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第二十八章
938 開戦
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(レイド)
「俺たちは死ぬ前に見つけちまったな。」
苦笑いしながらそう言うと、メルはコクリと頷いた。
「……メル達は運がいい。リーフは天才……。」
「ハハッ!確かに俺たちラッキー獣人だ!リーフは脇道を見つける天才だな。」
たった数分。
それで自分の見つめる先の景色がガラリと変わってしまうなんて、本当に不思議な事だ。
思わず笑いながら、舞い上がる光る胞子達によってキラキラと光り輝く景色を見つめた。
今まで自分を縛る『価値観』は消え失せ、俺は自身の興味に身を委ねて前へと進み出す。
そしてそれを教えてくれたリーフに忠誠を、そんな俺を俺のまま受け入れてくれる仲間達には最大限の感謝を。
この恩は忘れず命ある限り俺は、ここを守る。
犬の獣人の習性。
生涯にたった一人、主人となる者を決めて忠誠を誓う。
俺の主人はリーフ。
仲間たちは俺の守るべき群れ。
きっとこれから俺の人生は最高に刺激的でワクワクに満ちた人生になるはずだ!
これからの事を思うと、尻尾はブンブン、耳はピンッ!と立ち上がり、思わずニヤけてしまった。
◇◇
「……おい。何をニヤけているのだ、気持ち悪い。」
アゼリアの心底嫌そうな声で、ハッ!と現実に戻される。
「お~悪い悪い。つい昔の思い出に浸っちまった。」
頭をポリポリ掻きながらそう言うと、アゼリアは呆れた様な目で俺を見た。
現在俺とアゼリアは装備を万全にし【大ホール】へ向かっている。
そこに<聖浄結石>を守る敵がいるからだ。
「全く……しっかりしろ。<聖浄結石>を守っている敵は強敵だぞ。
────まぁ、負けるつもりは毛頭ないがな。寧ろ楽しみで楽しみで仕方がない。」
アゼリアは腰に装備している刀に手を触れ、クックック……と悪い笑みを浮かべて笑う。
『戦闘狂』
その言葉が相応しいほど、アゼリアはイノシシの様に敵に突っ込んでいくメスゴリラで、味方ならとても頼もしい存在だ。
「俺だって負けるつもりはないぜ。
なんたって御主人様があんなすげぇ化け物と戦ってんだ。群れを守るのが犬の役目だろ?」
黒く染まった空を見上げ、俺は背中に背負っている武器にソッ……と触れる。
俺の『個性』を詰め込んだ新しい武器。
今日という日に間に合って本当に良かった。
俺ってホントにラッキー獣人!
思わずまた顔がニヤけてしまうと、アゼリアがフンッと口端を上げて笑う。
「ほぅ?リーフ様を主人とは……見る目はあるようだな、犬ころめ。」
そう言いながら満足げな様子を見せるアゼリアにヘヘッと笑いを漏らした。
そんなやり取りをしているととうとう<大ホール>に到着し、俺たちはお互い目線を合わせ頷き合うと、そのままゆっくりとその扉を開ける。
ギィィィィ────…………。
扉の開く音が響き渡り、中の様子が見える様になると目に入るのは、窓から差し込む光に照らされる巨大な舞台と、その上に設置されているイシュル像。
そして────その前に跪いて祈りを捧げている一人の人物の姿であった。
更に隣に立っている教壇の上にはキラッと光る結晶らしきモノが置かれている。
恐らくあれが<聖浄結石>!
俺とアゼリアが同時にそれを見つけると、その祈っていた人物は祈りを止め、そのままゆっくり立ち上がる。
そしてそのままこちらを振り向きあからさまに蔑む様な視線を俺たちに向けた。
「おやおや、誰が来たのかと思えば……獣臭い下品な下等生物である獣人風情と、汚らしい不義のご令嬢もどきでしたか。
全く……私は本当に運がない。」
穏やかな喋り方と凛と姿勢良く立つ姿は優雅で上品さを感じさせるが、口を開けばその嫌な性格が滲み出て全てが台無しだ。
人を見下す事しか出来ぬ言動。
明らかな差別的思考。
相変わらずコイツは何一つ変わっていないのだなとよく理解した。
「どうもこんにちは~。下等生物の犬の獣人とメスゴリラで~す。
確か入学院式以来だったっけかな?────ジュワン先生。」
(大ホール)
ジュワン VS レイド、アゼリア
────開戦。
「俺たちは死ぬ前に見つけちまったな。」
苦笑いしながらそう言うと、メルはコクリと頷いた。
「……メル達は運がいい。リーフは天才……。」
「ハハッ!確かに俺たちラッキー獣人だ!リーフは脇道を見つける天才だな。」
たった数分。
それで自分の見つめる先の景色がガラリと変わってしまうなんて、本当に不思議な事だ。
思わず笑いながら、舞い上がる光る胞子達によってキラキラと光り輝く景色を見つめた。
今まで自分を縛る『価値観』は消え失せ、俺は自身の興味に身を委ねて前へと進み出す。
そしてそれを教えてくれたリーフに忠誠を、そんな俺を俺のまま受け入れてくれる仲間達には最大限の感謝を。
この恩は忘れず命ある限り俺は、ここを守る。
犬の獣人の習性。
生涯にたった一人、主人となる者を決めて忠誠を誓う。
俺の主人はリーフ。
仲間たちは俺の守るべき群れ。
きっとこれから俺の人生は最高に刺激的でワクワクに満ちた人生になるはずだ!
これからの事を思うと、尻尾はブンブン、耳はピンッ!と立ち上がり、思わずニヤけてしまった。
◇◇
「……おい。何をニヤけているのだ、気持ち悪い。」
アゼリアの心底嫌そうな声で、ハッ!と現実に戻される。
「お~悪い悪い。つい昔の思い出に浸っちまった。」
頭をポリポリ掻きながらそう言うと、アゼリアは呆れた様な目で俺を見た。
現在俺とアゼリアは装備を万全にし【大ホール】へ向かっている。
そこに<聖浄結石>を守る敵がいるからだ。
「全く……しっかりしろ。<聖浄結石>を守っている敵は強敵だぞ。
────まぁ、負けるつもりは毛頭ないがな。寧ろ楽しみで楽しみで仕方がない。」
アゼリアは腰に装備している刀に手を触れ、クックック……と悪い笑みを浮かべて笑う。
『戦闘狂』
その言葉が相応しいほど、アゼリアはイノシシの様に敵に突っ込んでいくメスゴリラで、味方ならとても頼もしい存在だ。
「俺だって負けるつもりはないぜ。
なんたって御主人様があんなすげぇ化け物と戦ってんだ。群れを守るのが犬の役目だろ?」
黒く染まった空を見上げ、俺は背中に背負っている武器にソッ……と触れる。
俺の『個性』を詰め込んだ新しい武器。
今日という日に間に合って本当に良かった。
俺ってホントにラッキー獣人!
思わずまた顔がニヤけてしまうと、アゼリアがフンッと口端を上げて笑う。
「ほぅ?リーフ様を主人とは……見る目はあるようだな、犬ころめ。」
そう言いながら満足げな様子を見せるアゼリアにヘヘッと笑いを漏らした。
そんなやり取りをしているととうとう<大ホール>に到着し、俺たちはお互い目線を合わせ頷き合うと、そのままゆっくりとその扉を開ける。
ギィィィィ────…………。
扉の開く音が響き渡り、中の様子が見える様になると目に入るのは、窓から差し込む光に照らされる巨大な舞台と、その上に設置されているイシュル像。
そして────その前に跪いて祈りを捧げている一人の人物の姿であった。
更に隣に立っている教壇の上にはキラッと光る結晶らしきモノが置かれている。
恐らくあれが<聖浄結石>!
俺とアゼリアが同時にそれを見つけると、その祈っていた人物は祈りを止め、そのままゆっくり立ち上がる。
そしてそのままこちらを振り向きあからさまに蔑む様な視線を俺たちに向けた。
「おやおや、誰が来たのかと思えば……獣臭い下品な下等生物である獣人風情と、汚らしい不義のご令嬢もどきでしたか。
全く……私は本当に運がない。」
穏やかな喋り方と凛と姿勢良く立つ姿は優雅で上品さを感じさせるが、口を開けばその嫌な性格が滲み出て全てが台無しだ。
人を見下す事しか出来ぬ言動。
明らかな差別的思考。
相変わらずコイツは何一つ変わっていないのだなとよく理解した。
「どうもこんにちは~。下等生物の犬の獣人とメスゴリラで~す。
確か入学院式以来だったっけかな?────ジュワン先生。」
(大ホール)
ジュワン VS レイド、アゼリア
────開戦。
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