【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十章

1288 微妙だが……

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( マービン )


「 どうかご心配なく。

残りの聖浄結石も他の仲間達が破壊しているはずです。

リーフ様のハッピーエンドに不要な物は全て私達が処理しますので、マービン様達のお力にもなれたら幸いです。 」


エルフ女の従順そうな言葉に、俺はフンっと鼻息を勢いよく吹いた。


この言葉の裏にあるのは、敵になるなら容赦はしないという事。

そうして脅しをかけつつ、リーフ様の力になるなら今後も良い付き合いをしていきたいと、探りまで入れてきたのだ。


どうしてリーフ様の周りには、次から次へと優秀な人材が集まるんだか。

笑顔の下に隠される敵意を正面から受け止め、俺は不敵に笑う。


「 平民エルフの分際でよくわかってるじゃないか。

俺の役に立つ事、それがハッピーエンドのための最短ルートだ。

せいぜいその微々たる力で役に立ってみせるんだな。 」


見下す様な目でそう言い放ってやれば、女は目を一瞬見開いた後、フッと笑った。


「 承知いたしました。 」


そうして頭を下げる女エルフと、誂う様な笑みを浮かべる男エルフに向かって鼻で笑い、その直後ビシッ!と指を指す。


「 貴様らはこのまま学院の方へ行け。

俺の能力は貴族を対象としたモノしかないから、平民の貴様らに効果はない。

学院なら少し役に立つだろう。とっとと消えろ。 」


俺の統率系資質の対象は、現在 ” 貴族 ” という身分に特化している。

つまり平民にはその恩恵は得られない事に加え、学院の方で感知した沢山の見覚えのある魔力反応達から、どうやら平民の生徒たちが全員戦闘に参加しているらしい事が確認された。


慣れ親しんだチームの方が、連携も取りやすく、力も発揮しやすいはずだ。


指していた指を引っ込め、しっ!しっ!と猫の子を払う様に手を振ると、二人はお互いの顔を見合わせた後にんまりと嫌な笑みを浮かべた。


「 はいは~い。

今のマービン様なら靴下くらいなら脱いであげてもいいですよ♡

ここはお願いしま~す。 」


「 私は靴半分くらいならいいかもしれませんね。

どうかここはよろしくお願いします。 」


二人はそう言って、そのまま学院の方へ走っていく。

それを見送りながら、密かにグッ!と拳を握った。


靴下と靴か……少々微妙だが、やっと俺のために自ら脱いでもいいという女(一人は男)が現れたぞ!

心の中で、あの謎のじいさんに自慢する様に言ってやると、俺の後ろに隠れていたグリムとスワンがソロ~と出てきた。


「 はぁ~……生さっちゃんだ~。

近くで見たら、やっぱりめちゃくちゃ可愛い。 」


「 リリアちゃん……あのクールな所がいいんだよね~。

踏まれたい……。 」


グリムは謎のハチマキを胸ポケットから出してギュッと握り、その横にいるスワンは首から下げた謎のタグを握りしめてポポっ!と頬を染める。


「 …………。 」


とりあえずよく分からないが、浮ついている様子の二人の頭を叩いて現実へ引き戻すと、そのまま戦い続けた。


◇◇◇◇

とにかくこういった多種多様の戦力が入り混じった戦闘では、如何に有利属性をもった味方を配置するかが重要であるため、体力の温存をしつつ配置を指示して戦況をコントロールする。


今の所は特に問題なし。

しかし、敵のモンスターは高ランクばかり……。


うまくいっていると思っても、突然ピンチはやってくるモノ。

そんな心配をしつつ対応していたが、やはりその懸念は現実のモノとなる。


「 うわあああぁぁぁぁ────!!! 」


「 ────っ!!?どうした!? 」


スキル< 秘密の共有 >から伝わってくる悲鳴に驚き、直ぐにそこで戦っている集団へと意識を飛ばすと、そこには巨大な力を持つモンスター反応が3つ、仲間たちに対峙していた。

あれは……。


「 こちら前衛班G班っ!!

けが人多数!Aランクモンスター< ブラック・ミノタロス >が突然三体同時出現!!

対応が間に合いません!! 」



< ブラック・ミノタロス >

体長10mの牛型Aランクモンスター

両手に巨大な斧を持ち、攻撃力ではトップクラスの物理系最強モンスターの一匹

物理耐性(極)と魔法耐性(小)を持ち、防御にも優れている

攻守ともに隙のない厄介なモンスター



今そこに配置されているメンバーでは三体同時はきつい。

直ぐに近くにいる魔法特化の班を呼ぼうと、スキルを使おうとしたその時────突然スキル< パーフェクト・マップ >上に、モンスター達の群れを抜けてくる何百もの魔力反応を感知し、動きを止めた。


「 何だ?この集団は……?

かなり強い反応だが……まさかモンスターか?! 」


一瞬緊張が走ったが、直ぐにその魔力反応が ” 人 ” 特有のモノである事に気づき、急いで情報を手に入れようと、スキルを発現する。



< 司令士の資質 >( ユニーク固有スキル )

< 見破りの瞳 >

先天スキル< パーフェクト・マップ >と併用して使う事のできる視覚系感知スキル

見たいと願う場所に自身の ” 目 ” を飛ばし、そこから見える視覚的情報を直接頭に転送する事ができる

その範囲は魔力量、その数は知力、魔力、魔力操作により決定する

(発現条件) 

一定以上の魔力量、知力、魔力、魔力操作、冷静さ、器用さを持つこと

一定回数以上スキル< パーフェクト・マップ >を使用する事

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