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第四十章
1296 目が覚めた
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( マービン )
” なぜこんな事をしたんだ!! ”
父は怒りを顕にして怒鳴ったが……母は父を見下す様に笑ったそうだ。
” 夫の気鬱な存在を掃除してあげるのは、妻の役目でしょう? ”
その発言を聞き呆然とする父に向かい、母はツラツラと正当性のありそうな言葉を並べ、また正当性がありそうに見える ” 嘘 ” の証拠を突きつける。
” この森には凶暴で人に危険を及ぼすモンスターが多数いるとの報告を受けました。
だから、いつもガンドレイド王国との境界線で頑張ってお仕事なさっている夫の仕事を、この私が減らして差し上げたのよ。 ”
” ……っ!!馬鹿なっ!!そんな嘘出鱈目、一体誰が……っ!! ”
なおも言い返す父を見て、母は聞き覚えの一切ない告発者達の名前が描かれた名簿を丁寧にしまった後、大きなため息をついた。
” 私はあくまで ” 貴方のためを想って ” やったのよ?
このままいけば、貴方は領地を放置し、街に危険を及ぼす犯罪者として裁かれていたというのに……そんな事も分からないなんて、流石は名も知れぬ低位貴族ね。
守る領地はこれでなくなつたのだから、これからは安心して我がライロンド家でより一層働き、貢献なさいな。
貴方にはここしか、もう居場所はないの。
あぁ、まだ気鬱な事があるなら、私がライロンド家の妻として、またお掃除して差し上げますから、ご心配なく。 ”
そう言って、突きつけられた新たな書類には……両親にとてもよくしてくれた近隣の村の者達の名前と……国に対し反逆を企てているという ” 証拠 ” が書かれていたらしい。
あぁ、あの女がやりそうな手口だな。
父の話を聞いて思ったのはコレ。
” 貴方のためを思ってやった ”
それを免罪符に相手を罪悪感という鎖で縛り、更に脅しを掛けて自分の意のままに操ろうとするのだ。
・・・・・
今後自分に逆らうなら、貴方のために大事な存在を同じ目に合わせるぞと……。
そうして忠実な駒になるしかなくなった者達は、小さな事から徐々に大きな罪を背負わされ、いつしか心を失くす。
きっと、あの時見たペラペラの父の姿は……僅かに残っていた本当の ” 心 ” だったのかもしれないな……。
母の醜悪さをまた一知り、大きく顔を歪ませると、父は一度大きく息を吐き出し、ポツリポツリと懺悔する様に語り出した。
「 それでやっと気付いた。
両親が自然と共に死ぬことを選んだ理由が。
竜と通じる事のできる力は非常に稀有で強力なモノだ。
だからそれを悪用しようとする輩は多く、 ” 悪 ” はそれを手に入れるために手段を選ばない。
両親はそれを知っていたからこそ、人の社会で生きていく事を捨てたんだ。
自分たちの力が悪用され、多くの人々を不幸にしない様に。
そして子である俺が害されない様にと……。 」
父は泣いているのか?と思う程身体を震わせ、うなだれる様に顔を下へ下げる。
竜は非常に強力な力を持つ個体で、つまりそれを味方にできる能力は、どの勢力もこぞって欲しがる力だ。
その特殊な血筋故、フリージス家は< 男爵 >の地位を与えられたが、戦う事を拒んで外界との付き合いを全て絶った。
それは全て、 ” 悪 ” にその力を利用されないため。
人を……そして子である父を守るために、それを突き通したというわけか……。
何とも言えぬ気持ちになっていると、父はゆっくりと顔を上げ真っ黒い空を見上げた。
「 ” ただ幸せに──── ” それが両親の最後の言葉だ。
二人の願いは、俺に自分たちが死んだ後も、目立たず平和に自分の人生を歩んで欲しいという事だった。
だから最後まで俺を外界に関わらせなかったのに……っ俺は……っ。 」
父はランスを持つ手に力を込めて、絞り出すかの様な声を上げたが、突然力を抜き、前を見つめた。
「 両親の想いを知り、目の前の辛い現実に耐えられず、今までずっと逃げ続けてきた。
自分の意思を捨ててしまえば楽だったからだ。
でも────……俺は目が覚めた!!
必死に今の状況に逆らおうとする息子の姿、それに街の人々の姿に……かつて捨てようとした心が凄まじい早さで戻ってきたよ。
俺には両親や先人達の様な生き方はできなかった。
だからこの命が尽きるまで、自分らしく心の命じるまま戦い、 ” 幸せ ” になってみせるさ。
” 悪 ” と戦い、今まで犠牲にしてきた事全てに償って生きていく。
それがこのダリオスの生き方だ。
もう惑わされたりしない! 」
父は手に持つ巨大ランスを空に掲げ、大きく脚を上げ、飛竜達に攻撃を仕掛けようとした< ジョロウ・キング >の上空に魔法陣を描く。
すると────その魔法陣から沢山のランスが出現し、それがヤツの身体に一斉に突き刺さった。
< 竜騎人の資質 >( ユニーク固有スキル )
< 竜騎乱舞 >
竜の固有魔力を帯びた魔力で創り上げたランスを出現させ、一斉攻撃する一転集中型の強攻撃スキル
自身の攻撃力、竜との信頼度が高い程威力は増し、更に魔力と魔力操作、努力値によりそのランスの数を増やす事ができるため範囲攻撃にも適応している
(発現条件)
ある一定以上のステータス値、竜との絆値、努力値、闘志、高潔、慈愛を持つこと
一定時間以上、竜との時間を共にし、共同作業を行う事
” なぜこんな事をしたんだ!! ”
父は怒りを顕にして怒鳴ったが……母は父を見下す様に笑ったそうだ。
” 夫の気鬱な存在を掃除してあげるのは、妻の役目でしょう? ”
その発言を聞き呆然とする父に向かい、母はツラツラと正当性のありそうな言葉を並べ、また正当性がありそうに見える ” 嘘 ” の証拠を突きつける。
” この森には凶暴で人に危険を及ぼすモンスターが多数いるとの報告を受けました。
だから、いつもガンドレイド王国との境界線で頑張ってお仕事なさっている夫の仕事を、この私が減らして差し上げたのよ。 ”
” ……っ!!馬鹿なっ!!そんな嘘出鱈目、一体誰が……っ!! ”
なおも言い返す父を見て、母は聞き覚えの一切ない告発者達の名前が描かれた名簿を丁寧にしまった後、大きなため息をついた。
” 私はあくまで ” 貴方のためを想って ” やったのよ?
このままいけば、貴方は領地を放置し、街に危険を及ぼす犯罪者として裁かれていたというのに……そんな事も分からないなんて、流石は名も知れぬ低位貴族ね。
守る領地はこれでなくなつたのだから、これからは安心して我がライロンド家でより一層働き、貢献なさいな。
貴方にはここしか、もう居場所はないの。
あぁ、まだ気鬱な事があるなら、私がライロンド家の妻として、またお掃除して差し上げますから、ご心配なく。 ”
そう言って、突きつけられた新たな書類には……両親にとてもよくしてくれた近隣の村の者達の名前と……国に対し反逆を企てているという ” 証拠 ” が書かれていたらしい。
あぁ、あの女がやりそうな手口だな。
父の話を聞いて思ったのはコレ。
” 貴方のためを思ってやった ”
それを免罪符に相手を罪悪感という鎖で縛り、更に脅しを掛けて自分の意のままに操ろうとするのだ。
・・・・・
今後自分に逆らうなら、貴方のために大事な存在を同じ目に合わせるぞと……。
そうして忠実な駒になるしかなくなった者達は、小さな事から徐々に大きな罪を背負わされ、いつしか心を失くす。
きっと、あの時見たペラペラの父の姿は……僅かに残っていた本当の ” 心 ” だったのかもしれないな……。
母の醜悪さをまた一知り、大きく顔を歪ませると、父は一度大きく息を吐き出し、ポツリポツリと懺悔する様に語り出した。
「 それでやっと気付いた。
両親が自然と共に死ぬことを選んだ理由が。
竜と通じる事のできる力は非常に稀有で強力なモノだ。
だからそれを悪用しようとする輩は多く、 ” 悪 ” はそれを手に入れるために手段を選ばない。
両親はそれを知っていたからこそ、人の社会で生きていく事を捨てたんだ。
自分たちの力が悪用され、多くの人々を不幸にしない様に。
そして子である俺が害されない様にと……。 」
父は泣いているのか?と思う程身体を震わせ、うなだれる様に顔を下へ下げる。
竜は非常に強力な力を持つ個体で、つまりそれを味方にできる能力は、どの勢力もこぞって欲しがる力だ。
その特殊な血筋故、フリージス家は< 男爵 >の地位を与えられたが、戦う事を拒んで外界との付き合いを全て絶った。
それは全て、 ” 悪 ” にその力を利用されないため。
人を……そして子である父を守るために、それを突き通したというわけか……。
何とも言えぬ気持ちになっていると、父はゆっくりと顔を上げ真っ黒い空を見上げた。
「 ” ただ幸せに──── ” それが両親の最後の言葉だ。
二人の願いは、俺に自分たちが死んだ後も、目立たず平和に自分の人生を歩んで欲しいという事だった。
だから最後まで俺を外界に関わらせなかったのに……っ俺は……っ。 」
父はランスを持つ手に力を込めて、絞り出すかの様な声を上げたが、突然力を抜き、前を見つめた。
「 両親の想いを知り、目の前の辛い現実に耐えられず、今までずっと逃げ続けてきた。
自分の意思を捨ててしまえば楽だったからだ。
でも────……俺は目が覚めた!!
必死に今の状況に逆らおうとする息子の姿、それに街の人々の姿に……かつて捨てようとした心が凄まじい早さで戻ってきたよ。
俺には両親や先人達の様な生き方はできなかった。
だからこの命が尽きるまで、自分らしく心の命じるまま戦い、 ” 幸せ ” になってみせるさ。
” 悪 ” と戦い、今まで犠牲にしてきた事全てに償って生きていく。
それがこのダリオスの生き方だ。
もう惑わされたりしない! 」
父は手に持つ巨大ランスを空に掲げ、大きく脚を上げ、飛竜達に攻撃を仕掛けようとした< ジョロウ・キング >の上空に魔法陣を描く。
すると────その魔法陣から沢山のランスが出現し、それがヤツの身体に一斉に突き刺さった。
< 竜騎人の資質 >( ユニーク固有スキル )
< 竜騎乱舞 >
竜の固有魔力を帯びた魔力で創り上げたランスを出現させ、一斉攻撃する一転集中型の強攻撃スキル
自身の攻撃力、竜との信頼度が高い程威力は増し、更に魔力と魔力操作、努力値によりそのランスの数を増やす事ができるため範囲攻撃にも適応している
(発現条件)
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