【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十三章

500 苦労しかない

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( リーフ )

前世にて俺が経営していた孤児院でも、とにかくタチの悪い親御さんはわんさかいて、とにかく追っ払っても追っ払っても、チクチクチクチク……。

嫌がらせに突撃、暴言と、本当に懲りない懲りない!


真剣に、イノシシ用のトラップを仕掛けてやろうかと思った事もしばしばあった。


そういった輩の厄介さ、しつこさは、世界変われど一緒!

当時の事を思いだしてイライラ~!と怒りが込み上げてしまったため、一旦落ち着こうと何度か深呼吸し、心を落ち着かせた。


しかし、前世よりは ” ヤられたらやり返すOK! ” が強くてやりやすいと言うか……。

特に戦闘職ではそういった風潮が強いので、俺の様なイノシシ男的には、意外にも生きやすい世界だなと思っている。


前世では、やれ ” 法律的には~! ” や ” 訴えてやる!裁判だ! ” やら ” 暴力を暴力で返すなんて間違っている! ” などなど……面倒な事がてんこ盛りだったから。


その正しい法律とやらに則ったら、大人し~く相手の思い通りに酷い目にあうであろう子供を差し出し、お前は殴られても抵抗するべからず……が正義になってしまう。


やられたらやり返す。

それがまかり通るなら、俺は喜んでどこまでもどこまでも追いかけてぶっ飛ばす。


覚悟することだ、悪い坊や達~?


腕を組み、フッフッフ~と笑っていると、突然フッとあることを思い出し、そのまま頭をグイ~と傾ける。


そういえば、ある時期からそういった親御さんの突撃がピタリと止まったな?

当時も不思議だったんだけど、今改めて考えてもちょっと変だ……。


徐々に~ではなくバサッ!と綺麗に切断してしまった様になくなったので、当時も他の職員さん達と不思議だね~と言い合いながら首を傾げていた。

そして結局分からないまま死んじゃったから、その真相は永遠に謎のまま。

今度も解明することはないだろうと思われる。


…………。


ま、いっか~!


軽く考え、その疑問はスポポーンと頭の外に。

ハハハ~と笑う俺に対し、キョトンとしたまま俺を見つめるマルクさんの肩をマリンさんはポンポンと叩いた。


「 まぁリーフは大丈夫だろう。

なんたってDランクモンスターを一撃で倒しちまったし、やばくなったら逃げるくらいできるだろうよ。

リーフ~あんたやっぱり相当強い子だったんだねぇ?

只者じゃ~ないって思ってたよ、あたしは。

あんたきっとこれから有名人になっちまうよ~?

私の目に狂いはない! 」


最後は俺に視線を向け、二マッとイタズラが成功したかのような笑みを浮かべるマリンさん。

そんな笑顔も大好きです!

ついデレデレしてしまったが、次の瞬間、フッとマリンさんは表情を引き締め続けて言った。


「 ────でも、絶対無理はするんじゃないよ。

嫌な奴っていうのは相手が弱っている隙を嗅ぎつけて狙ってくるからね。

何かあれば直ぐに守備隊に助けを求める事!

それだけは守っておくれよ? 」


聞かん坊に言い聞かせるように言われて、お胸はキュン……。

何かこういうのも……イイ!


「 は~い! 」


新たな扉が開いちゃうかも?

ドキドキしながらテンション高く返事をすると、マリンさんとマルクさんは困った子供を見るかのような顔をするが、俺、70歳!


大丈夫大丈夫~!

このおじいちゃんに全て任せなさい!


フンスっ!と鼻息荒く胸を張ったが、マルクさんは眉を更に下げ ” 心配心配~! ” と歩き始めの赤子を見守る様な目で見てくる。


「 子供ってモノは。本当に無茶ばかりするから親は心配で仕方がないよ……。

リーンの性格も母親にどんどん似てきて心配がつきないんです。

うぅ……そんな妻に惚れて結婚したから凄く複雑だなぁ……。 」


そう語るマルクさんは本当に困ったように頭を押さえたが、亡くなった奥さんを思い出したのか、最後は何だか眩しいものを見ている様な目を一瞬見せた。


俺はウンウンと大きく大き~く頷きながら、それは確かに心配だと激しく同意する。


本当に子供はトラブルの塊。

あらゆる厄災が集結していると言っても過言ではない存在である。


急な発熱に怪我、わけワカメな行動の数々に未熟故の友達とのトラブル満載!

そして喧嘩喧嘩を経ての~……それが過ぎれば情緒のトラブル大勃発!そして性の目覚めからの大騒動!


思わずなにコレ~?と言いたくなるくらいの、人生毎日サイクロンっぷり。

どうしてこうなったの??としか言えない、全くわからない様なぐちゃぐちゃな状況が続く。

そんな怒涛の日々を思い出しながら、ボケ~としているレオンへ目線を移し、ニッコリと微笑んだ。


分かります分かります~。

まさに今もサイクロンな毎日なので!


ニコニコ笑いながら、マルクさんの気持ちに共感していると、突如紙袋一杯のパンが差し出される。

それを反射的に受け取ってしまうと、マルクさんはニコッと笑って言った。


「 これ、御礼と言ってはささやかですが、是非食べて下さい!

これでもウチのパン屋は人気店でして……味には自信あり!なんですよ~。

それに先ほどマリンさんにお聞きしましたが、毎日こちらにご飯を食べにくるそうですね。

なら、ウチのパンを毎朝ここに届けますので、お昼はそれをお弁当にして下さい。

勿論お代は結構ですので。 」


凄く嬉しい申し出だったが、流石にそれは申し訳無さすぎるので丁寧にお断りするもマルクさんは引かない。

オロオロする俺を見てマリンさんは、あはは!と豪快に笑い、俺とマルクさんに提案を持ちかけた。
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