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第六章(ライトノア学院試験編、ソフィアとアゼリア、レイドとメル、リリアとサイモンとの出会い)
270 いつかは……
しおりを挟む(リーフ)
「選べる選べる~!でも、まだまだ早すぎるね、それは。
レオンはまだカエルで言うとお水の中の卵レベルだから。
カエルまではすごく遠いだろう?」
恋愛に関しては、下手をしたら卵が生まれる前。
それどころか雄と雌が出会ってすらいないレベルかもしれない。
なんてったって狂った神だし、まずは挨拶するところからだし……。
嘆かわしさにこっそり息を吐き出した俺を見て、レオンはアワアワしながら、縋るような目を向けてきた。
「……そ、そうなんですか?────あっ、では時空魔法でカエルに……。」
必死に言い訳のような事をいっているが、そんな意味不明なズルっ子は恋愛には通用しない!
その為手をクロスさせ、ブブー!!と完璧に否定しておいた。
「……いつかは……叶いますか?」
レオンはショックを受けたのか?一瞬黙った後、ポツリと呟く。
その目は真剣そのものだったので、俺は安心させる様に大きく頷いた。
「(寿命という概念がなければ)叶う叶う~。(かもしれないよ~。)」
大人の言う『叶う』は大抵この(寿命という概念がなければいつかは~)がつく。
子供がこうかな~?と言った事がどんなに難しい事だとしても、その時点で無理だと言っては、やる気と希望を失ってしまうからだ。
その時に言う言葉がコレ。
『(いつかは)叶う。』
嘘はついていない、かつ子供の夢を打ち砕かない最善の答え。
そしてそれを聞いた子どもたちはその希望を胸に抱き努力を重ね……いつしか大人になっていく過程で現実を知り、理想と現実のマッチングをしていくもの。
そしてそして~!その思い出を胸に、今度は大人になった自分が子供相手に同じことを言う!
そうして世代は回っていくのだよ、レオン少年よ。
頑張った後は、違う子供達に同じセリフを言ってあげておくれ。
フォッフォッフォッ~!
希望の火が灯り、キラキラ夜空の星のように瞳を輝かせるレオン。
俺がおじいさん風の笑いを漏らしその場を締めると、先ほど予想したとおりレオンは俺の腰をワシっと掴み、そのまま抱き上げその場に座り込んだ。
はい、いつもの事いつもの事~。
俺、腹話術のお人形!
大人しくお座りするレオンの腕の中、チラリと視線を上に向ければ、幸せ一杯のレオンの顔が目に入る。
もしかして初めて体験した、『人が一杯』な状況に疲れちゃってたのかも?
まだ誰もいない広い基礎運動場を見て、唐突にハッ!と気付く。
なんたってレガーノの人口密度の低さは半端ない。
人と人の間に、必ず木か畑みたいなものがあるレベルだから。
だから人がいないゆったりした空間でリラックスお幸せモードに突入したのかも。
確かに久しぶりの人が多い空間、俺もちょっと疲れたし……。
自分の疲れにも気づくと、自然と目玉はゆ~らゆらと左右に揺れ始め、意識は夢の世界へと引っ張られていく。
「リーフ様?」
名前を呼ばれた時には、既に頭の中で羊たちが魅惑的なふわふわ体毛を振りながら高速で俺の周りを回っていた。
グルングルンと回り、夢の国まであと一歩……。
それに気づいたレオンが、俺にマントを被せてくれたため、羊たちの動きは更に激しさを増す。
「『思い出』、これから沢山沢山作りましょうね。
二人だけの…………────行く────……に────……。」
最後の方は聞こえなかったが、『いつか』必ず来る別れの日まで、レオンとの思い出を沢山作りたいな~と思っている俺、コクコクと何度も頷いた。
「うん……うん、いいよ~……。」
夢現で答えた瞬間、とうとう羊達に体当たりされて、強制的に夢の国へ入国!
そのまま羊たちにポヨポヨ体当たりされながら、眠りの世界の奥深くへと連れて行かれてしまった。
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