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第三十九章
1238 ガラクタと広い世界
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( キュイ )
ボロボロなのに必死にここまで駆けつけてくれたモルト君とニール君を見て、思わず涙が出そうなくらい感動した。
二人は私とベリーちゃんが【 剛腕ガールズカフェ 】に勤めるようになってからずっと交流を続けている大事な友達兼、尊敬している子たちでもある。
戦闘に恵まれた資質を持たず、ライトノア学院に受かる事。
それだけでも十分凄い子たちだなと思っていたのだが、お店に来るようになって毎日必死に努力し続ける姿を見て、更に凄いなと尊敬の念を持った。
きっと私だったら諦めてしまうだろうな……。
自分に合う才能を生かして今の幸せを手にした私がその立場にいたら……きっと二人と同じ境遇では頑張れなかっただろうなと思う。
私は双子の姉ベリーちゃんと共に、ザ・前衛職代表!と言わんばかりの逞しい肉体を持って産まれてきた。
父は平均的な体格だったので、恐らく戦闘の才能に溢れていたらしい母に似たのだろうと思われる。
母はとても強い傭兵だったが、残念ながら出産の才能は皆無だったらしく、高齢に加えて双子の出産というハイリスク出産に耐える事ができなかったそうだ。
自分を産んで死んでしまった事に心が暗くなった事もあったが、父はそれを強く叱ってきた。
” お前たちの母ちゃんは、死ぬ覚悟を持ってお前たちを産んだんだ。
だからそれに心を痛めるのは、母ちゃんの覚悟を否定する行為だぞ。 ” って。
父から語られる母の姿はどれも最高にかっこよくて、可愛くて、会ったことはないけれど、私は母が大好きになった。
だから自分の逞しい体格だって最初の頃は誇らしさを感じていたのだ。
しかし……周りの同級生達や教員達が否定的な目と態度を、私とベリーちゃんに見せる様になっていくと、次第に自分の外見が受け入れがたくなっていく。
” ベリーちゃんとキュイちゃんってさー、普通の兵士さんより強いし気持ち悪いよね~。 ”
” あんなの女じゃねぇし。モンスターと変わらねぇじゃん! ”
その言葉一つ一つに傷つき、悪口を言われる自分が嫌いになっていくのが、自分の弱さを見せつけられる様で嫌だった。
周りの意見に流され、すぐに意見を変えてしまう弱さ。
きっと自分の一番嫌いなところはコレ。
母に似ている自分を誇らしいと思う気持ちは、あっという間に周りの意見によって消えてしまい、それが本当に悲しかった。
自分を直視できずにどうにか逃げ道を探している間にも、私とベリーちゃんの才能はどんどん開花していき、それと同時に周りで囁かれる声は大きくなっていく。
周りの人達が口を揃えて言うには、” 女性の価値は美しい外見にある。 ” だそうで、それを持たぬ者はガラクタなんだそうだ。
そして男性より強い事はあってはならない事で、男性を立てる事ができない女性は ” 間違っている存在 ” だと。
その価値観から見た私は……ガラクタだ。
ハッキリとそう告げられてしまえば、それが正しい事の様に思えてきて、自分の考えは自己否定と共に心の奥へと流されていった。
そうしてある日の父との訓練の最中────あまりに辛くて辛くて、限界を迎えた私は泣いてしまう。
” 普通 ” じゃない自分が嫌!
女としてガラクタな自分が嫌!
でも本当は……周りの言葉によってすぐに自分の価値観を変えてしまう自分が一番嫌だった。
今にして思えば、自分の弱さを周りと違う体格のせいにして、八つ当たりをしていただけだったと思う。
” 気持ち悪い ” 自分の外見こそが周りに受け入れてもらえない原因だ。
だからそれがなかったら自分は ” 正しい ” 存在でいられたのに!
そんな最低な事を考え、その考えがどんどん自分で自分を嫌いになる最大の原因になるという負のスパイラル……。
自分の価値はどんどんと地の果てまで落ちていく。
頭の中では母を罵る人々の後ろで、今まで自分が言われて傷ついた言葉で同じく母を罵る自分の姿が見えて、それに絶望した。
” 弱い ” 事はとても悲しい事だ。
大切なモノを傷つける側になってしまうから。
そんな私を見て、父は突然笑う。
” なぜ笑うの? ”
驚く私とベリーちゃんに……父は静かに今までにない視点で世界を語り、それに目を白黒させている私とベリーちゃんに対し、最後はこう言った。
” 世界は広い。
だから自分で幸せの居場所を探しに行け ” と。
そこって自分を嫌いにならないですむ場所なのかな?
そこで初めて私は、自分が細くて小さな筒からしか世界を見てない事に気付いたのだ。
その筒から目を離し周りを見ると、自分がいる場所は信じられない程広くて大きな場所のほんの一部だけだった。
世界って広いんだ……。
それを理解すると、まるで付き物が落ちる様に色々な事を理解する。
ボロボロなのに必死にここまで駆けつけてくれたモルト君とニール君を見て、思わず涙が出そうなくらい感動した。
二人は私とベリーちゃんが【 剛腕ガールズカフェ 】に勤めるようになってからずっと交流を続けている大事な友達兼、尊敬している子たちでもある。
戦闘に恵まれた資質を持たず、ライトノア学院に受かる事。
それだけでも十分凄い子たちだなと思っていたのだが、お店に来るようになって毎日必死に努力し続ける姿を見て、更に凄いなと尊敬の念を持った。
きっと私だったら諦めてしまうだろうな……。
自分に合う才能を生かして今の幸せを手にした私がその立場にいたら……きっと二人と同じ境遇では頑張れなかっただろうなと思う。
私は双子の姉ベリーちゃんと共に、ザ・前衛職代表!と言わんばかりの逞しい肉体を持って産まれてきた。
父は平均的な体格だったので、恐らく戦闘の才能に溢れていたらしい母に似たのだろうと思われる。
母はとても強い傭兵だったが、残念ながら出産の才能は皆無だったらしく、高齢に加えて双子の出産というハイリスク出産に耐える事ができなかったそうだ。
自分を産んで死んでしまった事に心が暗くなった事もあったが、父はそれを強く叱ってきた。
” お前たちの母ちゃんは、死ぬ覚悟を持ってお前たちを産んだんだ。
だからそれに心を痛めるのは、母ちゃんの覚悟を否定する行為だぞ。 ” って。
父から語られる母の姿はどれも最高にかっこよくて、可愛くて、会ったことはないけれど、私は母が大好きになった。
だから自分の逞しい体格だって最初の頃は誇らしさを感じていたのだ。
しかし……周りの同級生達や教員達が否定的な目と態度を、私とベリーちゃんに見せる様になっていくと、次第に自分の外見が受け入れがたくなっていく。
” ベリーちゃんとキュイちゃんってさー、普通の兵士さんより強いし気持ち悪いよね~。 ”
” あんなの女じゃねぇし。モンスターと変わらねぇじゃん! ”
その言葉一つ一つに傷つき、悪口を言われる自分が嫌いになっていくのが、自分の弱さを見せつけられる様で嫌だった。
周りの意見に流され、すぐに意見を変えてしまう弱さ。
きっと自分の一番嫌いなところはコレ。
母に似ている自分を誇らしいと思う気持ちは、あっという間に周りの意見によって消えてしまい、それが本当に悲しかった。
自分を直視できずにどうにか逃げ道を探している間にも、私とベリーちゃんの才能はどんどん開花していき、それと同時に周りで囁かれる声は大きくなっていく。
周りの人達が口を揃えて言うには、” 女性の価値は美しい外見にある。 ” だそうで、それを持たぬ者はガラクタなんだそうだ。
そして男性より強い事はあってはならない事で、男性を立てる事ができない女性は ” 間違っている存在 ” だと。
その価値観から見た私は……ガラクタだ。
ハッキリとそう告げられてしまえば、それが正しい事の様に思えてきて、自分の考えは自己否定と共に心の奥へと流されていった。
そうしてある日の父との訓練の最中────あまりに辛くて辛くて、限界を迎えた私は泣いてしまう。
” 普通 ” じゃない自分が嫌!
女としてガラクタな自分が嫌!
でも本当は……周りの言葉によってすぐに自分の価値観を変えてしまう自分が一番嫌だった。
今にして思えば、自分の弱さを周りと違う体格のせいにして、八つ当たりをしていただけだったと思う。
” 気持ち悪い ” 自分の外見こそが周りに受け入れてもらえない原因だ。
だからそれがなかったら自分は ” 正しい ” 存在でいられたのに!
そんな最低な事を考え、その考えがどんどん自分で自分を嫌いになる最大の原因になるという負のスパイラル……。
自分の価値はどんどんと地の果てまで落ちていく。
頭の中では母を罵る人々の後ろで、今まで自分が言われて傷ついた言葉で同じく母を罵る自分の姿が見えて、それに絶望した。
” 弱い ” 事はとても悲しい事だ。
大切なモノを傷つける側になってしまうから。
そんな私を見て、父は突然笑う。
” なぜ笑うの? ”
驚く私とベリーちゃんに……父は静かに今までにない視点で世界を語り、それに目を白黒させている私とベリーちゃんに対し、最後はこう言った。
” 世界は広い。
だから自分で幸せの居場所を探しに行け ” と。
そこって自分を嫌いにならないですむ場所なのかな?
そこで初めて私は、自分が細くて小さな筒からしか世界を見てない事に気付いたのだ。
その筒から目を離し周りを見ると、自分がいる場所は信じられない程広くて大きな場所のほんの一部だけだった。
世界って広いんだ……。
それを理解すると、まるで付き物が落ちる様に色々な事を理解する。
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