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第三十六章
1146 これが未来への分岐点
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( マリナ )
「 ……っ!!!その通りです!!
我が国ならず、他国の国民まで犠牲にするなど許される事ではありません!! 」
「 たかだ一人、呪いに対抗できる者が現れたとしても、多数に無勢……このままではかなりの広範囲にモンスターの大行進が起きて、国は滅ぼされます!! 」
「 そ、そうですわっ!!
このままではドロティア帝国の二の舞いになります!!
王はこの国を死国にするおつもりですか!!? 」
ニコラ王の言葉をチャンスとみた、エドワード様とカールが強く主張すると、回復魔法で怪我を直したルィーンが一気に王を攻撃する。
そしてそれを敏感に察知したエドワード派閥の重鎮達もそれに便乗してニコラ王を責める言葉を吐き出すと、その全てに耳を傾けていたニコラ王は私達に視線を送った後、フッ……と笑みを零した。
「 しかし希望の神は言った。
” 足掻いて足掻いてハッピーエンドを目指せ ” と。
どんな無謀な事であったとしても、私は神の御心に従うつもりだ。 」
「 ────────っ父上っ!!! 」
エドワード様が避難する様に叫んだが、ニコラ王の決意は固く、考えを改めようとする様子は見られない。
そんなニコラ王を見て、ガンドレイド王国の王< レギン >とジェンス王国の王< ライアン >、そして< コレット >女王はニヤッと笑った。
「 ニコラ殿がそこまで言うとは……。
私は神というものにそこまで強き想いはないが、ドワーフ族はかつての恩を決して忘れはしない。
ドロティア帝国の脅威から我らを救ってくれたアルバード王国が戦うというならば、全力をもって我々も戦おう。
” ハッピーエンド ” とやらを目指してな。 」
「 ウチだってアルバード王国には恩がある。
それに獣人は、基本戦闘大好きな馬鹿野郎ばっかりだからよ。
” 呪い ” 相手だっていうのに、それを打ち破る奴が現れたなんて聞いたら、いても立ってもいられなくなっちまったらしい。
最前列でその ” ハッピーエンド ” を見てやるって張り切っちまって、これは止められねぇよ。 」
「 これはアルバード王国だけではない、世界の危機……恐らくここが新たな未来への分岐点だ。
我々エルフ族は、いかなる妨害があったとしても ” 希望 ” のために戦うつもりだ。 」
「 レギン殿……ライアン殿……コレット殿……心より感謝いたします。 」
ニコラ王は再び胸を手を当て、レギン王とライアン王、コレット女王に感謝を示す。
それを見届けたコレット女王は、フッと笑った後、他の三カ国の王たちに向かい口を開いた。
「 これよりグリモアを中心としてアルバード王国全域に魔道路を大量に創る。
準備が出来次第、そこからバラバラに戦力を投入するぞ。
現在各所の情報を急いで集めている故、判明次第、その場に最も適した能力を持つ兵を飛ばすつもりだ。 」
「 はぁ?おいおい、何でそんな場所に飛ばすんだよ。
グリモアに全部飛ばせばいいじゃねぇか。 」
耳をほじりながら意見したライアン王を、コレット女王はギロリっと睨みつける。
「 これだからイノシシ頭の猫王は……。
過去の文献によれば、” 呪災の卵 ” から生まれし化け物の能力の中に ” 魔素強化 ” と ” モンスターの増殖 ” というモノがあった。
しかもその能力は、空間系の能力らしく国中に広がったという。
つまりは──── 」
「 あの化け物を倒さない限り、国中の街や村が次々とモンスター行進に襲われ、全滅するという事か……。
人員の配分を考えないとならんな。 」
レギン王が困った様にため息をつくと、コレット女王は満足そうに微笑み、侮蔑と呆れを混ぜた視線をライアン王へと向けた。
それに対し、ライアン王はチィッ!!と大きな舌打ちをし、コレット女王を睨みつける。
「 ……性悪ババアエルフ。 」
「 ……脳みそ足らずの野蛮ケモノ族。 」
ボソボソとつぶやかれる嫌味と悪口の応酬に、ニコラ王とレギン王は同時にこめかみを揉み込んだ。
「 ……ライアン殿、コレット殿……今はどうかお控え下さい。
とりあえずは一番激戦区となっているグリモアへは、先鋭部隊を派遣し、そしてその周囲はコレット殿の情報を元に戦力を分散して送って下さると助かります。 」
「 モンスター行進とあれば、バランス良いチーム分けをしておかないとな。
こっちは直ぐにチーム分けをしておく。
コレット殿、申し訳ないが指示を宜しく頼む。
あと我がドワーフ族はどうしても火力では劣る故、最前列は獣人頼りだ。
宜しく頼むぞ、ライアン殿。 」
ニコラ王とレギンの話を聞きながら、コレット女王とライアン王は不自然な程お互い顔を背けながら、コクリと頷く。
それにホッと息を吐いたニコラ王は、この場にいる貴族達へ視線を移した。
「 皆のもの、今聞いた通りだ。
これよりコレット殿の指示をもって、各所へ戦力を分散する。
頼んだぞ! 」
「「「「 ────────はっ!!!! 」」」」
四方八方から賛成の声が上がり、完全にまずい状況に立たされてしまったエドワード派閥。
ぐっ……!!
追い詰められた私は、心の中で喉を鳴らすと、直ぐにカールの方へ視線を移す。
するとカールの顔からは表情はすっかり消えていて、ボンヤリと宙を見つめている様だった。
「 ……っ!!!その通りです!!
我が国ならず、他国の国民まで犠牲にするなど許される事ではありません!! 」
「 たかだ一人、呪いに対抗できる者が現れたとしても、多数に無勢……このままではかなりの広範囲にモンスターの大行進が起きて、国は滅ぼされます!! 」
「 そ、そうですわっ!!
このままではドロティア帝国の二の舞いになります!!
王はこの国を死国にするおつもりですか!!? 」
ニコラ王の言葉をチャンスとみた、エドワード様とカールが強く主張すると、回復魔法で怪我を直したルィーンが一気に王を攻撃する。
そしてそれを敏感に察知したエドワード派閥の重鎮達もそれに便乗してニコラ王を責める言葉を吐き出すと、その全てに耳を傾けていたニコラ王は私達に視線を送った後、フッ……と笑みを零した。
「 しかし希望の神は言った。
” 足掻いて足掻いてハッピーエンドを目指せ ” と。
どんな無謀な事であったとしても、私は神の御心に従うつもりだ。 」
「 ────────っ父上っ!!! 」
エドワード様が避難する様に叫んだが、ニコラ王の決意は固く、考えを改めようとする様子は見られない。
そんなニコラ王を見て、ガンドレイド王国の王< レギン >とジェンス王国の王< ライアン >、そして< コレット >女王はニヤッと笑った。
「 ニコラ殿がそこまで言うとは……。
私は神というものにそこまで強き想いはないが、ドワーフ族はかつての恩を決して忘れはしない。
ドロティア帝国の脅威から我らを救ってくれたアルバード王国が戦うというならば、全力をもって我々も戦おう。
” ハッピーエンド ” とやらを目指してな。 」
「 ウチだってアルバード王国には恩がある。
それに獣人は、基本戦闘大好きな馬鹿野郎ばっかりだからよ。
” 呪い ” 相手だっていうのに、それを打ち破る奴が現れたなんて聞いたら、いても立ってもいられなくなっちまったらしい。
最前列でその ” ハッピーエンド ” を見てやるって張り切っちまって、これは止められねぇよ。 」
「 これはアルバード王国だけではない、世界の危機……恐らくここが新たな未来への分岐点だ。
我々エルフ族は、いかなる妨害があったとしても ” 希望 ” のために戦うつもりだ。 」
「 レギン殿……ライアン殿……コレット殿……心より感謝いたします。 」
ニコラ王は再び胸を手を当て、レギン王とライアン王、コレット女王に感謝を示す。
それを見届けたコレット女王は、フッと笑った後、他の三カ国の王たちに向かい口を開いた。
「 これよりグリモアを中心としてアルバード王国全域に魔道路を大量に創る。
準備が出来次第、そこからバラバラに戦力を投入するぞ。
現在各所の情報を急いで集めている故、判明次第、その場に最も適した能力を持つ兵を飛ばすつもりだ。 」
「 はぁ?おいおい、何でそんな場所に飛ばすんだよ。
グリモアに全部飛ばせばいいじゃねぇか。 」
耳をほじりながら意見したライアン王を、コレット女王はギロリっと睨みつける。
「 これだからイノシシ頭の猫王は……。
過去の文献によれば、” 呪災の卵 ” から生まれし化け物の能力の中に ” 魔素強化 ” と ” モンスターの増殖 ” というモノがあった。
しかもその能力は、空間系の能力らしく国中に広がったという。
つまりは──── 」
「 あの化け物を倒さない限り、国中の街や村が次々とモンスター行進に襲われ、全滅するという事か……。
人員の配分を考えないとならんな。 」
レギン王が困った様にため息をつくと、コレット女王は満足そうに微笑み、侮蔑と呆れを混ぜた視線をライアン王へと向けた。
それに対し、ライアン王はチィッ!!と大きな舌打ちをし、コレット女王を睨みつける。
「 ……性悪ババアエルフ。 」
「 ……脳みそ足らずの野蛮ケモノ族。 」
ボソボソとつぶやかれる嫌味と悪口の応酬に、ニコラ王とレギン王は同時にこめかみを揉み込んだ。
「 ……ライアン殿、コレット殿……今はどうかお控え下さい。
とりあえずは一番激戦区となっているグリモアへは、先鋭部隊を派遣し、そしてその周囲はコレット殿の情報を元に戦力を分散して送って下さると助かります。 」
「 モンスター行進とあれば、バランス良いチーム分けをしておかないとな。
こっちは直ぐにチーム分けをしておく。
コレット殿、申し訳ないが指示を宜しく頼む。
あと我がドワーフ族はどうしても火力では劣る故、最前列は獣人頼りだ。
宜しく頼むぞ、ライアン殿。 」
ニコラ王とレギンの話を聞きながら、コレット女王とライアン王は不自然な程お互い顔を背けながら、コクリと頷く。
それにホッと息を吐いたニコラ王は、この場にいる貴族達へ視線を移した。
「 皆のもの、今聞いた通りだ。
これよりコレット殿の指示をもって、各所へ戦力を分散する。
頼んだぞ! 」
「「「「 ────────はっ!!!! 」」」」
四方八方から賛成の声が上がり、完全にまずい状況に立たされてしまったエドワード派閥。
ぐっ……!!
追い詰められた私は、心の中で喉を鳴らすと、直ぐにカールの方へ視線を移す。
するとカールの顔からは表情はすっかり消えていて、ボンヤリと宙を見つめている様だった。
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