【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十八章

1462 戦う者達

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( カルパス )

「 ジェンス王国傭兵ギルドからただいま参上! 」

「 レイティア王国傭兵ギルド、到着しました。 」

「 ガンドレイド王国傭兵ギルド、要請に応じて到着したぞ! 」


魔道路から一斉に落ちてきたのは、他種族の傭兵達。

彼らはあらかじめ私が指示を送った通りに、いくつかのグループに別れてクイーン達の前に立ち塞がった。


「 す……凄い数の傭兵達だ……。 」 

「 これなら……イケるっす! 」


モルト君とニール君が拳を握って叫ぶと、人族の傭兵達全員は即座にそのグループ分けの理由を理解したらしい。

直ぐに自分たちもそれに適応したグループに分かれて配置につく。

よしっ!と私も同様に拳を握ると、突然背後から声が聞こえた。


「 有意義な情報をありがとう!

ちゃんと能力がバラけている人選をしたから任せてよ。 」


直ぐに後ろを振り返ると、そこにいたのは大きな体の狼獣人の傭兵で、手のひらを私に向ける。

私はフッと笑いながら、その手の平をバシッ!と叩いた。


「 コチラこそ助かった。

いつもありがとうございます。


   
────。 」


狼の獣人は、人差し指を口元につけ ” シー……。 ” と囁くと、ニッコリと嬉しそうに笑う。


「 その名を呼ぶのはそれで最後にしてね。

────ウォッホン!!


さぁさぁ!!俺は傭兵ギルドの期待のエースぅぅぅぅ~!!コージャ様だ!!

楽しい楽しいお祭りの始まりだ~!!やっほ~~っ!!!! 」


コージャは、力拳を周囲に見せつけた後、自身の担当するグループへと走っていった。


《 ギャギャギャぁぁぁぁぁぁっ!!!!! 》


クイーンは突然現れた沢山の傭兵達に驚いたのか、髪を振り乱しながら叫ぶと、そのまま柱の様に立つ魔力を体中から発生させる。


そのせいでその場はまるで台風の様な強風が吹き、堪らず私は顔を両腕で覆った。


ユニークな能力に加え、Sランクモンスターの脅威は単純なステータス値にもある。

一体その体力値は如何程のものか……、

想像がつかない!


「 ……くっ……。どうにかその能力値を可視化できれば……! 」


「 問題ありません。お任せを……! 」


強風が落ち着いて直ぐ、エルフ族の一集団から声が上がり、そのままスキルを発動。


突然クイーンの真上に巨大なボードの様なモノが浮かび上がり、獣人以外の傭兵達からは拍手が起こった。



( 合体スキル )

< 強制開示 >

一定以上の鑑定力、洞察力、推理力、精神力、鑑定経験数、戦闘経験数を持つ戦闘系資質ノ者達50人以上で発動する鑑定系スキル

対象とした敵のステータス値を強制開示し可視化する事ができる



その巨大なボードには現在のクイーンのステータス値が描かれていて、これで戦いがだいぶ楽になる!と喜んだが……その数値はやはり目を見張るもので、全員の顔に焦りと不安が浮かぶ。


「 くそ~!化け物みたいな体力値してやがるな……。 」

「 しかもダメージは均等に……ですか……。

これは骨が折れそうですね。 」


獣人族とエルフ族の傭兵達が邪魔をするクレイジー・アント達を倒しながら、考え込んでいると、ドワーフ族の傭兵達が声をあげる。


「 俺達のスキルでそれぞれのダメージ量の計算だけならできるぜ!

だが……情報を統括する奴がいねぇと無理だ! 」



( 合体スキル )

< 分配解析 >

一定以上の鑑定力、器用さ、好戦、戦闘経験数を持つ戦闘系資質の者達50人以上で発動する鑑定系スキル

対象とした敵の各ダメージ量を即座に計算し、自身の頭の中でそれを表示する事ができる



飛び交う情報の中で、この場に最も必要なスキルを持っている者達がいる事に、私は感謝した。


「 流石はエルビス。

情報に関しては右に出るものはいないな。 」


私はフッと笑いを漏らしながら、スキルを発動する。



<影従士の資質>(ユニーク固有スキル)

< 影繋ぎ >

自身の影を ” 糸 ” 状態にして、それを対象に縫い付ける事で情報コミュニティーを創り出す情報共有系スキル

共有できる人数は、自身の魔力、魔力操作、独自の世界観を持つ存在との接触経験、影響値により増やす事ができる

( 発現条件 )

一定以上の魔力、魔力操作、独自の世界観を持つ存在との接触経験、影響値を持つこと

一定以下の精神汚染度かつ、一定以上の感情ゲージ値を持っている事



私の< スキル >は、即座にその場の全員を繋ぎ、クイーンの総ダメージ量の情報を共有化すると、傭兵達からワッ!!と歓声があがった。


「 頭の中にダメージグラフみたいなのが出てきたわ!! 」

「 これなら……!! 」


全員が希望で目を光らせ攻撃しようとしたその時────……。


「 ストッ~~プッ!!! 」


突然皆の動きを止める声が上がり、全員一斉にそちらを向くと、そこにはクイーンの最初の形態の足先部分を持っているムーシェがいた。


「 最初の脱皮の前に少し千切って頂いたんだ。

こいつ体力ヤベェからさ~。

ここで全員一気にパワーUPだ! 」


ムーシェは、その足先の殻部分を一瞬で剥くと、中から姿を現したカニの身の様な赤い肉に齧り付く!

ムシャムシャと美味しそうに咀嚼する姿を見たニール君以外の全員は顔面蒼白だ。


「 はい!ごちそうさまでした!! 」


完食したムーシェがパンッ!と両手を合わせると、その場の全員に強化スキル効果が掛かった。
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