【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第三十七章

1193 派手に登場!

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( ザップル )


「 パウロっ!サロ!クロエッ!!

直ぐに街の方へ行ってくれ!!防壁と避難所の方へは絶対に近づかせるな!! 」


「「「 了解っ!! 」」」


俺の指示を聞いた三人は直ぐに走り出そうとし、更に応援に行けそうな人員を選出しだした、その時だった。



ギュルルルル────────ッ!!!!



聞いたことのない機械音?がモンスター達がいる方角から聞こえ、なんと巨大なモンスターの頭上から何かが飛び出してきたのだ。


「 なっ……なんだ??!アレは!! 」


「 新種のモンスターか!!? 」


ざわつく周りの仲間たちを他所に、ジッと目を凝らしてその何かを見つめると、どうやら見たことがない乗り物?魔道具??の様で、誰かがその上に乗っている事に気付く。


「 どうやらモンスターではない様じゃの~。 」


ヘンドリク様が興味津々で眺めていると、飛び出したその乗り物が地面に着地したのと同時に、後方にいるモンスター達が派手に吹き飛んだ。


広範囲攻撃に加えて、その火力に目を剥いていると、その謎の人物はどんどんこちらの東門へと近づいてきて、一瞬で俺達に視線を走らせた後大声で叫ぶ。


「 これより街の中のモンスター共は、このマリオンが引き受ける!!

貴様ら平民共はここを死ぬ気で死守しろ!!分かったな!! 」


それだけ言い残し、マリオンと名乗った少年は、そのままあっという間に街の防壁をその乗り物で登っていき、街の中へと去っていった。


まさに電光石火!

風の様に去っていったマリオンという少年にポカーン……としていると、ヘンドリク様が突然笑い出す。


「 まさかあの様な大物の貴族家の心まで動かしてしまうとは……神様は本当に凄いのぉ!

強力な助っ人登場じゃ。 」


「 へっ??大物……??

いやいや、ヘンドリク様。

とにかくあんな小さいガキ一人じゃ直ぐ殺されちまいますよ!

俺、直ぐ助けに行きます! 」


パウロが慌てて街の方へ向かおうとしたのだが、エイミがその首根っこを掴み、その行動を止めた。


「 パウロさん、ストップストッ~プ! 」


「 うわっ!なにすんだよ、エイミ! 」


わさわさと暴れるパウロだったが、エイミは手を離す事なく、そのまま説明を始める。


「 今の少年は< マリオン・オブ・スタンティン >

魔道具に関して言えば右に出るものはいないと言われている伯爵家< スタンティン家 >の御子息ですよ。

実力は聞き及んでいるだけでもトップクラス。

まさにスーパーエリート様です。 」


────ピタッ……。


” 伯爵家 ” 

” 魔道具の…… ”


それだけ聞いて、パウロはやっと動きを止めて、サァァァ~……と青ざめ、クロエやサロ、他のそれが聞こえた仲間たちも次々と青ざめていった。


伯爵家といえば、俺達の様な一般的な平民からすれば、雲の上の様な存在だ。

基本的に貴族は総じて強いが、伯爵家ともあれば別格。

かつそのプライド高き気質は非常に厄介な存在でもあった。


「 な……なぜこんな戦いの中心に、お貴族様が戻って来るんですか……?

だってとっくに逃げていったと聞いてたのに……。 」


「 そうだよ。魔導馬車がちょっと前に沢山出ていったってさ。

エイミ、実は別人だって事ないかい? 」


サロとクロエは信じられないのか、エイミにそう質問する。


普段から貴族の我が儘に大なり小なり苦労している冒険者達にとって、これは信じられない出来事であり、それは誰もが同じ。

全員気になっている様で、戦いながらも聞き耳を立てていた。


「 そうでしょうね~皆さんが疑うのも仕方がないでしょう。

貴族の性悪さは私も嫌という程知っていますから。

しかし実はですね~これは────……


” 救世主様 ” のお陰なんです! 」


人差し指を立てて、得意げに言うエイミを、全員が胡散臭そうな目で見つめる。

するとエイミはその視線を鋭くキャッチし、ペラペラ~と更に説明をし出した。


「 ほら、以前からウチのギルドで販売している『 冒険者速報 』!

その売上が急上昇しているのは皆さんも知ってますよね?

特にリーフ君の専用記事、” 救世主様のおさんぽ ” コーナーを作ってからはガッポリ……じゃなくて、売上が更に伸びたんですけど、実はその『 冒険者速報 』を発売日からきっかり三冊買いにくるのが、あのマリオン様なんですよね~。 」


「 それ冒険者しか売っちゃ駄目なヤツなんじゃ……? 」


サロがボソボソとエイミにツッコミを入れたが、エイミはペロッと舌を出し、あっけらかんと言った。


「 熱意に負けてつい……ね!

それにそれがマリオン様だけじゃないから、か弱い受付嬢では対応しきれなくてぇ~。 」


「 …………。 」


流石の俺もそれにはジトッ……とエイミを睨むが、ヘンドリク様だけ不自然に視線を反らしている事から、多分公認で売っていたと思われる。

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