【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十二章

1347 自分が選びたいのは……?

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( リーフ )


「 これで世界は ” 正しき ” 世界へ戻ります。

我々は永遠にその ” 正しい ” 世界を守って ” 正しく ” 生きていく事を誓います。 」


その祈りはこちらへ届く事はなく、多分神様へは届かない。
              ・・
きっとその ” 正しさ ” はソコから出る事はできないから。


「 …………。 」


そのまま中を一瞬だけ哀れみを込めて見つめたが、やはり跡形もなくその窓は消え去った。



俺は足を早めてどんどんと前へ進んでいき、それに合わせる様に凄い早さで新たな窓は現れ消えていく。

沢山の窓があって人生があって、それが絡み合って絡み合って────世界は作られていく様だ。


これは神様が作ったモノではない。

” 人 ” が作った世界。


俺達一人一人が選んだ選択によって削られて残っているのが ” 世界 ” というものだった。

成れの果てとも言える ” 世界 ” の歴史を窓から見つめ、自分の選びたい選択を考えさせられる。


「 俺は……俺は……? 」


ブツブツと呟くと、突然ドロドロに焼けただれた窓が3つ出現しそれが一斉に開く。



「 ────あぁ、また実験体が壊れてしまったな。

これじゃあ、新しい魔道具を開発するのにあと50人くらいは追加が必要かな? 」


ピンク色の髪に精悍な顔。

随分とイケメンに分類される青年が座り込んでいるのは、沢山の積み重なった死体達の上で、ウンザリした顔をしたまま何かが書かれた書類とにらめっこしている。

彼には周りで聞こえる苦しみ藻掻く人々の声は聞こえないらしい。


苦痛を訴えうめき声を上げているのは、彼の傍らで鎖で繋がれている実験体?らしき人々だ。

そしてそんな人々を指差し、苦しむその姿を見て腹を抱えて大爆笑している美しい青年がいた。


先ほどレオンハルトを楽しそうに木刀で叩いていた少年そっくりの外見。

金髪に蒼い目、惹きつけられずにはいられない程の美しさを持つ青年────……。


< リーフ・フォン・メルンブルク >


ひとしきり笑い終えた彼は、そのままもう一人の少年に話しかけた。


「 いくらでも実験体は用意してあげるよ、マリオン。

この間開発した魔道具は面白かったなぁ~。

ただ威力が高すぎて一瞬すぎるから、もう少し威力を抑えてくれないか?

あれでは苦痛を感じる暇もない。

もっと反応を見てから死なせたあげないと、俺を楽しませるという大切な役目を果たせないだろう? 」


「 なるほど、それは失礼致しました。

直ぐに改良して来週にはお渡しできるでしょう。

あと追加で奴隷を50人程送ってくれますか?

そうしたら来週までに新しい魔道具もお渡しできるかもしれません。 」


マリオンと呼ばれた青年が、クスクスと楽しそうに笑うと、リーフも同じ様に笑う。


「 それは楽しみだ!

なら奴隷をその倍の100人程直ぐに送るよ。

なんでも必要な物は言ってくれよ?

なんたって俺達は、親友なんだから。 」


その後に聞こえるのは、人々の苦しみ藻掻く声と悲鳴、そして高らかに笑う二人の声だけだった。




「 ねぇ、お聞きになりまして?

レイモンド家の先代ドルトン様が起こした心中事件! 」


「 えぇ、聞きましたわ。

なんでもご自身の実の娘であるローズ様と、その婿のロイド様を道連れに自害されたと……。

しかもドルトン様に忠誠を誓っていた【 四柱 】も一緒に……。 」


「 まぁ、なんて悲しい事件なんでしょうね!

なんでも残されたのはまだ成人前のクラーク様のみなんですって。 」


ヒソヒソ……。

ボソボソ……。


声を潜めて囁き合うのは、ドレスを着たどこぞやの婦人達で、場所は周りのきらびやかな様子から夜会のパーティー会場かどこかの様だ。


心中事件……?

残ったのはクラーク君のみ……?


衝撃的な内容に唖然としている間も、婦人達の話は続く。


「 クラーク様というと……不義の子に負けた御子息ですわね。

不義の子に負けるなど……情けない。

きっとローズ様やロイド様の教育が悪かったのでしょう。 」


「 ロイド様は女性と見れば見境ない方で有名でしたものね。

ローズ様は必死に何でもない様に振る舞ってましたけど、内心悔しくて堪らなかったでしょう。

おかわいそうに~。

まぁ、ローズ様の魅力不足という事でしょうね。

元々戦闘訓練ばかりしていた芋娘だったそうですし?

ただ高い宝石を着飾るだけで痛々しかったので、いなくなってくれて視界がスッキリしましたわ。 」


「 ────プッ!!もう、変な事を言うのは止めて下さる?

……まぁ、事実ですけど。 」


そのまままたクスクスと笑う婦人達は、突然会場がざわついたため、直ぐにその原因がいるであろう場所へ視線を移す。

するとそこには、それはそれは美しいメルンブルク家と……うっすらと笑みを浮かべたクラーク君がいた。
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