【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第九章

375 いざゆかん!寮へ!

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( リーフ )

前回同様、ライトノア学院の専用駐車場まで馬車で向かい、そこからは徒歩で寮へと向かうため、モルト、ニールとともに一旦多次元収納庫からそれぞれの荷物を取り出す。


そして俺はその荷物の中から、ストロー付きのお水の入った水筒とお豆の詰め合わせが入ったお弁当を取り出し、あげ玉の首に巻かれた多次元バックに放り込んだ。


「 当分お片付けとかだから森で遊んでおいで~。

ちゃんと休憩もはさみながら遊ぶんだよ。 」


普通についてくる気満々のあげ玉にそう伝え、森の方を指差す。


実はあげ玉、最近また新たなスキルが発現し俺とレオンが何処にいようとも場所が分かるようになったのだ。



( 戦闘鳥 )モンスタースキル

< 全員集合 ♬ >

群れの仲間の居場所を何処にいようが正確に把握することができる空間系特殊モンスタースキル

(発現条件)

一定期間群れの仲間たちと過ごす事

一定回数以上群れの仲間に心配してもらう事



「 クッピー!( OK! ) 」


あげ玉は楽しそ~!と言わんばかりに目を輝かせると、そのままご機嫌で森へと飛んでいった。


グリモアのモンスターはもの凄く強いらしいが、なんのなんの。

ウチのあげ玉は負けやしない!


よって子供は元気一杯森で遊ばせるのが正解正解。


フンフン~♬と鼻歌を歌いながら、後ろにいまだペトリとくっついているレオンを気にもとめず、荷物を出し切った俺、モルト、ニールは、ライトノア学院の案内状を取り出し、これから向かう寮についての道順を確認する。


寮の部屋割は、実力主義に相応しく~……とはいかず、まぁ毎度お馴染み貴族側からのごねりが凄かったため、身分別に分けられている────のは予想通り。

しかし、なんとこの寮については平民側からも ” 要望 ” と言う形で異議を唱える声が多数上がったのだそうだ。


ふ~む……。


各寮での注意書きを読みながら、その理由について納得する。


身分によっての違いは多く、いい例として挙げれば食生活について。


貴族の一般的な食事は少量の料理がチョコチョコ出てくるコース料理型。

平民さんの方は定食屋とかで頼めば出てくる日替わりワンプレート定食型。



まず食事形態からして全く違うため、貴族からすればドドンと置かれた普段食べ慣れないボリューミーなスタミナ定食に胃もたれマックス。

対して平民からすれば "   何これ~?鳩の餌?  "  と言いたくなるような、チョロッとした少量の食事がチミチミ運ばれてくるので満腹感が得られない。


さらに食事だけではなく礼儀作法やら何やら、ありとあらゆる生活習慣が異なるため、お互い落ち着いて生活できないと双方から不満が上がったらしい。


さらに毎月支払う寮費についても大炎上!


第一寮の毎月の寮費は、ヘタをすれば平民家庭の年収に相当する。

そんなの払えません、よって一般寮でお願いします!と、優秀な子供達を持つ平民の両親達が泣きながら学院に乗り込んできたという話だ。


確かにそりゃ~そうか!と学院側も納得し、寮は身分に従って3つに分けられる事になった。


ペラペラ~と案内状をめくっていくと、まずドドン!と現れたのが、巨大で煌びやかな建物のイラスト。

それに寮についての説明がずらっと書かれている。


その巨大な建物は【 第一寮 】

ここは王族~高位貴族のみの寮で、とにかく見た目が金ピカ、ゴージャスな建物になっている。

まるで何処ぞやの宮殿かな?といった作りをしているその寮、驚くのは外見だけではない。


入り口や寮を囲うようにズラ~と警備の人達が常駐している。

それは各部屋の前でも同様に常に複数人が控えており、他にも専用の連絡係に雑用何でもあれ~な専門家達が至るところに配備されているらしい。


勿論自身の従者も連れてきてOKな為、従者用のお部屋も完備。

食事は毎食、最高級品をトップクラスの料理人さん達が毎日作ってくれるし、毎夜疲れを取るためのマッサージ師さんまで各部屋に常駐しているそうだ。


一泊百万くらいしてもおかしくない!

そんないたせり尽せりな寮に貧乏おじさんは、カカっ!と目を見開いた。


まさにいたせり付くせり~なこの寮、現在は全生徒の1割にも満たない程度の生徒たちが暮らしている。



続いて【 第二寮 】


ここは下級貴族~裕福な平民専用の寮で、イメージ的には一般マンションの一部屋。

1人の生徒につき1つの部屋が与えられ、従者がいる場合は同室でなら可。

食事はバランスの良いおしゃれな定食といった感じ。

基本自分の事は自分で、だけど洗濯や掃除などは毎日専門の人が一気にやってくれるから、そこまで生活感に溢れた生活ではないよ~という、リーズナブルなホテルに泊まりに来たような生活をおくれる寮である。

ちなみに全体の4割程度の生徒がここに住んでいる。



そして最後は【 第三寮 】!


ここは残りの生徒達が全員暮らす平民のための寮となっているのだが、部屋はひとり暮らし用のアパートの一室のような内装で、そこに2人の生徒達がルームシェア。

全員が交代で共同スペースのお掃除や洗濯をしつつ、勿論自分の事は自分でするのが基本。

定食は安い!美味い!大盛り!……と、学生ならではと言えるようなお腹を満たすを目的としたボリューム満点の食事に、共同キッチンを使って自炊もOK。


ここだけ聞けば前世での学生がする寮生活としては似たりよったりではあるが、これでも平民さんにとってはかなりの贅沢なんだそうで、更にお値段も安く一切の不満を訴える声はあがっていないとのこと。


これだけでも、如何に貴族と平民との生活上の違いが大きいかがよく分かる。


寮を分けない事で起こりうるトラブルを想像し、プルプルと顔を横に振った。


ここまで生活環境が違うと生活を一緒には無理。

そうそう生活環境が────……ね?


俺は自分の合格発表と共に送られてきた『 寮への案内状 』と書かれた紙を取り出し、そこに書かれている文字を遠い目でジッと見下ろした。


『 リーフ・フォン・メルンブルク 第一寮 』


今日から最高級ホテル住まいか……。


全く違う環境で暮らす事に、実は不安だらけな俺。

そのままモルトとニールの案内状をチラッと見ると、二人の紙には『 第二寮 』と書かれていた。

つまり幼馴染~ズの俺達はそれぞれ違う寮に住む事になるため、2人とはしばしのお別れ。


めちゃくちゃ寂しい!


三人でグスンッと泣きながら、とりあえず『 各自部屋でギリギリまで荷物をまとめて、その後は現地で待ち合わせしよう! 』と約束し、俺達はそれぞれの寮を目指して歩き出した。
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