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第十三章
484 邪魔な虫
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( ??? )
王宮内にある自室の本棚から、何の変哲もない分厚い書物を一冊取り出す。
そしてページを開くと、まるで飛び出す絵本の様に大きくて美しい城がピョコンと立体的に飛び出し、キラキラと輝き出した。
その光は瞬く間に部屋全体を照らし、カッ!とひときわ大きな光が発せられた瞬間────俺は大きな城の入り口に一人、立っていた。
目の前には、何人たりとも突破することは出来ない、頑丈で固く閉ざされた巨大な扉がある。
それを目の前にしても臆する事なく堂々と歩き出すと、その扉は恐れをなした様にあっさりと開き、更に城内に足を踏み入れれば直ぐ様道を作るかの様に、ひとりでに赤い絨毯が敷かれていく。
” どうぞ中へ ”
そう歓迎されるように、進む先々の扉が次々と開かれていき辿り着いたのは、光の一切通らぬ真っ暗な部屋。
しかしその中には、ある一点だけ光が照らされていて、そこにくっきりと浮かび上がるのは、緩いカーブを描いた階段と、その頂点に置かれた権力を象徴するような輝く黄金の王座だ。
俺はゆっくり、ゆっくりとその階段を登っていき、その王座に堂々たる態度で座ると大きく足を組む。
そして黒く染まる空間の中、静かな声で告げた。
「 頭をあげよ。
────この役立たず共が。 」
その声がシーンと静まり返った黒の中に響けば、いつの間にか階段の下の方で跪いている二人の人物が現れ、その肩を大きく震わせる。
そしてゆっくりと顔をあげ、その目が俺の目まで届いた瞬間────2人のただでさえ悪い顔色は更に悪くなり、尋常ではない汗を掻き始めたのが分かった。
アルバード王国 第一王子。
王位継承権第一位、王になるために生まれ最もその地位に立つのが相応しい神が選びし男。
それがこの俺。
< エドワード・ドン・アルバード >
俺から漂う僅かな怒気を察知し、とうとう震えだしてしまった目の前の2人こそ、此度の失敗を起こした張本人達────。
元暗殺ギルド総長< ルノマンド >と、元諜報員の< レイナ >だ。
二人はガタガタと震えながら「 申し訳ありません……。 」とやっとの事で声を絞り出し、そのまま再び頭を垂れてしまう。
俺はその情けない姿に、はぁ……とため息をつきながら、手すりの部分に肘を付け頬杖をつくと、自身の斜め後ろに向かって声を掛けた。
「 息子を始末できなくて残念だったな、カール。 」
するとちょうど声を掛けた箇所の真っ暗な闇の中から、音もなくヌッ……と現れたのは、それはそれは美しい顔貌を持つ男。
この国唯一の公爵家であるメルンブルク家当主兼宰相の地位につく────。
< カール・アドケイド・メルンブルク >
その姿は天使か女神か。
恐ろしさすら感じる美しさを持ち、更に見るもの全てを魅了する様な笑みを浮かべているが……今のその笑みは、まるで一枚の絵画を貼り付けたような不自然さを感じる。
「 全く……忌々しい事ですよ。
他の虫達より少しは使えるかな?と思っていたのに……。
……ねぇ? 」
この場に全く合わないその酷く優しく囁く声色に、ノルマンドとレイナの体はビクリッと跳ねる。
カールは更に鈴が転がる様な……といった表現がピッタリ当てはまる、クスクスという笑いを漏らすと、震えながら頭を下げ続ける2人に向かって優しい声で話しかける。
「 お前たちが無能なせいで、私はとてもとても悲しい気持ちになってしまったよ……。
そしてそれは私だけではなく────……。
私の可愛いマリナもっ!!!子供達もっ!!!!
同じく傷つき塞ぎ込んでいるんだぞっ!!!!????
ふざけやがってふざけやがってふざけやがってっ!!!!この役立たずのゴミ虫どもがぁぁぁ────っ!!!!!
くそっ!!くそっ!!!!あんなたった一匹の醜いクソゴミのせいでぇぇぇっ!!!
私の家庭はめちゃくちゃだぁぁぁぁ────────!!!!! 」
貼り付けていた美しい笑みは途中でガラッと崩れ、悪夢としか言いようのない恐ろしい怒りの形相へ。
そして、全ての憎しみ、恨みを吐き出す様に怒鳴りながら金色の美しい髪をぐしゃぐしゃとメチャクチャにかき混ぜ、そのまま頭を抱えて大きく下を向いた。
王宮内にある自室の本棚から、何の変哲もない分厚い書物を一冊取り出す。
そしてページを開くと、まるで飛び出す絵本の様に大きくて美しい城がピョコンと立体的に飛び出し、キラキラと輝き出した。
その光は瞬く間に部屋全体を照らし、カッ!とひときわ大きな光が発せられた瞬間────俺は大きな城の入り口に一人、立っていた。
目の前には、何人たりとも突破することは出来ない、頑丈で固く閉ざされた巨大な扉がある。
それを目の前にしても臆する事なく堂々と歩き出すと、その扉は恐れをなした様にあっさりと開き、更に城内に足を踏み入れれば直ぐ様道を作るかの様に、ひとりでに赤い絨毯が敷かれていく。
” どうぞ中へ ”
そう歓迎されるように、進む先々の扉が次々と開かれていき辿り着いたのは、光の一切通らぬ真っ暗な部屋。
しかしその中には、ある一点だけ光が照らされていて、そこにくっきりと浮かび上がるのは、緩いカーブを描いた階段と、その頂点に置かれた権力を象徴するような輝く黄金の王座だ。
俺はゆっくり、ゆっくりとその階段を登っていき、その王座に堂々たる態度で座ると大きく足を組む。
そして黒く染まる空間の中、静かな声で告げた。
「 頭をあげよ。
────この役立たず共が。 」
その声がシーンと静まり返った黒の中に響けば、いつの間にか階段の下の方で跪いている二人の人物が現れ、その肩を大きく震わせる。
そしてゆっくりと顔をあげ、その目が俺の目まで届いた瞬間────2人のただでさえ悪い顔色は更に悪くなり、尋常ではない汗を掻き始めたのが分かった。
アルバード王国 第一王子。
王位継承権第一位、王になるために生まれ最もその地位に立つのが相応しい神が選びし男。
それがこの俺。
< エドワード・ドン・アルバード >
俺から漂う僅かな怒気を察知し、とうとう震えだしてしまった目の前の2人こそ、此度の失敗を起こした張本人達────。
元暗殺ギルド総長< ルノマンド >と、元諜報員の< レイナ >だ。
二人はガタガタと震えながら「 申し訳ありません……。 」とやっとの事で声を絞り出し、そのまま再び頭を垂れてしまう。
俺はその情けない姿に、はぁ……とため息をつきながら、手すりの部分に肘を付け頬杖をつくと、自身の斜め後ろに向かって声を掛けた。
「 息子を始末できなくて残念だったな、カール。 」
するとちょうど声を掛けた箇所の真っ暗な闇の中から、音もなくヌッ……と現れたのは、それはそれは美しい顔貌を持つ男。
この国唯一の公爵家であるメルンブルク家当主兼宰相の地位につく────。
< カール・アドケイド・メルンブルク >
その姿は天使か女神か。
恐ろしさすら感じる美しさを持ち、更に見るもの全てを魅了する様な笑みを浮かべているが……今のその笑みは、まるで一枚の絵画を貼り付けたような不自然さを感じる。
「 全く……忌々しい事ですよ。
他の虫達より少しは使えるかな?と思っていたのに……。
……ねぇ? 」
この場に全く合わないその酷く優しく囁く声色に、ノルマンドとレイナの体はビクリッと跳ねる。
カールは更に鈴が転がる様な……といった表現がピッタリ当てはまる、クスクスという笑いを漏らすと、震えながら頭を下げ続ける2人に向かって優しい声で話しかける。
「 お前たちが無能なせいで、私はとてもとても悲しい気持ちになってしまったよ……。
そしてそれは私だけではなく────……。
私の可愛いマリナもっ!!!子供達もっ!!!!
同じく傷つき塞ぎ込んでいるんだぞっ!!!!????
ふざけやがってふざけやがってふざけやがってっ!!!!この役立たずのゴミ虫どもがぁぁぁ────っ!!!!!
くそっ!!くそっ!!!!あんなたった一匹の醜いクソゴミのせいでぇぇぇっ!!!
私の家庭はめちゃくちゃだぁぁぁぁ────────!!!!! 」
貼り付けていた美しい笑みは途中でガラッと崩れ、悪夢としか言いようのない恐ろしい怒りの形相へ。
そして、全ての憎しみ、恨みを吐き出す様に怒鳴りながら金色の美しい髪をぐしゃぐしゃとメチャクチャにかき混ぜ、そのまま頭を抱えて大きく下を向いた。
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