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第三十四章
1087 気づかなかっただけ
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( クラーク )
「 同じくアーゼリン家【 回復専門部隊 】は先鋭のみをここに残し、その他は教会の避難所へ向かいます! 」
「 レイゼン家より戦闘用アイテムの設置を開始!
< 拡張伝柱 >も設置しますので、これより各班と情報伝達が可能になります! 」
回復をメインにできる者達の大半は、俺の防御陣を通って教会の避難所の方へと走っていき、更に新たに戦闘用スキルを持った商人達が即座に伝達系魔道具< 拡張伝柱 >を設置してくれた事で、小声でもお互いの声が聞こえる様になった。
お陰で「 う……嘘だろう……? 」というアゼリアの小さく囁く様な声もハッキリと聞こえる。
更にそれだけでは終わらず、大きく開いた魔道路からヌッ!と出てきたのは巨大な大砲の様な形をしている< 魔弾大砲 >という特殊な大型魔道具達だ。
< 魔弾大砲 >
魔法を充填し特殊な魔法弾を打ち出す大型戦闘魔道具
黒い筒状の形をしていて、そこから勢いよく発射し高火力攻撃が可能。
ただし扱いが難しく、専門の知識と技術を持った者でないと扱えない
「 ライン家の【 職人部隊 】も参戦だ!
大型戦闘用魔道具を派手にぶっ放してやるぜ────!
武器、防具が壊れたら持ってきな! 」
ザッ!と出てきたのは沢山のライン家の【 職人部隊 】
扱いが難しい大型戦闘用魔道具の周りで、ドンッ!と胸を叩いている。
「 Sランクをお目にかかれる機会がくるとは……何と恐ろしい姿だ。 」
「 ククッ俺達は運がいいな。腕がなるってもんだ。 」
汗を掻きながらも勇ましい発言が至る所で聞こえ、ビシビシと痛いくらいの闘志を全身で感じる。
スタンティン家だけでなく他の貴族達までエドワード派閥に歯向かっただと……?
戦闘中だというのに未だに信じられなくてポカン……としていると、解析班から声が上がった。
「 Sランクモンスター< ヒャクメ・カオス >!
現在の瞳の色は【 赤 】!
火属性攻撃のみ通ります!! 」
「 前衛班一旦下がれ────!!! 」
解析班の言葉を聞いたそれぞれのチームのリーダー達は一斉に叫び、それを受けた前衛班と飛行型戦闘魔道具は一旦大きく後ろに飛ぶ。
すると< ヒャクメ・カオス >は不思議そうな様子でこちらを見たが、次の瞬間────火属性魔法の集中業火!
ドンッ!!!!という火柱を上げて< ヒャクメ・カオス >の身体が燃え上がった。
「 凄い火力攻撃だっ……! 」
攻撃によって発生した爆風を両手で防ぎながら、 ” これなら少しは……! ” と希望を持ったのも束の間……爆風が止んで平然と立っているヤツの姿が見え、周りには動揺が走る。
「 効いていないだと……?! 」
「 間違いなくダメージは通っています!
しかし体力が桁違いのためあの程度では……。 」
驚く兵達の声に解析班が冷静に答えた。
恐らく蚊に刺された程度にしか効いていない様子で、先程動揺ポリポリと身体を掻いている< ヒャクメ・カオス >に全員がゾッとする。
「 あの火力でこの程度か、化け物めっ!
皆のもの!倒す事は考えず、とにかく足止めに徹するぞ!!
全員前に出すぎず、連携する事を忘れるなっ!! 」
「「「「「 おおおおお────────!!!! 」」」」」
リーダーの一人が指示を出すと、全員が雄叫びを上げて連携を駆使し< ヒャクメ・カオス >に挑んでいく。
きっとそれぞれがそれぞれの想いを持って、戦いに参戦している。
俺は必死に戦おうとしている兵たちの姿を眺め、目を細めた。
ここにいる兵達も己の主人がエドワード派閥に逆らっているのを知ってもなお、ココへ戦いに来た。
きっと心には多くの感情があって、何かを守りたいと願ったから戦う事を選んだはずだ。
「 ……羨ましいな。 」
ボソッと呟いた声が聞こえたはずのアゼリアは、敢えて聞こえなかったフリをしてくれた。
” クラーク程素晴らしい子はいないわ。
貴方は私達の誇り……いえ、全てだわ!愛しているわ。私の大事な息子のクラーク。 ”
” クラーク、お前は私にとって世界一大事な子だ!
全てを投げ売っても足りない程に。
私の大事な愛する子供はお前だけだよ。 ”
俺を一番愛している、大事だと、嫌という程言ってくれた両親はこの場にいない。
俺は大事なモノではなく、一番大事な大事な ” 自分 ” に役に立つ道具でしかなかった。
上辺だけの言葉とは、何と虚しいものなのだろう。
何も残らなかった手を見下ろした後、隣に立つアゼリアへ一瞬視線を向けた。
唯一の家族だと思っていた両親はここにはおらず、あんなにも家族でないと思っていたアゼリはここにいる。
きっと俺の ” 家族 ” は、虐め抜いて否定し続けたアゼリアだけだったのだ。
俺がそれに気づかなかっただけで、昔から……ずっと。
皮肉めいた答えに心に苦々しい想いが浮かぶと、突然< ヒャクメ・カオス >の目がカッ!光り、その色を変えた。
「 ヒャクメ・カオス!属性変化!!
【 青 】!水属性攻撃!! 」
解析班の声に即座に攻撃を火属性から水属性に変えて攻撃を続ける兵達に、ハッ!として、俺も水魔法をお見舞いしたが、やはり効いている様には見えない。
「 同じくアーゼリン家【 回復専門部隊 】は先鋭のみをここに残し、その他は教会の避難所へ向かいます! 」
「 レイゼン家より戦闘用アイテムの設置を開始!
< 拡張伝柱 >も設置しますので、これより各班と情報伝達が可能になります! 」
回復をメインにできる者達の大半は、俺の防御陣を通って教会の避難所の方へと走っていき、更に新たに戦闘用スキルを持った商人達が即座に伝達系魔道具< 拡張伝柱 >を設置してくれた事で、小声でもお互いの声が聞こえる様になった。
お陰で「 う……嘘だろう……? 」というアゼリアの小さく囁く様な声もハッキリと聞こえる。
更にそれだけでは終わらず、大きく開いた魔道路からヌッ!と出てきたのは巨大な大砲の様な形をしている< 魔弾大砲 >という特殊な大型魔道具達だ。
< 魔弾大砲 >
魔法を充填し特殊な魔法弾を打ち出す大型戦闘魔道具
黒い筒状の形をしていて、そこから勢いよく発射し高火力攻撃が可能。
ただし扱いが難しく、専門の知識と技術を持った者でないと扱えない
「 ライン家の【 職人部隊 】も参戦だ!
大型戦闘用魔道具を派手にぶっ放してやるぜ────!
武器、防具が壊れたら持ってきな! 」
ザッ!と出てきたのは沢山のライン家の【 職人部隊 】
扱いが難しい大型戦闘用魔道具の周りで、ドンッ!と胸を叩いている。
「 Sランクをお目にかかれる機会がくるとは……何と恐ろしい姿だ。 」
「 ククッ俺達は運がいいな。腕がなるってもんだ。 」
汗を掻きながらも勇ましい発言が至る所で聞こえ、ビシビシと痛いくらいの闘志を全身で感じる。
スタンティン家だけでなく他の貴族達までエドワード派閥に歯向かっただと……?
戦闘中だというのに未だに信じられなくてポカン……としていると、解析班から声が上がった。
「 Sランクモンスター< ヒャクメ・カオス >!
現在の瞳の色は【 赤 】!
火属性攻撃のみ通ります!! 」
「 前衛班一旦下がれ────!!! 」
解析班の言葉を聞いたそれぞれのチームのリーダー達は一斉に叫び、それを受けた前衛班と飛行型戦闘魔道具は一旦大きく後ろに飛ぶ。
すると< ヒャクメ・カオス >は不思議そうな様子でこちらを見たが、次の瞬間────火属性魔法の集中業火!
ドンッ!!!!という火柱を上げて< ヒャクメ・カオス >の身体が燃え上がった。
「 凄い火力攻撃だっ……! 」
攻撃によって発生した爆風を両手で防ぎながら、 ” これなら少しは……! ” と希望を持ったのも束の間……爆風が止んで平然と立っているヤツの姿が見え、周りには動揺が走る。
「 効いていないだと……?! 」
「 間違いなくダメージは通っています!
しかし体力が桁違いのためあの程度では……。 」
驚く兵達の声に解析班が冷静に答えた。
恐らく蚊に刺された程度にしか効いていない様子で、先程動揺ポリポリと身体を掻いている< ヒャクメ・カオス >に全員がゾッとする。
「 あの火力でこの程度か、化け物めっ!
皆のもの!倒す事は考えず、とにかく足止めに徹するぞ!!
全員前に出すぎず、連携する事を忘れるなっ!! 」
「「「「「 おおおおお────────!!!! 」」」」」
リーダーの一人が指示を出すと、全員が雄叫びを上げて連携を駆使し< ヒャクメ・カオス >に挑んでいく。
きっとそれぞれがそれぞれの想いを持って、戦いに参戦している。
俺は必死に戦おうとしている兵たちの姿を眺め、目を細めた。
ここにいる兵達も己の主人がエドワード派閥に逆らっているのを知ってもなお、ココへ戦いに来た。
きっと心には多くの感情があって、何かを守りたいと願ったから戦う事を選んだはずだ。
「 ……羨ましいな。 」
ボソッと呟いた声が聞こえたはずのアゼリアは、敢えて聞こえなかったフリをしてくれた。
” クラーク程素晴らしい子はいないわ。
貴方は私達の誇り……いえ、全てだわ!愛しているわ。私の大事な息子のクラーク。 ”
” クラーク、お前は私にとって世界一大事な子だ!
全てを投げ売っても足りない程に。
私の大事な愛する子供はお前だけだよ。 ”
俺を一番愛している、大事だと、嫌という程言ってくれた両親はこの場にいない。
俺は大事なモノではなく、一番大事な大事な ” 自分 ” に役に立つ道具でしかなかった。
上辺だけの言葉とは、何と虚しいものなのだろう。
何も残らなかった手を見下ろした後、隣に立つアゼリアへ一瞬視線を向けた。
唯一の家族だと思っていた両親はここにはおらず、あんなにも家族でないと思っていたアゼリはここにいる。
きっと俺の ” 家族 ” は、虐め抜いて否定し続けたアゼリアだけだったのだ。
俺がそれに気づかなかっただけで、昔から……ずっと。
皮肉めいた答えに心に苦々しい想いが浮かぶと、突然< ヒャクメ・カオス >の目がカッ!光り、その色を変えた。
「 ヒャクメ・カオス!属性変化!!
【 青 】!水属性攻撃!! 」
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