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第九章
401 応急措置
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( リーフ )
レオンは自分に自信なし、そして寂しい。
このままいけば人の持っているものを全て奪う狂神になる。
────いや、つい最近その狂神を越えたんだった……余計に悪い!
俺の手を軽くニギニギしていた手が指圧マッサージみたいに変わっていき、腰もかなりハードな骨盤強矯正の施術の様な力強さへ。
どうしようどうしよう……と焦りだけが前へ出る。
どうにかしてあげたくても、俺ごとき砂ネズミでは役不足だ。
かつ沢山の時間が必要であると思われる。
なんてったって生まれてすぐに母親に捨てられ、周りからも疎まれて生きてきて、更に毎日俺に虐められるわ、母親に借金押し付けられ売られてるわ……。
挙句の果てに、悪の首謀者の俺の奴隷にされてしまい、もうこれだけでもやめて~なのに、それからはじまる ” 社畜生活 ” に変態集団によるイタズラ事件まで……。
「 …………。 」
こんな向かい風どころか、向かいサイクロンみたいな人生ある??
しかも俺も加害者のうちの1人ときた。
" お前のせいだ! "
────と言わんばかりに、どんどん強くなっていく力によって、そろそろ手と腰が潰れそうだ。
でも……。
────チラッ。
レオンの顔を見れば、なんだか悲しそうな顔をしていて……俺の心は手と腰同様ズキズキと痛む。
そんな " 辛い " が沢山のレオンのために、俺ができることってなんだろう?
下手な慰めは、もっと傷つけちゃうかもしれないし……。
う~ん……。
う~ん……。
考えて考えて考えて──────…………。
そろそろ手と腰が粉砕する~というくらい、強く締め付けられていた、その時──────突然、ピンッ!と名案を思いついた。
「 レオン、もう一つ肉巻きパンをとってくれないかい? 」
「 …………。 」
悲しみに暮れているレオンにそう頼むと、レオンは無言のままそのパンを取って俺に渡す。
「 ありがとう!
じゃあ、早速~…………。 」
────バクッ!!
俺は渡されたパンを一口頬張り、ムッシャムッシャと食べた。
すると、またしてもレオンがそれを齧りにきた────が……それより先に、ズイッとレオンの目と鼻の先に食べかけの肉巻きパンを近づける。
「 ? 」
突然パンを突きつけられたレオンは、ビックリしたのか、キョトンとした表情を見せたので、俺はニヤリと笑った。
「 じゃあ、全部あげるよ。
レオンの欲しい俺のモノは全部。 」
そう言って俺はドヤッ~とした顔をレオンに見せる。
要は人のものが欲しくて仕方がないなら、全部あげてしまえばいいわけだ。
たとえ代用品だろうがなんだろうが、その一瞬は満足するらしいので、レオンが本当に欲しくて心が満足するものが見つかるまで、俺が自分の持っているもの全部をレオンにあげればいい。
ただ俺が持っているものなんて、こんな食べかけのご飯とかレオンが着たら小さくてビリビリに破けちゃう俺のシンプルな服とか、正直ろくなものはないが…………。
そもそも世の中の価値があるものって何だろう?
宝石とか??
真剣に、今度買って手元に置いておくべきものを考えていると、レオンが急にクシャッと丸めたティッシュみたいな顔をしたかと思うと、そのまま、う~……と唸り出した。
顔は真っ赤。
初めて見る表情だったので、その心中を察することはできないが、どちらかというと……。
大激怒している顔に見えなくもない。
ひえっ……!!
恐怖を感じ、黙って震え上がっていると、最強レベルの骨盤矯正施術からの~…………アナコンダ・ホールド!!
力加減どこいった!?と尋ねたくなるほど強い絞め落とし攻撃に、ミチミチと体が悲鳴をあげた。
「 ────っ!!??…………っ!! 」
スキル< 石男 >で何とか耐えて、悲鳴を飲み込んだが、何がレオンの琴線に触れてしまったのか、さっぱり分からない!
俺が言った事って " 金をよこせ! " といってくるヤンキーに、全財産が入った通帳を暗証番号付きで渡すようなもの。
怒る要素なんて皆無なのに???────と、おもっているのに、どんどん強まる締め付けがそれを全否定してくる。
もしかして、素直に渡されちゃうとそれはそれで嫌だ!的なやつ?我儘だなぁウチの子は!
とりあえずヘル~プ!
期待を込めてあげ玉の方へチラリと視線を向ければ、あげ玉はむっしゃむっしゃと豆を食べ続けていた。
「 …………。 」
豆 >>> 俺。
助けは期待できないのは理解したので、なんとか自力でと体を捻ったが────レオンの拘束からは逃げられない!
そのため、唯一動かせる口を懸命に動かした。
「 レッオッ────ン!!ご飯ご飯!!ご飯食べようよ~!
俺お腹す~い~た!
────あっ!!そうだ、お風呂!
早く食べてお風呂早く行こうよ、お風呂お風呂~。 」
ダラダラ~と、頭に浮かんだ言葉をとりあえず垂れ流すと、レオンはピタリと動きを止め締め付けを解いてくれる。
ホッとした俺を見下ろすレオンの顔は、いつもの無表情だ。
「 早く食べましょう。 」
レオンは淡々とそう告げると、サッ!サッ!と、俺の口にスピーディーに食べ物を食べさせてきた。
レオンの先天的気質、” 切り替えが物凄く早い ” 。
頭が良いからだと思われるが、俺はこのスピードにたまについていけない。
しかし、何にせよレオンなりに心の整理がついた様なので、良かった良かったと小さく頷いた。
俺の先天的気質、” とりあえず悪いモノではないなら良し ” 。
それを遺憾なく発揮し、自分なりに納得した後は、心に生まれたての雛の様にレオンの手から食べ物を食べさせて貰いながら、ウマウマ~とその幸せを堪能した。
レオンは自分に自信なし、そして寂しい。
このままいけば人の持っているものを全て奪う狂神になる。
────いや、つい最近その狂神を越えたんだった……余計に悪い!
俺の手を軽くニギニギしていた手が指圧マッサージみたいに変わっていき、腰もかなりハードな骨盤強矯正の施術の様な力強さへ。
どうしようどうしよう……と焦りだけが前へ出る。
どうにかしてあげたくても、俺ごとき砂ネズミでは役不足だ。
かつ沢山の時間が必要であると思われる。
なんてったって生まれてすぐに母親に捨てられ、周りからも疎まれて生きてきて、更に毎日俺に虐められるわ、母親に借金押し付けられ売られてるわ……。
挙句の果てに、悪の首謀者の俺の奴隷にされてしまい、もうこれだけでもやめて~なのに、それからはじまる ” 社畜生活 ” に変態集団によるイタズラ事件まで……。
「 …………。 」
こんな向かい風どころか、向かいサイクロンみたいな人生ある??
しかも俺も加害者のうちの1人ときた。
" お前のせいだ! "
────と言わんばかりに、どんどん強くなっていく力によって、そろそろ手と腰が潰れそうだ。
でも……。
────チラッ。
レオンの顔を見れば、なんだか悲しそうな顔をしていて……俺の心は手と腰同様ズキズキと痛む。
そんな " 辛い " が沢山のレオンのために、俺ができることってなんだろう?
下手な慰めは、もっと傷つけちゃうかもしれないし……。
う~ん……。
う~ん……。
考えて考えて考えて──────…………。
そろそろ手と腰が粉砕する~というくらい、強く締め付けられていた、その時──────突然、ピンッ!と名案を思いついた。
「 レオン、もう一つ肉巻きパンをとってくれないかい? 」
「 …………。 」
悲しみに暮れているレオンにそう頼むと、レオンは無言のままそのパンを取って俺に渡す。
「 ありがとう!
じゃあ、早速~…………。 」
────バクッ!!
俺は渡されたパンを一口頬張り、ムッシャムッシャと食べた。
すると、またしてもレオンがそれを齧りにきた────が……それより先に、ズイッとレオンの目と鼻の先に食べかけの肉巻きパンを近づける。
「 ? 」
突然パンを突きつけられたレオンは、ビックリしたのか、キョトンとした表情を見せたので、俺はニヤリと笑った。
「 じゃあ、全部あげるよ。
レオンの欲しい俺のモノは全部。 」
そう言って俺はドヤッ~とした顔をレオンに見せる。
要は人のものが欲しくて仕方がないなら、全部あげてしまえばいいわけだ。
たとえ代用品だろうがなんだろうが、その一瞬は満足するらしいので、レオンが本当に欲しくて心が満足するものが見つかるまで、俺が自分の持っているもの全部をレオンにあげればいい。
ただ俺が持っているものなんて、こんな食べかけのご飯とかレオンが着たら小さくてビリビリに破けちゃう俺のシンプルな服とか、正直ろくなものはないが…………。
そもそも世の中の価値があるものって何だろう?
宝石とか??
真剣に、今度買って手元に置いておくべきものを考えていると、レオンが急にクシャッと丸めたティッシュみたいな顔をしたかと思うと、そのまま、う~……と唸り出した。
顔は真っ赤。
初めて見る表情だったので、その心中を察することはできないが、どちらかというと……。
大激怒している顔に見えなくもない。
ひえっ……!!
恐怖を感じ、黙って震え上がっていると、最強レベルの骨盤矯正施術からの~…………アナコンダ・ホールド!!
力加減どこいった!?と尋ねたくなるほど強い絞め落とし攻撃に、ミチミチと体が悲鳴をあげた。
「 ────っ!!??…………っ!! 」
スキル< 石男 >で何とか耐えて、悲鳴を飲み込んだが、何がレオンの琴線に触れてしまったのか、さっぱり分からない!
俺が言った事って " 金をよこせ! " といってくるヤンキーに、全財産が入った通帳を暗証番号付きで渡すようなもの。
怒る要素なんて皆無なのに???────と、おもっているのに、どんどん強まる締め付けがそれを全否定してくる。
もしかして、素直に渡されちゃうとそれはそれで嫌だ!的なやつ?我儘だなぁウチの子は!
とりあえずヘル~プ!
期待を込めてあげ玉の方へチラリと視線を向ければ、あげ玉はむっしゃむっしゃと豆を食べ続けていた。
「 …………。 」
豆 >>> 俺。
助けは期待できないのは理解したので、なんとか自力でと体を捻ったが────レオンの拘束からは逃げられない!
そのため、唯一動かせる口を懸命に動かした。
「 レッオッ────ン!!ご飯ご飯!!ご飯食べようよ~!
俺お腹す~い~た!
────あっ!!そうだ、お風呂!
早く食べてお風呂早く行こうよ、お風呂お風呂~。 」
ダラダラ~と、頭に浮かんだ言葉をとりあえず垂れ流すと、レオンはピタリと動きを止め締め付けを解いてくれる。
ホッとした俺を見下ろすレオンの顔は、いつもの無表情だ。
「 早く食べましょう。 」
レオンは淡々とそう告げると、サッ!サッ!と、俺の口にスピーディーに食べ物を食べさせてきた。
レオンの先天的気質、” 切り替えが物凄く早い ” 。
頭が良いからだと思われるが、俺はこのスピードにたまについていけない。
しかし、何にせよレオンなりに心の整理がついた様なので、良かった良かったと小さく頷いた。
俺の先天的気質、” とりあえず悪いモノではないなら良し ” 。
それを遺憾なく発揮し、自分なりに納得した後は、心に生まれたての雛の様にレオンの手から食べ物を食べさせて貰いながら、ウマウマ~とその幸せを堪能した。
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