【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第七章(試験後、レオンと娼館、アントンと呪いについて、リーフ暗殺計画)

311 ピンクだった

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(リーフ)

あ~……あれ?春だよ、春~。
────などとは、口が裂けても言えずにザッ!と青ざめた。

重要な局面、パート2、『性教育』。

これは間違いなく子育てをしている親にとって迷う事ランキング三位以内に入る、重大な出来事である。
そして、俺はまさに今、その大きな壁の前に立っている!

『あんな大きくてお城みたいなお店なら、さぞや凄いものが売ってるんでしょ~?』 

レオンの純粋で汚れなき眼が、そう俺に期待を込めた視線で語ってくる。
そのせいで、俺の内心の焦りは頂点に達した。

「ちょ、ちょっと待っててね~。」

俺はレオンにそう伝え、大きなあげ玉の後ろに隠れると、カリカリと地面に文字と絵を書きながら考えをまとめていく。

まずここでレオンへの教育を間違えれば再びEDになる可能性が高い事。
そして正しい男女のお付き合いをするためには、正しい知識が必須であること。
それを念頭に置いた上で、今ある新しい事実は……レオンが今朝、夢精という大人の第一段階を終えているということだ!

わ~!と出来るだけ静かに拍手をした後、その後は黙って考え込む。

今後はこの性的欲求にモヤモヤするだろうが、それを誰かと発散するのはまだまだ先。
更にレオンがそれを達成するには、いくつもの過程が必要となるわけだ。

俺は地面にカッカッカッ!とこれから起こりうるルートについて地面に書き出してみた。

まずは好きな女の子ができること。
次に告白し受け入れてもらうこと。
その後はマイペースにお互いの関係性を進め、いつしかおニャンニャン……が正規ルートであると、俺は思っている。
だが、そうじゃないって人もいるだろうし、俺も含めて誰しもがこの正規ルートを順調に歩めるわけじゃない。
何らかの原因で女性に受け入れて貰えない場合や、どうしても性的衝動を抑えられない時、その受け皿となってくれる場所が多分この<娼館>だ。

地面に書いた『しょうかん』という文字を大きな丸で囲い、レオンの似顔絵を隣に描き、バッテンマークを書いた。

まだ精通を終えたばかりのレオンに、娼館について教えるのはまだ早い……よねぇ?

あげ玉の後ろから顔を出し、真剣な顔で娼館を見つめているレオンを見る。

もしかして気絶しちゃうかもしれないし、それか錯乱してまた絞め殺そうとしてくるかも……。
でも全くの嘘を言うと、『じゃあ入ってみましょう。』とか言われちゃうかもしれないし……。
その姿が容易に想像できたので、『とりあえず事実だけを簡潔に教えよう。』で考えがまとまった。

俺はあげ玉の後ろからソッと出て、ゆっくり歩いてレオンの前に立ち、言葉を選びながら説明を始める。

「あ~……うん……あのね、実は世の中には色々なお仕事があるんだよ。
あそこは、ちゅっ……チューしてくれたり、抱きしめてくれたり……一生懸命体を使ってお金を稼ぐ場所なんだ。」

「体を使って稼ぐ……?」

レオンはピタリと止まって、そのまま固まって微動だにしない。

どうやら、大きなショックを受けた様子。
……あれ、これ気絶してない?大丈夫??

心配になって不自然に反らしていた視線をレオンの方へきっちりと向ければ────怖いくらいに険しい顔で俺を見下ろすレオンの顔とご対面し思わず固まる。

「……体で稼ぐとは……キス……したり……抱きしめたりする事……なのですか?」

「えっ?……あ~……うん、そうそう。要はその魅力的な体を触らせたりして相手に満足してもらうお仕事だね。」

嘘をつくわけにもいかず素直に肯定すると、レオンの機嫌は氷点下……吹きつけるブリザード並に急下降し俺を凍えさせてきたが、次に言葉で風向きが変わった。

「それは何処をどれくらい触らせるおつもりなんですか……?」

おおお??なんか凄い食いついてきたぞ???

思ってもないレオンの反応に、目玉がポポーンとお空に飛び出した。

てっきり清潔・潔癖マンのレオンの心にクリティカルヒットした故の激昂ぷりかと思っていたが……どうやらそうでは無いらしい。
ズモモモモ────!!!と、某ゲーム的に言えば魔王の様な圧倒されるオーラを滲み出しているレオンだが、実は性的興味満々のピンクオーラだったようで、俺はホッと安堵の息を吐き出した。
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