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第三十一章
1036 真相は……
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( ニコラ )
< スザリーヌ >は大層美しく、鮮やかな金髪と透き通る青色の瞳を持つ国一番の美女だと言われている女性だったが────そのせいか少々傲慢な性格をしていた。
” 多少飢えて死ぬ者達がいたとしてもそれは仕方のない事。
綺麗な花を咲かせるには雑草を抜かねばならないでしょう? ”
そういった類の……人を人と思わぬ言動や行動を自身の目で見た父は、恐らく彼女を見限っていたのだと思う。
無茶ばかり言う彼女との間には一人子供を設けた後は全くの不干渉になってしまい、その生まれた子供が< カール >であった。
フワフワの金の糸の様な美しい髪。
陶器が引き立て役とまで言われるくらい白くて滑らかな肌に、宝石さえも霞む美しい青い瞳……。
カールは母親である< スザリーヌ >以上の美貌を持ち、周りからは褒め称えられ大層可愛がられたが────何故か父である王はカールにあまり近づこうとしない。
父は私的な理由で決して相手を判断しない人間だったため、いくらスザリーヌを嫌っていてもその子供まで冷たくする事はしないはず。
だからこそその当時幼いながら不思議に思ったものだったが、多分父は既に分かっていたのだ。
カールという人間の生まれながらに持っていた性質を……。
そして子供が生まれた事で父の気持ちが変わるかもと期待していたスザリーヌは、それが大誤算であった事で、自分の思い通りに動いてくれぬ父に苛立つ毎日を送る事になる。
” どうにかして自分の欲望を叶える世界を作りたい。 ”
そう考えたスザリーヌが次に考えた事、それは────
《 自分の子であるカールを王にする事 》
しかし、代々このアルバード王国は長兄が国を継ぐ事が決まっていたのと、元妃であった私の母の方がスザリーヌの実家よりも力があったため、それは不可能。
それを知っていたスザリーヌは色々と手を回してきては私を暗殺、もしくは何かしらの罪を被せて処刑してやろうと計画しそれを実行し始めた。
何度も危険な目にあったが、父がそれを全て未然に防いでくれて、更にそれを逆手にとってスザリーヌを僻地へと送る事に成功する。
これでスザリーヌは全ての権力を失い、問題は解決するかと思われたのだが……問題は王である父の正式な息子であるカールにあった。
この時、私は12歳、カールは7歳。
まだ幼く将来性もある少年を醜悪な母親と共にさせることは良くないと、周りが大反対したのだ。
カールはこの時の私から見れば、外見の可愛らしさもあってただの憐れで無力な少年にしか見えなかった。
父は悩みに悩み、最終的には確かにスザリーヌの元に置くのは良くないと考え、カールのみ王都でしっかりとした教育を受けさせる事に決定した様だ。
しかし────それに待ったを掛けたのは、なんと実の母親であるスザリーヌであった。
” 母と子の絆を引き裂くのか!? ”
” 私の愛する息子であるカールは渡さないわ! ”
そう主張するスザリーヌ。
その本心は────
” カールを手元に置いてまたチャンスを伺う。 ”
” 子供を盾に復讐を遂げてやろう。 ”
それを見抜いていた父は、どうにかそれを阻止しようとしたが、教会の教えである ” 母と子の絆は尊く、何人たりとも手出ししてはいけない ” を出せれれば、如何に王とはいえ手出しができない。
そのため一度引き下がり反撃のチャンスを待つ事にしたのだが、スザリーヌとカールが僻地に送られる直前、突然スザリーヌが亡くなった。
その死因は原因不明の病気であり、私の母レベッカと殆ど同じ症状であった。
その事からその死に疑問を持つ者達が現れたが、スザリーヌの体を検体しても中々真実にはたどり着けない。
打つ手がない中、調査が打ち切られる直前、ある人物からその真実が語られる事になった。
「 僕が母に毒物を飲ませました。 」
そう自白したのは、父の息子にしてスザリーヌの実の息子であるカールであった。
” わずか7歳にして実の母親を殺す。 ”
その語られた事実に騒然とする王宮内の者達の前で、カールはボロボロと大粒の涙を流し、誰もが手を差し伸べたくなる様な可愛らしさで、父に訴える。
「 母の実家の地域にしかない植物を使った未認可の毒物です。
母はそれを自身の領内で密かに製造し、邪魔になる者達をそれを使って排除してきたそうです……。 」
「 ────なっ……!! 」
「 ま……まさかレベッカ様も……? 」
ザワザワし始める周りの反応にビクッ!!と体を震わせたカールは、更に多くの涙を流し、ワッ!と泣き出した。
「 僕は……僕は怖かったのです……。
お母様がその毒物を使って次々と人を手に掛けていく事が……!
それを今度はお父様とお兄様にも使おうとしておりました。
僕にとって大事な大事な家族を実の母が殺すなんて……耐えられないっ!!
僕は……僕は……。 」
泣きながらガタガタ震えるカールを見て誰もが胸を打たれて涙を流す者達まで現れる。
” 父と兄を守るため、間違いに走った母親を……。 ”
” そこまで人を思いやれる心を持つなど普通はできぬ。 ”
” なんと優しいお子なのでしょう。 ”
周りはそう絶賛し、カールを無実にするべきとの意見が飛び交う。
しかし、その場で私と父だけは気付いていた。
カールの周りにいる侍女たちの顔が引きつっていた事。
そして────
涙を流し顔を伏せたカールの口元が……大きく歪んでいた事を。
< スザリーヌ >は大層美しく、鮮やかな金髪と透き通る青色の瞳を持つ国一番の美女だと言われている女性だったが────そのせいか少々傲慢な性格をしていた。
” 多少飢えて死ぬ者達がいたとしてもそれは仕方のない事。
綺麗な花を咲かせるには雑草を抜かねばならないでしょう? ”
そういった類の……人を人と思わぬ言動や行動を自身の目で見た父は、恐らく彼女を見限っていたのだと思う。
無茶ばかり言う彼女との間には一人子供を設けた後は全くの不干渉になってしまい、その生まれた子供が< カール >であった。
フワフワの金の糸の様な美しい髪。
陶器が引き立て役とまで言われるくらい白くて滑らかな肌に、宝石さえも霞む美しい青い瞳……。
カールは母親である< スザリーヌ >以上の美貌を持ち、周りからは褒め称えられ大層可愛がられたが────何故か父である王はカールにあまり近づこうとしない。
父は私的な理由で決して相手を判断しない人間だったため、いくらスザリーヌを嫌っていてもその子供まで冷たくする事はしないはず。
だからこそその当時幼いながら不思議に思ったものだったが、多分父は既に分かっていたのだ。
カールという人間の生まれながらに持っていた性質を……。
そして子供が生まれた事で父の気持ちが変わるかもと期待していたスザリーヌは、それが大誤算であった事で、自分の思い通りに動いてくれぬ父に苛立つ毎日を送る事になる。
” どうにかして自分の欲望を叶える世界を作りたい。 ”
そう考えたスザリーヌが次に考えた事、それは────
《 自分の子であるカールを王にする事 》
しかし、代々このアルバード王国は長兄が国を継ぐ事が決まっていたのと、元妃であった私の母の方がスザリーヌの実家よりも力があったため、それは不可能。
それを知っていたスザリーヌは色々と手を回してきては私を暗殺、もしくは何かしらの罪を被せて処刑してやろうと計画しそれを実行し始めた。
何度も危険な目にあったが、父がそれを全て未然に防いでくれて、更にそれを逆手にとってスザリーヌを僻地へと送る事に成功する。
これでスザリーヌは全ての権力を失い、問題は解決するかと思われたのだが……問題は王である父の正式な息子であるカールにあった。
この時、私は12歳、カールは7歳。
まだ幼く将来性もある少年を醜悪な母親と共にさせることは良くないと、周りが大反対したのだ。
カールはこの時の私から見れば、外見の可愛らしさもあってただの憐れで無力な少年にしか見えなかった。
父は悩みに悩み、最終的には確かにスザリーヌの元に置くのは良くないと考え、カールのみ王都でしっかりとした教育を受けさせる事に決定した様だ。
しかし────それに待ったを掛けたのは、なんと実の母親であるスザリーヌであった。
” 母と子の絆を引き裂くのか!? ”
” 私の愛する息子であるカールは渡さないわ! ”
そう主張するスザリーヌ。
その本心は────
” カールを手元に置いてまたチャンスを伺う。 ”
” 子供を盾に復讐を遂げてやろう。 ”
それを見抜いていた父は、どうにかそれを阻止しようとしたが、教会の教えである ” 母と子の絆は尊く、何人たりとも手出ししてはいけない ” を出せれれば、如何に王とはいえ手出しができない。
そのため一度引き下がり反撃のチャンスを待つ事にしたのだが、スザリーヌとカールが僻地に送られる直前、突然スザリーヌが亡くなった。
その死因は原因不明の病気であり、私の母レベッカと殆ど同じ症状であった。
その事からその死に疑問を持つ者達が現れたが、スザリーヌの体を検体しても中々真実にはたどり着けない。
打つ手がない中、調査が打ち切られる直前、ある人物からその真実が語られる事になった。
「 僕が母に毒物を飲ませました。 」
そう自白したのは、父の息子にしてスザリーヌの実の息子であるカールであった。
” わずか7歳にして実の母親を殺す。 ”
その語られた事実に騒然とする王宮内の者達の前で、カールはボロボロと大粒の涙を流し、誰もが手を差し伸べたくなる様な可愛らしさで、父に訴える。
「 母の実家の地域にしかない植物を使った未認可の毒物です。
母はそれを自身の領内で密かに製造し、邪魔になる者達をそれを使って排除してきたそうです……。 」
「 ────なっ……!! 」
「 ま……まさかレベッカ様も……? 」
ザワザワし始める周りの反応にビクッ!!と体を震わせたカールは、更に多くの涙を流し、ワッ!と泣き出した。
「 僕は……僕は怖かったのです……。
お母様がその毒物を使って次々と人を手に掛けていく事が……!
それを今度はお父様とお兄様にも使おうとしておりました。
僕にとって大事な大事な家族を実の母が殺すなんて……耐えられないっ!!
僕は……僕は……。 」
泣きながらガタガタ震えるカールを見て誰もが胸を打たれて涙を流す者達まで現れる。
” 父と兄を守るため、間違いに走った母親を……。 ”
” そこまで人を思いやれる心を持つなど普通はできぬ。 ”
” なんと優しいお子なのでしょう。 ”
周りはそう絶賛し、カールを無実にするべきとの意見が飛び交う。
しかし、その場で私と父だけは気付いていた。
カールの周りにいる侍女たちの顔が引きつっていた事。
そして────
涙を流し顔を伏せたカールの口元が……大きく歪んでいた事を。
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