1,512 / 1,649
第四十八章
1469 セリナの人生
しおりを挟む
( セリナ )
「 攻撃を一旦中止!
全員、クレア様の盾の後ろへ避難しろぉぉぉ!! 」
「「「「 了解っ!!! 」」」」
目の前の赤い巨人が大きく口を開いたのを見計らい、直ぐに指示を出すと、速やかに全員が盾の後ろへと下がる。
────ドンッ!!!
馬鹿みたいな火力のレーザー砲は、そのまま盾の犠牲者達によって無効化され、それを見届けた瞬間、クルト、レイド、サイモンが同時に飛び出し攻撃を開始し、更に他の前衛班も飛び出した。
勿論私も。
少しづつではあるがダメージは通っている。
このチャンスを逃すものかと攻撃を続け、また口からビーム砲を撃とうとしたタイミングを見て────私は巨人たちに近づき、その体に触れた。
<言語調律師の資質>(ユニーク固有スキル)
< 文字令 >
物体に文字をつけて、その物質自体の性質を変える、変化型想像スキル
自身の知力と言語理解能力により、扱える文字数が決まり、魔力、魔力操作、根性、努力値によって変化能力の強さが決まる
(発現条件)
一定以上の知力と言語理解能力、魔力、魔力操作、根性、努力値魔力、魔力操作、言語理解能力があること
一定量以上の文字を読み、理解する事
一定以上の文字達へのリスペクト値がある事
巨人たちの体に『 口 』『 閉 』『 硬 』の三文字を縫い付けてやれば、巨人たちの口は閉じたまま開くことができなくなる。
すると────……。
────ドンッ!!!!
凄まじい爆発音が巨人の口の中から聞こえ、大きく穴が開いた目からモクモクと黒い煙が立ち上っていった。
どうやら口の中でビーム砲は放たれ、そのまま爆発したようだ。
「 ────やったか? 」
期待を込めて巨人達を見つめたが────突然ブブブ……!と巨人たちの姿がブレ始めた。
「 ……っ!?また!? 」
「 ルーン先生のスキルで巨人たちに掛けられた幻影スキルは解除されたんじゃねぇのかよ! 」
サイモンとレイドがギョッ!としながら、すかさず巨人たちに攻撃を仕掛けるが……スカッ!とその体は通り抜け、攻撃自体が当たらなくなってしまう。
一体どういう事だと首を傾げた瞬間、解析に成功した解析班から声が上がった。
「 赤い巨人の位置特定不可能!
どうやら今度は巨人達にではなく────私達に敵の幻影魔法スキルが掛けられたようです!
詳細は不明のため解除ができません!! 」
「 なんだと……! 」
( 先天スキル )
< 夢心地獄 >
敵の五感全てを惑わす幻影系攻撃スキル
敵の感覚系は全て破壊され、術者の都合のよい現実しか見ることができなくなる
先程の様に味方にではなく、今度は敵である私達に掛けられた幻影スキルの様なモノ。
生徒達は自分の頬を抓ったりお互い殴り合ったりで幻影を晴らそうとしたが……勿論それくらいで解除できるはずはない。
「 全く……嫌になるな。
人の心を惑わそうとするクズは、モンスターにもいるのか……。 」
忌々しさに舌打ちをしながらそう呟くと……私の脳裏には今までの人生が走馬灯の様に過っていった。
◇◇◇◇
私、セリナは幼き頃にモンスター襲撃によって父を失くし、それ以来母と共に生きてきた。
母は亡くなった父と一緒に珍しい言語学者をしていて、とても働き者であったため生活には困らない────はずだったが、そうはいかず。
母の妹、つまり私の叔母がどうしようもない女であったため、困難な生活を強いられ続けた。
” ごめんね……。持病のせいで働けないの……。
お金、今月もお願いね。 ”
” 本当にごめんね……ねぇさんだって大変なのに……。
でも……唯一の家族であるねぇさんにしか頼めないの……。 ”
申し訳無さそうにペコペコしながら毎日の様にお金をせびりに来る叔母さん。
でも本当は持病なんてなかったし、働きたくないから人の良い母に集りに来ていただけ。
そんなクズな女でも、母は自分の唯一の肉親だと見捨てることはできずに、私に回すお金以外は殆ど叔母に渡していた様だ。
それが分かったのは、母が倒れてから。
病の根本的な原因は、過労と栄養不足だと聞いて、私は絶句してしまう。
しかし、それでも母は叔母を信じていたが……結局あんなに世話を掛けた母にビタ一文金は出さず、更に忙しいからと一度も会いにもこないまま────母は最後を迎えたのだった。
私は母にできうる限りの治療を受けさせたかったため借金も背負ったが……最後は私に謝りながらも安らかに眠った母に後悔はない。
このまま準成人を迎えるまでは孤児院で過ごし、その後は少しづつ借金を返していこう。
そう決めた矢先、突然叔母がしゃしゃり出てきたのだ。
” 大事な姉の忘れ形見ですので、私が引き取って育てます! ”
涙ながらに訴えたその言葉を全員が信じ、私は叔母に引き取られる事になるが……当然叔母にそんなつもりなどなかった。
「 攻撃を一旦中止!
全員、クレア様の盾の後ろへ避難しろぉぉぉ!! 」
「「「「 了解っ!!! 」」」」
目の前の赤い巨人が大きく口を開いたのを見計らい、直ぐに指示を出すと、速やかに全員が盾の後ろへと下がる。
────ドンッ!!!
馬鹿みたいな火力のレーザー砲は、そのまま盾の犠牲者達によって無効化され、それを見届けた瞬間、クルト、レイド、サイモンが同時に飛び出し攻撃を開始し、更に他の前衛班も飛び出した。
勿論私も。
少しづつではあるがダメージは通っている。
このチャンスを逃すものかと攻撃を続け、また口からビーム砲を撃とうとしたタイミングを見て────私は巨人たちに近づき、その体に触れた。
<言語調律師の資質>(ユニーク固有スキル)
< 文字令 >
物体に文字をつけて、その物質自体の性質を変える、変化型想像スキル
自身の知力と言語理解能力により、扱える文字数が決まり、魔力、魔力操作、根性、努力値によって変化能力の強さが決まる
(発現条件)
一定以上の知力と言語理解能力、魔力、魔力操作、根性、努力値魔力、魔力操作、言語理解能力があること
一定量以上の文字を読み、理解する事
一定以上の文字達へのリスペクト値がある事
巨人たちの体に『 口 』『 閉 』『 硬 』の三文字を縫い付けてやれば、巨人たちの口は閉じたまま開くことができなくなる。
すると────……。
────ドンッ!!!!
凄まじい爆発音が巨人の口の中から聞こえ、大きく穴が開いた目からモクモクと黒い煙が立ち上っていった。
どうやら口の中でビーム砲は放たれ、そのまま爆発したようだ。
「 ────やったか? 」
期待を込めて巨人達を見つめたが────突然ブブブ……!と巨人たちの姿がブレ始めた。
「 ……っ!?また!? 」
「 ルーン先生のスキルで巨人たちに掛けられた幻影スキルは解除されたんじゃねぇのかよ! 」
サイモンとレイドがギョッ!としながら、すかさず巨人たちに攻撃を仕掛けるが……スカッ!とその体は通り抜け、攻撃自体が当たらなくなってしまう。
一体どういう事だと首を傾げた瞬間、解析に成功した解析班から声が上がった。
「 赤い巨人の位置特定不可能!
どうやら今度は巨人達にではなく────私達に敵の幻影魔法スキルが掛けられたようです!
詳細は不明のため解除ができません!! 」
「 なんだと……! 」
( 先天スキル )
< 夢心地獄 >
敵の五感全てを惑わす幻影系攻撃スキル
敵の感覚系は全て破壊され、術者の都合のよい現実しか見ることができなくなる
先程の様に味方にではなく、今度は敵である私達に掛けられた幻影スキルの様なモノ。
生徒達は自分の頬を抓ったりお互い殴り合ったりで幻影を晴らそうとしたが……勿論それくらいで解除できるはずはない。
「 全く……嫌になるな。
人の心を惑わそうとするクズは、モンスターにもいるのか……。 」
忌々しさに舌打ちをしながらそう呟くと……私の脳裏には今までの人生が走馬灯の様に過っていった。
◇◇◇◇
私、セリナは幼き頃にモンスター襲撃によって父を失くし、それ以来母と共に生きてきた。
母は亡くなった父と一緒に珍しい言語学者をしていて、とても働き者であったため生活には困らない────はずだったが、そうはいかず。
母の妹、つまり私の叔母がどうしようもない女であったため、困難な生活を強いられ続けた。
” ごめんね……。持病のせいで働けないの……。
お金、今月もお願いね。 ”
” 本当にごめんね……ねぇさんだって大変なのに……。
でも……唯一の家族であるねぇさんにしか頼めないの……。 ”
申し訳無さそうにペコペコしながら毎日の様にお金をせびりに来る叔母さん。
でも本当は持病なんてなかったし、働きたくないから人の良い母に集りに来ていただけ。
そんなクズな女でも、母は自分の唯一の肉親だと見捨てることはできずに、私に回すお金以外は殆ど叔母に渡していた様だ。
それが分かったのは、母が倒れてから。
病の根本的な原因は、過労と栄養不足だと聞いて、私は絶句してしまう。
しかし、それでも母は叔母を信じていたが……結局あんなに世話を掛けた母にビタ一文金は出さず、更に忙しいからと一度も会いにもこないまま────母は最後を迎えたのだった。
私は母にできうる限りの治療を受けさせたかったため借金も背負ったが……最後は私に謝りながらも安らかに眠った母に後悔はない。
このまま準成人を迎えるまでは孤児院で過ごし、その後は少しづつ借金を返していこう。
そう決めた矢先、突然叔母がしゃしゃり出てきたのだ。
” 大事な姉の忘れ形見ですので、私が引き取って育てます! ”
涙ながらに訴えたその言葉を全員が信じ、私は叔母に引き取られる事になるが……当然叔母にそんなつもりなどなかった。
106
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
校正も自力です(笑)
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!
2026/3/9に発売です!書籍は2026/3/11に発売(予約受付中)です!イラストは、にとろん様です。よろしくお願い致します!
ファンタジー小説大賞に投票して頂いた皆様には、大変感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる