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第三十八章
1234 怖いヤツって?
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( ベリー )
二人はそのまま腹を抱えて笑いだしてしまったので、私とキュイちゃんは目を点にしながらレイド君とメルちゃんへ視線を送ると、二人は青ざめたままシャカシャカと腕を擦る。
「 俺、金貨千枚くれるって言ってもレオンを奴隷にしたくねぇ。 」
「 ……メルは一万枚でも嫌……。 」
結構失礼な事をズバッ!と言う二人を見て、リーフ様という人物像が益々わからなくなってしまった。
とりあえず大丈夫って事でいいのかな……。
良くわからないが、レオン君に関しては大丈夫そうだったので、良しとしていたのだが────その直後ひょんな事からリーフ様という人物について知る機会を得ることになる。
” 救世主様が……。 ”
” リーフっていう少年で……。 ”
あちこちで飛び交う聞き覚えのある名前と、” 救世主様 ” という言葉。
その後傭兵業へのお許しが出た私達は大忙しだったため、かなり遅れての情報だったのだが……街の人たちに詳しい話を聞くと、なんとどうしようもなかったあのクソ冒険者であったナックルとゲイルをぶっ飛ばしてしまったというではないか!
Cランク冒険者をまだ学院に入りたての子が……??
冒険者ギルドのCランクといえば、ピンキリといえどもかなりの強さを持っているはずなので、それをまさかの無傷でというのだから、とても驚かされた。
そしてそのお陰で、まだまだ問題だらけだというのに、街の人たちの表情は非常に明るく、右を見ても左を見てもやる気に満ち溢れた人々の姿が見られる様になった。
それを私達は非常に喜んだが、それと同時にリーフ様の事が心配になる。
今回の黒幕は相当身分の高い者の様だから、リーフ様に私達と同じ様に何かお咎めが……!
最悪の可能性が頭を過った私達は、すぐにそれを確認するため、カルロスさんの所へと飛んでいった。
「 カルロス支部長!
救世主様って呼ばれているリーフ様っていう子、知ってますか?! 」
傭兵ギルドのカウンターでのほほんとお茶を飲んでいたカルロスさんを捕まえ、詰め寄ると、カルロスさんは ” 今更? ” と言わんばかりにププーッ!と吹き出す。
「 やだ~!二人とも話題に遅れすぎじゃな~い?
救世主様は今や時の人よ。
ウチの諜報系スキル持ちの子たちなんてちゃっかり隠し撮りした映像を売って一儲けしたらしいわよん。
私も1枚買っちゃった♡ 」
カルロスさんは逞しい胸筋の間から1枚の写真を取り出し、机の上に置く。
私とキュイちゃんが覗き込む様にそれを見下ろすと、そこにはまだ幼い極一般的な容姿の少年が映っていた。
これが ” リーフ様 ” か……。
モルト君とニール君の話も思い出し、情報と情報を合わせながらジーッ……と見つめていると、その隣に黒いフードを被り、左半面を隠す不気味な仮面を被っている奇っ怪な人物も写っている事に気づく。
─────ゾワッ!!!!!
その人物を資格に入れた瞬間、一瞬で鳥肌が立ち、慌てて視線を反らしてしまった。
な……何……?コレ……???
ピリピリと痛いくらいに刺激を与えてくる未知の感覚に戸惑いながら、カルロスさんに尋ねる。
「 ……もしかして、このリーフ様の隣にいる人物って……レオンって名前だったりする……? 」
恐る恐る尋ねる私に、カルロスさんはあっさりと答えた。
「 あら~?レオン君の事も知っているの?
救世主様に影の様にくっついているから ” 守護影様 ” なんて名前がついているわよ。
彼、顔が半分しか見えないけど、恐ろしく美形よねぇ~。
なんだか人間じゃないみたい。
それに何より、マントを着ているのに分かる、この体!!
絶対いい体してるわ。
でも────……。 」
途中までいつもの様におちゃらけた態度で話していたカルロスだんだったが、最後は突然真剣な顔になる。
「 彼にはあまり近づかない方がいいわ。 」
「 えっ??? 」
いつも何事にも ” とりあえずやってみたら? ” しか言わないカルロスさんが、最初から止めておけと言うのに驚きポカン……としてしまった。
すると先に立ち直ったキュイちゃんが「 何故ですか? 」と理由を尋ねると、カルロスさんは、神妙な顔で椅子の背もたれに体を預ける。
「 ……一度街中でお目に掛かる機会があってね。
────うん、一瞬でアレはヤバいものだって分かったのよ。
なんていうか……本来は決して交わる事のないモノがすぐそこにあるって感じかしら?
上手く説明できないんだけど……ほら、星って見えるけど、絶対手が届かないでしょ?
そんな感じなのよ。
手が届く場所にそれがある事に、ものすごい違和感を感じてしまう……そんな事初めてだわ。 」
何じゃそりゃ??
そう口にしようとしたが、その前にカルロスさんの手が小さく震えている事に気づき、驚いて口を閉ざした。
私達より強いカルロスさん程の人が震えるなんて……。
それに恐怖心が湧き、レイド君とメルちゃんが言っていた言葉が頭を過る。
” 怖いヤツ ”
” ビリビリする ”
” バシバシする ”
獣人族は人族の何倍も感覚に優れている種族だ。
そんな彼らがその表現するレオン君は一体……?
二人はそのまま腹を抱えて笑いだしてしまったので、私とキュイちゃんは目を点にしながらレイド君とメルちゃんへ視線を送ると、二人は青ざめたままシャカシャカと腕を擦る。
「 俺、金貨千枚くれるって言ってもレオンを奴隷にしたくねぇ。 」
「 ……メルは一万枚でも嫌……。 」
結構失礼な事をズバッ!と言う二人を見て、リーフ様という人物像が益々わからなくなってしまった。
とりあえず大丈夫って事でいいのかな……。
良くわからないが、レオン君に関しては大丈夫そうだったので、良しとしていたのだが────その直後ひょんな事からリーフ様という人物について知る機会を得ることになる。
” 救世主様が……。 ”
” リーフっていう少年で……。 ”
あちこちで飛び交う聞き覚えのある名前と、” 救世主様 ” という言葉。
その後傭兵業へのお許しが出た私達は大忙しだったため、かなり遅れての情報だったのだが……街の人たちに詳しい話を聞くと、なんとどうしようもなかったあのクソ冒険者であったナックルとゲイルをぶっ飛ばしてしまったというではないか!
Cランク冒険者をまだ学院に入りたての子が……??
冒険者ギルドのCランクといえば、ピンキリといえどもかなりの強さを持っているはずなので、それをまさかの無傷でというのだから、とても驚かされた。
そしてそのお陰で、まだまだ問題だらけだというのに、街の人たちの表情は非常に明るく、右を見ても左を見てもやる気に満ち溢れた人々の姿が見られる様になった。
それを私達は非常に喜んだが、それと同時にリーフ様の事が心配になる。
今回の黒幕は相当身分の高い者の様だから、リーフ様に私達と同じ様に何かお咎めが……!
最悪の可能性が頭を過った私達は、すぐにそれを確認するため、カルロスさんの所へと飛んでいった。
「 カルロス支部長!
救世主様って呼ばれているリーフ様っていう子、知ってますか?! 」
傭兵ギルドのカウンターでのほほんとお茶を飲んでいたカルロスさんを捕まえ、詰め寄ると、カルロスさんは ” 今更? ” と言わんばかりにププーッ!と吹き出す。
「 やだ~!二人とも話題に遅れすぎじゃな~い?
救世主様は今や時の人よ。
ウチの諜報系スキル持ちの子たちなんてちゃっかり隠し撮りした映像を売って一儲けしたらしいわよん。
私も1枚買っちゃった♡ 」
カルロスさんは逞しい胸筋の間から1枚の写真を取り出し、机の上に置く。
私とキュイちゃんが覗き込む様にそれを見下ろすと、そこにはまだ幼い極一般的な容姿の少年が映っていた。
これが ” リーフ様 ” か……。
モルト君とニール君の話も思い出し、情報と情報を合わせながらジーッ……と見つめていると、その隣に黒いフードを被り、左半面を隠す不気味な仮面を被っている奇っ怪な人物も写っている事に気づく。
─────ゾワッ!!!!!
その人物を資格に入れた瞬間、一瞬で鳥肌が立ち、慌てて視線を反らしてしまった。
な……何……?コレ……???
ピリピリと痛いくらいに刺激を与えてくる未知の感覚に戸惑いながら、カルロスさんに尋ねる。
「 ……もしかして、このリーフ様の隣にいる人物って……レオンって名前だったりする……? 」
恐る恐る尋ねる私に、カルロスさんはあっさりと答えた。
「 あら~?レオン君の事も知っているの?
救世主様に影の様にくっついているから ” 守護影様 ” なんて名前がついているわよ。
彼、顔が半分しか見えないけど、恐ろしく美形よねぇ~。
なんだか人間じゃないみたい。
それに何より、マントを着ているのに分かる、この体!!
絶対いい体してるわ。
でも────……。 」
途中までいつもの様におちゃらけた態度で話していたカルロスだんだったが、最後は突然真剣な顔になる。
「 彼にはあまり近づかない方がいいわ。 」
「 えっ??? 」
いつも何事にも ” とりあえずやってみたら? ” しか言わないカルロスさんが、最初から止めておけと言うのに驚きポカン……としてしまった。
すると先に立ち直ったキュイちゃんが「 何故ですか? 」と理由を尋ねると、カルロスさんは、神妙な顔で椅子の背もたれに体を預ける。
「 ……一度街中でお目に掛かる機会があってね。
────うん、一瞬でアレはヤバいものだって分かったのよ。
なんていうか……本来は決して交わる事のないモノがすぐそこにあるって感じかしら?
上手く説明できないんだけど……ほら、星って見えるけど、絶対手が届かないでしょ?
そんな感じなのよ。
手が届く場所にそれがある事に、ものすごい違和感を感じてしまう……そんな事初めてだわ。 」
何じゃそりゃ??
そう口にしようとしたが、その前にカルロスさんの手が小さく震えている事に気づき、驚いて口を閉ざした。
私達より強いカルロスさん程の人が震えるなんて……。
それに恐怖心が湧き、レイド君とメルちゃんが言っていた言葉が頭を過る。
” 怖いヤツ ”
” ビリビリする ”
” バシバシする ”
獣人族は人族の何倍も感覚に優れている種族だ。
そんな彼らがその表現するレオン君は一体……?
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