【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第三十八章

1233 ビリビリ、バシバシのヤツ

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( ベリー )

もしかして獣人が苦手とか……平民と馴れ合っては駄目とか……?

一般的な理由を考えてみたが、皆の語る ” リーフ様 ” はそういった理由が当てはまらなくて、首を傾げると、レイド君がボソッと呟く。


「 リーフじゃなくて、くっついているヤツがな……。 」


くっついてるヤツ???

真っ先に浮かんだのはテイムモンスターだが……もしかして召喚系の資質持ちで、モンスターを連れての来店が迷惑になると思っているのか……。


「 もしかしてテイムモンスター? 」


キュイちゃんが、ズバリ私の考えている事を質問してくれたのだが、レイド君とメルちゃんはブルッ!と震えた。


「 違う。もっとやべぇの。ビリビリの……。 」


「 ……怖いヤツ……。バシバシくる……。 」


シャカシャカと立っている鳥肌をさする二人になんて言おうか迷っていると、ニール君がポリポリ頭を掻きながら説明をしてくれる。


「 前にちょろっと話した、真っ黒な髪に呪いが掛かっている様な外見をしたレオンってヤツがいるんすけど……そいつが色々と面倒くさいんすよ。

多分色々な事を理解してないっぽくて、こう……女の子とお話しよう!的なお店にどんな反応を起こすか分からないっす……。 」


「 うむ。長い事一応は幼馴染をしているが、未だにすべてがチンプンカンプンだな。

この間など、突然金貨を差し出してきて ” バラ蜜を全部出せ ” と言ってきたんだ。

どうやらリーフ様に小遣いを貰った様でな……とりあえずあるだけ渡してやったら、食べるわけでもなくリーフ様の周りをウロウロしていたぞ。

結局二人でペロペロ舐めていたが、一体何がしたかったんだか……。 」


モルト君がこめかみを揉みながら、そのレオン君のエピソードを語ると、レイド君がハイハイ!と手を上げて発言する。


「 戦闘術学のテストの時なんて、< ナメクジ・ミミズ >の粘液でベチャベチャになりたいって言ってたぜ!

俺はあんなのぜってぇヤダけどな! 」


「 ベチャベチャになれなくて……凄くショックを受けてた……。 」


メルちゃんはそれを思い出したのか、ビビっ!と背中を震わせながら首を横に振った。


それからわいのわいのと、レオン君の奇っ怪な行動に対し ” そういえば…… ” と話し合い、大いに盛り上がる。


私とキュイちゃんは、そのよく分からない行動の数々が理解できずに二人揃って顔を見合わせた。


奴隷は基本、奴隷陣のせいで主人に絶対逆らう事ができない。

その特殊な魔法陣は、主人の命令に背いたり、不快だと感じる事をすれば、即座に全身に耐えがたい痛みを奴隷の身体に与えるからだ。

戦闘に長けた者ですらショック死する事だってあるのだから、奴隷はとにかく主人の機嫌を損なわない様に生活する事が求められる。


しかし随分とレオン君はフリーダムな生活を送っている様だ。


しかも、気に入らない事があれば、とにかくゴネててこでも動かず、更にとんでもない行動をしては主人であるリーフ様が全力で止めるらしい。

これだけでも目が点になるというのに、モルト君とニール君曰く、最近では日に日に要求が高くなり、主人であるリーフ様にあれこれと要求までしているという。


もっ、もしかして性奴隷とか……?

我が儘に振り回してくるのが可愛いとかだったりして~……?


皆にとっていい人のリーフ様の像がまたブレる。


ただ、もし本当にそうだとしたら、レオン君の方は主人であるリーフ様を恨んでいて最初の話の ” 暴走 ” に繋がっている……とか?


その可能性を考え青ざめた私は、どうにかできないかと考えて考えて……そしてピンッ!と閃いた。


「 今、街の教会にいるヨセフ司教って知ってる? 」


「 あぁ、勿論知っている。

我家は熱心なイシュル教信者だからな。

ヨセフ司教はとても素晴らしい ” 平等 ” を愛する人であると伺っている。 」


モルト君は大きく頷きながらニール君へ視線を送ると、ニール君も同じく頷いたので、私は話の続きを話す。


「 あのお方は、親の借金のせいで望まぬ奴隷になってしまった若者の身分を積極的に買い取って、教会預かりにしているの。

良かったらレオン君の事を相談してみるのはどうかな?

何だったら私が行ってくるよ! 」


ドンッ!と胸を叩いてそう言うと、モルト君とニール君は ” あれ?? ” と考え込む様に腕を組み唸りだした。


「 ……そういえばレオンっていつから奴隷になっていたっけ?

気がついたら首に奴隷陣があった様な気がするっす……。

もしかして最初から……?? 」


「 ────いや、確か最初はなかったはずだ。

10歳を超えた頃……いや、もっと後だったっけか?

確か通学してきた際に首に布を巻いていて……レオンがしきりに取ろうとしていただろう?

リーフ様が触ったら駄目だと言っているのに、そのままモソモソ脱いだから気付いたんだ。 」


「 あ……あ────……思い出したっす。

なんか動きが首輪を嫌がる猫みたいだったっやつっす!

別に誰も見ていないのに、レオンがこれでもかと奴隷陣を見せびらかして……ッ!www 」


話している内にニール君が当時の事を思い出したのか、途中でブハッ!!と吹き出し、モルト君もそれに続く。

そしてモルト君はピクピクと痙攣しながら、それだ!といわんばかりにニール君を指差した。


「 そっ、そしたらリーフ様が…… ” 肌触りが悪かったんだ…… ” とか言って、< シルク・キャタピラー >を捕まえてきて糸を吐かせてたなっ! 」


< シルク・キャタピラー >

体長1m程のイモムシ型Gランクモンスター

太くて立派な身体に似合わず、とても繊細で美しい糸を吐く。

その糸はとても柔らかく、加工すれば滑らかな毛玉になるため、様々な生活用品に使われる
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