【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第三十六章

1145 四カ国同盟の王達

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( マリナ )

「 コレット女王は、此度の大厄災の全容はご存知なのでしょうか?

今このアルバード王国を襲う大厄災の正体は、あのドロティア帝国を襲った忌まわしき呪いの化け物…… ” 呪災の卵 ” です。

” 呪い ” は人の手でどうにかなる代物ではない事は、誰でも知っている事でしょう。

ですので我々は急ぎ、< 聖令浄化 >を…… 」


「 救世主< リーフ >殿。 」


エドワード様の言葉を遮り、コレット女王は忌々しいアレの名を呼んだ。

それに私とカールはピクリと肩を震わせ沈黙を貫いていると、コレット女王はニヤッと不敵に笑う。


「 誰しもどうする事ができぬ ” 呪い ” を打ち消す者が現れたのだ。

それはまさに世界の希望そのもの。

それに従い、我々 ” 人 ” はただ踊り狂うだけよ。 」


「 は……?お、踊る?? 」


後半の表現はよく分からなかったが、そんな事よりも、コレット女王の様子を見るに、どうやらレイティア王国が勢力を持ってこの戦いに参戦するのは確かな様だ。


チリ……。

チリチリ……。


思ってもみなかった最悪の展開に、心はジリジリと焼き焦げる様な感覚に襲われ、嫌な汗が次から次へと頬を伝っていく。


なぜ……っ!!?

なぜコレット女王はこんなたかが街の一つや二つ犠牲にすれば済むような事に、自国の犠牲まで覚悟して参戦しようとする?!!


ワナワナと身体を震わせていると、突然張り詰めている空気を切り裂く様な男性の笑い声が聞こえて、ハッ!と顔を上げた。

すると、コレット女王の隣にボヤッ~と形作られていくある人物二人の顔を見て、汗が更に勢いよく飛び出しては地に落ち、私は再び頭を下げなければならなくなってしまう。


一人は立派な体格に短い金色の髪。

頭にはギラギラ輝く黄金の王冠に高級素材が使われている派手な毛皮の赤いマント。

実体ではないにも関わらず、非常に攻撃的で強いオーラがビンビンと身体に刺さるが、表情はどこか幼く、少年の様にも見える男。


獣人の国【 ジェンス王国 】を治める現在無敗の王────。


ライオンの獣人< ライアン >


もう一人の男は、短めな清潔感あるヒゲを生やし鉄で作られた茨の形の王冠を被っている、身体は小さいながら威厳が漂う男性で、その目はまるでこちらの思惑を全てお見通しだと言わんばかりのプレッシャーを掛けてくる。


ドワーフ族の国【 ガンドレイド王国 】を治める、伝説と呼ばれる武器の数々を作り上げた名匠でもある王────。


< レギン >



ど……どうしてコレット女王に引き続き、他の二カ国の王まで……っ!!??


突如勢揃いした四カ国同盟のトップ達を前に、これは夢なのではないか?と目眩が起こる。

息を殺して震える私達の前で、ライアン王はもう一度豪快に笑い、ニコラ王に気さくに話しかけた。


「 よ~う!話はそこのうさんくせぇ~女王様から聞いたぜ。

これまたすげぇ~面白い事になってんじゃねぇか。

とっとと言ってくれよ、水クセェな。


ウチからは全志願兵、アルバード王国に向かわせる。

幸い ” 道 ” は、エルフ共が作ってくれるらしいからな。

最近大きな小競り合いもなくて退屈していたところだったし、何より人族との貴重な出会いゲットだと、ほぼ全員参加するってよ。

今、こっちでは誰が一番にアルバード王国に行くかで争奪戦が既に始まってるぜ。 」


「 全く……獣人共は昔から変わらんな。戦いは本来祭りじゃないんだぞ?

まぁ、一緒に酒を飲むなら最高だがな。


俺の国からは全兵器とそれを扱える戦闘部隊を全部向かわせよう。

若い奴らを筆頭に、アルバード王国の真似をした戦闘に特化した騎士団もウズウズしている所だったからちょうどいい。

他にも必要な素材や資源、職人部隊を全て向かわせる。 」


「「「「 ────────────っ!!!! 」」」」


レイティア王国に続いて、ジェンス王国とガンドレイド王国も、全勢力を持って参加する────────!!??


これには驚きを通り越して、恐怖を感じ、隠す事ができない程ガタガタと手足が震えてしまった。


なぜ……?

なぜ……??


いくら未曾有の大厄災といえど、簡単に解決するではないか!!


たかが街の一つや二つ……それこそ有象無象と湧き出る虫けらの様な下層民達達が何百、何千を死のうとも、どうでもどうでもいいこと。

それなのに……なぜこいつらは自国を危険に晒してまで、それを助けようとする?!


全くもって理由が分からないっ!!!!


未知の恐怖によってガクガクと大きく震えだした手と足を必死で押さえていると、ニコラ王は三人の王たちに向かい、胸に手を当て最大限の敬意を示した。


「 三方の申し出に最大の感謝を込めてお礼を申し上げる。

しかし、相手は呪いの化け物……そなたたちの国民の命を危険に晒す様な事はできない。

……それに私とて分かっているのだ。

< 聖令浄化 >を行う事が一番犠牲が少なく確実である方法である事を。 」

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