【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十四章

1392 楽しければ……

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( マービン )

その数は約数十人。

全員意識は朦朧としていて、それをチャンスと見た< ジョロウ・キング >は、そのままトドメを刺そうと、魔法弾を一斉射撃してくる。


「「 させるかぁぁぁぁぁ────!!! 」」


ヒューイとバンが、一瞬で魔法弾の前に立ちふさがり、同時にスキルを発動させた。



( 合体スキル )

< 刹那の多軸一閃 >

スピードが一定以上、かつ絆値とコンビネーション値が一定以上同士の攻撃系合体スキル

合計スピード値が高い程、攻撃力が増す超火力特化の攻撃を繰り出す事ができる



ヒューイとバンの合体スキルによって、全ての魔法弾は撃ち落とされたが、依然隊員達の意識は戻る気配はない。


「 意識のない隊員は、直ぐにスワンのスキルの範囲内へ!

グリム!!直ぐに状態確認を頼む!! 」


「 はいっ!! 」


このままでは狙い打ちされてしまう!

そう考えた俺が大声で指示を出すと、直ぐに飛竜達はそれを理解し直ぐに、スワンの結界の中へと降りていく。

そしてグリムはそんな飛竜達の着地した場所へと走り寄り、意識が朦朧としている隊員達の状態をスキルを発動してチェックし始めた。



< 毒膳士の資質 > ( ユニーク固有スキル )

< 薬膳学士の瞳 >

体内に存在する毒などのあらゆるデバフ物質を解析する事のできる特殊系鑑定スキル

自身の魔力、魔力量、魔力操作、薬膳に関する知識量により、その精度はUPする

(発現条件) 

一定以上の魔力、魔力操作、薬膳に関する知識量、知力、探究心、努力、好奇心を持つ事

一定回数以上毒に関する物質と接する機会がある事

一定以上の実力を持った者に対し、毒を用いた戦闘経験値を持つこと



それにより成分を分析できたらしいグリムは、ハッ!とした様子で、その場で叫ぶ。


「 正体不明の毒物です!!

少なくともアルバート王国にはない……しかし、成分の形が、レイティア王国のエルフ族の創り出す毒物に似ている気がします! 」


「 レイティア王国の毒……?

なぜ、エルフ族の創り出す様な毒物を……?? 」


思わぬ答えに俺は眉を寄せて思考を巡らせた。


それぞれの種族がスキルや魔法などで創り出す毒物には、固有の形……の様なモノが微細だが存在しているらしい。

それがエルフ族の創り出すモノに似ているというなら、毒を創り出して攻撃してきたのは、部品の中の一部……ということか?


本体を構成している部品達に目をやれば、確かにエルフ族の様に見える特徴的な長い耳を持っているモノもいる様だ。


「 なんにせよ、正体不明の毒とは……。

これでは迂闊に近寄れないではないか! 」


一定の距離を取り、防戦一方になってしまった戦いを見て、チッ!と大きな舌打ちをする。

そうして防戦に徹している間にも、意識がハッキリしない隊員達は汗をダラダラと掻き始め、痛みにうめき声をあげ始めた。


このままでは、赤い霧を浴びてしまった隊員達は……。


その場の全員が、最悪の可能性を頭に浮かべると……赤い霧を浴びた隊員達は、全員ヨロヨロと起き上がる。


「 なっ、何をやってるんですか!! 」


そしてその直後に、その隊員達がし始めた事を見て、グリムが悲鳴混じりの声を上げた。

全員がその身体に【 自爆陣 】を施し、空に戻ろうとしたからだ。


「 どうせ助からない命なら……仲間のために……っ。 」


そう言って飛竜に乗ろうとする隊員達を、飛竜達も同様の覚悟で飛ぼうとしてる。


「 全員死ぬつもりか……! 」


《 ────うん。飛竜達も全員パートナーと一緒に行くって言っているよ。

後は頼むって……。 》


シュン……とヴィーは悲しげに下を見下ろし、そう言った。

そして父や他の隊員達もそれに気づき、悲痛な面持ちをしたが……直ぐに表情を引き締め、より一層激しい攻撃を繰り出し、命を掛ける仲間たちのための道を切り開こうとしている。

どうやら仲間たちの想いを受け入れる覚悟をしたようだ。


「 だ……だめだ……そんな事……。 」


” 怒り ”

” 憎しみ ”

” 悔しさ ”

” 悲しさ ”


その中で一人、ごちゃまぜになった感情に心が沈んでいきそうになったが、必死に踏ん張る。


もう嫌という程、絶望はした。

俺は絶対に諦めない!


とうとう【 自爆陣 】を施した隊員達が、飛竜の上に乗ったのを目にしながら、俺はギュッ!と目を閉じた。

すると……突然瞼の裏に光が差す。



” 一人で勝てないなら、全員で勝てばいい!!

どんなに絶望的な状況でも、絶対にその突破口を開いてくれる人がいるからね。

広~い視野を持つといいよ。 ”



偉そうに教鞭を垂れてくるリーフ様。

その時の俺はフルボッコされてムスッ!としながら、ブチブチと不満タラタラで言い返す。


” そもそも一人に対して、大勢で掛かるなどプライドが……。 ”


” やれやれ……。マービン君はちょっと勘違いをしているね。 ”


大げさに肩を竦めたリーフ様は、俺の鼻をボタンを押す様にブスッ!と押した。



” 楽しいならなんでも良し! ”
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