【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十章

428 進化と退化

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( レオン )

ウットリと陶酔する様に語られる内容をとりあえず黙って聞いていれば、それを肯定ととったのか上機嫌な様子で更に話を続ける。


《 仕方ないよな?


” 弱きものは世界にただ淘汰され消えるだけの存在 ”


” 時間という概念の中で、存在すべきは優れた種である ”


弱肉強食こそが世の正しい姿で、それに抗おうとするのは ” 人 ” だけだ。


知能が高い生物というのは度々そういったエラーを起こす。


────と言っても、私は ” 人 ” より遥かに高い知能を持っているがその様なエラーは起きず、その正しい姿を忘れぬが……。 》


確かに知能が低い、もしくは持たぬ生物に対しその "  弱肉強食  "  という概念は適応されているので、一応コクリと頷けば、そのドラゴンは満足そうに大笑いをした。


《 そうだろう!そうだろう!!

その ” 正しい ” ルールを ” 人 ” は全否定するのだ。


だから私と対峙すると自分が喰われたくないが故、” 弱い者にも大きな価値がある ” やら ” 誰であろうとも神が与えしこの世に生まれた意味ががある ” やらと騒がしい!


だから命を終える直前に言ってやるのよ。


” 私に一時の愉快を与える事がその大きな価値だったな ” と。


弱きに正しさなどないと言うことは全滅という結果が物語っているというのに……まったく、愚かな存在だよ。 》


そうして笑い続けるドラゴンに、俺は初めてその会話に ” 愉快 ” を感じた。


口角が多少上がったのを見て、ドラゴンはすっかり気を良くした様子だったが、俺の言葉を聞いた瞬間、それは一瞬で消え失せる。


「 知能を持たぬ生物の概念が、知能を持つ ” 人 ” にそのまま適応されるわけないのに……。

なぜわざわざ知能を持たざる存在達の世界観を正しきとするのか?


お前は退化が望みなのか? 」


” 欲 ” に忠実であればあるほど植え付けられた生物のプログラムに従うだけの===の人形でしかない。



元々 ” 知能 ” は厄介な代物、だからこそ====は……のために────────……






────ドコっッ!!!!




黒いドラゴンが自身の尻尾で地面を叩くと、そこから目に見える範囲まで大きく地面は抉れ、腐った大地はそのまま砂の様にサラサラと崩れていった。


すると下からは真っ黒なドロッとした魔素の液体が所々で温泉の様にチョロチョロと吹き出し、黒い水たまりのようなモノをいくつも作る。


俺は結界を張ったベッド・マッシュをヒョイっと片手で持ち上げ、トンッと黒い水たまりが無い所へ飛ぶと、反対に黒いドラゴンは一番大きな水たまりへと移動し、そこへ体を浸け、ふ~っと大きく息を吐いた。


《 あ~……気持ちがいい。本当に新鮮な魔素液は最高だよ。

お前は浸からないのか?


……あ────無理だよなぁ~これは俺くらいのレベルでないと猛毒のようなモノだからな。 》


そう言って黒いドラゴンはチラッと先程自分が狩った獲物の方へ視線を向けたので、それを黙って追えば……その黒い水たまりに浸かった部分がシューシューと音を立てて溶け出してしまっているのが見えた。


そしてどんどん溶けていくその獲物から、やがてキラキラ光る両手で抱える程の瘴核が姿を現すと、それも黒い水にドロリと溶け消えていく。


その様子を見て、あっ……と思いついた。



『 巣 』に飾るとても良いものを。



どうでもいい話だったが、ちゃんと聞いてコミュニケーションは十分とったし、『 巣 』に飾る良いモノも思いついた。

話を聞いてやって良かった。


満足した俺は、もう一度黒いドラゴンへ視線を戻すと、ドラゴンはニタリと笑い、ドス黒い魔力を自身の体から発生させる。


《 はーはっはっ!!どうだ?怖いだろう!


私は ” 呪死のブラックドラゴン ”!


無礼なお前は、ゆっくり時間を掛けて食べてやろう。


苦しんで苦しんで、最後は殺してくれと願うくらいにな! 》


そう叫んだ後、黒いドラゴンは大きく息を吸い、プクッと頬を膨らませると────そのまま大量の黒い息を吐き出した。



< ブラック・ドラゴン >


体長20m程の龍型???ランクモンスター。

黒い体表はいかなる物理、魔法攻撃を通さずダメージを与える事は不可能。


また大量の魔素、そして体内に ” 媒体 ” を通して取り入れた酸素量が多いほど多くの能力を持つため攻撃方法はまさに無限大。

精神、デバフ攻撃なども多数扱う事ができる上、全異常耐性を持っているためほとんどの攻撃は無効。


更に最強属性の ” 呪い ” 属性も自在に操る事が出来るため、人の地に降り立った時は ” 天の裁き ” であるとされ ” 神話級モンスター ” に指定されている。




< ユニークモンスター >


( 種族 ) ブラック・ドラゴン

( 名前 ) 該当なし 

( ユニーク個体名 ) 【 呪死のブラックドラゴン 】

( モンスター資質 ) 【 黒呪龍 】



( モンスター固有スキル )


< 歌う絶声 > 

一定以上の苦痛を与えられ命を落とした者達の怨念を呪い属性の力に変換し相手に呪いをかける特殊攻撃スキル。

回避は不可、命を奪ったものの人数が多いほどその痛みは強くなる。

黒い霧の中、その怨念の声が聞こえ続け体内を徐々に壊していく遅行型の呪い。


(発現条件)

一定人数以上、” 生 ” を奪うこと

一定以上の苦痛を与え命を奪う事。

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