【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第二十一章

737 おかえりなさい

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(リーフ)

────何だ???


胸焼けしそうな変な空気を感じ、謎の人物を見上げると、彼?は顔を後ろに回し、その視線は上の方を見つめているようだった。


「まさか、ここまで追ってこれるほど力をつけているのか……?
……すまないね。
もう君が安全に暮らせる場所はどこにもないらしい。
が君を取り返しにきたよ。」

「えっ?すみません、良く聞こえな────。」


ボソボソと囁く程の声のトーンだったため、聞こえない事を訴えた、その瞬間────……。

────────ビシッ!!

大きな音を立てて謎の人物が見つめている先にある白い空間に大きな横線が入った。

そしてそこから────……。


ドロ……ドロドロ…………。

まるで血の様な真っ赤な液体が流れ出し、白い空間は赤へと染まっていく。


「────ヒエッ!!」

ホラー映画にありそうな光景に、思わず悲鳴をあげてしまったが、なんと本当の恐怖はここから!
横線からミチミチ~と肉が引きちぎられる様な音が聞こえ始め、それと共にゆっくりその横線は広がっていった。

そして少しずつ開いたその隙間からものすごく大きな、黒い人間の指?みたいなものがニュッ!!と出てきたのだ。


「────ヒヤッ!!!」


恐怖で固まる俺を余所に、それは数を増やしていき左右4本づつの指が出てきて、横線の縁にその指を掛ける。

そして、そのままベリベリべリ~!!と、更にその穴を大きく広げ始めたのだ。


きょ、巨人が白い空間を引き裂こうとしてる!?


そんなありえない想像を否定できずに、呆然とそれを見上げていると、大きくなっていく裂け目からドバッと赤い液体が大量に流れてきて、それが足元に向かって絨毯の様に広がっていく。


「うわっ!!??」


それを避けるため後ろに大きく飛ぶと、突然赤い液体の至る所に多数の『人間の目』が出現し、一斉にパチッ!と目を開けた。

その瞬間、ブワッ!!と全身に広がる鳥肌と恐怖!

白目を向いて固まってしまった俺の前で、その沢山の目達はキョロキョロと周囲を見渡し、俺を一斉に睨みつける!


「ホ、ホギャアァァァ────っ!!!!」


限界に達した恐怖に絶叫をあげたのも束の間、目が俺を睨みつけるのと同時に、亀裂をこじ開けようとする巨大な手は勢いを増し……白い空間にはどんどん新たな亀裂ができて、まるで蜘蛛の巣の様にそれが広がっていった。

そして大きくこじ開けられてしまった裂け目からその巨大な黒い手がニュッ~!と中に入ってくると、そのまま真っ先に謎の人物に対し攻撃をし始めたのだ。

「あっ!」

突然の攻撃に、助太刀しようと直ぐに駆けつけようとしたが、もう一本の入ってきた黒い手が俺の方へ向かって伸びてきて、そのまま上から覆い被さる様にぽすんっ!!と振り下ろされた。


『しまった!もう一本、手があった!』


次に体を襲うであろう衝撃に備え、思わず目を瞑ったが……何も起きない。


「────??あ、あれ……?」


驚きゆっくりと目を開けると、その手はまるでかまくらの様な空洞を作っていて、そこに俺は閉じ込められていた。


「しまった!くそ~! 」


急いでその手の中から出ようと、周りを覆う手をポカスカと殴ったり蹴ったりしたが、びくともしない!

その間にも外からは大きな戦闘音が聞こえ続け、激しい戦闘が起きている事が分かり、俺は黒い手の親指と人指し指の間に空いている僅かな隙間からニュニュッ!!と顔を突き出し、外の様子を伺った。

すると、そこには伸びてきた巨大な黒い手の猛攻を避けながら戦っている謎の人物の姿が!
その黒い手は開いた裂け目から次から次へと何本も伸びてきては謎の人物へ攻撃をし、それを彼?は指を振りながら弾いていたのだが、とうとうその猛攻撃に耐えきれず一本の手にその体が捕まってしまった。


「……やれやれ、なんてことだ。この私ですら相手にならないとは……。このままではいつくか世界が壊されてしまうな。
────リーフ君、そろそろ君は目覚めないといけないね。
『楽しい』時間をありがとう。
それではハッピーエンドを目指して頑張ってくれたまえ。
では────。」


────ミシミシッ!!

巨大な手で締め付けられながら、謎の人物の彼?はそう言うと────パチンッ……と指を弾いた。


────────……。




────────……ハッ!!!


気がつくと、目の前には固くてゴツいお馴染みのお胸とその感触。
そしてお馴染みの匂いと、身動きが一切できない物凄い締め付け感……。

いつも通り、レオンの腕の中で、俺は目覚めた。


「あ……あれ???」


まだ上手く脳みそが追いついてこず目を白黒させながらレオンの顔を見上げると、レオンはゆっくり目を開けそのまま俺と目を合わせる。

そして────……。


  
、リーフ様。」


そう言って、ニコッと嬉しそうに笑った。

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