【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十八章

1477 俺達には通じない!

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( フラン )

────ぽぽぽぽっ……!

小さな狐火が空に沢山上がると、白い空の至る所にそれが燃え移り、あっという間にそれは広がっていく。


《 ぎぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁ────っ!!!!! 》


ナイト・カゲロウの大きな悲鳴が聞こえ空はまた元の黒へと戻ると……また元の大きさのナイト・カゲロウが姿を現した。


「 ────っ!!ナイト・カゲロウのフィールド消失!!

また姿を現しました!! 」


解析班からの情報に、全員がワッ!!と歓声を上げたが、ナイト・カゲロウの顔は怒りで大きく歪んでおり、まるで歯ぎしりのような音が口元から聞こえる。

どうやらそうとうご立腹の様だ。


「 お母さん、凄~い! 」

「 いいぞ~!サイモンの母ちゃん! 」


サイモン殿とレイド殿が揃って手を叩き合うと、アレン殿はニヤッと笑い、後方に向かって言った。


「 さっ、幻影魔法は潰したよ。

後は野蛮な動物さん達が頑張ってね~。 」


ヒラヒラ手を振りながらアレン殿が言うと、他のエルフの団員達がチッ!!と舌打ちした瞬間────また一斉に沢山の魔道路が開き、そこからドッ!と獣人族の戦闘員達が飛び出してくる。


「 ────なっ!!じゅ、獣人族まで……?! 」

「 おいおい、マジかよ……。 」


クルトとセリナが呆気に取られながら呟くが、全員が同じ気持ちだ。

獣人達は人族では難しい重量のある武器を持ち、前衛班がいる場所へ即座に配置についた。


「 ジェンス王国の各街の守備隊、到着致しました~! 」


武器を上に掲げて宣言した彼らは、直ぐにもうボロボロになっているクレア殿の盾の前に立ち、一斉に武器を構える。


《 ガァァァァァァァっ!!! 》


すると、赤い巨人はチャンスとばかりに大きな口を開け、高火力ビーム砲を────撃つ!!


「 ────あっ!! 」

「 危ないっ!!! 」


後衛にいるレナとルーンが叫んだが、獣人達はニヤッと不敵な笑みを浮かべた。


「 ジェンスの守備隊の守備力は世界一!

簡単に攻撃は……通さねぇよ? 」



( 合体スキル )

< 巨大獣王の仁王立ち >

一定以上の身体的能力値を持った獣人族50人以上が集まって発動可能な専用合体防御系スキル

それぞれの防御力を合計し、更に好戦、根性、好奇心、無邪気、負けん気、感情値が高い程防御力は極UPする



────ドンッ!!!!


ビーム砲は獣人族の合体スキルによって真正面から受け止められ、そのまま上空に打ち上げられると、その背後から飛び出したのは、獣人の前衛攻撃班だ。

ビームを弾かれ、次は両手をがむしゃらに振り回す赤い巨人達に向かい、それぞれが単体でその攻撃を弾き返している。

凄い力だ!



( 合体スキル )

< 巨大獣王の鉄槌 >

一定以上の攻撃力を持った獣人族50人以上が集まって発動可能な専用合体攻撃強化系スキル

それぞれの攻撃力を合計し、更に好戦、根性、好奇心、無邪気、負けん気、感情値が高い程攻撃力は極UPする



赤い巨人は攻撃を繰り出したくとも、獣人達の攻撃のせいで隙がない様だ。

その猛攻撃を見て、” おおおおおお────!! ” とそこら中から歓声が上がった。


「 流石は獣人族だ。

物理特化の彼らにとって、赤い巨人の攻撃は問題ないという事か……。 」


改めてそのタフさに驚かされる。


「 おっしゃー!!俺だって~!!! 」


獣人のレイド殿はどうやら同種達の戦いに触発されたらしく、ウズウズしながら飛び出そうとしたのだが……突然その頭に片手を乗せ、パーン!!と前に飛び出した獣人族の女性の姿が見えた。


「 ────ふぎゃっ!! 」


するとそのままレイド殿は後ろに仰け反り悲鳴を上げるが、その姿を見てその女性は意地悪い笑みを浮かべる。


「 ば~か!

弟のくせに生意気なのよ!私が先────!! 」


「 ラ、ラン姉ちゃん!? 」


赤い髪を一つに束ねて上で纏めたお団子ヘアー。

ピンッ!と立った犬の耳にフサフサ尻尾。

レイド殿に非常によく似たツリ目は、血縁関係を想像するに容易い容姿をしていた。


どうやら彼女はレイド殿の姉君らしい。


彼女はニンマリ笑いながら大剣を振り回しパパ~ッ!と先に前に走っていく。


「 あ────っ!!姉ちゃんずりぃぞっ!!! 」


レイド殿は頭から湯気を飛ばしながら、その後を追いかけ競うように赤い巨人に戦いを挑み始めた。

そのままワーワーとしょうもない言い合いをしながら攻撃する二人だったが、赤い巨人がそれをチャンスとばかりに、両手を握り叩きつけの攻撃を繰り出そうとした瞬間────随分と体格が良い男性が、そんな二人の襟首を掴んで後ろへポイッと放り投げる。


筋肉質なガシッとした体型に、頭には丸みを帯びた耳。

どうやら熊?の獣人か何かの様だ。


その男性は、振り下ろされる赤い巨人の手を難なく素手で受け止めると、そのまま強烈なパンチを繰り出した。
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