【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十八章

649 きっかけ編

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( レオン )

結局その後、その黒スライムは家に持ち帰る事になった。


"   拾ったモノはちゃんと持ち帰る。"

ランチの時のゴミだって、リーフ様はきちんと家に持ち帰るし……これは仕方ない。

役に立たなければこっそり捨てればいい、そう思っていたが……それなりに使えるヤツだった様で、家に置く事を許す事にした。

どうも気配察知能力はヒヨコもどきより上で、よく何処からか ” 黒い人間 ” を捕まえてきては、畑に植えたり植物モンスターの囮に使ったりしている様だ。


「 黒みつは働き者だねぇ……。 」


畑の世話に精を出す黒スライムを見て、リーフ様はポツリと呟く。

そして、最初こそソワソワして見ていた様だが、日に日に穏やかな目つきで黒スライムを見つめる様になり、何故か俺もヒヨコもどきも同じ様な目で見られる様になった。


理由は分からない。

しかし、嫌な感じはしないし……。


とりあえず良しとしていたある日、寝る準備をしている時にリーフ様は俺とヒヨコもどき、そして黒スライムに向かって唐突に話しかけてきた。


「 明日、レガーノに帰ろうと思ってるんだ。

黒みつにとっては、初めてのリーフ邸だね。 」


それに対し黒スライムは首を傾げる様にクニャッと横に倒れ、ヒヨコもどきはよく食べる邸の料理人の豆料理を思い出したのか、舌をペロリと出す。

そして俺はというと────ついに来たか……と真剣な眼差しでリーフ様を見つめた。


初めてのベチョベチョは、慣れ親しんだ故郷でをご所望か……。


場所に対しての想いを察知し、俺はドキドキしながらその日は眠りについた。


◇◇◇◇

そうして次の日、ヒヨコもどきが呼んだ他の2匹のヒヨコもどき達と共にレガーノに旅立ち、特に何もトラブルもないままレガーノへと到着する。


リーフ様は大好きな故郷の家に帰ってきたからか、とても嬉しそう。


それに対し多少チリっ……とする気持ちはあれど、喜んでいるリーフ様を見るのは嬉しいし可愛いので、俺は警戒心を解いて、そんな楽しそうなリーフ様を見守った。

────が……?

いつも通りリーフ様を上に乗せ、丁寧にお茶を飲ませている時の事、突然リーフ様は俺の上から降りて黒スライムの所まで行くと、そのままワシっ!と掴む。

そして、ソレをそのまま俺に押し付けてきたのだ。


「 レオン。黒みつは新しく俺達の家族になった。

よって、親睦を深める必要があると思うんだ。

さぁ、二人一緒にお庭で遊んでおいで。 」


グイッと前に突きつけられた黒スライムは、” えっ!!?? ” と言わんばかりに、体を揺らし、俺も同じく驚きと不満の声を心の中であげる。


────嫌だ!


物申そうと口を開きかける、その前に────背中をグイグイと押されそのままドアの外に出されてしまった……。

俺の手のひらには、押し付けられた黒スライムがいる。


「 …………。 」

「 …………。 」


お互い無言のまま立ち尽くし、その後、俺がジッとその黒スライムを見下ろすと、そいつはビクビクッ!と揺れて不安そうにしている様子?を見せてきた。


なぜ急にこんな事を……?

まさか────浮気する時間を作られた??!


最悪な可能性を思いついた俺は、即座にその黒いスライムをペチンっ!と床に投げ捨て ” 目 ” を使い、リーフ様の様子を伺った。

すると、なんと俺の事についてお話しているだけだったので、ホッと胸を撫で下ろす。

そして次の瞬間、続けてピシャ!と雷に打たれたかの様な衝撃を受けた。


” 実は好きな人の事で相談があるんだけど……。 ”


女が数人集まって人に聞かれたくない話をする時は、こういった内容の事が多い。

要はどうしたらもっと大好きになって貰えるか、それに対し第三者の意見を求めているという事だ。

俺は直ぐにリーフ様に貼り付けている ” 目 ” を閉じ、感覚を閉じた。


リーフ様は男だが、俺に好きになって貰おうと頑張っている。

そしてそれをコソコソ聞いてしまうのは、あまり良くない事だという事も、街での会話で俺は知っている。


” 女同士の話は絶対聞かねぇ方がいいよな……。 ”

” エグいもんな。俺、衝撃で立ち直れない……。 ”


続いて聞いた男同士の会話内容を思い出し、ドキドキしながら、確かに凄い衝撃だ……と大いに納得してしまった。

そんな俺を、居心地悪そうに細かく体を揺らした黒スライムが見上げてくるので、ジッ……と見つめ返すと、黒スライムは固まる。


” 親睦を深める。 ”

” 二人一緒にお庭で遊ぶ。 ”


リーフ様からの命令をキッチリとこなし、俺もリーフ様に大好きになってもらう努力をしなければ……!


俺は直ぐに固まってしまった黒スライムを、ツィ……と摘み上げ、そのまま庭の方へと飛んでいった。


◇◇◇◇

庭についた俺は、とりあえず手にいる黒スライムを下にペチャリと落とし、その横に座る。

そしてどうしたら ” 親睦 ” とやらを深める事ができるのかを、膨大な知識の中から最も最適と思われる情報を引っ張り出した。


「 ……黒。 」

「 !? 」


ポツリ……と呟いた言葉に対し、黒スライムはビクッ!!と揺れる。

そしてソロ……とコチラの様子を伺うように動き、その後は ” ぷるるん…… ” と小さく震えた。



『 人との上手な付き合い方☆ ~きっかけ編~ 』

仲良くなりたいなと思ったら、まずは相手との共通点を見つけよう!

それを話題にすれば仲良くなれるきっかけになるよ☆
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