【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十三章

1367 今!

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( アゼリア )


《 わ──ッはっはっ!!我が名は新たなる世界の創造主!

その名も ” るるなる ” 様だ!!

教会を守りし勇敢な戦士達よ!

これよりこの地に侵入しようとする低ランクモンスター達はわが忠実なるしもべ達が全て殲滅する!!

結界を解き、己の戦いに集中するのだ!! 》




< 統率士の資質 > ( 先天スキル )

< おしゃべりスターの煌めき >

自身のテリトリー内なら、自由に伝言を伝えられる星型の伝達系スキル

自身の感情が高まる程、強く、相手の心へ自分の心をダイレクトに言葉に変えて伝える事ができる



突然空にピョコン!と現れた、手のひらサイズの星。


< ヒャクメ・カオス >の新たな能力か!?と警戒したが……。


「 人族特有の魔力反応……。

< ヒャクメ・カオス >の能力ではなさそうです。

それに……今気付きましたが、教会の中から強い魔力反応があります。

しかも、一つ二つじゃない……? 」


「 ────なんだと? 」


クラークの言葉に驚き、教会の中へ意識を向けると……確かにある。

強い魔力反応と、その周りにいるであろう者たちからも沢山の反応が。


「 ……いつの間に?

教会の中にも援軍が到着したということか? 」


「 ────いえ、魔道路の気配はなかったはずです。

だから、恐らくは……。 」


クラークは考え込みながら、ドルトン様を見上げると、ドルトン様も同じ様に考え込みながらボソッと呟いた。


「 ふむ……。避難している者たちの中に、統率系資質を持っていた者がいたのかもな。

にわかに信じがたいが……。

しかし、この反応は確かに統率系資質持ちが使う様な、強化系の上級スキルの様だ。

統率系資質は、その場の者たちに合わせた柔軟性が高い能力を使う。

だから他にも感じる強い魔力反応達は、恐らく避難している街民だろう。 」


「 そ……そんな事が……? 」


統率系の資質は、戦闘において最も重宝されるとさえ言われる程の強力な上級資質。

勿論その数は非常に少ない。

その能力の一番怖いところは ” 柔軟性 ” で、その時の戦況や味方陣営に適した能力を使い、どんなに不利な戦況もひっくり返す可能性を持つ稀有な能力だ。


「 そんな資質の者がいたなら、とっくに戦場で名を上げていると思うのですが……。

流れの傭兵でしょうか……。 」


「 さぁな。しかし、状況を考えると……もしかして一般人の可能性もある。

だとすれば、いくら統率系の資質持ちの者が強化系のスキルを掛けたとしても、戦うのは戦闘においては素人の一般人だ。

戦いに参加させるわけには……。 」


クラークは流れの傭兵か何かが偶然避難所にいたのだろうと予想したが、それなら西門に向かうはずだ。

それだけの戦闘の才能を持っているのに戦わないというのはおかしい。

なら、全く戦闘に関わった事のない一般人が突発的に能力を覚醒した可能性もあると、ドルトン様は予想した。

私は激化している< ヒャクメ・カオス >との戦いを繰り広げている戦闘員達を見て、汗を掻く。


確かに、そんな一般人を戦いに巻き込んでも無駄に犠牲者を出してしまうだけだ……。


クラークもドルトン様も同じ意見であった様で、ドルトン様が空に浮かんだ星に「 気持ちだけ受け取っておこう。 」と告げた。


確かにSランクモンスターに加えて、高ランクモンスターや低ランクモンスターもウヨウヨ集まっているこの状況で、せめて低ランクだけでも受け持って貰えれば助かる。

しかし、いくら低ランクかつソフィア様の能力でパワーダウンしているとはいえ、一般人では瞬殺レベルだ。

流石にそんな危険な事はさせられない。

そう考えての断りの言葉だったが、星は突然カッ!!と強く光った。


《 ハッピーエンドは全員が動かないと迎えられな────い!!! 》


女性の大声がその場に響き、私達は全員が心を打たれる。

そして星はグンッ!と巨大化し、更に言葉を続けた。


《 人々を導く神様がいたって、私達がただその場に立っているだけじゃ駄目なの!!

全員が先へ……がむしゃらに進まないと、最後はハッピーになんてならない!! 》


ビリビリと肌を刺激する様な ” 心 ”

それをぶつけられて言葉がでない。

戦闘音だけが響く中、空の星は大きく息を吸うように膨らみ────そのままワー!!と大声で叫ぶ。


《 どんなに怖くったって、弱くったって……頑張んなきゃいけない時が人生にはある!!

それが今!!

だから低ランクくらいなら私達に任せて、その目玉お化けを倒して下さ────い!!!

約束したからね────!!! 》


《 うおおおおおおお────!!! 》


《 やってやるぅぅぅぅ!!!!街民、舐めんな────!!!》


《 そうだそうだ!!クソモンスター共めぇぇ!! 》


《 日頃の恨み、ここで晴らしてやる!!来るならこ────い!! 》


星からは、その女性の他に、街民らしき者たちの随分と勇ましい雄叫びが聞こえ、ドルトン様はブッ────!!と吹き出した。

そしてそのまま大声で笑った後、ポカンとしているクラークの名を呼ぶ。
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