静まれ。」と静かに告げる。
そして、再び静寂に包まれた場内で、フランさんはゆっくり口を開いた。
「ふむ……。確かに貴殿の気鬱も一理ある。
我が学院の正門には、予め登録された受験生以外が試験を受けようとすれば、両手が吹き飛ぶ魔法がかけられているのだが……確かに、何らかの方法で不正を行おうとする輩は、毎年一定数はいるのでな。
────では、そこの黒マントの貴殿に命じる。これより、顔を隠すフードを取って試験を受けよ。」
『両手が吹き飛ぶ』
そんな物騒な言葉に、受験生達の殆どが背筋を凍らせたが、俺はそんなことよりもっと重要な事を思いついた為、その事は既に頭の外にスポポポーン!と消え去ってしまっていた。
これは俺のちょいワルならぬ、めちゃワルおじさん……いや、最凶悪役リーフの最高のお披露目大チャンスが来たんじゃない?!
フランさんを初めとする教員達、そして全ての受験生達の視線がレオンに注目する中、俺は心の中で一人ガッツポーズをする。
共通科目が多い小学院とは違い、自分の専門を極めるのを目的とした中学院では、その方向性によっては殆ど会ったことがない人もチラホラ出てくるはず。
しかも、この人数の多さを考えれば俺の悪役っぷりをせっかく披露しても、『そんな人見たことないな』と言う人達も多いのでは?と実は心配していた。
その結果、レオンが俺の見てないところでいじめられてしまう恐れもあるし……。
それに、何より最近ちょっと諦めてしまい気味の無気力レオンを、ガツンと虐める大チャンスでもある。
俺は尚もポケ~と完全無視を決め込んでいる平和ボケレオンを見上げ、意地悪く笑った。
レオン少年、レオン少年、君はすっかり忘れているね?
この俺、リーフ・フォン・メルンブルクの真の怖さを……。
物語の中で、最も残忍で悪逆非道の限りを尽くしたこの最強の悪役様の事を────!
わざとらしく首を鳴らして準備運動をしながら、目をキラっ!と輝かせる。
俺の盆踊りに継ぐ誇れるもの、それは『演技力』だ。
俺は過去、高校の演劇会で、この目立たない見た目から森の木の役に抜擢された事がある。
『何事も任された事は全力で』
それがモットーの俺は練習に練習を重ね、とうとう迎えた本番の日────俺のあまりの木の躍動感に、全生徒達の目線は釘付け!
『お前の木の動きが凄すぎて劇の内容を覚えていない。』────とまで言われたほどの実力だ。
そんな実力派の俺が、この4年間欠かさず演じてきた悪役リーフ。
不自然さなど微塵も感じぬ自然な悪の演技、息をするのと同列であると断言するほどの完璧なる悪役の姿────皆、刮目してみよ!
────シュタッ!!
俺はすぐさま近くにあるリング上に上がると、レオンに向かって「こっちにおいで~!」と言って手を来い来いする。
すると素直の代表選手であるレオンは、何、何~??といった様子で俺の目の前にやってきた。
良し良~し!
俺は念入りにレオンのマントを軽く叩いてホコリを念入りに取ると、くるんっとレオンの体を180度回転させて、こちらに注目している大衆の前に向ける。
そしてレオンの前に出て、ニタリと悪い笑みを浮かべた。
「そんなにレオンの素顔が皆見たいのかな~?
このリーフ・フォン・メルンブルクの、忠実なる奴隷のレオンの本当の姿をっ!!」
腕を組み、クックックと悪役そのものの笑い声を口から出してみる。
すると、フランさんや教員達は流石プロで、それに動じた様子を見せはしなかったが、生徒たちは【メルンブルク】と言う名前に動揺を見せた。
「え……あの公爵家の?」
「でも……その割には外見が……?」
「────んん??今奴隷っていわなかった??」
────などなど、非常に驚いている生徒たちを見て、俺は満足気に頷く。
貴族が多い中学院では【メルンブルク家】を知らない人の方が珍しいはず。
先制パンチは上々、それにこれからトドメを刺す!とばかりに俺はレオンに命じた。
「そんなに見たければ見せてあげよう!我が忠実なる奴隷の姿を!!
レオン!その頭のフードをとるんだ!!」
「はい。」
レオンは上機嫌にも聞こえるような声色で返事を返し────頭に被っているフードを何のためらいもなく取った。
ざわつく受験生達の視線を物ともせず、フランさんに物申したのは、なんとマリオンだ。
もしかして緊張しちゃって、トイレでもしたくなっちゃったのかな~?
ツンとした猫ちゃんがソワソワしながらお砂のトイレに向かう姿が思い浮かび、思わずほっこりしていると、マリオンに視線を移したフラン学院長は、「ほぅ?」と感心混じりに眉を上げる。
「貴殿は、スタンティン家のご子息マリオン殿か。
────ふむ、試験について何か思うことがあると……?では、聞こう。申してみよ。」
「寛大な御心に感謝いたします。流石は優秀な人材を輩出してこられたナンバーワン中学院……試験を見守る教員の方々は勿論のこと、受験される方々もレベルが高く驚かされております。
────ですが、この場に一人、学院に全く相応しくない者がおります。」
突然のマリオンの刺々しい発言に、痛いくらいにシーンと静まり返ってしまった場内。
そんな中で、俺はやれやれとため息を吐く。
恐らくアレだ、さっき喧嘩していたアゼリアちゃんの事だ。
駄目だよ、今、喧嘩しちゃ~。
じぃじの必殺特大デコピンを食らわせてやるかと足を動かそうとするより前に、マリオンは、ビシッ!!!と、そこからビーム出るほどの勢いである一点を示す。
「あちらにおります黒いフードを被った怪しい極まりない男ですっ!!!
顔を隠すなど、替え玉の可能性もございます!!そうではありませんか?!フラン様っ!!」
マリオンの指し示すその先には、黒いフードでお顔の全てを隠したレオンがいた。
指を差された当の本人であるレオンは、それはそれはショックを受け……る事など微塵もなく、勿論いつも通りの完全無視バージョンでぼんやり立っている。
あ~……そっちだったか~。
自分の当てが外れて、あちゃ~と頭を抱える俺の横で、モルトとニールの顔からは、表情がストンッと消えた。
「確かにあの人……ずっと顔を隠しているわね。」
「あそこまで隠れていると、別人に変わってもバレないかも……?」
周囲の受験生達が、レオンを見てヒソヒソとし始めると、フラン学院長は一言「静まれ。」と静かに告げる。
そして、再び静寂に包まれた場内で、フランさんはゆっくり口を開いた。
「ふむ……。確かに貴殿の気鬱も一理ある。
我が学院の正門には、予め登録された受験生以外が試験を受けようとすれば、両手が吹き飛ぶ魔法がかけられているのだが……確かに、何らかの方法で不正を行おうとする輩は、毎年一定数はいるのでな。
────では、そこの黒マントの貴殿に命じる。これより、顔を隠すフードを取って試験を受けよ。」
『両手が吹き飛ぶ』
そんな物騒な言葉に、受験生達の殆どが背筋を凍らせたが、俺はそんなことよりもっと重要な事を思いついた為、その事は既に頭の外にスポポポーン!と消え去ってしまっていた。
これは俺のちょいワルならぬ、めちゃワルおじさん……いや、最凶悪役リーフの最高のお披露目大チャンスが来たんじゃない?!
フランさんを初めとする教員達、そして全ての受験生達の視線がレオンに注目する中、俺は心の中で一人ガッツポーズをする。
共通科目が多い小学院とは違い、自分の専門を極めるのを目的とした中学院では、その方向性によっては殆ど会ったことがない人もチラホラ出てくるはず。
しかも、この人数の多さを考えれば俺の悪役っぷりをせっかく披露しても、『そんな人見たことないな』と言う人達も多いのでは?と実は心配していた。
その結果、レオンが俺の見てないところでいじめられてしまう恐れもあるし……。
それに、何より最近ちょっと諦めてしまい気味の無気力レオンを、ガツンと虐める大チャンスでもある。
俺は尚もポケ~と完全無視を決め込んでいる平和ボケレオンを見上げ、意地悪く笑った。
レオン少年、レオン少年、君はすっかり忘れているね?
この俺、リーフ・フォン・メルンブルクの真の怖さを……。
物語の中で、最も残忍で悪逆非道の限りを尽くしたこの最強の悪役様の事を────!
わざとらしく首を鳴らして準備運動をしながら、目をキラっ!と輝かせる。
俺の盆踊りに継ぐ誇れるもの、それは『演技力』だ。
俺は過去、高校の演劇会で、この目立たない見た目から森の木の役に抜擢された事がある。
『何事も任された事は全力で』
それがモットーの俺は練習に練習を重ね、とうとう迎えた本番の日────俺のあまりの木の躍動感に、全生徒達の目線は釘付け!
『お前の木の動きが凄すぎて劇の内容を覚えていない。』────とまで言われたほどの実力だ。
そんな実力派の俺が、この4年間欠かさず演じてきた悪役リーフ。
不自然さなど微塵も感じぬ自然な悪の演技、息をするのと同列であると断言するほどの完璧なる悪役の姿────皆、刮目してみよ!
────シュタッ!!
俺はすぐさま近くにあるリング上に上がると、レオンに向かって「こっちにおいで~!」と言って手を来い来いする。
すると素直の代表選手であるレオンは、何、何~??といった様子で俺の目の前にやってきた。
良し良~し!
俺は念入りにレオンのマントを軽く叩いてホコリを念入りに取ると、くるんっとレオンの体を180度回転させて、こちらに注目している大衆の前に向ける。
そしてレオンの前に出て、ニタリと悪い笑みを浮かべた。
「そんなにレオンの素顔が皆見たいのかな~?
このリーフ・フォン・メルンブルクの、忠実なる奴隷のレオンの本当の姿をっ!!」
腕を組み、クックックと悪役そのものの笑い声を口から出してみる。
すると、フランさんや教員達は流石プロで、それに動じた様子を見せはしなかったが、生徒たちは【メルンブルク】と言う名前に動揺を見せた。
「え……あの公爵家の?」
「でも……その割には外見が……?」
「────んん??今奴隷っていわなかった??」
────などなど、非常に驚いている生徒たちを見て、俺は満足気に頷く。
貴族が多い中学院では【メルンブルク家】を知らない人の方が珍しいはず。
先制パンチは上々、それにこれからトドメを刺す!とばかりに俺はレオンに命じた。
「そんなに見たければ見せてあげよう!我が忠実なる奴隷の姿を!!
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