【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十四章

1395 毒

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( マービン )


「 元々……? 」


その話を聞いていた父が訝しげな表情をすると、ネコ飛竜隊の面々が口々に喋りだした。


「 今、世界中が大騒ぎになってるんだ!

呪いが効かねぇ ” 救世主 ” の出現!だもんな~。

そりゃ~獣人族としては、参加して特等席でみたいってもんよ。 」


「 ジェンス王国では、ライアン王が ” 行きたいヤツは行け ” って全国民にお触れを出した。

多分手が開いているヤツらは、準備した後は今か今かと順番待ちしていると思うぜ。

だが、エルフの国もドワーフの国も同様にっていうのには驚かされたよな~。 」


「 エルフの女王を中心に、今戦力を順番に振り分けている所だ。

なんでもあのなんちゃら卵は、全国に被害を及ぼすらしいからな!

すげぇ~瞬間に立ち会えて、俺は最高にワクワクしてる! 」


ワイワイと、まるでピクニックにでも行くような気軽さに、飛竜隊の戦闘員達は開いた口が塞がらない。


俺も驚いたのだが、情報を集める中で聞こえてくるのは ” 全同盟国の戦闘参加 ” 。

この国だけではなく全世界を巻き込む騒動になっている様だ。


「 この戦いの先には、一体どんな世界が広がっているんだろうな。

俺は、その世界を見てみたい。

それに……。 」


情報を探している時に、フッ……と耳に入ってきた女性の声が頭をよぎった。





《 進め、抗え。

ここが最悪な未来への分岐点。


          
誰か一人でも欠ければ





あの ” 目 ” の持ち主に……。 》




あの声は……もしかしてコレット女王だろうか?


少々気になったが……激しい戦闘が続き、悠長に考えている時間はなさそうだと、直ぐに頭からその声を追い出した。


「 流石に援軍にばかり頼っては恥ずかしいってもんよ! 」


「 ……これは負けられないな。 」


頼もしい援軍達を見回し、ヒューイとバンがキラッ!と目を輝かせと、鳥型人間達を一気に下へと叩き落とす。


しかし、本体はどんどんと肉の塊を地上に落としては、かなり緩やかになっているとはいえ、仲間たちを増殖して作ってしまう。

それに負けない様に、一同は一丸となって敵の数を減らしては本体へと反撃!

瘴核の存在を探し続ける。


《 グギギギギギギギィィィィ!!! 》


埒が明かない攻防戦に焦れて、本体が赤い霧を吐き出したが、ヴィーがそれを防いだ。

しかし、続けてもう一度大きく息を吸ったので、俺が「 ヴィー! 」ともう一度吹き飛ばしを指示するが────……?


《 ────っ!!!?違う!!

これはさっきと同じスキルじゃないよ! 》


「 なにっ!!? 」


本体は突然上を向き、そのまま空に向かってブブーっ!!と噴水の様に緑色の液体を吐き出した。


「 緑色……?────別の毒か!!? 」


俺は、すぐに大盾を空に向けて構え、スキル< 竜結束の大盾 >を発動し広範囲に仲間たちを守ったが、大部分の隊員達や地上で戦う者たち全員に、雨のように降り注ぐ。


「 ────ぐぐっ……。 」


「 ……っつ!! 」


仲間を庇うため、自らの体を盾にするようにいち早く上昇した父とサンサ、ヒューイとバンはその緑の雨をしっかり浴びてしまい、苦しそうに顔を歪めた。

ハッ!として苦しむ父達を見ると、おそらくその緑の雨が当たったと思われる箇所が緑色に変色し、ジワジワと周辺の肌に広がっていく。


「 なんだ……?!あの肌は……? 」


《 分からないけど……どんどんHPが削られていってる!

このままじゃ……。 》


またしても正体不明の毒に、俺とヴィーが焦って、本体へ攻撃を仕掛けようとしたその時────……。


《 ギャッギャギャギャギャ────……ギャギャッ!!!! 》


本体を構成する部品達が大きな口を開けて笑い出し、そのまま空へ急上昇!

そして羽を折りたたむと……そのまま大きく羽を広げた。


────ドンッ!!!!


ドドドド────ン!!!!


すると、広げた羽から黄色い粉のようなモノが舞い、突然それが雷のように帯電すると……稲妻となって地上を襲う。


「 ────っ!くそっ!! 」


もう一度スキル< 竜結束の大盾 >で耐えるが、大きく飛ばされ、ヴィーが慌てて空中で体制を整えた。


《 こ、これも多分毒だ!!

地上のドワーフ騎士団が……! 》


俺もヴィーも結構なダメージを喰らい、肩で大きく息を吸いながら地上を見下ろすと、すべての稲妻攻撃を受けたドワーフ騎士団達の体中にギザギザの黄色い痣が浮かんでいた。


「 ────グッ……! 」


「 これは……毒かよ……くっ……そ……。 」


父たちと同じく顔を歪めて苦しそうなドワーフ騎士団。

しかし、父達もドワーフ騎士団も、気丈にもその痛みに耐え< ジョロウ・キング >を睨みつける。
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