【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第九章

394 理想の家

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( リーフ )


「 …………?? 」


不思議で溢れる頭を抱えながら、ジッとその増築された建物達を眺めた。


一番右端にあるのがレオンが建てたであろうおしゃれコテージ、これは先ほど建てられたもので間違いはなさそう。


問題はその左に続く建物達。


おしゃれコテージの左隣に立つ建物には大きく開いた縁側のような物があって、その前には畳10枚以上は有りそうなまぁまぁ広い畑が広がっているのが見える。



イメージ的には、昔話でおじいちゃんとおばあちゃんが日向ぼっこするような感じの……

なんだかほっこりしてしまうような癒しの空間に、さらに暗くなってきても大丈夫と言わんばかりに、沢山のキラリ・マッシュ達がそこら中放し飼いされている様だ。


そしてその建物の左隣には上部が開いた屋根なしの謎の建物が建てられていて、一体あの建物は何なんだろう??と思いながらそこへ近づこうとした、その瞬間ーーーー俺の視界は真っ黒になってしまった。


おお???!


驚き背を仰け反らせると、目の前には穏やかな笑みを浮かべている真っ黒マントのレオンがいた。


「 おかえりなさい、リーフ様。 」


「 た、ただいま! 」


いつの間にか目の前に立っていた事に驚きながら返事を返すと、レオンは更に嬉しそうに笑みを深くし、俺の両手から食べ物をとりあげた。


「 ……街、楽しそうでしたね。 」


しっかりと投げられたコミュニケーションを試みる言葉に感動しつつ、先程の出来事を思い出して大きく頷く。


「 うん!凄く楽しかったよ。

グリモアの人達は凄くいい人達だったから今度レオンも行こうね。 」


笑顔でそんなお誘いの言葉を口にすると、レオンはそれを遮るように話しだした。


「 先程のリーフ様の理想を全て注ぎ込みました。

どうでしょうか? 」



??理想???


俺はその言葉を受け、改めて家を見渡した。



” ーーー後は……そうだなぁ~、縁側とかいいよね。

昔話で出てくるようなやつ!


あ~、レオン縁側って知らないよね?


何ていうか……こう、前に畑とか広がってて日向ぼっこできる感じの?

ほっこりするやつ!


後はなんといってもお風呂だね!


地上の楽園ほどじゃなくていいからゆったりと足が伸ばせて~夜空も見えて~…………なんちゃって!


流石にそれは作るの難しそうだね。”




ーーーあっ!!


自分の言った言葉を思い出し、カッ!!と目を見開いた。


確かに言った言った!


今更ながらに思い出す記憶力のポンコツっぷりに地味に凹み、その後は怖いくらいに縁側付きの建物が俺の理想通りに出来上がっている事に大きな喜びとーーー


ちょっとした疑問を感じレオンに質問する。



「 気に入るなんてもんじゃないよ!正に理想通りの家で俺凄くびっくりした~。

レオンは本当に凄い!器用!天才!作ってくれて本当にありがとう。


でも、よくあれだけの説明でこんな家建てれたね?


見たこと無い形でしょ?あーゆうの。 」



そう言って俺は、縁側突きの建物を指差した。


その建物は、一言でいえばバリバリの日本的家屋。


俺としては馴染み深い建物だが、中世ヨーロッパ風の建物しかないここアルバード王国にはかなり珍しい・・いや、見たことすらないレベルの建物だと思われる。

なので純粋に疑問に思ったのだが、レオンはあっけらか~んとその質問に答えた。
    
      ・・・・
「 あぁ……見ましたから。 」


そう言ってレオンは俺の額に人差し指をちょんっと当ててニコリと笑みを浮かべる。


その動作にデジャブを感じたが、トコロテン方式で古い記憶はどんどん頭の中から追い出されてしまう俺の鳥さん頭では思い出せず……

多分レオンが今まで読んできた本の中に、ドワーフ族の建築物が載っている物でもあったのだろうとそこで思考は落ち着いた。


ドワーフ族は様々なタイプの建造物を作る事で有名なので、日本風の建物があってもおかしくはない。

ラッキーラッキ~!

思わぬ幸運に喜びニッコニコしていると、レオンは嬉しそうに俺を建物の中に誘導し、まずはおしゃれコテージの中へ。


ドアを開いて中を覗くと、まずは先程より内装が広くなっている事に驚き、ギョッ!と目を見開く。

更にそこに置かれているキングサイズのベッドより更に大きい、20人くらいは寝れるんじゃない?というくらいのサイズのベッド・マッシュにも驚かされた。



< ベッド・マッシュ >

きのこの一種で、笠が大きくぱっとみるとベッドにしか見えない形をしている事からそう名付けられた。

その笠の部分からホコリや塵などのゴミや汚れを吸収し、更に一日一回の水を与えればずっつとその形状のまま生き続ける

そして最高の肌触りと感触であることから超高級ベッドとして使われているが、魔素の濃いところにしか生えず入手は非常に困難。

大きさもその魔素の濃さに比例して大きくなるが、今のところ人の身で採集できた最大のモノはシングルベッド程度の大きさまで。


初めて見る高級素材ベッド・マッシュにキラキラ目は輝き、うわぁ~!と感動が口から飛び出る。


「 ベッド・マッシュだ!こんな凄いのどこで見つけたんだい!?

凄いじゃないか!レオン! 」


「 森に生えていたので取って来ました。 」


喜びを全身で表現する俺にレオンはご機嫌で淡々と答えた。


ーーーーが……


魔素の濃い危険地帯にしか生えないはずのベッド・マッシュ。

そこらへんに生えていたのだとすれば学院内とは言え、この家周辺は魔素が濃い危険地帯かもしれない。


これは凶暴なモンスターがいつ襲ってきてもおかしくないぞ!


俺は警戒マックスで後ろのドアからソロ~と外を覗き、ジッと周辺の気配を探ったがーー今のところ怪しい気配はない様で、ふぃ~……と安堵の息を吐く。
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