【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第三十九章

1271 信じられない

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( フラン )


「 前方より< シャドー・エアー >の大群、来ますっ!!! 」


解析班の伝達により、直ぐに意識は前方へ。

モヤッとした霧の様なモノがジワジワと広がっていっているのが分かる。



< シャドー・エアー >

実体を持たない煙型Eランクモンスター

その正体は魔力の塊であり、ふわふわと出現しては消え、敵とみなした相手に毒や麻痺などのデバフを掛けてくる

そのモヤの中で巧妙に隠された瘴核を破壊すれば倒せるが、魔力のモヤで隠されているため見つけにくい

単体の攻撃性はないものの、他のモンスターと同時に出現した場合、その脅威度は跳ね上がる



「 ────くっ!他のモンスターと組まれては厄介だ。

優先的に倒すぞ。クルト、セリナ、いけるか? 」


「「 ────はっ! 」」


他の大型モンスターと交戦中の二人に命じると、二人はすぐさま< シャドー・エアー >を狙い始めるが、他のモンスター達によっても隠されてしまい、中々位置を特定するのが難しい様だ。


さぁ、どうする?


その対応について考えていたその時────……。


「 兄さん、2時の方向、やや上方に集まっているけど、分かる? 」


「 はぁ~い!見~つけた♡ 」


後方から二人の人物の声が聞こえると、レイド殿の時と同様に、一人の人物が我々中衛班を飛び越え、前線へ飛び出した。

そして2時の方向にある空に飛び上がると、そのまま両手に持つタガーで空を斬る。


────パキィィィィ~ン!!


するとその直後に、何かが砕ける様な音が多数して、< シャドー・エアー >は霧が晴れる様に散っていった。


「 サイモン!リリア!! 」


前線に立っているレイド殿が叫ぶと、後衛に立つリリア殿はニコッと笑い、地上に着地したサイモン殿は顎に手を当て、首をコテンッと横に倒す。


「 遅くなりました。

今から私も、微力ながらこの南門の防衛に参加致します。 」


「 皆のアイドル、さっちゃん登場~♡

さっちゃん頑張るから皆も頑張ってね! 」


サイモン殿がバチンッ!とウィンクすると、前衛班の男子生徒達は、直ぐに自身のポケットからハチマキの様なモノを出し、頭に巻いた。

そこには『 さっちゃんLOVE隊 』と大きく書かれた文字が……。


「「「「 お任せをぉぉぉぉぉぉ────────っ!!! 」」」」


ゴッ!!とやる気に燃える男子生徒達のお陰で更にパワーUPしたのを感じ、周りにいる女子生徒達は複雑そうな顔をしている。


「 二人共無事に聖なんちゃら石は破壊できたんだな。

お疲れさん! 」


「 まぁね~。僕とリリアなら楽勝楽勝。

ちょっと変な薬使われて、ウザかったけど~。 」


レイド殿が武器を大剣から盾に変え、モンスター達を大きくノックバックさせながら労いの言葉を掛けると、サイモン殿はツンっ!と顎を上げて得意げに答えた。


やはりレイド殿同様、対人戦になっただろうに引きずっていない様子にホッとしながら、そんな二人に話しかける。


「 ご苦労であった、リリア殿、サイモン殿。礼を言わせてくれ。

それと少々聞きたい事があるのだが……街の様子を知らないだろうか?

恐らくどこぞの人物達が戦ってくれているのだと思うのだが……。 」


何か知らないかと聞いてみた、その時────空に大量の伝電鳥が出現し、声を伝えてきた。


《 街広場付近にて、モンスターと交戦中の者達あり!

ライトノア学院生多数!続々と到着!!

Cランクモンスター、モーニング・スターベア撃破!

更に現在Bランクモンスター、一つ目大蛇と交戦中!!戦況は……優勢!! 》


「 ……えっ??ライトノア学院生……?? 」


「 だってここに全員……。 」


伝電鳥の言葉を聞いた教員達や生徒たちは、戸惑いを口にする。

ここにいる生徒たちは、エドワード派閥が切り捨てる事を決定した、平民や低位貴族の子供たち。

他の高位貴族やエドワード派閥が必要であると判断した家の子供たちは、一人残らず既に脱出済みのはずなため、その正体が分からない。


状況から察するに、戦っているのは……もしや……?


ざわつく我々の元へ、今度は大量の伝言シャボンが飛んできて、一斉に弾けた。


《 貴族組、盾班!内側から壁を維持します!! 》


《 貴族組、後衛サポート班、貴族に対するバフスキルを発動します!! 》


《 貴族組………… 》



次々と告げられる、街なかでの戦闘の様子に、頭にちらつく可能性が正しいと確信する。


今街中で戦っているのは、逃げ出したはずの貴族生徒達だ────っ!!


「 まさか……本当に……? 」


「 あの傲慢で……俺達平民はゴミかなんかだと思っている貴族達が……? 」


信じられない気持ち……しかし無視できない現状に、教員たちも生徒たちも、戸惑いながら弾けていた伝言シャボン達が伝える言葉を聞く。

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