【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十八章

650 レベル1〜

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( レオン )

俺と黒スライムの共通点は『 黒色 』

それを口にしてみたら、どうやら肯定している様子だったので、これが正解であった事が分かった。

沈黙が続く中、俺は早速次のステップへと移行する。


「 焦げる……夜……闇……瘴気……────呪い。 」

「 !!!?? 」


続けて呟く俺の言葉に、ビクビクンッ!!と大きく跳ねた黒スライム。

過剰な程の反応を見せた後は、先程同様、こちらを伺う様な様子を見せ、やがてぷるるん……と小さく揺れた。


『 人との上手な付き合い方☆ ~レベル1~ 』

相手との共通点が見つかったら、それについて話を広げていこう!



” 黒 ” を広げるのは少々難解だと思われたが、とりあえず黒色を持つ物を上げていけば、上手く話は広がるだろうと考え実行してみる。

そしてどうやらそれは大成功した様で、黒スライムはまたしてもその通りだと肯定を示した。


ここまででもう十分だと思ったが、俺は更に先に進む。

リーフ様のために。


『 人との上手な付き合い方☆ ~レベル2~ 』

相手が好きなものを褒めて好感度を爆UP☆!!

褒めて褒めて褒めまくろう!



「 リーフ様は素晴らしい。 」

「 ???!!! 」


黒スライムは、またビクッ!!と震えるが、そのまま俺は褒めて褒めて褒めまくる。


「 リーフ様はお美しい。 」

「 リーフ様は慈悲深い。 」

「 リーフ様は────……。 」


思いつく限りのリーフ様を褒め称える言葉を口に出せば、黒スライムはそれを黙って聞き、最後は……。


────ぷるるんっ……。


体を揺らして肯定を示した。


黒スライムの好きなモノは ” リーフ様 ”

いや、そもそも黒スライムのみならず皆リーフ様が大好きで、嫌いだと思う者など世界中どこを探したとしても存在しない。


だからこそ確信を持ってそう言ったのだが、それは勿論大正解であった様で ” 親睦 ” は、ほぼ完全に深まった様だ。


やり遂げたという達成感と共に無言で待機していると、愛おしい愛おしいリーフ様がやっと来てくれた。


「 親睦は深まったかな~? 」


そう尋ねてきたので、俺は迷わず頷く。


” 俺は完璧にリーフ様の願いを叶えました。 ”

” だから沢山沢山喜んで欲しいし褒めて欲しいです。 ”


そんな欲望がニョキニョキと心のなかで顔を覗かせるが、この程度の事ではまだまだかと、全く期待せずリーフ様からの返答を待つ。

すると何故かリーフ様はその場にペタンと座り、俺を手招きしだしたのだ。


「 ? 」


何だろうと思いながら手招きに誘われ、リーフ様の元へと近づく。

すると────……?


────グィッ!


突然服を引っ張られ、俺の頭はリーフ様の膝の上へ。

驚いてキョトンとしている俺を他所に、リーフ様は嬉しそうに微笑み、ガラガラ鳴る玩具を俺に向かって振ってきた。


「 ねんね~んコロコロり~んのぉ~レオンはいい子~だ~♬ 」


しかも歌まで歌ってくれる。


俺が沢山頑張ったから褒めてくれている!


俺の胸は、ドキドキと踊るように鳴り始めた。

欲しかったモノを沢山貰って、俺は嬉しくて嬉しくて……細くて小さい腰をキュッと抱きしめる。


俺が欲しい物を全て持っているリーフ様は、俺が欲しがるタイミングでそれを溢れんばかりにくれるのだ。

そして大丈夫になったらくれなくて……また欲しいなって思って苦しくて悲しくて、やがて限界がくるその前にまたくれて────……。


あぁ、これが "  転がされている "  というやつか……?


これも街の中で仕入れた知識。

しんどい時には側にいてくれて、頑張っている時は適度に放っておかれる。

それを "    転がされている   "   と表現するようで、なんと男はそれをされると高確率で相手を大好きになるんだとか。


” なんていうか、しんどい時には側にいてくれて、頑張っている時は適度に放っといてくれて……そんな事されちゃうと惚れちゃうよな~! ”


” あ~転がされている感じってやつ?

確かに本当に俺の事凄く見てくれてるなって感じだもんな。

男としては最高に幸せな状況ってやつ。 ”


街にいる男同士が言ってた言葉を思い出し、まさに今がそれと同じ状況かと俺は理解する。


俺はリーフ様に凄く見て貰っている。

そして今の状態は、リーフ様に転がされている状態。


俺は最高に幸せ!


────ジ~ン……。

痺れる様な幸せを喜んでいたその時、突然リーフ様は立ち上がり、膝の上に乗っていた俺の頭は冷たい地面へと叩きつけられた。


────ゴンッ!!

痛みは全くないが、突然のぞんざいな扱いにガガーン!!とショックで固まる。

更に何のつもりか知らないが、ヒヨコもどきは煩い玩具を必死に鳴らすし、黒スライムはグニグニした哺乳瓶の先端を俺に強く押し付けてくる!

ご機嫌だった気持ちは、一気に不機嫌へと変化していった。


────ムスッ!

そのままゆっくりと立ち上がり、俺は "  何故?  "   とモヤモヤしながら考えていると、リーフ様は満面の笑みを見せてくる。


可愛い……。


キュッと、まるで心を握られたみたいに小さく疼くが、そこでまたしても街での会話を思い出す。


” あんまり気弱で言いたい事が言えないと、直ぐに飽きられて捨てられるからな。 ”

” たまにはガツン!と。それが無理ならせめて堂々たる態度で不満を示さないと。 ”


「 …………。 」


それを思い出すと、俺の額からは、汗が一粒ツゥ……と流れていった。


このままでは、飽きて捨てられる可能性が……?


焦った俺はリーフ様に、言いたい事を言おうと表情を引き締めた。


” 俺はもっとさっきの状態のままが良かったのに! ”

” 急に放り出すなんて酷いです。 ”

” もっと撫でて欲しい! ”


そうハッキリ伝えようとした瞬間────……。


「 レオーン!!ご所望のベチョベチョになりにニールのところに行くよ──。 」


リーフ様の言った言葉一つで全ての恐怖や不安、不満は全て吹き飛ぶ。

即座に大きな草を肩に背負っているリーフ様ごと抱き上げ、太った方の住む家へと向かった。
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