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第二十六章
(ニール)859 喧嘩
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(ニール)
リーフ様はその血統を考えるなら、ゴリゴリの戦闘職であると思われ、またそれを証明するかの様に小学院での戦闘系の授業はずば抜けて優秀であった。
そしてそんなリーフ様よりも更に突き抜けて優秀なレオンも、恐らくは戦闘系資質では?と思われる。
そんな二人の毎日毎日気がつけばしている戦いは、本当に凄い。
勿論そんな戦いに戦闘が得意ではない俺とモルトは参戦などできず、見学が常で、その日も二人横に並んで芝生に座り込んで見学していたのだが────突然強めの剣風が俺とモルトに向かってピュンっと吹いてきた。
その瞬間、鼻を殴りつけてくるのは、隣にいるモルトのキツイ香水の匂い。
いつもだったらあえてスルーする些細な事だったが、その事が妙に気になってしまい、俺の口は自然と動き出した。
「モルト。前から思っていたんスけど、バラの香水がキツイっす。
もう少し抑えてくれないっすか?」
それに対しピクリと肩を動かしたモルトは、一度大きく深呼吸をしてからそれに答える、
「そうか。それは悪かったな、善処しよう。──急だが、俺も一つ君に言いたい事がある。
君は太っている。
隣同士で座る時、君一人で1・5人分のスペースを陣取っているのは如何なものかと思う。」
そう言われた俺は無言で自分の座っているスペースを確認すると、確かにほっそりとした体型のモルトに対し、ややぽっちゃりな俺は僅かにモルトのテリトリー内に入っている事に気づいた。
「……そりゃー申し訳なかったっすね。
あ、あともう一つあるんすけど、女性に対しての態度がキザ過ぎて気持ち悪いっす。
どうにかしてくれないっすか?そういうのスケコマシって言うんすよ?」
「ハハッ。君こそ、女性の前で行うガサツで下品な行動を止めてくれないか?
食事の時など、まるで餌に飛びつく家畜の様だぞ。もしかしてミニブタの子孫でもいるのか?」
その会話が終了した瞬間、俺とモルトの間には確かな亀裂が走り、俺達はお互い無言で立ち上がり、足を伸ばしたり手を回したり準備運動を開始。
そしてその後は同時にギンッ!!と睨み合って怒鳴り合いを始めた。
「誰がミニブタっすか!!この神経質でキザなスケコマシむっつり男!!」
「何だと!!?ガサツで下品で卑しいミニブタもどきめっ!!」
今までしたことのない様な激しい言い争いをしながら、やがて手が出て足が出て────その後は同時に顔にパンチを叩き込み、そのまま揃って気絶してしまった。
そして、やがてボンヤリと目を覚ますと、眼の前には大きなランチボックス一杯のサンドイッチを食べているリーフ様と、そのサンドイッチを鳥の餌やりの様に食べさせて貰っているレオンの姿が。
隣を見ればモルトが転がっており、イライラしながら見下ろしていると、その直後、モルトがパチッと目を覚ましたせいで、目が合ってしまった俺達はお互い大きく顔を逸らす。
そんな険悪な空気が彷徨う中、俺達が目を覚ました事に気がついたリーフ様は、俺達に向かってランチボックスを渡してきて「二人共食べる~?」とのんびりした口調で言ってきた。
「「リーフ様っ!!!」」
同時に叫んだ俺達にびっくりしたのか、キョトンとした顔を見せるリーフ様。
しかし俺は気にせずビシッ!!とモルトを指差し、怒りの感情をそのまま大声で吐き出した。
「こいつと俺!たった今、喧嘩したんすよ!!俺、こんなに酷い喧嘩したの初めてっす!!
前々から嫌なヤツだと思ってましたが、その上を遥かに超える嫌なヤツでした!!」
それを聞いたモルトがギンッ!と目を釣り上げ、同じく俺をビシッ────ッ!と指して怒鳴り散らす。
「何を言う!!それはこちらのセリフだ!!
俺だってこんなに腸が煮えくり返ったのは初めてです!!想像以上の性悪だ!君は!!」
カチ────ン!!
お互い怒りがギュンギュンと再熱し、そのまま第二ラウンドへと突入。
またしても暴言の吐き合いがスタートしてしまう。
「煩いっすよ!!このスケコマシ!ちょっと上品なエロゴブリン!小魚顔!!」
「ななっ!!そっちこそ!この下品大王!ミニブタ乞食!小さなオークもどき!!」
そのままキーキーとまた取っ組み合いの喧嘩を始めた俺達を、リーフ様はキョトンとした目で見ていたが、突然『ぷぷ────ッ!!』と吹き出し、そのまま腹を抱えて大笑いを始めてしまった。
それにショックを受けて止まる俺達に向かって、リーフ様はヒーヒーと息を乱しながら言う。
「二人共凄くお互いの事見ているんだね!何だか楽しそうだ。
よ~し!俺もその喧嘩に参戦しよう!
え~と……俺の悪口はどうしようかな……。ねずみ顔、鳥あたま、イノシシ馬鹿……平凡男……。」
ブツブツと何故か自分の悪口を考え出したリーフ様に、俺とモルトは同時にため息をついた。
リーフ様はその血統を考えるなら、ゴリゴリの戦闘職であると思われ、またそれを証明するかの様に小学院での戦闘系の授業はずば抜けて優秀であった。
そしてそんなリーフ様よりも更に突き抜けて優秀なレオンも、恐らくは戦闘系資質では?と思われる。
そんな二人の毎日毎日気がつけばしている戦いは、本当に凄い。
勿論そんな戦いに戦闘が得意ではない俺とモルトは参戦などできず、見学が常で、その日も二人横に並んで芝生に座り込んで見学していたのだが────突然強めの剣風が俺とモルトに向かってピュンっと吹いてきた。
その瞬間、鼻を殴りつけてくるのは、隣にいるモルトのキツイ香水の匂い。
いつもだったらあえてスルーする些細な事だったが、その事が妙に気になってしまい、俺の口は自然と動き出した。
「モルト。前から思っていたんスけど、バラの香水がキツイっす。
もう少し抑えてくれないっすか?」
それに対しピクリと肩を動かしたモルトは、一度大きく深呼吸をしてからそれに答える、
「そうか。それは悪かったな、善処しよう。──急だが、俺も一つ君に言いたい事がある。
君は太っている。
隣同士で座る時、君一人で1・5人分のスペースを陣取っているのは如何なものかと思う。」
そう言われた俺は無言で自分の座っているスペースを確認すると、確かにほっそりとした体型のモルトに対し、ややぽっちゃりな俺は僅かにモルトのテリトリー内に入っている事に気づいた。
「……そりゃー申し訳なかったっすね。
あ、あともう一つあるんすけど、女性に対しての態度がキザ過ぎて気持ち悪いっす。
どうにかしてくれないっすか?そういうのスケコマシって言うんすよ?」
「ハハッ。君こそ、女性の前で行うガサツで下品な行動を止めてくれないか?
食事の時など、まるで餌に飛びつく家畜の様だぞ。もしかしてミニブタの子孫でもいるのか?」
その会話が終了した瞬間、俺とモルトの間には確かな亀裂が走り、俺達はお互い無言で立ち上がり、足を伸ばしたり手を回したり準備運動を開始。
そしてその後は同時にギンッ!!と睨み合って怒鳴り合いを始めた。
「誰がミニブタっすか!!この神経質でキザなスケコマシむっつり男!!」
「何だと!!?ガサツで下品で卑しいミニブタもどきめっ!!」
今までしたことのない様な激しい言い争いをしながら、やがて手が出て足が出て────その後は同時に顔にパンチを叩き込み、そのまま揃って気絶してしまった。
そして、やがてボンヤリと目を覚ますと、眼の前には大きなランチボックス一杯のサンドイッチを食べているリーフ様と、そのサンドイッチを鳥の餌やりの様に食べさせて貰っているレオンの姿が。
隣を見ればモルトが転がっており、イライラしながら見下ろしていると、その直後、モルトがパチッと目を覚ましたせいで、目が合ってしまった俺達はお互い大きく顔を逸らす。
そんな険悪な空気が彷徨う中、俺達が目を覚ました事に気がついたリーフ様は、俺達に向かってランチボックスを渡してきて「二人共食べる~?」とのんびりした口調で言ってきた。
「「リーフ様っ!!!」」
同時に叫んだ俺達にびっくりしたのか、キョトンとした顔を見せるリーフ様。
しかし俺は気にせずビシッ!!とモルトを指差し、怒りの感情をそのまま大声で吐き出した。
「こいつと俺!たった今、喧嘩したんすよ!!俺、こんなに酷い喧嘩したの初めてっす!!
前々から嫌なヤツだと思ってましたが、その上を遥かに超える嫌なヤツでした!!」
それを聞いたモルトがギンッ!と目を釣り上げ、同じく俺をビシッ────ッ!と指して怒鳴り散らす。
「何を言う!!それはこちらのセリフだ!!
俺だってこんなに腸が煮えくり返ったのは初めてです!!想像以上の性悪だ!君は!!」
カチ────ン!!
お互い怒りがギュンギュンと再熱し、そのまま第二ラウンドへと突入。
またしても暴言の吐き合いがスタートしてしまう。
「煩いっすよ!!このスケコマシ!ちょっと上品なエロゴブリン!小魚顔!!」
「ななっ!!そっちこそ!この下品大王!ミニブタ乞食!小さなオークもどき!!」
そのままキーキーとまた取っ組み合いの喧嘩を始めた俺達を、リーフ様はキョトンとした目で見ていたが、突然『ぷぷ────ッ!!』と吹き出し、そのまま腹を抱えて大笑いを始めてしまった。
それにショックを受けて止まる俺達に向かって、リーフ様はヒーヒーと息を乱しながら言う。
「二人共凄くお互いの事見ているんだね!何だか楽しそうだ。
よ~し!俺もその喧嘩に参戦しよう!
え~と……俺の悪口はどうしようかな……。ねずみ顔、鳥あたま、イノシシ馬鹿……平凡男……。」
ブツブツと何故か自分の悪口を考え出したリーフ様に、俺とモルトは同時にため息をついた。
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