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第二十一章
726 残された者達のために
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(リーフ)
「……そ、そんな……。」
呆然と立ち尽くしていると、カシャ!カシャッ!と音を立てて、どんどん景色はスライドする様に変わっていく。
その中には、いつも行っているマリンさんのお店『森の恵み』や冒険者ギルド、リーンちゃんとマルクさんのお店である『りんごの隠れ家』、他にもドレスを買ったお店や出店などがあったが……その全ては全壊しており、面影を残す程度のものになってしまっていた。
そして最後はある街の一角の映像が写り、そこで戦っている2人の人物の姿が見えてくる。
一人はモジャっとした軽いアフロヘアーのケンさん。
そしてもう一人は────ヒョロっとした体格に、いつも穏やかに笑うリーンちゃんのお父さん、マルクさんであった。
ケンさんは大盾、そしてマルクさんは長剣を構え、街に侵入しているモンスター達を次々と倒していくが……二人とも傷だらけで既に疲労もピークに達しているのか、肩で息をしながらやっとの事で倒している状態だ。
「正面門は第二騎士団の連中に任せて街の連中を助けにきたが……こんな状況じゃほとんど助からねぇな。
────畜生っ!!せめて守備隊が万全の体制だったらもう少しはもっただろうに、あんなモンスター増加の状態で襲われちまえばひとたまりもねぇだろうが!」
「そんなこと言わないで下さいよ、ケン。
私たち守備隊がここに向かったからこそ、全員ではないけど生き残っている街民の何割かは教会に逃げ込む事ができたはずです。
後は救助が間に合えば、そのうちの何人かは助かるかもしれなませんよ。
あとはどれほど時間が稼げるか……ですね。守備隊の腕の見せ所じゃないですか。」
ケンさんが険しい顔で怒鳴ると、マルクさんは静かに怒りを隠しながら冷静に答えを返す。
するとケンさんは、辺り一帯にいるモンスターを範囲攻撃で蹴散らした後、胸元からタバコを取り出し、フ~……と大きく吸った。
「……ライキーの野郎は、この状態じゃ~イシュル神の元に逝っちまっただろうな。
あっちに『あーちゃん』とやらはいねぇっつーのによ。
避難もしねぇでキノコと心中かよ、ホント大馬鹿野郎だよな~。」
「フフッ。ライキーさんは昔から結構頑固な人でしたからね。
当時素行の悪かった怖~いケンに対しても変わらなかったくらいに。
まぁ、気の長い人ですからあっちでゆっくり『あーちゃん』を待つんじゃないですか?」
「……いや~お前に素行が悪いとか言われたくねぇんだけど?」
ジトッとした目をマルクさんに向けた後、ケンさんは着火でタバコを燃やし尽くし、また新たに迫るモンスター達の大群に目を向けた。
「……この街はもう駄目だな。」
「……えぇ、残念ながら、もう長くはもたないでしょうね。
────ケン、今からでもナッツちゃんに会いに行って下さい。モンスターが増加し始めてから一度も家に帰れてなかったでしょう?
私は何度か顔を見に行けましたから、最後は譲ってあげますよ。」
「バァ~カ。あいつは守備隊隊長の娘だぞ?
ケガだらけの俺の尻を叩いて戦って来い!って言うようなヤツだから、とっくに覚悟なんざできているさ。
あと俺がしてやれる事は、娘が助かる可能性に賭けて少しでも時間を稼ぐ事ぐらいだ。
そのためにこの命、とことん使ってやらぁ。」
ケンさんは薄っすら笑いながら上に着ていたボロボロの装備を脱ぐと、上半身を全て覆う様に禍々しい魔力をまとった真っ赤な魔法陣がびっしり描かれていた。
あれは────【自爆陣】だ!
< 自爆陣 >
自身の生命力全てと引き換えに、ステータス分の威力を持った広範囲魔法攻撃を指定したターゲット達に向かって放つ自爆魔法が描かれた特殊魔法陣。
自身の体に描いて使い、発動後、術者は命を落とす。
マルクさんはクスッと笑いながら、ケンさん同様自身の上半身の装備を脱ぐ。
するとマルクさんの身体にも全く同じ【自爆陣】が描かれていた。
「考えている事は同じですね。
リーンは亡き妻に似て、本当にいい子に育ってくれたから、もう私がいなくなっても大丈夫でしょう。
これが娘のためにしてあげられる最後の事です。派手に行きましょうか。」
二人は顔を見合わせ笑い合うと、そのまま武器を構え迫りくるモンスターと戦い始めた。
────……。
…………カシャッ!!
そしてまた景色は変わり、今度見えてきたのは、ライトノア学院が近くにある南門だ。
そこは、もうかなりモンスターの侵入を許してしまっている様で、学院の近くまで戦闘員達は後退してしまっていたが、なんとか最後の砦ともいえるライトノア学院の侵入は食い止めている所であった。
大量のモンスター達と激しい戦闘を繰り広げているのは、ライトノア学院の教員達で、流石は実力重視の実力は伊達ではなく、どんどんモンスター達を倒していく。
しかし────圧倒的な数の力に一人、また一人教員達は倒れていきその数は減っていった。
そして敵側にいるモンスターが、教員達に向かって範囲攻撃を打とうとしたその時────。
「全員盾の後ろに回れぇぇっ!!!」
怒号と共に地面の土が盛り上がり、至るところで巨大な土の盾が出現する。
「────くっ!!」
「間に合えっ……!!」
生き残っている教員達は、直ぐに近くに現れた盾の後ろへと避難し難を逃れた。
それにホッと胸を撫で下ろしながら、その強力な盾を出した魔法使いへと視線を向ける。
彼女は自身もその出現させた盾の後ろに近くにいた仲間の教員数名と身を隠しながら、険しい顔でモンスター達の方へ視線を向けていた。
そんな彼女に、他の教員が話しかける。
「……そ、そんな……。」
呆然と立ち尽くしていると、カシャ!カシャッ!と音を立てて、どんどん景色はスライドする様に変わっていく。
その中には、いつも行っているマリンさんのお店『森の恵み』や冒険者ギルド、リーンちゃんとマルクさんのお店である『りんごの隠れ家』、他にもドレスを買ったお店や出店などがあったが……その全ては全壊しており、面影を残す程度のものになってしまっていた。
そして最後はある街の一角の映像が写り、そこで戦っている2人の人物の姿が見えてくる。
一人はモジャっとした軽いアフロヘアーのケンさん。
そしてもう一人は────ヒョロっとした体格に、いつも穏やかに笑うリーンちゃんのお父さん、マルクさんであった。
ケンさんは大盾、そしてマルクさんは長剣を構え、街に侵入しているモンスター達を次々と倒していくが……二人とも傷だらけで既に疲労もピークに達しているのか、肩で息をしながらやっとの事で倒している状態だ。
「正面門は第二騎士団の連中に任せて街の連中を助けにきたが……こんな状況じゃほとんど助からねぇな。
────畜生っ!!せめて守備隊が万全の体制だったらもう少しはもっただろうに、あんなモンスター増加の状態で襲われちまえばひとたまりもねぇだろうが!」
「そんなこと言わないで下さいよ、ケン。
私たち守備隊がここに向かったからこそ、全員ではないけど生き残っている街民の何割かは教会に逃げ込む事ができたはずです。
後は救助が間に合えば、そのうちの何人かは助かるかもしれなませんよ。
あとはどれほど時間が稼げるか……ですね。守備隊の腕の見せ所じゃないですか。」
ケンさんが険しい顔で怒鳴ると、マルクさんは静かに怒りを隠しながら冷静に答えを返す。
するとケンさんは、辺り一帯にいるモンスターを範囲攻撃で蹴散らした後、胸元からタバコを取り出し、フ~……と大きく吸った。
「……ライキーの野郎は、この状態じゃ~イシュル神の元に逝っちまっただろうな。
あっちに『あーちゃん』とやらはいねぇっつーのによ。
避難もしねぇでキノコと心中かよ、ホント大馬鹿野郎だよな~。」
「フフッ。ライキーさんは昔から結構頑固な人でしたからね。
当時素行の悪かった怖~いケンに対しても変わらなかったくらいに。
まぁ、気の長い人ですからあっちでゆっくり『あーちゃん』を待つんじゃないですか?」
「……いや~お前に素行が悪いとか言われたくねぇんだけど?」
ジトッとした目をマルクさんに向けた後、ケンさんは着火でタバコを燃やし尽くし、また新たに迫るモンスター達の大群に目を向けた。
「……この街はもう駄目だな。」
「……えぇ、残念ながら、もう長くはもたないでしょうね。
────ケン、今からでもナッツちゃんに会いに行って下さい。モンスターが増加し始めてから一度も家に帰れてなかったでしょう?
私は何度か顔を見に行けましたから、最後は譲ってあげますよ。」
「バァ~カ。あいつは守備隊隊長の娘だぞ?
ケガだらけの俺の尻を叩いて戦って来い!って言うようなヤツだから、とっくに覚悟なんざできているさ。
あと俺がしてやれる事は、娘が助かる可能性に賭けて少しでも時間を稼ぐ事ぐらいだ。
そのためにこの命、とことん使ってやらぁ。」
ケンさんは薄っすら笑いながら上に着ていたボロボロの装備を脱ぐと、上半身を全て覆う様に禍々しい魔力をまとった真っ赤な魔法陣がびっしり描かれていた。
あれは────【自爆陣】だ!
< 自爆陣 >
自身の生命力全てと引き換えに、ステータス分の威力を持った広範囲魔法攻撃を指定したターゲット達に向かって放つ自爆魔法が描かれた特殊魔法陣。
自身の体に描いて使い、発動後、術者は命を落とす。
マルクさんはクスッと笑いながら、ケンさん同様自身の上半身の装備を脱ぐ。
するとマルクさんの身体にも全く同じ【自爆陣】が描かれていた。
「考えている事は同じですね。
リーンは亡き妻に似て、本当にいい子に育ってくれたから、もう私がいなくなっても大丈夫でしょう。
これが娘のためにしてあげられる最後の事です。派手に行きましょうか。」
二人は顔を見合わせ笑い合うと、そのまま武器を構え迫りくるモンスターと戦い始めた。
────……。
…………カシャッ!!
そしてまた景色は変わり、今度見えてきたのは、ライトノア学院が近くにある南門だ。
そこは、もうかなりモンスターの侵入を許してしまっている様で、学院の近くまで戦闘員達は後退してしまっていたが、なんとか最後の砦ともいえるライトノア学院の侵入は食い止めている所であった。
大量のモンスター達と激しい戦闘を繰り広げているのは、ライトノア学院の教員達で、流石は実力重視の実力は伊達ではなく、どんどんモンスター達を倒していく。
しかし────圧倒的な数の力に一人、また一人教員達は倒れていきその数は減っていった。
そして敵側にいるモンスターが、教員達に向かって範囲攻撃を打とうとしたその時────。
「全員盾の後ろに回れぇぇっ!!!」
怒号と共に地面の土が盛り上がり、至るところで巨大な土の盾が出現する。
「────くっ!!」
「間に合えっ……!!」
生き残っている教員達は、直ぐに近くに現れた盾の後ろへと避難し難を逃れた。
それにホッと胸を撫で下ろしながら、その強力な盾を出した魔法使いへと視線を向ける。
彼女は自身もその出現させた盾の後ろに近くにいた仲間の教員数名と身を隠しながら、険しい顔でモンスター達の方へ視線を向けていた。
そんな彼女に、他の教員が話しかける。
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