【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十五章

1420 世界にとっての……

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( ジャリー )


「 すまないが、世界にとって ” 役立たず ” で ” 無価値 ” なのは、君達の方なんだよ。

さぁ、彼女たちに与えた痛みは全て返そう。


────平等にね? 」


突然おっとりした男性の声が背後から聞こえたかと思えば、私の両肩を優しく触る感触がして、ビクリッ!!と体を動かす。


……神様…………?


慌てて後ろを向こうとしたのだが……その前にその人のスキルが発動し、突然体から痛みが引いていった。



<癒人師の資質>(ユニーク固有スキル)

< 平等の慈愛心 >

ある一定以上の悪意、殺意、正当性のない状態で受けたダメージを、全て一定以上の精神汚染度のある者たちへと与える事ができる特殊系攻撃スキル

ただし一定以下の精神汚染度の者のダメージしか返す事はできない

(発現条件) 

一定以上の悪意、殺意、正当性のない攻撃を目の当たりにし、更にそれを解決する事

一定回数以上の正当性がない攻撃を受けた事がある事

一定以上の純白、潔癖、正義、正当性、慈愛、悪に対する憎しみを持ちながら一定以下の精神汚染度を保つ事



「 痛みが……? 」


私が信じられない想いで両手の手のひらを見つめると、直ぐに倒れてしまったルビーの方を振り向く。

すると、ルビーも同じく痛みがなくなったのか、不思議そうな顔で起き上がっていた。

しかし、それを反比例するように……。


「 ぎっぎゃああああああああっ!!!! 」


「 ヒィィィィィっ────~~……!!!!い、痛いぃぃぃぃ~痛いぃぃぃ~!! 」


「 ひ……ヒギぃぃぃぃ~っ!!!あああああ────!!!

痛いっぃぃぃ~痛いぃぃぃ!!!チキショウぉぉぉ~私の顔がぁぁぁぁ!!! 」


男や院長、そして他の客たちや男の仲間たちが全員その場に倒れ、顔はボコボコと変形し血だらけで叫んでいるのを目にして、私とルビーはギョッ!と目を剥いた。


な、なんで奴らの方があんなにボロボロに……??


ポカーン……としている私から手を離し、助けてくれたらしいその人は前に進み出て、のたうち回る彼らを冷静に見下ろす。


「 神様の使いである子どもに手を出すとは……君たちは ” 役立たず ” で ” 無価値 ” なだけでなく、神に逆らいし大罪人にまで成り下がった。

もうそれ以上 ” 下 ” はないよ。

世界にとっては悪臭を振りまくゴミと同種だ。

とても残念だよ。

特に同じ神の使いの神官から、そんなゴミが出てしまうとはね……。 」


「 だ……大司教……様……っ! 」


院長がヒィヒィと涙を流しながら呟くと、周りで痛みに苦しむ者たちは全員顔色を変えた。


大司教様といえば、教会のトップに君臨している方だ。

そんな偉い方がどうしてここに……?


ルビーと共に不思議に思っている間にも、客たちやリーダーの男の仲間達はギャーギャーと悲鳴混じりに言い訳を始めた。


「 私達は何もしてませんんんん~……どうかお許しをぉぉぉぉ~! 」


「 そ、そうですぅぅ~……。ただ……私達は……あの男と神官のババァに……呼ばれただけで……。

なのに顔がぁぁ~私の美しい顔がぁぁぁ~……!! 」


そうしてリーダーの男と院長に責任を押し付ける客たちに、リーダーっぽい男は突然ブチギレる。


「 ふっ、ふざけるなよ!!俺だってこの女に騙された被害者だからなっ!!

────おい、クソババァ!!!これはどういう事だよっ!!

こんなふざけた事に巻き込みやがってっ!!!

俺はこんな子供を売るなんていう非道な事、聞いてなかった!!

ぜ~んぶこの気持ちわりぃ色ボケババァが一人で計画したんだ!!

俺は関係ねぇ!! 」


「 …………えっ?そ、そんな……。ひ、酷い……。

私の事愛しているから……一緒に結婚資金貯めようって……だから私……私……。 」


院長が痛みとは違う涙を流すと、男は院長にペッ!と唾を吐きかけた。


「 はぁぁぁ~?頭湧いてんのかよ。ババァ。

お前みたいなドブスで年老いたババァ誰が相手すんだよ、キモっ!!!

お前一人が悪者なんだから、さっさと罪を償って死ねよ、この役立たず!! 」


とても醜い言い争いを見て、自分があのままこの人たちが言っている ” 役立たず ” のまま流されれば……多分自分もここに行き着いていただろうなと漠然と思う。


私にとって、これは正しくない事だ……。


そのまま ” 自分たちは何もしていない! ” そう主張し続ける彼らをボンヤリと見つめていると、助けてくれた大司教様は、まるで子どもに言い聞かせる様に言った。


「 知らない者たちが多い様だが……何もしない事は ” 悪 ” なんだよ。

私はそれをよく知っている。

だからきっと私もいつかは罰を受けるだろうが……その時は甘んじてそれを受けるつもりだよ。

────さて、それはさておき、今回君たちがした罪は非常に重い。

なにせ神の使いである子どもたちを傷つけたのだから。

それを傍観するのも大罪なのは、いくら君たちがおろかでどうしようもない役立たずなゴミだとしても知っているだろう?

────ね? 」

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