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第二十九章
(ヨセフ)983 早い者勝ち
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(ヨセフ)
「ふむふむ。話はこのイシュル教会神官長であるセイが聞きました。
二人は絶対にこの本が譲れないと……そういう事ですね?」
その女性とグレスターは天の助けとばかりに同時にセイに視線を向け「「その通り(です)!!」」と、これまた同時に答えた。
それを聞き、セイは神官長モードでニッコリと微笑み「では解決法をお教えしましょう!」と言う。
いや、解決法って……。
何かあれば直ぐに飛び込もうとするセイの性格を嫌という程知っていたので、そのまま見守っていたが……解決法なんてどちらかが諦める一択では?と思っていた。
グレスター達もそれを覚悟したのか、ゴクリとツバを飲み込み緊張した様子で「「それを教えて(下さい)!!」」とまた同時に叫ぶ。
するとセイはニッコリと微笑んだまま二人の手を取り────そのままくっつけた!
「「……えっ??」」
キョトンとしながら手を繋いでしまった二人に対し、セイはニッコニコととても良い笑顔を見せる。
「は~い。結婚してしまえばいいんですよ。
だって家族になってしまえば、その本はめでたく二人の共有財産になりますからね!」
ニコニコ!!
笑顔で言い放つセイに、グレスターは真っ赤な顔で「えええぇぇぇ────!!??」と叫んだ。
このとんでもない解決法に流石に驚き、ポカンとしてしまったが……何とその女性の方は驚きもせず、それどころかグッ!と拳を握りしめ「それはありね!」……などと言う始末。
その答えを聞いてグレスターは女性の方を向き、パクパクと口を開いたり閉じたりしていたが、彼女はそんなグレスターを全く気にせず、仁王立ちして顔をグイッと近づけた。
「私は【ルーセン家】の現当主<カトリーナ・ジュ・ルーセン>よ。
爵位は商人上がりの男爵。だからザ・貴族っていうモノを私に期待しないでちょうだい。
私の人生のモットーは『自由』!
人生は太く短く!嫌なものはイヤ、欲しいものは欲しい。そのためならこの命、喜んで賭けるわ。
性格はかなりキツイと思うし、こういう派手な格好が好きだから一生止めない。
だからお金をこれからもバリバリ働いて稼ぐつもりよ。そういった女性ってどうかしら?」
グレスターは背中を逸らし近すぎる顔から離れようとしながらも、その女性をしっかり見返す。
「わ……私はそうやって迷いなく進める女性は……素敵だと思います……。私にはない強さだから……。」
ボソボソと呟かれるグレスターの言葉を聞いて、彼女……カトリーナは一瞬キョトンとした後、嬉しそうに笑った。
「じゃあ、結婚しましょう!!」
そう言った瞬間、周りでその話を聞いていた人々はワッ!と騒ぎ出し、ヒューヒュー!と二人を囃し立て始める。
グレスターは憐れなほど狼狽えキョロキョロと周りを見渡した。
「で……でも……。」
「あの……そういう事はもっとちゃんと考えた方が……。」
必死にカトリーナにそう言うが、カトリーナは既に「結婚式は盛大に……。」「赤いカラードレスを作って~指輪は最新のデザインを取り入れて~……。」などなど、先の事を考え始めている。
私はそんなちぐはぐな二人を見ながら考えた。
グレスターは元々物凄く物静かな男であり、本以外趣味もこだわりもなくボンヤリしているところがある。
そんなグレスターなら、こういうカトリーナの様な自由でグイグイ引っ張っていってくれるタイプはまさに相性ピッタリなのでは……?
チラッとこの現況を作り出したセイを見れば、ニッコニッコと手を上にあげ大きな丸を作り出している。
それを見ながら私も確信を持った。
確かに同じ様な大人しい女性だと多分一生友達のまま関係は進まない恐れがある。
それに、何よりグレスター本人に『絶対に嫌だ』という気持ちはない様だ。
大きな丸を描いていたセイが、今度は私へGO!GO!と言わんばかりに親指をクイクイ動かしてくるので、私はキラッ!と目を輝かせると、グレスターの首に腕を回し顔を近づけた。
「グレスター。愛とは実は早いもの勝ちなんだ。
こんな魅力的な女性は早くしないと他の男に取られてしまうぞ。
俺はそれが嫌でセイには100回以上ポロポーズしたんだから。
『イケると思うならイケ!』愛の先輩からのアドバイスだ。」
「そ、そういうモノなのか……愛とは……。」
実は単純な思考を持っているグレスターは、真っ赤な顔でゴクリッとツバを飲み込み、真剣な顔をすると────既に式の準備のためか伝電鳥を飛ばしているカトリーナへ絵本を差し出し深く頭を下げた。
「これからよろしくお願いします!!」
「ふむふむ。話はこのイシュル教会神官長であるセイが聞きました。
二人は絶対にこの本が譲れないと……そういう事ですね?」
その女性とグレスターは天の助けとばかりに同時にセイに視線を向け「「その通り(です)!!」」と、これまた同時に答えた。
それを聞き、セイは神官長モードでニッコリと微笑み「では解決法をお教えしましょう!」と言う。
いや、解決法って……。
何かあれば直ぐに飛び込もうとするセイの性格を嫌という程知っていたので、そのまま見守っていたが……解決法なんてどちらかが諦める一択では?と思っていた。
グレスター達もそれを覚悟したのか、ゴクリとツバを飲み込み緊張した様子で「「それを教えて(下さい)!!」」とまた同時に叫ぶ。
するとセイはニッコリと微笑んだまま二人の手を取り────そのままくっつけた!
「「……えっ??」」
キョトンとしながら手を繋いでしまった二人に対し、セイはニッコニコととても良い笑顔を見せる。
「は~い。結婚してしまえばいいんですよ。
だって家族になってしまえば、その本はめでたく二人の共有財産になりますからね!」
ニコニコ!!
笑顔で言い放つセイに、グレスターは真っ赤な顔で「えええぇぇぇ────!!??」と叫んだ。
このとんでもない解決法に流石に驚き、ポカンとしてしまったが……何とその女性の方は驚きもせず、それどころかグッ!と拳を握りしめ「それはありね!」……などと言う始末。
その答えを聞いてグレスターは女性の方を向き、パクパクと口を開いたり閉じたりしていたが、彼女はそんなグレスターを全く気にせず、仁王立ちして顔をグイッと近づけた。
「私は【ルーセン家】の現当主<カトリーナ・ジュ・ルーセン>よ。
爵位は商人上がりの男爵。だからザ・貴族っていうモノを私に期待しないでちょうだい。
私の人生のモットーは『自由』!
人生は太く短く!嫌なものはイヤ、欲しいものは欲しい。そのためならこの命、喜んで賭けるわ。
性格はかなりキツイと思うし、こういう派手な格好が好きだから一生止めない。
だからお金をこれからもバリバリ働いて稼ぐつもりよ。そういった女性ってどうかしら?」
グレスターは背中を逸らし近すぎる顔から離れようとしながらも、その女性をしっかり見返す。
「わ……私はそうやって迷いなく進める女性は……素敵だと思います……。私にはない強さだから……。」
ボソボソと呟かれるグレスターの言葉を聞いて、彼女……カトリーナは一瞬キョトンとした後、嬉しそうに笑った。
「じゃあ、結婚しましょう!!」
そう言った瞬間、周りでその話を聞いていた人々はワッ!と騒ぎ出し、ヒューヒュー!と二人を囃し立て始める。
グレスターは憐れなほど狼狽えキョロキョロと周りを見渡した。
「で……でも……。」
「あの……そういう事はもっとちゃんと考えた方が……。」
必死にカトリーナにそう言うが、カトリーナは既に「結婚式は盛大に……。」「赤いカラードレスを作って~指輪は最新のデザインを取り入れて~……。」などなど、先の事を考え始めている。
私はそんなちぐはぐな二人を見ながら考えた。
グレスターは元々物凄く物静かな男であり、本以外趣味もこだわりもなくボンヤリしているところがある。
そんなグレスターなら、こういうカトリーナの様な自由でグイグイ引っ張っていってくれるタイプはまさに相性ピッタリなのでは……?
チラッとこの現況を作り出したセイを見れば、ニッコニッコと手を上にあげ大きな丸を作り出している。
それを見ながら私も確信を持った。
確かに同じ様な大人しい女性だと多分一生友達のまま関係は進まない恐れがある。
それに、何よりグレスター本人に『絶対に嫌だ』という気持ちはない様だ。
大きな丸を描いていたセイが、今度は私へGO!GO!と言わんばかりに親指をクイクイ動かしてくるので、私はキラッ!と目を輝かせると、グレスターの首に腕を回し顔を近づけた。
「グレスター。愛とは実は早いもの勝ちなんだ。
こんな魅力的な女性は早くしないと他の男に取られてしまうぞ。
俺はそれが嫌でセイには100回以上ポロポーズしたんだから。
『イケると思うならイケ!』愛の先輩からのアドバイスだ。」
「そ、そういうモノなのか……愛とは……。」
実は単純な思考を持っているグレスターは、真っ赤な顔でゴクリッとツバを飲み込み、真剣な顔をすると────既に式の準備のためか伝電鳥を飛ばしているカトリーナへ絵本を差し出し深く頭を下げた。
「これからよろしくお願いします!!」
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