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第三十八章
1229 魔力の糸??
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( ベリー )
「 なんだか学院の方は大変な事になりそうね~。
でも、その────女神も裸足で逃げ出す……だっけ?
信じられない様な美しさを見れる絶好のチャンスって事じゃない。
公爵家なんて滅多に見る機会ないもんね。 」
軽い感じで返事を返したが、仲間は首を横に振った。
「 それが……外見は全く似てないらしいよ。
それに今までその子に関しての情報が一切出てこないんだよね。 」
「 えっ? 」
” 外見が全く似ていない。”
” 情報がない。”
その二つから大体の事情を察した私とキュイちゃんは、それ以上追求するのをやめた。
隠すくらいだったら浮気して子供なんて作るな!
怒りを隠す事なく刺々しいオーラを滲ませた、その時だった。
────────────ピッ!!
突然細い蜘蛛の糸?の様な魔力が一瞬……感じられるか、られないか?くらいの強さで近くの道を走っていく。
それに気付いたのは、店の中でもAランク以上の傭兵だけで、それも気のせいか……という程度だった。
しかし……次の瞬間、ドドドドド────ッ!!!!と凄まじい魔力の衝撃波が道沿いに走っていき、ゾワッ!!と全身の毛が逆立つ。
すぐにお店にいた傭兵達は武器を持ち、慌てて外へと飛び出したのだが……そこは真っ黒に焼け焦げた道が出来ていた。
「 な……なにこれ……? 」
余りの事に唖然としながら、私達はその黒い道を目で追っていく。
それはライトノア学院がある方向から、一直線に森の方角まで続いているようで森からは煙まで上がっていた。
「 な……なんだか嫌な感じがビンビンする! 」
「 変な感じの魔力気配……。なんかヤバい……! 」
直感に優れている獣人達は一様に震えていて、黒い道に漂う何かの気配に敏感に反応している様だ。
「 まさか……さっきの蜘蛛の糸の様なヤツが原因……?
でも……それでこんな……。 」
「 ありえない……。
────!!そうだ!!それに結界は大丈夫なの!? 」
ゴクリと唾を飲み込みながら黒い道を見つめるキュイちゃんを尻目に、私は慌てて防壁の方を見つめた。
仮にライトノア学院から放たれ森へ突き抜けてしまった攻撃なら、結界は完全に壊されているはず!!
その可能性に気付いた全員が、汗を掻き ” 敵襲 ” という文字を頭に浮かべた、その時────大量の伝言シャボンが街なかに飛んできてパチンッパチンッと弾ける。
《 ライトノア学院より。
今のは魔法の試験で放たれたモノであり問題はない。
結界系の資質持ちの者たちはすぐに防壁へ集合し、土属性魔力を持つ者たちは森の修復の応援を頼む。》
そのメッセージにより、驚いて腰を抜かしていた一般人の人たちは、ホッ……と息を吐き出し、家の中へと戻っていったが、戦闘職の者たちは汗をダラダラと掻き、警戒体勢を解くことができない。
これが魔法攻撃……?
最初に感じた蜘蛛の糸の様な魔力反応が……?
それに気づくとゾゾ~っ!と背筋が凍った。
あり得ない程に高純度に練られた魔力……。
この衝撃の跡を見て分かる様に、莫大な魔力を蜘蛛の糸くらいの極限に近い形に細く練ったのだろうと思われる。
こんな事、魔法にどんなに長けた者でも不可能であるはず。
そもそも人間に可能な事なのだろうか……?
「 …………。 」
ビリビリと肌を刺激する魔力の残骸に震えながらも、私とキュイちゃんには土属性魔力があったため、森の方へと向かった。
◇◇◇◇
「 な……なんなの……?コレ……。 」
森に到着した、私とキュイちゃん、そして他の土属性魔力持ちの者たちと結界系のスキル持ちの者たちは、眼の前に広がる景色に呆然と立ち尽くす。
学院から一直線に伸びている、炎で焼け焦げた道。
それは大きな山のギリギリ手前でピタリと止まっており、もし山に直撃していたら山は木っ端微塵に……そしてその残骸は隕石の様に街へ降り注いだと思われ、その事実にまたゾッ!とした。
ポカン……と、無事であった山を見上げている私達の元へ、他の戦闘機関である守備隊や冒険者達も集合し始め、やはり全員が私達同様ポカン……としながら黒い道と無事であった山を見上げる。
そしてガヤガヤと情報交換をしていた、その時……ライトノア学院から教員達が数十名到着し、全員が青ざめた表情のまま、頭を下げて状況を説明し始めた。
「 この度はご迷惑をお掛けして申し訳ない。
ご協力感謝する。 」
「 魔法の実地試験の際……受験生の一人が放った魔法でこんな事に……。
学院の的を超え……こっ、ここまで……。 」
ブルブル……ガタガタ……。
震えながら説明する教員達を見て、その場の全員はお互い目を合わせる。
学院の的は、確か魔力を通さない素材< 絶魔縁体 >が使われていたはず……。
それを超える事だって絶対にあり得ないのに、それを超え、更に学院に何重にも掛けられた守護結界を超え、更に強固な防御を誇る防壁を超えて森へ……??
そんな事、魔法の専門職の者たちが何千、何万と集まってやっとできる事ではないか??
それが受験生一人によって引き起こされたなど到底信じられるものではない。
「 なんだか学院の方は大変な事になりそうね~。
でも、その────女神も裸足で逃げ出す……だっけ?
信じられない様な美しさを見れる絶好のチャンスって事じゃない。
公爵家なんて滅多に見る機会ないもんね。 」
軽い感じで返事を返したが、仲間は首を横に振った。
「 それが……外見は全く似てないらしいよ。
それに今までその子に関しての情報が一切出てこないんだよね。 」
「 えっ? 」
” 外見が全く似ていない。”
” 情報がない。”
その二つから大体の事情を察した私とキュイちゃんは、それ以上追求するのをやめた。
隠すくらいだったら浮気して子供なんて作るな!
怒りを隠す事なく刺々しいオーラを滲ませた、その時だった。
────────────ピッ!!
突然細い蜘蛛の糸?の様な魔力が一瞬……感じられるか、られないか?くらいの強さで近くの道を走っていく。
それに気付いたのは、店の中でもAランク以上の傭兵だけで、それも気のせいか……という程度だった。
しかし……次の瞬間、ドドドドド────ッ!!!!と凄まじい魔力の衝撃波が道沿いに走っていき、ゾワッ!!と全身の毛が逆立つ。
すぐにお店にいた傭兵達は武器を持ち、慌てて外へと飛び出したのだが……そこは真っ黒に焼け焦げた道が出来ていた。
「 な……なにこれ……? 」
余りの事に唖然としながら、私達はその黒い道を目で追っていく。
それはライトノア学院がある方向から、一直線に森の方角まで続いているようで森からは煙まで上がっていた。
「 な……なんだか嫌な感じがビンビンする! 」
「 変な感じの魔力気配……。なんかヤバい……! 」
直感に優れている獣人達は一様に震えていて、黒い道に漂う何かの気配に敏感に反応している様だ。
「 まさか……さっきの蜘蛛の糸の様なヤツが原因……?
でも……それでこんな……。 」
「 ありえない……。
────!!そうだ!!それに結界は大丈夫なの!? 」
ゴクリと唾を飲み込みながら黒い道を見つめるキュイちゃんを尻目に、私は慌てて防壁の方を見つめた。
仮にライトノア学院から放たれ森へ突き抜けてしまった攻撃なら、結界は完全に壊されているはず!!
その可能性に気付いた全員が、汗を掻き ” 敵襲 ” という文字を頭に浮かべた、その時────大量の伝言シャボンが街なかに飛んできてパチンッパチンッと弾ける。
《 ライトノア学院より。
今のは魔法の試験で放たれたモノであり問題はない。
結界系の資質持ちの者たちはすぐに防壁へ集合し、土属性魔力を持つ者たちは森の修復の応援を頼む。》
そのメッセージにより、驚いて腰を抜かしていた一般人の人たちは、ホッ……と息を吐き出し、家の中へと戻っていったが、戦闘職の者たちは汗をダラダラと掻き、警戒体勢を解くことができない。
これが魔法攻撃……?
最初に感じた蜘蛛の糸の様な魔力反応が……?
それに気づくとゾゾ~っ!と背筋が凍った。
あり得ない程に高純度に練られた魔力……。
この衝撃の跡を見て分かる様に、莫大な魔力を蜘蛛の糸くらいの極限に近い形に細く練ったのだろうと思われる。
こんな事、魔法にどんなに長けた者でも不可能であるはず。
そもそも人間に可能な事なのだろうか……?
「 …………。 」
ビリビリと肌を刺激する魔力の残骸に震えながらも、私とキュイちゃんには土属性魔力があったため、森の方へと向かった。
◇◇◇◇
「 な……なんなの……?コレ……。 」
森に到着した、私とキュイちゃん、そして他の土属性魔力持ちの者たちと結界系のスキル持ちの者たちは、眼の前に広がる景色に呆然と立ち尽くす。
学院から一直線に伸びている、炎で焼け焦げた道。
それは大きな山のギリギリ手前でピタリと止まっており、もし山に直撃していたら山は木っ端微塵に……そしてその残骸は隕石の様に街へ降り注いだと思われ、その事実にまたゾッ!とした。
ポカン……と、無事であった山を見上げている私達の元へ、他の戦闘機関である守備隊や冒険者達も集合し始め、やはり全員が私達同様ポカン……としながら黒い道と無事であった山を見上げる。
そしてガヤガヤと情報交換をしていた、その時……ライトノア学院から教員達が数十名到着し、全員が青ざめた表情のまま、頭を下げて状況を説明し始めた。
「 この度はご迷惑をお掛けして申し訳ない。
ご協力感謝する。 」
「 魔法の実地試験の際……受験生の一人が放った魔法でこんな事に……。
学院の的を超え……こっ、ここまで……。 」
ブルブル……ガタガタ……。
震えながら説明する教員達を見て、その場の全員はお互い目を合わせる。
学院の的は、確か魔力を通さない素材< 絶魔縁体 >が使われていたはず……。
それを超える事だって絶対にあり得ないのに、それを超え、更に学院に何重にも掛けられた守護結界を超え、更に強固な防御を誇る防壁を超えて森へ……??
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