【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十三章

1358 まさにお手上げ

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( マリオン )

「「 うおおおおぉぉぉぉぉ!!!! 」」


二人はそれぞれその木の手をバラバラに粉砕し、そのまま俺の前に立つ。


俺はすぐさま現状を把握するため周囲を見渡すと、流石は先鋭された戦闘員達……各々がしっかりと攻撃に対応している様だ。

しかし……。

俺は晴れた視界の中、ピンピンしている様子の< ダーク・ツリー・フェイス >を見て、眉を強く寄せた。


「 ────クソっ……!これでダメージが通らないなら、一体どうすればいい?

そもそも何故こんなに奴にダメージが通らないんだ……? 」


「 胴体部分に物理と魔法耐性結界が張られているからだ。

しかも、それに攻撃 ” 吸収 ” の性質までついていやがる。

要は胴体部分は無敵の要塞ってヤツだな。

それで攻撃が通らねぇ。 」


上からドンッ!と降ってきたレイブン兄様が、目元を覆うゴーグルに付いているネジを回しながら言う。

どうやらそのゴーグルは鑑定スキルに類似した機能を持つ魔道具の様だ。



( 第二形態先天スキル )

< 樹王の聖域 >

胴体部分への攻撃に対し、物理と魔法の両方に対応した結界を展開する事ができる自動発動型結界スキル

更にその結界には ” 吸収 ” の効果がついているため、生半可な攻撃では逆にHPを回復してしまう。

ダメージを通すのは難しい



《 ────吸収ですって? 》


母様が忌々しそうに呟くと、イレブン兄様は樹冠部を指差した。


「 あぁ。だから生半可な火力の攻撃をしても、あいつを回復しちまうだけだ。

そうなると、攻撃が通るのは樹冠部だけなんだが……そこを攻撃すれば再生と増殖を起こされちまうって事。 」


「 他に弱点の様なモノはないのか? 」


俺がそう尋ねると、レイブン兄様は難しい顔をして唸り声を上げる。


「 なんとかその情報を……ってさっきから探ったんだが、恐らくやつは情報阻害系の能力も持っているみたいで、それ以上の情報が読み取れねぇんだ。

────クッソ~!コレ、めちゃくちゃ自信作だったのに! 」


ゴーグルについているネジやスイッチをカチカチと押しながら不貞腐れる兄様を見て呆れるが、解析班から声が上がらないのを見ると、相当レベルの高い阻害スキル能力を持っている事は間違いない様だ。



( 第二形態先天スキル )

< 樹海パズル >

鑑定などの情報開示スキルなどを全て阻害する、阻害系特殊能力

まるで難解なパズルの様に情報を組み換え、相手から情報を隠す



胴体は無敵。

唯一攻撃が通る、沢山の顔がついている部分は、再生と増殖つき。


これではどうする事もできない!


俺達人間側の焦りを感じたのか、< ダーク・ツリー・フェイス >は、カラカラと笑い、樹冠部の顔が一斉に魔法の詠唱を始めた。

すると一瞬で空に巨大な燃え盛る魔法陣が出現し、ゴロゴロ!!と雷の嫌な轟音が鳴り響く。


「 属性雷と炎の複合型魔法陣です!!

広範囲攻撃魔法、来ます!!! 」


「 ────っゼロ!!! 」


解析班からの声を聞き、俺はゼロへ指示を出した。

するとゼロは直ぐに空に向かう魔法陣の足場を自分で創り出し、そのまま駆け上がっていく。

それを見ながら、俺はゼロの進行方向に向かってスキルを発動した。



 <魔操技師の資質>  (ユニーク固有スキル)

< 創作生剣 >

属性魔力を固めて、その属性を持つ武器を創り出す事ができる武器創作スキル

魔力、魔力操作、属性魔力量、器用さが高い程、より強く精密な武器を創り出す事ができるため、術者の能力を色濃く受けるスキル

(発現条件) 

一定以上の魔力、魔力操作、属性魔力量、器用さ、精神耐性値、武器または魔道具の作製経験値を持っている事

更にその出来上がった武器、又は魔道具の制作レベルが、ある一定以上である事



創り出すのは、炎と雷の有利属性、水と土の属性を持ったレイピアだ!


ギュルギュルと渦を巻いて空間が捻じれ、飛び出してきたレイピアをゼロは手に取り、そのまま魔法陣にむかって飛ぶ。

そして────……その巨大魔法陣にレイピアを突き刺し、そのまま大きく横に切り裂いた。


────バチバチバチッ!!!!!!


すると、凄まじい音と光と共に魔法陣が壊され、そのまま空で炎と雷の魔法の大爆発が起きるが、地上でスタンバイしていた盾班と結界系スキル持ちが全ての攻撃余波を防ぐ。

ちなみにゼロは戦線離脱をちゃっかり終え、地上にスタッと無傷で着地した。


「 いや~強いですね~。

さすが誰かさんがモデル! 」


「 魔道具でここまで強いなんて、凄いです。

相当誰かさんに対する想いが強いんでしょうね~。

憎しみから発生する呪いの力が強いのがよく分かります。 」


ロダンとフリックがニヤニヤしながら言い合うと、ギロッ!と睨む俺を見たルナリーとローリンは慌てて開けそうになっていた口を閉じて視線を逸らす。

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