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第十一章
447 喪失した……
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( リーフ )
俺がシワシワになってしまった【 部活動入部届 】を丹念に伸ばしていると、足を震わせたアゼリアちゃんがレオンにキャンキャンと噛みつき出した。
「 ────はんっ!なんの資質かは知らんが、いい気になるなよ?奴隷如きがっ!!
いいか?< 戦闘術学 >には来るなよ?
ぜ~ったいに来るなよ!
……おいっ!聞いているのか!?なんとか言ったらどうだ!! 」
キャンキャン、ワンワン!
必死にレオンに話しかけるが、レオンはその全てを完全に無視。
ピクリとも動かない。
それにソフィアちゃんは頭を抱えながらアゼリアちゃんを止めに入ろうとしたが、俺としてはこれは寧ろ貴重な交友大チャンス!
目を光らせ、ソフィアちゃんが口を開くより先にレオンに優しく話しかけた。
「 レオン、ほら、何かお話してごらん。
頭の中で考えている事はお口に出さないと人には伝わらないんだ。
ここにいる子達は君に意地悪したりしないよ。
さあ!心を軽く!空を飛ぶイメージで!!
気軽にお話してみよう!! 」
両手を横に広げ、スイ~と鳥の動きを真似ると、思うことがあったのかレオンはやや下へ視線を下げて少し考える仕草を見せた。
すると、俺の言葉を聞いていたモルトとニール以外の面々は、レオンの今までの人生や、迫害、虐げられてきた日々( 主に俺によるモノ )を勝手に想像した様で、少し悲しそうな様子を見せる。
そしてレオンの言葉を大人しく待つ中、レオンはゆっくりと顔を上げ、そのまま口を開いた。
「 リーフ様と今直ぐ家に帰りたいです。 」
……ファッツ??いきなり何を???
そんな疑問を口にする暇なく、一度話し始めたレオンの口は止まらない。
「 二人きりでずっと家にいたいです。 」
「 ずっとリーフ様だけを見ていたいし、リーフ様が見るのも触れるのも俺だけがいいです。 」
「 外の世界に出たくないです。
俺とリーフ様だけの世界に閉じこもりたいです。 」
そこまでザーッと一気に喋り終わったレオンは、満足そうにフ~ッ……と息を吐き、そのまままた口を閉ざし無表情。
周りの面々は全員が怖~い夏の怪談を聞いた後の様に青ざめて黙り、あんなに噛み付いていたアゼリアちゃんもこの発言には流石に黙ってしまった。
そんな中で俺はというと、離乳食の流れから決定打となる発言を聞かされ " やっぱり…… " と当たってしまった予感に思わず顔を片手で覆う。
完全に幼児化している……。
大抵の子供は、3歳くらいになるまで母親と二人きりで完結する世界の中を生き、そしてその間は子供にとって最も幸せである期間である。
3歳になってからは、幼稚園やそれに準ずる場所で少しづつ同世代の子供や、その他先生等の大人たちと共に過ごし社交性を学ぶわけだが……ここで子供にとっての第一の人生の試練がまっている。
大人からすれば大したことがない事でもママと二人きりの世界からすれば驚きの連続!
その驚きとストレスで頭が爆発してしまった子供がとる行動の一つが、この『 幼児化 』だ。
春の幼稚園の前で必ず見る光景────。
「 いやだー!ママとお家帰る!!幼稚園なんて行かない!! 」
「 ママと一緒がいい!ママはボクだけを見てくれないとイヤ!! 」
「 家でママと一緒にいる!お外なんて出たくな~い! 」
レオンはこれと全く同じ発言を俺の目の前で言った。
────フラッ……。
思わず気が遠くなって倒れそうになったが、必死に足を踏ん張って転倒に耐える。
俺はママじゃないし、寧ろその真逆にいるとも言えるいじめっ子の立場なのに……?
────あ、ストックホルム症候群の亜種的なやつ??
冷静を装いニッコリ笑いながら、ゆっくり、優しく、諭すようにレオンに言った。
「 そ、そっかそっか~。レオンはお家大好きだもんね。
じゃあ、部活の見学が終わったら一緒に帰ろう。
そうそう、レオンがとる予定の< 戦闘術学 >は目の前にいるアゼリアちゃんとも一緒だよ。
レオンの大事な友達だ。
お互いこれから頑張ろうね。 」
俺がスッスッとレオン、アゼリアちゃん、レオン、と2人を交互に指で差すと、アゼリアちゃんは俺の視線が外れた瞬間だけ、まるでムンクの叫びの様な表情をしていたらしい。
それに対し他の面々は口元を押さえて笑いを堪えていたらしいが、必死に説得中の俺の視野は狭窄状態だから、全くその様子には気づかない。
ドキドキ緊張しながらそう言った俺と反比例するように、レオンはキョトンと間が抜けた顔を見せた後、心底不思議そうに言った。
「 ???誰ですか?その女……いや、男は?? 」
その瞬間、アゼリアちゃんの表情はスコーンと消え去り、周りの面々は辛抱たまらんとばかりに、ブハッ!と吹き出す。
しかし、俺はそんな周りの反応など全く耳に入る事なく、ザッ……と顔色を熟したブルーベリー色に染めながら、ある一つの言葉が頭をグルグルと回っていた。
────記憶喪失……。
俺がシワシワになってしまった【 部活動入部届 】を丹念に伸ばしていると、足を震わせたアゼリアちゃんがレオンにキャンキャンと噛みつき出した。
「 ────はんっ!なんの資質かは知らんが、いい気になるなよ?奴隷如きがっ!!
いいか?< 戦闘術学 >には来るなよ?
ぜ~ったいに来るなよ!
……おいっ!聞いているのか!?なんとか言ったらどうだ!! 」
キャンキャン、ワンワン!
必死にレオンに話しかけるが、レオンはその全てを完全に無視。
ピクリとも動かない。
それにソフィアちゃんは頭を抱えながらアゼリアちゃんを止めに入ろうとしたが、俺としてはこれは寧ろ貴重な交友大チャンス!
目を光らせ、ソフィアちゃんが口を開くより先にレオンに優しく話しかけた。
「 レオン、ほら、何かお話してごらん。
頭の中で考えている事はお口に出さないと人には伝わらないんだ。
ここにいる子達は君に意地悪したりしないよ。
さあ!心を軽く!空を飛ぶイメージで!!
気軽にお話してみよう!! 」
両手を横に広げ、スイ~と鳥の動きを真似ると、思うことがあったのかレオンはやや下へ視線を下げて少し考える仕草を見せた。
すると、俺の言葉を聞いていたモルトとニール以外の面々は、レオンの今までの人生や、迫害、虐げられてきた日々( 主に俺によるモノ )を勝手に想像した様で、少し悲しそうな様子を見せる。
そしてレオンの言葉を大人しく待つ中、レオンはゆっくりと顔を上げ、そのまま口を開いた。
「 リーフ様と今直ぐ家に帰りたいです。 」
……ファッツ??いきなり何を???
そんな疑問を口にする暇なく、一度話し始めたレオンの口は止まらない。
「 二人きりでずっと家にいたいです。 」
「 ずっとリーフ様だけを見ていたいし、リーフ様が見るのも触れるのも俺だけがいいです。 」
「 外の世界に出たくないです。
俺とリーフ様だけの世界に閉じこもりたいです。 」
そこまでザーッと一気に喋り終わったレオンは、満足そうにフ~ッ……と息を吐き、そのまままた口を閉ざし無表情。
周りの面々は全員が怖~い夏の怪談を聞いた後の様に青ざめて黙り、あんなに噛み付いていたアゼリアちゃんもこの発言には流石に黙ってしまった。
そんな中で俺はというと、離乳食の流れから決定打となる発言を聞かされ " やっぱり…… " と当たってしまった予感に思わず顔を片手で覆う。
完全に幼児化している……。
大抵の子供は、3歳くらいになるまで母親と二人きりで完結する世界の中を生き、そしてその間は子供にとって最も幸せである期間である。
3歳になってからは、幼稚園やそれに準ずる場所で少しづつ同世代の子供や、その他先生等の大人たちと共に過ごし社交性を学ぶわけだが……ここで子供にとっての第一の人生の試練がまっている。
大人からすれば大したことがない事でもママと二人きりの世界からすれば驚きの連続!
その驚きとストレスで頭が爆発してしまった子供がとる行動の一つが、この『 幼児化 』だ。
春の幼稚園の前で必ず見る光景────。
「 いやだー!ママとお家帰る!!幼稚園なんて行かない!! 」
「 ママと一緒がいい!ママはボクだけを見てくれないとイヤ!! 」
「 家でママと一緒にいる!お外なんて出たくな~い! 」
レオンはこれと全く同じ発言を俺の目の前で言った。
────フラッ……。
思わず気が遠くなって倒れそうになったが、必死に足を踏ん張って転倒に耐える。
俺はママじゃないし、寧ろその真逆にいるとも言えるいじめっ子の立場なのに……?
────あ、ストックホルム症候群の亜種的なやつ??
冷静を装いニッコリ笑いながら、ゆっくり、優しく、諭すようにレオンに言った。
「 そ、そっかそっか~。レオンはお家大好きだもんね。
じゃあ、部活の見学が終わったら一緒に帰ろう。
そうそう、レオンがとる予定の< 戦闘術学 >は目の前にいるアゼリアちゃんとも一緒だよ。
レオンの大事な友達だ。
お互いこれから頑張ろうね。 」
俺がスッスッとレオン、アゼリアちゃん、レオン、と2人を交互に指で差すと、アゼリアちゃんは俺の視線が外れた瞬間だけ、まるでムンクの叫びの様な表情をしていたらしい。
それに対し他の面々は口元を押さえて笑いを堪えていたらしいが、必死に説得中の俺の視野は狭窄状態だから、全くその様子には気づかない。
ドキドキ緊張しながらそう言った俺と反比例するように、レオンはキョトンと間が抜けた顔を見せた後、心底不思議そうに言った。
「 ???誰ですか?その女……いや、男は?? 」
その瞬間、アゼリアちゃんの表情はスコーンと消え去り、周りの面々は辛抱たまらんとばかりに、ブハッ!と吹き出す。
しかし、俺はそんな周りの反応など全く耳に入る事なく、ザッ……と顔色を熟したブルーベリー色に染めながら、ある一つの言葉が頭をグルグルと回っていた。
────記憶喪失……。
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