1,363 / 1,649
第四十二章
1347 自分が選びたいのは……?
しおりを挟む
( リーフ )
「 これで世界は ” 正しき ” 世界へ戻ります。
我々は永遠にその ” 正しい ” 世界を守って ” 正しく ” 生きていく事を誓います。 」
その祈りはこちらへ届く事はなく、多分神様へは届かない。
・・
きっとその ” 正しさ ” はソコから出る事はできないから。
「 …………。 」
そのまま中を一瞬だけ哀れみを込めて見つめたが、やはり跡形もなくその窓は消え去った。
俺は足を早めてどんどんと前へ進んでいき、それに合わせる様に凄い早さで新たな窓は現れ消えていく。
沢山の窓があって人生があって、それが絡み合って絡み合って────世界は作られていく様だ。
これは神様が作ったモノではない。
” 人 ” が作った世界。
俺達一人一人が選んだ選択によって削られて残っているのが ” 世界 ” というものだった。
成れの果てとも言える ” 世界 ” の歴史を窓から見つめ、自分の選びたい選択を考えさせられる。
「 俺は……俺は……? 」
ブツブツと呟くと、突然ドロドロに焼けただれた窓が3つ出現しそれが一斉に開く。
「 ────あぁ、また実験体が壊れてしまったな。
これじゃあ、新しい魔道具を開発するのにあと50人くらいは追加が必要かな? 」
ピンク色の髪に精悍な顔。
随分とイケメンに分類される青年が座り込んでいるのは、沢山の積み重なった死体達の上で、ウンザリした顔をしたまま何かが書かれた書類とにらめっこしている。
彼には周りで聞こえる苦しみ藻掻く人々の声は聞こえないらしい。
苦痛を訴えうめき声を上げているのは、彼の傍らで鎖で繋がれている実験体?らしき人々だ。
そしてそんな人々を指差し、苦しむその姿を見て腹を抱えて大爆笑している美しい青年がいた。
先ほどレオンハルトを楽しそうに木刀で叩いていた少年そっくりの外見。
金髪に蒼い目、惹きつけられずにはいられない程の美しさを持つ青年────……。
< リーフ・フォン・メルンブルク >
ひとしきり笑い終えた彼は、そのままもう一人の少年に話しかけた。
「 いくらでも実験体は用意してあげるよ、マリオン。
この間開発した魔道具は面白かったなぁ~。
ただ威力が高すぎて一瞬すぎるから、もう少し威力を抑えてくれないか?
あれでは苦痛を感じる暇もない。
もっと反応を見てから死なせたあげないと、俺を楽しませるという大切な役目を果たせないだろう? 」
「 なるほど、それは失礼致しました。
直ぐに改良して来週にはお渡しできるでしょう。
あと追加で奴隷を50人程送ってくれますか?
そうしたら来週までに新しい魔道具もお渡しできるかもしれません。 」
マリオンと呼ばれた青年が、クスクスと楽しそうに笑うと、リーフも同じ様に笑う。
「 それは楽しみだ!
なら奴隷をその倍の100人程直ぐに送るよ。
なんでも必要な物は言ってくれよ?
なんたって俺達は、親友なんだから。 」
その後に聞こえるのは、人々の苦しみ藻掻く声と悲鳴、そして高らかに笑う二人の声だけだった。
「 ねぇ、お聞きになりまして?
レイモンド家の先代ドルトン様が起こした心中事件! 」
「 えぇ、聞きましたわ。
なんでもご自身の実の娘であるローズ様と、その婿のロイド様を道連れに自害されたと……。
しかもドルトン様に忠誠を誓っていた【 四柱 】も一緒に……。 」
「 まぁ、なんて悲しい事件なんでしょうね!
なんでも残されたのはまだ成人前のクラーク様のみなんですって。 」
ヒソヒソ……。
ボソボソ……。
声を潜めて囁き合うのは、ドレスを着たどこぞやの婦人達で、場所は周りのきらびやかな様子から夜会のパーティー会場かどこかの様だ。
心中事件……?
残ったのはクラーク君のみ……?
衝撃的な内容に唖然としている間も、婦人達の話は続く。
「 クラーク様というと……不義の子に負けた御子息ですわね。
不義の子に負けるなど……情けない。
きっとローズ様やロイド様の教育が悪かったのでしょう。 」
「 ロイド様は女性と見れば見境ない方で有名でしたものね。
ローズ様は必死に何でもない様に振る舞ってましたけど、内心悔しくて堪らなかったでしょう。
おかわいそうに~。
まぁ、ローズ様の魅力不足という事でしょうね。
元々戦闘訓練ばかりしていた芋娘だったそうですし?
ただ高い宝石を着飾るだけで痛々しかったので、いなくなってくれて視界がスッキリしましたわ。 」
「 ────プッ!!もう、変な事を言うのは止めて下さる?
……まぁ、事実ですけど。 」
そのまままたクスクスと笑う婦人達は、突然会場がざわついたため、直ぐにその原因がいるであろう場所へ視線を移す。
するとそこには、それはそれは美しいメルンブルク家と……うっすらと笑みを浮かべたクラーク君がいた。
「 これで世界は ” 正しき ” 世界へ戻ります。
我々は永遠にその ” 正しい ” 世界を守って ” 正しく ” 生きていく事を誓います。 」
その祈りはこちらへ届く事はなく、多分神様へは届かない。
・・
きっとその ” 正しさ ” はソコから出る事はできないから。
「 …………。 」
そのまま中を一瞬だけ哀れみを込めて見つめたが、やはり跡形もなくその窓は消え去った。
俺は足を早めてどんどんと前へ進んでいき、それに合わせる様に凄い早さで新たな窓は現れ消えていく。
沢山の窓があって人生があって、それが絡み合って絡み合って────世界は作られていく様だ。
これは神様が作ったモノではない。
” 人 ” が作った世界。
俺達一人一人が選んだ選択によって削られて残っているのが ” 世界 ” というものだった。
成れの果てとも言える ” 世界 ” の歴史を窓から見つめ、自分の選びたい選択を考えさせられる。
「 俺は……俺は……? 」
ブツブツと呟くと、突然ドロドロに焼けただれた窓が3つ出現しそれが一斉に開く。
「 ────あぁ、また実験体が壊れてしまったな。
これじゃあ、新しい魔道具を開発するのにあと50人くらいは追加が必要かな? 」
ピンク色の髪に精悍な顔。
随分とイケメンに分類される青年が座り込んでいるのは、沢山の積み重なった死体達の上で、ウンザリした顔をしたまま何かが書かれた書類とにらめっこしている。
彼には周りで聞こえる苦しみ藻掻く人々の声は聞こえないらしい。
苦痛を訴えうめき声を上げているのは、彼の傍らで鎖で繋がれている実験体?らしき人々だ。
そしてそんな人々を指差し、苦しむその姿を見て腹を抱えて大爆笑している美しい青年がいた。
先ほどレオンハルトを楽しそうに木刀で叩いていた少年そっくりの外見。
金髪に蒼い目、惹きつけられずにはいられない程の美しさを持つ青年────……。
< リーフ・フォン・メルンブルク >
ひとしきり笑い終えた彼は、そのままもう一人の少年に話しかけた。
「 いくらでも実験体は用意してあげるよ、マリオン。
この間開発した魔道具は面白かったなぁ~。
ただ威力が高すぎて一瞬すぎるから、もう少し威力を抑えてくれないか?
あれでは苦痛を感じる暇もない。
もっと反応を見てから死なせたあげないと、俺を楽しませるという大切な役目を果たせないだろう? 」
「 なるほど、それは失礼致しました。
直ぐに改良して来週にはお渡しできるでしょう。
あと追加で奴隷を50人程送ってくれますか?
そうしたら来週までに新しい魔道具もお渡しできるかもしれません。 」
マリオンと呼ばれた青年が、クスクスと楽しそうに笑うと、リーフも同じ様に笑う。
「 それは楽しみだ!
なら奴隷をその倍の100人程直ぐに送るよ。
なんでも必要な物は言ってくれよ?
なんたって俺達は、親友なんだから。 」
その後に聞こえるのは、人々の苦しみ藻掻く声と悲鳴、そして高らかに笑う二人の声だけだった。
「 ねぇ、お聞きになりまして?
レイモンド家の先代ドルトン様が起こした心中事件! 」
「 えぇ、聞きましたわ。
なんでもご自身の実の娘であるローズ様と、その婿のロイド様を道連れに自害されたと……。
しかもドルトン様に忠誠を誓っていた【 四柱 】も一緒に……。 」
「 まぁ、なんて悲しい事件なんでしょうね!
なんでも残されたのはまだ成人前のクラーク様のみなんですって。 」
ヒソヒソ……。
ボソボソ……。
声を潜めて囁き合うのは、ドレスを着たどこぞやの婦人達で、場所は周りのきらびやかな様子から夜会のパーティー会場かどこかの様だ。
心中事件……?
残ったのはクラーク君のみ……?
衝撃的な内容に唖然としている間も、婦人達の話は続く。
「 クラーク様というと……不義の子に負けた御子息ですわね。
不義の子に負けるなど……情けない。
きっとローズ様やロイド様の教育が悪かったのでしょう。 」
「 ロイド様は女性と見れば見境ない方で有名でしたものね。
ローズ様は必死に何でもない様に振る舞ってましたけど、内心悔しくて堪らなかったでしょう。
おかわいそうに~。
まぁ、ローズ様の魅力不足という事でしょうね。
元々戦闘訓練ばかりしていた芋娘だったそうですし?
ただ高い宝石を着飾るだけで痛々しかったので、いなくなってくれて視界がスッキリしましたわ。 」
「 ────プッ!!もう、変な事を言うのは止めて下さる?
……まぁ、事実ですけど。 」
そのまままたクスクスと笑う婦人達は、突然会場がざわついたため、直ぐにその原因がいるであろう場所へ視線を移す。
するとそこには、それはそれは美しいメルンブルク家と……うっすらと笑みを浮かべたクラーク君がいた。
179
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!
2026/3/9に発売です!書籍は2026/3/11に発売(予約受付中)です!イラストは、にとろん様です。よろしくお願い致します!
ファンタジー小説大賞に投票して頂いた皆様には、大変感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
校正も自力です(笑)
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
サブCPに人外CPはありますが、主人公は人外CPにはなりません。
(この世界での獣人は人間の種類の一つですので人外ではないです。)
ストックなくなるまでは07:10に公開
他サイトにも掲載してます
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる