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第三十三章
1079 意外な人物との遭遇
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( アゼリア )
《 緊急伝達っ!!モンスターの大群が突如街中に出現っ!!
繰り返す!モンスターの大群が突如街中に出現!!モンスターランクAも多数いる模様!!
各所向かえる者は至急対処を願う!! 》
切羽詰まったヨセフ司教の言葉を聞き、ザッ!と青ざめる。
もしや教会の方まで……!?
突然現れたモンスター達。
その出現範囲がこの避難を終えた街中だけではないという事に恐怖を抱く。
教会エリアにはソフィア様やヨセフ司教など戦うスキルを持たない者達の他、避難した街の人々もいるため、モンスターが一匹でも侵入すれば全滅だ。
いくらモンスター避けの結界があれど、こんな大勢のモンスターを相手にする想定で作られていないため、あっという間に……。
最悪の状況を考えゾッとした私は、目の前のモンスターを倒すと、直ぐに教会の正門近くに繋がる魔道路へ飛び込んだ。
そして教会の正門近くに到着したが、確かに沢山のモンスター達に囲まれているのが見え、直ぐに物陰に隠れる。
そこでモンスター達の動きを冷静に観察すると、無事< 魔引力珠 >が仕掛けられている正門へ向かっているようなので、とりあえずホッと息を吐き出した。
これなら正門でモンスター共を止めれば当分もつはずだ。
そう考え、直ぐに正門の方へ向かったのだが、どうも教会全体にうっすら結界の様なモノが張られている事に気づき首を傾げる。
教会内に結界を張れる者がいたのか……?
神官達の存在を思い出しながら考えたが、確かそんな能力を持った者はいなかった事を思い出し、走りながら不思議に思っていた、その時────
正門の前で酷く見知った気配を感じ、また物陰に隠れてコソッと覗く。
すると、そこにいたのは私の異母兄弟であり、かつ【 レイモンド家 】の正当な跡取りであるクラークであったため私は目を見開き驚いた。
「 クラーク……?
確かこの惨事が始まる前に、他のエドワード派閥の子供達と共に既に脱出していたはず……。
だからこんな所にいるわけが……。 」
モンスターが見せる幻影か何かだと思い、ブンブンと首を大きく横に振ってからもう一度奴を見たが……やはりどうみてもクラーク本人である事は間違いない様だ。
「 ……一体どうなっているんだ?? 」
教会を背に必死に戦うクラーク。
ご自慢のキラキラ光り輝く貴族の服は投げ捨てられていて、いつものクールさは微塵も見られない。
私は戦闘下にも関わらず、一体何故ここにクラークがいるのかを真剣に考え出した。
クラークは現在の私にとって非常に難しい立ち位置に存在する人物で、忘れもしない初めての出会いはお互い4歳の時。
その時のクラークからは私に対する嫌な感情は見当たらず、自分の母に泣きながら ” ごめんね ” と謝られ置いてかれた私としては、酷く安心した思い出が今も残っている。
しかし、その両親であった実の父である< ロイド >と義理の母に当たる< ローズ >からは攻撃的で殺意に満ちた目を向けられた。
” こいつさえいなければ ”
そんな視線に晒されて、怖くて怖くて震えていた私を、最初の内はクラークが気遣って近づいてきてくれたが、徐々に両親と同じ存在へと変わっていった。
最初は戸惑いながら涙を浮かべ顔を逸らす事から始まり、やがて両親と共に私を見下し口と態度で示す様に……。
そして更にクラークに先代を凌ぐ程の魔法の才がある事が分かると、それは更に加速した。
ほぼ魔法が使えない私と比べる事で、両親やクラーク達、使用人達ですら心地よい優越感に浸っていたと思う。
当時の事を振り返り、私はハァ~と大きなため息をついた。
そうして彼らはお互いがお互いに選ばれた人間であると錯覚し、それは ” 絆 ” となって全員を固く繋ぐ。
誰かを見下し創り出したその ” 絆 ” は強く、自分が否定される事のない楽園の様な世界だったのだろうが……それが崩れ去ったのは、ソフィア様が私を専属聖兵士に選んでくださった時だ。
私は日々どんなに否定されようが冷遇されようが、唯一得意だった剣をひたすら振り続け、努力することを止めなかった。
全身に痛みが走ろうが、手の皮が剥けようが、それこそ雨の日も風の日も。
どうしてそんなに努力し続けられるのか?
それは両親とクラーク達が与えてくれた ” 痛み ” が、日々の努力の背中を強く押してくれたからだ。
怒り、悲しみ、自己否定感、嫉妬……。
そんな感情にずっとずっと苦しめられてきたが、私の実力はそれがあってこそのモノであった。
必死で戦うクラークから視線を逸らすと、私は自分の握りしめた手を見下ろし、複雑な気持ちを持て余す。
両親やクラーク達が全否定した私の力。
それを見つけて初めて認めてくれたのはソフィア様だ。
嬉しかった。
初めて他人に自分を認めてもらえて、地獄から抜け出せたと思った。
しかしそれと反比例する形で両親とクラーク達には因果応報とも言える ” 絶望 ” が与えられ、【 レイモンド家 】は地の底まで叩き落される事となってしまったのだ。
つまり今までとは完全に立場が逆転し、周りからは絶えず見下す様な視線と陰口が囁かれ、今までの私と全く同じ境遇へと変わってしまったという事。
それを見てスッ……と胸がすく思いを持った事は確かだ。
《 緊急伝達っ!!モンスターの大群が突如街中に出現っ!!
繰り返す!モンスターの大群が突如街中に出現!!モンスターランクAも多数いる模様!!
各所向かえる者は至急対処を願う!! 》
切羽詰まったヨセフ司教の言葉を聞き、ザッ!と青ざめる。
もしや教会の方まで……!?
突然現れたモンスター達。
その出現範囲がこの避難を終えた街中だけではないという事に恐怖を抱く。
教会エリアにはソフィア様やヨセフ司教など戦うスキルを持たない者達の他、避難した街の人々もいるため、モンスターが一匹でも侵入すれば全滅だ。
いくらモンスター避けの結界があれど、こんな大勢のモンスターを相手にする想定で作られていないため、あっという間に……。
最悪の状況を考えゾッとした私は、目の前のモンスターを倒すと、直ぐに教会の正門近くに繋がる魔道路へ飛び込んだ。
そして教会の正門近くに到着したが、確かに沢山のモンスター達に囲まれているのが見え、直ぐに物陰に隠れる。
そこでモンスター達の動きを冷静に観察すると、無事< 魔引力珠 >が仕掛けられている正門へ向かっているようなので、とりあえずホッと息を吐き出した。
これなら正門でモンスター共を止めれば当分もつはずだ。
そう考え、直ぐに正門の方へ向かったのだが、どうも教会全体にうっすら結界の様なモノが張られている事に気づき首を傾げる。
教会内に結界を張れる者がいたのか……?
神官達の存在を思い出しながら考えたが、確かそんな能力を持った者はいなかった事を思い出し、走りながら不思議に思っていた、その時────
正門の前で酷く見知った気配を感じ、また物陰に隠れてコソッと覗く。
すると、そこにいたのは私の異母兄弟であり、かつ【 レイモンド家 】の正当な跡取りであるクラークであったため私は目を見開き驚いた。
「 クラーク……?
確かこの惨事が始まる前に、他のエドワード派閥の子供達と共に既に脱出していたはず……。
だからこんな所にいるわけが……。 」
モンスターが見せる幻影か何かだと思い、ブンブンと首を大きく横に振ってからもう一度奴を見たが……やはりどうみてもクラーク本人である事は間違いない様だ。
「 ……一体どうなっているんだ?? 」
教会を背に必死に戦うクラーク。
ご自慢のキラキラ光り輝く貴族の服は投げ捨てられていて、いつものクールさは微塵も見られない。
私は戦闘下にも関わらず、一体何故ここにクラークがいるのかを真剣に考え出した。
クラークは現在の私にとって非常に難しい立ち位置に存在する人物で、忘れもしない初めての出会いはお互い4歳の時。
その時のクラークからは私に対する嫌な感情は見当たらず、自分の母に泣きながら ” ごめんね ” と謝られ置いてかれた私としては、酷く安心した思い出が今も残っている。
しかし、その両親であった実の父である< ロイド >と義理の母に当たる< ローズ >からは攻撃的で殺意に満ちた目を向けられた。
” こいつさえいなければ ”
そんな視線に晒されて、怖くて怖くて震えていた私を、最初の内はクラークが気遣って近づいてきてくれたが、徐々に両親と同じ存在へと変わっていった。
最初は戸惑いながら涙を浮かべ顔を逸らす事から始まり、やがて両親と共に私を見下し口と態度で示す様に……。
そして更にクラークに先代を凌ぐ程の魔法の才がある事が分かると、それは更に加速した。
ほぼ魔法が使えない私と比べる事で、両親やクラーク達、使用人達ですら心地よい優越感に浸っていたと思う。
当時の事を振り返り、私はハァ~と大きなため息をついた。
そうして彼らはお互いがお互いに選ばれた人間であると錯覚し、それは ” 絆 ” となって全員を固く繋ぐ。
誰かを見下し創り出したその ” 絆 ” は強く、自分が否定される事のない楽園の様な世界だったのだろうが……それが崩れ去ったのは、ソフィア様が私を専属聖兵士に選んでくださった時だ。
私は日々どんなに否定されようが冷遇されようが、唯一得意だった剣をひたすら振り続け、努力することを止めなかった。
全身に痛みが走ろうが、手の皮が剥けようが、それこそ雨の日も風の日も。
どうしてそんなに努力し続けられるのか?
それは両親とクラーク達が与えてくれた ” 痛み ” が、日々の努力の背中を強く押してくれたからだ。
怒り、悲しみ、自己否定感、嫉妬……。
そんな感情にずっとずっと苦しめられてきたが、私の実力はそれがあってこそのモノであった。
必死で戦うクラークから視線を逸らすと、私は自分の握りしめた手を見下ろし、複雑な気持ちを持て余す。
両親やクラーク達が全否定した私の力。
それを見つけて初めて認めてくれたのはソフィア様だ。
嬉しかった。
初めて他人に自分を認めてもらえて、地獄から抜け出せたと思った。
しかしそれと反比例する形で両親とクラーク達には因果応報とも言える ” 絶望 ” が与えられ、【 レイモンド家 】は地の底まで叩き落される事となってしまったのだ。
つまり今までとは完全に立場が逆転し、周りからは絶えず見下す様な視線と陰口が囁かれ、今までの私と全く同じ境遇へと変わってしまったという事。
それを見てスッ……と胸がすく思いを持った事は確かだ。
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