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第四十一章
1307 遅かった
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( ユーリス )
リーダーの男はそう言い放ち、パチンっと指を弾いた。
すると他の盗賊達が樽に入っていた家畜の血らしきモノを、馬車や馬、そして周囲にも巻き始める。
ツン……と鉄臭い匂いが充満していく中、リーダーの男は二ヤァァ~と大きく口端を歪めて笑った。
「 楽しく遊んだ後はお片付けしねぇとな~♬
ゴミ処理にはこれが一番なんだわ。
証拠はぜ~んぶモンスターが消してくれるからよ♡
ウチの下っ端になるなら、お前もそれに振り掛けろ。
────それとも自分に掛けるか? 」
リーダーの男は俺の両親を指差し、更に周りの盗賊に目で合図して血が波々と入っている袋を俺に渡す様に指示する。
渡された血の入った袋を黙って見下ろす俺を、リーダーと他の盗賊達がニヤニヤと笑いながら見ていた。
憎い、悔しい……殺してやりたい。
そんな想いとは裏腹に、物凄い早さで現状で自分ができる最善の方法が組み立てられていく。
ここで頷かなければ俺は殺される。
ならはここは頷くべき。
そして下っ端として働きながら逃げるチャンスを伺えばいい。
その際は────今の様に誰かを襲っている時が一番のチャンスだ。
” 誰かが犠牲になっている間に逃げよう ”
そんな未来の道が見えた時……俺は一瞬で悟った。
誰かを犠牲にして ” 得 ” を得る。
それは両親を殺したこの憎い盗賊たちと同じ道を通ると言う事だと。
殺したい程憎い相手に頭を下げて、俺と同じ想いをする者達を作り出し、もっとも ” 得 ” な道を選ぶ。
それが俺の人生、俺の……未来!
まっすぐに伸びた新しい未来の道を見つめ、呆然と見つめながら俺は心の中で叫んだ。
嫌だ!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!
そしてどうにか一矢報いろうと、腰に差すナイフに手を伸ばそうとしたのだが……手は一切動いてくれない。
スキルがオレを生かそうと身体を支配し操る。
だから自然と俺の手はその血袋を握り、そのまま足は両親だったモノの方へと向かおうとしたので、絶望が心を支配していったその瞬間────……。
「 わりぃ~な。
その職場、今からなくなるから無理だわ。 」
いつの間にかそのリーダーの後ろに男が立っていて、ヘラヘラした笑みを浮かべていた。
「 ────────っ!!??なっ!!誰だっ!! 」
リーダーは慌てて振り返り、男から距離をとる。
そしてその男の姿を目にすると、大きく目を見開いた。
「 第二騎士団っ!! 」
「 大正解~。 」
そこで盗賊達は全員が今までのヘラヘラしていた顔を引き締め、すぐに戦闘態勢を取って男を囲む。
「 流石の第二騎士団様も、この人数相手では敵わないでしょうよ~。
一人で乗り込んでくるなんてホント馬鹿じゃねぇの?
こっちは戦闘資質持ちのヤツが30人以上いるぜ。 」
「 あ~そうね~。
” 数 ” は戦闘の基本だもんな~。 」
ポリポリと頭を掻きながら騎士団の男はマイペースな物言いでそう答え、ニヤ~と笑っていたが、どう考えても一人で全員と戦うなんて無理だと思った。
” 多数に無勢 ”
それにより俺の頭は、騎士団の男の敗北を想像し、スキルが最善の道を新たに作り出す。
この騎士団の男がいたぶられている隙に逃げる。
そうすれば俺は……助かるんだ。
どんなに嫌がっても抗っても、勝手に身体はその準備に取り掛かり……盗賊の男たちが騎士団の男に向かって武器を振り下ろしたのをただ見ていたのだが────────次の瞬間、立っていたのは騎士団の男だけだった。
「 …………えっ……? 」
ポカンとして口を開ける俺の前で、騎士団の男は倒れて苦悶の表情を浮かべて痙攣している盗賊たちを見下ろしヘラヘラと笑っていたが、端の方で血だらけで倒れている俺の両親や殺されてしまった冒険者達を見て、笑いを引っ込める。
「 お前の親御さんも? 」
先程のふざけた様子が嘘みたいに真剣な顔で聞いてくる騎士団の男に向かい、俺は黙って頷くと……騎士団の男はその場で手を合わせた。
その後他の騎士団員達が集まり、逃げられない様にその場の盗賊たちに【 奴隷陣 】を刻む。
俺はというと、その様子をボンヤリ見ながら女性の騎士団員に手当を受け、この場を離れる様に即されたが、俺は首を横に降った。
「 最後まで見届けたい。 」
そう伝えると、女性の団員は悲しげに眉を下げた後は黙って俺の好きな様にさせてくれた。
大好きな両親達の身体を構成していたパーツ。
それが集められていくのを黙って目で追っていると、あの助けてくれた騎士団の男がソロ~と俺の隣に座る。
そして聞いてもないのに、自分の名前は< ドノバン >である事。
現在は第二騎士団の団長をしているという事。
別の任務で近くの街に来ていた時にたまたまこの事態に気づき、一人ですっ飛んできた事。
それをペラペラと説明し、最後に────……。
「 遅くなってすまん。 」
それだけ言ってそのまま口を閉ざした。
リーダーの男はそう言い放ち、パチンっと指を弾いた。
すると他の盗賊達が樽に入っていた家畜の血らしきモノを、馬車や馬、そして周囲にも巻き始める。
ツン……と鉄臭い匂いが充満していく中、リーダーの男は二ヤァァ~と大きく口端を歪めて笑った。
「 楽しく遊んだ後はお片付けしねぇとな~♬
ゴミ処理にはこれが一番なんだわ。
証拠はぜ~んぶモンスターが消してくれるからよ♡
ウチの下っ端になるなら、お前もそれに振り掛けろ。
────それとも自分に掛けるか? 」
リーダーの男は俺の両親を指差し、更に周りの盗賊に目で合図して血が波々と入っている袋を俺に渡す様に指示する。
渡された血の入った袋を黙って見下ろす俺を、リーダーと他の盗賊達がニヤニヤと笑いながら見ていた。
憎い、悔しい……殺してやりたい。
そんな想いとは裏腹に、物凄い早さで現状で自分ができる最善の方法が組み立てられていく。
ここで頷かなければ俺は殺される。
ならはここは頷くべき。
そして下っ端として働きながら逃げるチャンスを伺えばいい。
その際は────今の様に誰かを襲っている時が一番のチャンスだ。
” 誰かが犠牲になっている間に逃げよう ”
そんな未来の道が見えた時……俺は一瞬で悟った。
誰かを犠牲にして ” 得 ” を得る。
それは両親を殺したこの憎い盗賊たちと同じ道を通ると言う事だと。
殺したい程憎い相手に頭を下げて、俺と同じ想いをする者達を作り出し、もっとも ” 得 ” な道を選ぶ。
それが俺の人生、俺の……未来!
まっすぐに伸びた新しい未来の道を見つめ、呆然と見つめながら俺は心の中で叫んだ。
嫌だ!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!
そしてどうにか一矢報いろうと、腰に差すナイフに手を伸ばそうとしたのだが……手は一切動いてくれない。
スキルがオレを生かそうと身体を支配し操る。
だから自然と俺の手はその血袋を握り、そのまま足は両親だったモノの方へと向かおうとしたので、絶望が心を支配していったその瞬間────……。
「 わりぃ~な。
その職場、今からなくなるから無理だわ。 」
いつの間にかそのリーダーの後ろに男が立っていて、ヘラヘラした笑みを浮かべていた。
「 ────────っ!!??なっ!!誰だっ!! 」
リーダーは慌てて振り返り、男から距離をとる。
そしてその男の姿を目にすると、大きく目を見開いた。
「 第二騎士団っ!! 」
「 大正解~。 」
そこで盗賊達は全員が今までのヘラヘラしていた顔を引き締め、すぐに戦闘態勢を取って男を囲む。
「 流石の第二騎士団様も、この人数相手では敵わないでしょうよ~。
一人で乗り込んでくるなんてホント馬鹿じゃねぇの?
こっちは戦闘資質持ちのヤツが30人以上いるぜ。 」
「 あ~そうね~。
” 数 ” は戦闘の基本だもんな~。 」
ポリポリと頭を掻きながら騎士団の男はマイペースな物言いでそう答え、ニヤ~と笑っていたが、どう考えても一人で全員と戦うなんて無理だと思った。
” 多数に無勢 ”
それにより俺の頭は、騎士団の男の敗北を想像し、スキルが最善の道を新たに作り出す。
この騎士団の男がいたぶられている隙に逃げる。
そうすれば俺は……助かるんだ。
どんなに嫌がっても抗っても、勝手に身体はその準備に取り掛かり……盗賊の男たちが騎士団の男に向かって武器を振り下ろしたのをただ見ていたのだが────────次の瞬間、立っていたのは騎士団の男だけだった。
「 …………えっ……? 」
ポカンとして口を開ける俺の前で、騎士団の男は倒れて苦悶の表情を浮かべて痙攣している盗賊たちを見下ろしヘラヘラと笑っていたが、端の方で血だらけで倒れている俺の両親や殺されてしまった冒険者達を見て、笑いを引っ込める。
「 お前の親御さんも? 」
先程のふざけた様子が嘘みたいに真剣な顔で聞いてくる騎士団の男に向かい、俺は黙って頷くと……騎士団の男はその場で手を合わせた。
その後他の騎士団員達が集まり、逃げられない様にその場の盗賊たちに【 奴隷陣 】を刻む。
俺はというと、その様子をボンヤリ見ながら女性の騎士団員に手当を受け、この場を離れる様に即されたが、俺は首を横に降った。
「 最後まで見届けたい。 」
そう伝えると、女性の団員は悲しげに眉を下げた後は黙って俺の好きな様にさせてくれた。
大好きな両親達の身体を構成していたパーツ。
それが集められていくのを黙って目で追っていると、あの助けてくれた騎士団の男がソロ~と俺の隣に座る。
そして聞いてもないのに、自分の名前は< ドノバン >である事。
現在は第二騎士団の団長をしているという事。
別の任務で近くの街に来ていた時にたまたまこの事態に気づき、一人ですっ飛んできた事。
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それだけ言ってそのまま口を閉ざした。
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