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第十四章
551 やりたい事スイッチON
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「 そ、そっか……。 」
尚もジッとルーン先生を見つめる二人を無言で見つめていると、やがて花爆弾が消えていく。
しかし、ルーン先生の話は終わりそうになく、そのまま熱く語りだした。
「 いや~そもそもこの国はちょっと、お硬すぎると思うんだよな~。
大体洋服なんてもんは、人型種だけじゃん?着るのなんて!
だからアタイが考えるに~人型種も~……。 」
ペラペラ~。
グチグチ!
まだあーだこーだと、魔法とファッションの話を熱く語るルーン先生。
そんなルーン先生を他の教員たちが無言で前に押し、ドッチボールサイズの四角い箱の様なものを無理やり持たせた。
キラキラ光る黄色い箱。
反応からすると、どうやら魔道具の様だ。
何だろう??
初めて見る魔道具について考えていると、他の教員達がツンツン!とルーン先生を結構な勢いで突いて、やっと我に帰ったらしい先生が、やっと説明を始めた。
「 よ────しっ!
あたいの魔法の授業では、この< VS立体戦闘機 >を使って、まずは攻撃魔法班のクラス分けをするぜ!
攻撃魔法班はその動きによって【 A級 】【 B級 】の2つに分ける!
あたい達教員が点数をつけるから各々好きに戦ってみてくれ。
非攻撃班は全員【 C級 】だから今日は不参加な。
じゃあ、攻撃魔法の適性を持つ奴らは前へ。 」
< VS立体戦闘機 >
< 立体仮想ダンジョン >と同じく【 記憶鏡石 】を利用したフィールドを映し出す事ができる魔道具。
ダンジョンではなくその時実際に起こった事件をそのまま再現したものなので様々な対応方法や戦い方を学ぶことができる。
そのためチーム戦などのシミュレーションになどに適しているため、戦闘系職業の訓練用にはよく用いられている。
ただし映し出されたモンスターやフィールドは非常にリアリティーが高く、ダメージを受ければ痛みなども脳の記憶から引き起こされてしまうので注意。
「 あれが噂に聞く< VS立体戦闘機 >か。
初めて見た。 」
俺は四角いただの箱の様なそれを見て、キラッ!と目を輝かせる。
先ほどの< 立体仮想ダンジョン >はどちらかと言えば個人の能力などを見るのを目的としているため、制作者が勝手にモンスターの配置などを決めて作ることができる……いわばゲーム制作をするのに近い。
しかし、この< VS立体戦闘機 >は、それとは少し違う。
これは実際にあった事件そのままの状況を作り出すものなので、どちらかといえば実戦かつ団体さん向け。
訓練ではない実際の戦闘では、モンスターに力が劣る人型種の最大の武器はチームプレー。
それをどう生かしていくのかを訓練できる、実践型の訓練用魔道具なのだ!
これならレオンも一緒だから心配なし!
俺は飽きもせず俺の頭皮の匂いを嗅ぎ続けるレオンに、そろそろイヤイヤ~して頭からレオンの顔を外し、ギラッ!と気合満々な目を向けた。
すると、レオンは俺の ” やりたい事スイッチ ” が入ったのを察知。
────スンッ……と省エネモードに入った。
レオンは俺のしたいことを( ゴネなきゃ )邪魔しない。
このスイッチが入った事を察知すると、取り敢えず省エネモードになり、後は状況に応じて動く。
戦闘になったら、多分レオンのやる気スイッチも入るだろう。多分!
そう考えた俺はお目々をキラキラさせながら、ルーン先生の説明の続きを大人しく聞く。
「 これから全員で以前荒野に大量発生した< 爆食バッタ >を倒してもらう!
爆食バッタは一匹なら子供でも倒せるようなGランクモンスターだが、集団化する事で全てのステータス値がUPし攻撃性も増す【 ランク越えモンスター 】だ。
さらにその規模が大きくなると、全てを喰らい尽くす災害級モンスターに指定されている。
ちなみに今から経験してもらうのは街を10以上も飲み込んじまった団体さんだぜ。
気を引き締めていけよ~! 」
< 爆食バッタ >
体長20cm~のバッタ型Gランクモンスター。
単独では草食の比較的大人しいモンスターだが、飢饉や天候の関係上たまに大量発生してしまい、それが集団化すると全ステータスUP、攻撃性は増し、雑食性に変化。
体表は緑から赤へ。
更に体中に棘が生えモンスターランクはFランクへランクUPする【 ランク越えモンスター 】である。
一度発生してしまうと討伐にはかなりの戦力が必要となってしまい、国の災害級モンスターに指定されている。
「 < 爆食バッタ >か~……。 」
俺はレガーノの森で、ぴょんぴょんそこら中にいた緑の巨大バッタを思い出しホッコリしてしまった。
よく修行中にそれをレオンと捕まえては、両手で上に持ち上げ、崖からピョピョ~ンと飛び降りる遊びをしたものだ。
結構飛ぶ力があるから、上手いことパラグライダーの様になって凄く楽しかった。
省エネモードに入っているレオンの手を引き前に進み出ると、既に前に出ていたメンバー達に、ザッと視線を巡らせる。
俺とレオン、モルト、ニールの幼馴染~ずの他は、子猫のマリオンに期待のニューフェイス!ハチドリのクラーク君、他、数十名。
マリオン以外の戦い方は不明のため、今回は取り敢えずチーム戦と考えずに個人個人の戦いになりそうだ。
お手並み拝見!
俺は全力全開!
全員からピリッとした程よい緊張感が感じ取られ、それを見て満足気な笑顔を浮かべたルーン先生は、魔道具を空に思い切り投げた。
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