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第四十六章
1433 悪の天敵
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( エイミ )
「 私は……どうすればよかったの……? 」
後悔の次に襲ってきたのは沢山の疑問。
あの時ああすれば良かったのか、こうすれば良かったのか……?
その答えを私は男に求めたのだが……男はコチラを振り返る事なく去っていってしまった。
自分を殺してまで助けようとした両親と一緒に……。
その後────沢山の ” 知りたい ” で一杯になった私が選んだ職業は、【 諜報ギルド 】だ。
そこで沢山の人たちに人生や在り方を知り、自分という存在を少しづつ少しづつ客観的に見れる様になっていった。
しかし、私の頭の中にはずっとあの男がいて、どうしても……。
” もう一度会いたい ”
そう思う様になって、私はその男について詳しく調べ始めたのだが……全くといって良い程男の情報は掴めなかった。
唯一分かっているのは、【 フォレスト商会 】という、金融商会のトップに君臨しているということだったが、この【 フォレスト商会 】自体が謎に包まれていて、それも一切情報が入らない。
ただ気がつけばあって、他の金融商会をどんどん潰しては、規模を大きくしていった事。
そして、現在では例え貴族であろうとも、おいそれと手に負える様な組織ではない事。
その事実のみしか分からなかった。
「 ……今日も駄目か~……。 」
その日も集まらない情報にハァ……とため息をつきながら、諜報ギルド内を歩いていた時、突然背後から肩を叩かれ振り向けば、そこにいたのは傭兵ギルド長を努めていたオリビア様であった。
「 オ、オリビア様……? 」
諜報ギルト員であるが故、オリビア様の事は知ってはいたが、実際に会ったのはこれが初めて。
そのため、どうして自分の様な一般ギルド員を呼び止めたのかが分からず困惑する。
────あ、もしかして道案内的な……?
自分に対しての用事ではないと思いホッとしたが、予想に反してオリビア様は開口一番私に向かって言った。
「 あの男の事を嗅ぎ回るのは止めておきな。 」
「 ────!!何か知っているんですか!? 」
あの男というと一人しか思い浮かばなかったため、 ” やっと手がかりが!? ” と興奮して詰め寄ってしまう。
するとギルド内全体にまで響く私の声を聞いたオリビア様は、あちゃ~……と困った様に片手でオデコを押さえ、私を引っ張ってギルド内にある会議室の様な場所へと私を連れて行った。
◇◇◇◇
「 す……すみません……。 」
シン……と静まり返っている薄暗い部屋の中で、一気に冷静になってオリビア様に頭を下げる。
するとオリビア様はハァ……とため息をついて困った様に笑った。
「 やれやれ……。ちょっと忠告してやろうと思っただけだったんだけどねぇ。 」
「 本当にすみません……。でも、やっと見つけた手がかりなモノで……。 」
真っ赤になりながらペコペコ謝る私を見て、オリビア様は笑うのを止めて「 なぜそんなにあの男の事を調べたがる? 」と尋ねてくる。
私はそれを聞かれて────正直分からなかった。
なぜもう一度会いたいのか。
明確な答えはない。
ただ────……。
「 ……聞きたいと思ったから……。 」
それだけ答えた。
するとオリビア様は、再度大きなため息をつき、そのままボソボソと話し出す。
「 ……奴の顔を見た事ある奴はいないし、正体も謎のまま。
ただ、気づいたらやばい奴らの巣窟の金融商会のトップになっていた。
確かな事はそれくらいだ。
それと……その【 フォレスト商会 】が、そんな下手に手が出せない程大きい組織になっちまった理由は、沢山の血が流れているからって事くらいだな。 」
「 …………。 」
【 フォレスト商会 】によって潰された商会は沢山あって、そのやり方には────多くの血がついて回っている。
それは調べている内にチョコチョコと出てきて、潰された商会のトップや上層部が行方不明は可愛いモノ。
他にはまるで見せしめのように、ターゲットに仲間の一部を贈りつけたり、わざとトップを残し脅す様に周りから少しづつ消したりと……中々残忍極まりないやり方で追い詰めている様だ。
でも…………。
私はあの時蹴られた腹に手を当て、黙る。
すると、オリビア様は仕方がないと言わんばかりに苦々しい表情を見せて話し出す。
「 盗み、恐喝、殺し……なんでもやる残忍な男だ。
しかも……強い。
それこそ、私が100人いても敵わないかもしれないね。
あんたくらいの歳には、もう既にそのくらいの強さは持っていたよ。 」
「 ??私くらいの歳で……? 」
まだ成人になりたてくらいで既にそんな力を持っていたのか……。
思わずゾッとする話だが、なぜオリビア様がそんな事を知っているのだろう?
それを尋ねようとしたが、その前にオリビア様が続きを話しだしたため、口を閉じる。
「 アイツは常識の通じない、別次元の恐ろしい存在だ……。
ただ……法律の目をかい潜って野放しになっている悪人しか殺さない。
言うなれば ” 悪の天敵 ” ってやつだな。
理由は────……分からない。 」
「 私は……どうすればよかったの……? 」
後悔の次に襲ってきたのは沢山の疑問。
あの時ああすれば良かったのか、こうすれば良かったのか……?
その答えを私は男に求めたのだが……男はコチラを振り返る事なく去っていってしまった。
自分を殺してまで助けようとした両親と一緒に……。
その後────沢山の ” 知りたい ” で一杯になった私が選んだ職業は、【 諜報ギルド 】だ。
そこで沢山の人たちに人生や在り方を知り、自分という存在を少しづつ少しづつ客観的に見れる様になっていった。
しかし、私の頭の中にはずっとあの男がいて、どうしても……。
” もう一度会いたい ”
そう思う様になって、私はその男について詳しく調べ始めたのだが……全くといって良い程男の情報は掴めなかった。
唯一分かっているのは、【 フォレスト商会 】という、金融商会のトップに君臨しているということだったが、この【 フォレスト商会 】自体が謎に包まれていて、それも一切情報が入らない。
ただ気がつけばあって、他の金融商会をどんどん潰しては、規模を大きくしていった事。
そして、現在では例え貴族であろうとも、おいそれと手に負える様な組織ではない事。
その事実のみしか分からなかった。
「 ……今日も駄目か~……。 」
その日も集まらない情報にハァ……とため息をつきながら、諜報ギルド内を歩いていた時、突然背後から肩を叩かれ振り向けば、そこにいたのは傭兵ギルド長を努めていたオリビア様であった。
「 オ、オリビア様……? 」
諜報ギルト員であるが故、オリビア様の事は知ってはいたが、実際に会ったのはこれが初めて。
そのため、どうして自分の様な一般ギルド員を呼び止めたのかが分からず困惑する。
────あ、もしかして道案内的な……?
自分に対しての用事ではないと思いホッとしたが、予想に反してオリビア様は開口一番私に向かって言った。
「 あの男の事を嗅ぎ回るのは止めておきな。 」
「 ────!!何か知っているんですか!? 」
あの男というと一人しか思い浮かばなかったため、 ” やっと手がかりが!? ” と興奮して詰め寄ってしまう。
するとギルド内全体にまで響く私の声を聞いたオリビア様は、あちゃ~……と困った様に片手でオデコを押さえ、私を引っ張ってギルド内にある会議室の様な場所へと私を連れて行った。
◇◇◇◇
「 す……すみません……。 」
シン……と静まり返っている薄暗い部屋の中で、一気に冷静になってオリビア様に頭を下げる。
するとオリビア様はハァ……とため息をついて困った様に笑った。
「 やれやれ……。ちょっと忠告してやろうと思っただけだったんだけどねぇ。 」
「 本当にすみません……。でも、やっと見つけた手がかりなモノで……。 」
真っ赤になりながらペコペコ謝る私を見て、オリビア様は笑うのを止めて「 なぜそんなにあの男の事を調べたがる? 」と尋ねてくる。
私はそれを聞かれて────正直分からなかった。
なぜもう一度会いたいのか。
明確な答えはない。
ただ────……。
「 ……聞きたいと思ったから……。 」
それだけ答えた。
するとオリビア様は、再度大きなため息をつき、そのままボソボソと話し出す。
「 ……奴の顔を見た事ある奴はいないし、正体も謎のまま。
ただ、気づいたらやばい奴らの巣窟の金融商会のトップになっていた。
確かな事はそれくらいだ。
それと……その【 フォレスト商会 】が、そんな下手に手が出せない程大きい組織になっちまった理由は、沢山の血が流れているからって事くらいだな。 」
「 …………。 」
【 フォレスト商会 】によって潰された商会は沢山あって、そのやり方には────多くの血がついて回っている。
それは調べている内にチョコチョコと出てきて、潰された商会のトップや上層部が行方不明は可愛いモノ。
他にはまるで見せしめのように、ターゲットに仲間の一部を贈りつけたり、わざとトップを残し脅す様に周りから少しづつ消したりと……中々残忍極まりないやり方で追い詰めている様だ。
でも…………。
私はあの時蹴られた腹に手を当て、黙る。
すると、オリビア様は仕方がないと言わんばかりに苦々しい表情を見せて話し出す。
「 盗み、恐喝、殺し……なんでもやる残忍な男だ。
しかも……強い。
それこそ、私が100人いても敵わないかもしれないね。
あんたくらいの歳には、もう既にそのくらいの強さは持っていたよ。 」
「 ??私くらいの歳で……? 」
まだ成人になりたてくらいで既にそんな力を持っていたのか……。
思わずゾッとする話だが、なぜオリビア様がそんな事を知っているのだろう?
それを尋ねようとしたが、その前にオリビア様が続きを話しだしたため、口を閉じる。
「 アイツは常識の通じない、別次元の恐ろしい存在だ……。
ただ……法律の目をかい潜って野放しになっている悪人しか殺さない。
言うなれば ” 悪の天敵 ” ってやつだな。
理由は────……分からない。 」
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