【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第九章

376 レオンの寮問題

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( リーフ )

そうして歩き出して直ぐ、俺は子泣き爺の様にひっついたまま離れないレオンに届いていた案内状を取り出す。


俺の案内状と共に、レオンのも勿論リーフ邸に届いていて、一度開けて見たのにも関わらず、ドキドキしながらそれを開き────……。


『 レオン 第一寮 』という言葉に、ホッと胸を撫で下ろした。


主席で合格したレオンは見事特別免除生に合格し、学費は勿論寮費も全部タダ。

そのため実力主義を掲げる中学院に相応しく、最高級待遇の第一寮へ無料で入る事が決まった。


< 特別免除学生 >

資質以外にも入学テストで優秀な成績を収めた者は、在学中の学費、その他全ての経費が免除される

成績が上位3位以内に入ること 


更に追加の特別待遇として、その寮の中でも一番良い最上階の部屋を1位から3位まで順番に与えられ、平民さんだった場合はその生活環境に合わせて色々な要望も全て叶えてくれるらしい。


まさにちょっとした王様気分が味わえるそうだが、俺としてはそんな扱い云々よりも、まずレオンと隣同士のお部屋に慣れたことに安堵する。


これでレオンだけ第三寮とか言われたら、ごねるか完全無視で俺の部屋に入り浸るか……。

どちらにせよ不安しかない寮生活になっていただろうから正直これは助かった。


ホッとしながら、紙に書かれている第一寮での設備やルールなどに目を通していたのだが────今度はその内容に不安を感じ始めスッ……と真顔になる。


王族や高位貴族の子供達が暮らすとなると仕方ない事だが、警備のレベルがとんでもなく高いため、まず見張りや警護さんの数がべらぼうに多い。


さらに全ての行動に、あらゆる人達がくっついてくるらしく、食事の際も後ろには警護の人達がズラリ。

さらに食事の補助をする人達が数人いてスプーンやフォークまで食事の時に渡してくれるらしい。


極め付けにはトイレ。

扉の前で2~3人ほどの警備員と何かあった時用のトイレ係?さんがトイレットペーパーなどなどを持って待機しているというのだからびっくり仰天!


まさに "   プライベート?何それ~?  "   的な生活であるが、高貴な身分のお方達はそれが普通だそうで、違和感は一切感じないようだ。


トイレの外からソッ……とトイレットペーパーを差し出してくる兵士さんの姿を想像し、頭が痛くなる。


ごく一般的な普通の生活しか送ってこなかった俺が、果たしてそんな生活に慣れることが果たしてできるだろうか……?


不安になったその時────俺の脳裏には今までの生活の思い出がブワッと走馬灯の様に浮かび上がった。



ご飯は常に高性能なレオン椅子。


しかもその性能は座るだけに留まらず!

自動でご飯まで食べさせてくれる&お手々のマッサージまでついてくる優れもの~。


更に更に~電動車椅子もびっくりの、快適頭皮マッサージつきのゆったり【 抱っこ型 】と、スピード特化の【 おんぶ型 】の ” 馬 ” に~?


お硬い感触が売りの、揺りかごのような快適お昼寝用ベッド!


寝ぼけてトイレに入った時もご安心を。


粗相を起こす心配皆無な安心見張り機能まで兼ね備え、気がつけば目の前に立っているという親切さ。


それに慣れてきた今、昼間にも堂々とトイレの中に入って来ようとするレオンに対し、うっかりそれが普通とまで思い始めている自分。


────まぁ、第一寮での生活も直ぐに慣れるか……。


紛れもない自分の体験談からそう判断し、ウンウンと頷いたが……そこでムクムク~と心を刺激するのは、レオンの社畜的性格とあげ玉についてだ。


” お仕事取られた!! ”


” なんでそんな意地悪を?! ”


そう言いながら寮で働くスタッフさん達に激おこするレオンがまず浮かび、さらに生徒たちが連れている契約モンスターたちに対し────。


「 クペェェェェ~? 」


喧嘩上等とばかりに睨みつけながら、片っ端から高ランクモンスターたちに戦いを挑む戦闘狂なあげ玉を想像し、足元がおぼつかなくなる。


フラフラ歩く俺を、お仕事チャンスとばかりにレオンがササッと荷物ごとおれを抱っこ。

コレ幸いとばかりに俺はレオンに体を預けながら、もういっそレオンとあげ玉と三人で森で暮らすしか……と諦めかけたその時、第一寮が見えてきた。


しかし、なんだか様子がおかしい。


第一寮の建物の前、ご立派な扉がドド~ンと立っている場所には既に沢山の生徒たちが集まっており、ガヤガヤという子どもたちの声と、何やら言い争っている声まで聞こえる。


何何~?どうしたの~?


ちょっと穏やかではなさそうなご様子に驚きながら、ジーッとその集団をよ~く見つめると……。

揉めている中心には、あの真っ赤なドレスが印象的な大司教の娘ジェニファーちゃんと、レオンの第一ヒロイン候補のソフィアちゃんがいるのが見えた。



マングース VS ハブ の異種格闘技選手権勃発?



一緒に暮らすとなると、ある程度の不満は貯まるもの。

多分それで揉めてしまっているに違いない。


それをぶつけ合う事もまた必要なり~。


のほほんと呑気に頷いていたが、最外周にいる生徒の1人がコチラに気づくとギョギョッ!!!と物凄い過剰な反応をし、コチラを見たまま震えだした。


そしてそれは伝染病が広がる様に、前へ隣へと広がっていき────汗をびちゃびちゃ垂れ流しながらその全員が一斉にコチラを見ている状態へ。


「 …………。 」


嫌な予感がビンビン。

しかし、とりあえず挨拶は大事。

第一印象はここがスタートという自分のポリシーに従うことにして、ニッコリ笑顔を浮かべる。


「 皆おはよ~う。何?何~?何かあったの?

俺もま~ぜ~て~! 」


すると揉めていたジェニファーちゃんとソフィアちゃんもバッ!!とコチラを振り返った。


顔面偏差値の高い2人からの差すような視線はとても迫力があるぞ~?


ドキドキしながら2人に向かって手を振り、レオンの上から降りる。

するとそれと同時にジェニファーちゃんが青ざめた顔をバッ!と広げた扇子で隠しながら、俺に向かって優雅な礼をした。

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