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第二十八章
934 親友
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(レイド)
・・
「なぁ、それ、楽しいのか?」
ワクワクして質問したのだが、そいつはうう~ん……?と考える素振りをした後、一言……。
『分からない。』
その答えにガッカリしたが、分からないのにやる理由は絶対にあるはずだと、親に言われてるから?それとも誰かに命令されたのか?と続けて質問するも、全て否定されてしまう。
「なおさらそれをやる理由が分からねぇ。だってさ、お前ペンギンかウズラの獣人だろ?
戦闘にあまり適さないのに何でそんなに頑張るんだよ。
世の中的には自分の適正を知って、それに乗っかってく方が幸せになれるんじゃね~の?」
自分の望む生き方に、必ずしも持って生まれた才能と気質が合致するわけではない。
いくら周りが羨むモノを持っていたとしても、本人にそれを生かす気持ちがなければガラクタと同じ。
自分の持って生まれた才能に気づき、それに乗っかっていく事が一番賢い生き方である事くらい分かっている。
でも────……。
「……メルには無理。」
ズバッと告げられたのは俺と全く同じ答えで、内心ドキッ!としながら「なら強くなりたいって事か?」と問うと、また悩んでいる様子を見せた後、ボソッと言った。
「……違う……。なりたい自分は……これから探す。」
その時点で俺は、ジワジワと喜びを感じて心の中で『いやっほ~!』と叫ぶ。
こいつも俺と同じ!
周りに何を言われてもしっくりこない。
自分が納得できる自分を探している。
同志に会えた事が嬉しくて嬉しくて、この日から俺とメルは志を共にする『親友』になった。
その日から『一人でフラフラ』が、『二人でフラフラ』となり、あっちへフラフラこっちへフラフラ。
とにかく自分のなりたい自分を探して悪戦苦闘の毎日────と、言っても100%俺がメルを連れ回していた感じだったが、メルはひたすらそれについてきてくれて、出会う事の一つ一つに向き合っている様だった。
俺は俺で出会うモノ出会うモノに次から次へと興味を移しては、メルが考えている間は別の事に飛びついていたりと、各々自分のペースでそれを楽しんでいたと思う。
しかしやはり肝心の答えは二人して見つからず、このままでいいかもやはり分からない。
そんなある日の事、メルの所に行こうと家を出ようとしていた時に、姉がガシャ────ンッ!!!と窓を割って勢いよく中へ入ってきた。
全壊してしまった窓のガラスを見上げながら「そんなに急いでどうしたんだ??」と尋ねると、姉は非常に興奮した様子で話し出す。
「街に人族のお嫁さんを貰ったヤツがいた!!
くそ~!ペリカンの獣人めぇ~!ズルいズルい!!」
キーキーと騒ぐ姉を見ながら、俺はジワジワ~と興味のボルテージが上がっていくのを感じた。
【人族】
その種族と獣人が初めて交流を持ったのは1500年。
この国にドロティア帝国が攻めてきた時が初めてと言われているが、その当時【人族】に対して、あまりいい印象は持っていなかった。
しかし、その印象が見事に覆される事件が起こる。
二度目にジェンス王国をドロティア帝国が攻めてきた時、なんとドロティア帝国は卑怯な事にガンドレイド王国から奪った沢山の道具を駆使して戦ってきた。
そのせいで苦しい戦いを強いられていた、その時、アルバード王国が援軍として駆けつけてくれたのだ。
弱き肉体で可憐に戦うその姿に視線は釘付け!
多種多様な戦い方は興味を誘い、鼻をこちょこちょと擽る様ないい匂い。
そんな強烈な印象とともに現れた【人族】達に心を射抜かれた獣人達は、感謝と愛情?と共に喜んで同盟を結んだそうだ。
それからは、勿論人族なら誰でも好きというわけではないが、大多数の人族に対し獣人達は一定以上の興味と好意を持っている。
そのためアルバード王国へ入国できる機会に恵まれた時は、隙あらば人族とお近づきに……と考えている獣人達が殆どなのだがだが────……ここでジェンス王国の法律がその行動に待ったをかける。
『むやみにアルバード王国に入国禁止、勝手に入れば産業奴隷』
『人族を無理やり連れ帰った者は、問答無用で犯罪奴隷(ただし戦闘職の人族は場合により可)』
特に肉食系の獣人は自制が効きにくい事もあり、厳しい規則を設けている。
そうしなければあっという間に人族を乱獲し、巣に持ち帰って繁殖期に突入してしまうからだ。
しかも生まれる子供は全員が獣人になってしまうため、それを続ければ人族が全滅してしまう危険性も考えての法律であった。
そんな中で、合法的に人族のお嫁さんをゲットしたヤツがいる!
キーキー騒ぎ続ける姉に詳しい話を聞くと、そのスーパーラッキー獣人はペリカンの獣人で、パンの作り方を学ぶためアルバード王国へ入国した道中、悪い盗賊に襲われている馬車を発見。
速やかにその盗賊達を叩きのめすと、助けた人族の女がそいつに惚れてお付き合いが始まった……との事だ。
これは大事件だ!!
そう思った俺は、思わずガッツポーズ!
そしてガラスが割れる音を聞きつけてやって来た父に殴り飛ばされ「キャンっ!!」と悲鳴を上げている姉を尻目に、メルの所へと走っていった。
・・
「なぁ、それ、楽しいのか?」
ワクワクして質問したのだが、そいつはうう~ん……?と考える素振りをした後、一言……。
『分からない。』
その答えにガッカリしたが、分からないのにやる理由は絶対にあるはずだと、親に言われてるから?それとも誰かに命令されたのか?と続けて質問するも、全て否定されてしまう。
「なおさらそれをやる理由が分からねぇ。だってさ、お前ペンギンかウズラの獣人だろ?
戦闘にあまり適さないのに何でそんなに頑張るんだよ。
世の中的には自分の適正を知って、それに乗っかってく方が幸せになれるんじゃね~の?」
自分の望む生き方に、必ずしも持って生まれた才能と気質が合致するわけではない。
いくら周りが羨むモノを持っていたとしても、本人にそれを生かす気持ちがなければガラクタと同じ。
自分の持って生まれた才能に気づき、それに乗っかっていく事が一番賢い生き方である事くらい分かっている。
でも────……。
「……メルには無理。」
ズバッと告げられたのは俺と全く同じ答えで、内心ドキッ!としながら「なら強くなりたいって事か?」と問うと、また悩んでいる様子を見せた後、ボソッと言った。
「……違う……。なりたい自分は……これから探す。」
その時点で俺は、ジワジワと喜びを感じて心の中で『いやっほ~!』と叫ぶ。
こいつも俺と同じ!
周りに何を言われてもしっくりこない。
自分が納得できる自分を探している。
同志に会えた事が嬉しくて嬉しくて、この日から俺とメルは志を共にする『親友』になった。
その日から『一人でフラフラ』が、『二人でフラフラ』となり、あっちへフラフラこっちへフラフラ。
とにかく自分のなりたい自分を探して悪戦苦闘の毎日────と、言っても100%俺がメルを連れ回していた感じだったが、メルはひたすらそれについてきてくれて、出会う事の一つ一つに向き合っている様だった。
俺は俺で出会うモノ出会うモノに次から次へと興味を移しては、メルが考えている間は別の事に飛びついていたりと、各々自分のペースでそれを楽しんでいたと思う。
しかしやはり肝心の答えは二人して見つからず、このままでいいかもやはり分からない。
そんなある日の事、メルの所に行こうと家を出ようとしていた時に、姉がガシャ────ンッ!!!と窓を割って勢いよく中へ入ってきた。
全壊してしまった窓のガラスを見上げながら「そんなに急いでどうしたんだ??」と尋ねると、姉は非常に興奮した様子で話し出す。
「街に人族のお嫁さんを貰ったヤツがいた!!
くそ~!ペリカンの獣人めぇ~!ズルいズルい!!」
キーキーと騒ぐ姉を見ながら、俺はジワジワ~と興味のボルテージが上がっていくのを感じた。
【人族】
その種族と獣人が初めて交流を持ったのは1500年。
この国にドロティア帝国が攻めてきた時が初めてと言われているが、その当時【人族】に対して、あまりいい印象は持っていなかった。
しかし、その印象が見事に覆される事件が起こる。
二度目にジェンス王国をドロティア帝国が攻めてきた時、なんとドロティア帝国は卑怯な事にガンドレイド王国から奪った沢山の道具を駆使して戦ってきた。
そのせいで苦しい戦いを強いられていた、その時、アルバード王国が援軍として駆けつけてくれたのだ。
弱き肉体で可憐に戦うその姿に視線は釘付け!
多種多様な戦い方は興味を誘い、鼻をこちょこちょと擽る様ないい匂い。
そんな強烈な印象とともに現れた【人族】達に心を射抜かれた獣人達は、感謝と愛情?と共に喜んで同盟を結んだそうだ。
それからは、勿論人族なら誰でも好きというわけではないが、大多数の人族に対し獣人達は一定以上の興味と好意を持っている。
そのためアルバード王国へ入国できる機会に恵まれた時は、隙あらば人族とお近づきに……と考えている獣人達が殆どなのだがだが────……ここでジェンス王国の法律がその行動に待ったをかける。
『むやみにアルバード王国に入国禁止、勝手に入れば産業奴隷』
『人族を無理やり連れ帰った者は、問答無用で犯罪奴隷(ただし戦闘職の人族は場合により可)』
特に肉食系の獣人は自制が効きにくい事もあり、厳しい規則を設けている。
そうしなければあっという間に人族を乱獲し、巣に持ち帰って繁殖期に突入してしまうからだ。
しかも生まれる子供は全員が獣人になってしまうため、それを続ければ人族が全滅してしまう危険性も考えての法律であった。
そんな中で、合法的に人族のお嫁さんをゲットしたヤツがいる!
キーキー騒ぎ続ける姉に詳しい話を聞くと、そのスーパーラッキー獣人はペリカンの獣人で、パンの作り方を学ぶためアルバード王国へ入国した道中、悪い盗賊に襲われている馬車を発見。
速やかにその盗賊達を叩きのめすと、助けた人族の女がそいつに惚れてお付き合いが始まった……との事だ。
これは大事件だ!!
そう思った俺は、思わずガッツポーズ!
そしてガラスが割れる音を聞きつけてやって来た父に殴り飛ばされ「キャンっ!!」と悲鳴を上げている姉を尻目に、メルの所へと走っていった。
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